食生活を考えるみんなの集い
本日、金沢市中央卸売市場の「やさい・くだもの消費促進協議会」の講演会が午前・午後の2回に渡って開催された。午前は学生さんへの講義で、金城大学短期大学部のフードマテリアル授業の一環として、午後は市場人への講義で、青果物消費拡大を図る「食生活を考えるみんなの集い」の特別講座としてである。
コロナ禍ゆえの特別企画
本来、「やさい・くだもの消費促進協議会」の活動は、加賀野菜を材料にした料理教室を年に10数回開催することを主としてきた。しかしここ2年間は、新型コロナウイルスのため料理教室が一切開催できなかった。それでも食育活動はなにかの形で行いたい。そこで代替として企画されたのがこの特別講座である。東京から専門の学識者を招いて、青果物の基礎知識の習得、および消費振興の先端事例を学ぶ会としたものである。
ベジフルセブンの両先生
講師としてお招きしたのは、「青果物健康推進協会」の事務局長・近藤卓志さんと同顧問・金高(きんたか)有里さん。この協会はいわゆる〝ベジフルセブン〟を提唱した組織で、野菜や果物を人々が毎日しっかり摂取して健康的な生活を送ることを推奨している。近藤さんは東京から、金高先生は北海道からのお越しで、せっかく遠方から来ていただくのだからと、午前は学生に、午後は市場人に、と1日2回の講座を受け持ってもらったのだ。その内容は非常に素晴らしいものだったので、今日と明日の2回に渡って記録していくことにする。
金城短大で講義
金城大学短期大学部では、金高先生が、将来フードビジネス業界を志望する女学生に向け、青果物の基礎知識を教える授業が展開した。野菜とは何か、くだものとは何かに始まり、正しい食のあり方を「食を育むまんまカルタ」(金高先生が企画・作成・販売!)を使って伝授された。この授業で力説されたのは、〝植物は生きている〟という事実である。生きているから呼吸を続けているし、呼吸しているから時間とともにに品質が劣化する。鮮度・食べごろ・旬は自然のサイクルと命が関連している。人々が豊かで正しい食の知識を身につける際にはこうした青果物の基本の習得が欠かせない。
反応は上々
最近の学生さんは基本的に大人しい。私は教室の最後部から授業を見ていて、最初はあまり反応がなく心配だったが、かるたを始めたころから空気が柔らかくなり、90分の授業中、生徒らは熱心にノートを取っていた。授業後は「感想」をびっしりと書いて提出してくれた。授業は非常に好評だったようだ。金高先生としては、90分授業1回ではほんの触りの部分しか講義できない。先生の本拠地・札幌保健医療大学では、金高先生の授業は〝神授業〟、ゼミは一番人気であるという。本当は金沢の学生さんにも何コマもの授業を受けてもらいたいと思いながら、午前の授業時間が終りを迎え、金城大学短期大学部をあとにした。