来年の休市検討の時期
毎年、この頃から、来年の卸売市場の休開市をどうするかが問題になる。金沢市場のような地方の市場にとっては、独自に休市を設定することはできない。産地あっての市場であり、東京や大阪の大都市市場の開場日にこちらが合わせるしかない。東京や大阪が休みなのに、金沢だけが営業しても、全国の産地は〝はいそうですか〟と動いてはくれないのである。反対に東京や大阪が営業日なのに金沢だけが休むのも、販売チャンスロスになる。
奇妙な東京案
そこで現時点での東京案を入手した。まだ確定ではないそうだが、かなりまとまってきたらしい。見て驚いた。例年と傾向が違う。完全週休二日制と銘打ち、一見、整然と日曜と水曜日を休市設定にしている。そのかわりに、祝日(旗日)を臨時開市という営業日に設定している…ことが多い(!)。
東京案では市場間、部門間がバラバラに
この「…ことが多い(!)」が曲者だ。東京案にモノ申す。一年を通して一貫性がない。ある週は旗日を開市にして水曜を休みにしているくせに、別の週では旗日を休み水曜を開市にしている。しかもそれをするのは青果部門だけだ。よって青果と水産の両方を有する市場では、どちらか一方だけが休み、他方が営業するといういわゆる「片肺」が頻発している。これは、青果物と水産物を双方仕入れる食品業者(小売業者)には迷惑この上ないのだ。おそらく大阪方はこの東京案には同調すまい。独自に大阪案を設定すればまたしても東京と大阪はバラバラ。さらに東京は青果と水産もバラバラ。地方の市場にとっては何ともやりにくい進展になるのだ。
シンプルな休市設定を望む
もし東京案が、一年を通してすべての祝日を臨時開市とし、すべての水曜を休みとするならば理解できる。理解どころか賛成だ。市場人としてはそれが一番有利と思う。わかりやすくシンプルであるし、メリハリもつく。生鮮青果物は時間とともに商品が劣化するので、もともと連休には馴染まないのだ。また、世間並みの休日確保を優先するなら、水曜完全休市に加え、祝日も休市とする案にも反対はしない。(ただし個人的には休みが多すぎると思っている。今の日本の社会は休みすぎだ。日本人の気質にはそぐわない。)東京案は中途半端で良くない。