紋平、一本太のダブルせり

ダブルせり

 本時10月29日、石川県産農産物「高松紋平柿」と「加賀一本太ねぎ」の同時初売り日となり、場所と時間を少々違えてダブルせり販売を行った。紋平柿は「かほく市高松地区」の特産品であり、全国でもここにしかないオリジナル品種、大して一本太ねぎは加賀野菜15品目に認定されているブランド農産物である。

豪華な来賓

 せりには関係者が多数詰めかけた。特に紋平柿のほうはかほく市の油野和一郎市長を筆頭に西川組合長(JAいしかわかほく)ら、一本太ねぎは金沢市の山野之義市長、藪野部会長らである。

ご祝儀相場のあるなし

 せり結果はやや対比的な結果となった。紋平柿にはご祝儀価格が付き、桐箱入り6玉が10万円となった。対する一本太ねぎは秀品で2000円。これはご祝儀ではなく、ごくごく一般的な価格である。せりは買う側のご好意が反映されるものであり、ご祝儀がつくとニュース性が出て盛り上がるが、その価格の高低がそのまま価値を示すものではない。だから、一本太ねぎが2000円だったからといって、一本ねぎの価値が低いわけでは決してない。一本太ねぎは煮物にするとその食味の良さが初めてわかる極めておいしいねぎだ。

モチベーションを持ってもらうために

 ただし、祝儀値がつかないのにもそれなりの理由がある。一本太ねぎは見た目は普通のねぎと全く変わらない。よってそこでの差別化が図れない。生産規模も問題で、11戸が0.26haで、シーズン700箱しか生産しない希少品目だ。幻のような存在で、一般市民の人が認知できていないのだ。そうした背景があっても、ご祝儀相場がつかない。生産者にとっては張り合いがなく、モチベーションが上がらない面があろう。市場流通者としては何とか打開策を考えたいと思うところだ。