金沢トマトと金沢市長

金沢トマトの初出荷

 本日、JA金沢市のトマトの初荷を迎えた。金沢市打木・安原産の抑制トマトは毎年8月下旬から始まる。11月下旬までがシーズンだ。抑制とは普通の露地栽培より作付けを遅らせ、夏野菜を秋に収穫出来るよう栽培するものだ。秋のトマトはみずみずしく、さわやかな酸味を楽しめる。また、JA金沢市のトマトは「金沢そだち」というブランド名で農協が特に力を入れている品目でもある。

山野市長来場

 本日は初荷初売りの日だが、生産者の方々は市場にいらっしゃらなかった。コロナ禍で、ご来訪を控えられたのだ。少し寂しいが仕方ないことである。だが、山野之義(ゆきよし)金沢市長は朝5時20分に売場にいらっしゃった。そして5時30分の販売開始時には、高らかにご挨拶までしてくださった。「こんな時だからこそ!おいしい金沢産トマトをみなで盛り上げて販売していきましょう!」と。

〝こんな時だからこそ〟

 金沢市場は水産売場でクラスターが出ている。全国ニュースにもなり、人々に対し、食の安全安心に不安を持たせてしまった。市長は先日、金沢市場感染対策を緊急で発令した。そんな事態だからこそ出た言葉〝こんな時だからこそ〟だ。実は、ここまで深刻になる前も、地物の農産物が始まるごとに、山野市長はよく市場に来られていた。だがコロナ禍で派手なパフォーマンスは控えるべきだろうと、静かに見守るに留めてこられた。それが今回は転換した。この危機を市場全員で乗り越えよう!ご挨拶に込められていたのは、市場関係者に向けたエールだった。この時、売場には青果関係者だけでなく、水産の卸社長、仲卸組合理事長も来られていた。われわれ市場人は〝こんな時だからこそ〟一丸となって市場の安全性を確保しなければならない。