泉ヶ丘高校2年生2名を案内
泉ヶ丘高校2年生の学生さん2名(男子1名、女子1名)を市場案内した。学校の自由研究の課題で、農業をテーマに選んだそうだ。農産物の流通面での実態調査として市場に来たのだ。早朝5時40分、家から市場が近いそうで、薄暗い中を歩いて来た。
誠心誠意案内する
忙しいのに面倒くさい…、案内は適当に一周して済ませよう…、と手を抜くことは簡単だ。しかし、こうした機会はとてもとても重要だと思っている。直接的に何も得はないが、誠心誠意説明するよう心がけている。市場の存在意義は何か。どういう仕組みか。課題は何か。背伸びせず、卑下もせず、ありのまま見てもらうことが大切だ。
真面目で優秀な二人
さすが泉ヶ丘高校。二人はとても聡明な学生さんだった。泉ヶ丘高校は石川県のトップクラスの公立高校であり、毎年、東京大学をはじめ一流校に何人も合格者を出している。この二人もご多分に漏れず。こちらが話すことをスッと理解してくれるし、時折り投げかけてくる質問も的を得ている。質問の質は頭の良し悪しを如実に示す。彼らは農業について勉強しているという前提だ。普通の頭の持ち主なら、市場を案内するとせりがどうのフォークリフトがどうのと目の前の事象に心がとらわれるが、彼らからの質問は、農家にとっての市場流通の便宜は何か、といった市場の本質を突く内容だった。
明日の市場流通を背負う若者たちを見据えて
こういう若い人材に市場に来てもらいたい。市場流通はモノが動く場所だが、肉体労働者を必要としているわけではない。良質な生鮮青果物を潤沢に市民に提供し、ひいては生産農家の生活を支えるのが市場の本分だ。優秀な人材が中を動かさなければならないのである。言葉に出さないまでも「うちにおいで、うちにおいで」と心の中で念じながら案内をした。私の願いは二人に届いただろうか。(んなわきゃないが。)