8番らーめんのドライブイン

長丸社長と会食

 昨晩、田井屋の田井徳太郎さんのおはからいで、(株)ハチバンの長丸昌功社長と会食する機会を得た。ハチバンは言わずとしれた金沢のソウルフード「8番らーめん」の会社だ。創業者 後藤長司氏が国道8号線沿いに出店したので「8番らーめん」。フランチャイズ制を敷いて店舗数を伸ばし、長男、次男が跡を継いでからは海外にも進出した。今や国内130店、タイを中心に国外140店もの「8番らーめん」が林立する一大企業になった。

ハチバンと金沢市場

 長丸社長は後藤一族の経営を受け継ぎ、昨年3月から代表取締役社長に就任された。8番の多角経営の象徴とも言える和食事業(八兆屋、長八、市の蔵など)の統括者として辣腕を奮った人物である。8番ラーメンといえば上にたっぷりのったキャベツともやしが定番だが、残念ながらそのほとんどは金沢の卸売市場の納めではない。しかし、和食事業ではたくさんの野菜を間接的に納めさせていただいている。

ハチバンの最近の変化

 その8番らーめんだが、コロナ禍で販売方法にも多くの工夫をされている。一番は、テイクアウトとドライブスルーの拡大である。ラーメンはテイクアウトが難しいのはすぐわかる。麺類はのびるのだ。そこで、2層式の容器の下段に熱々スープ、上段に麺を入れ、食べる人が自身で直前に混ぜ合わせる方法を採用した。ドライブスルーは、注文してから作り始めるオーダーメイドだ。よって注文後にお客には駐車場で一旦待機してもらう。出来たラーメンは店員さんが届けてくれる仕組みだ。ドライブスルーもテイクアウトの一部である。ドライブするーができる店舗は今はまだ限定的だが、その店舗ではテイクアウト率がなんと全体売上の2割を占めているそうだ。これもコロナ禍による消費形態の変化の現れである。

素晴らしき企業姿勢

 ハチバンはラーメン業の王道を行きながらも常に変化を繰り返す優良企業だ。コロナ禍で感染した社員はゼロだったそうだ。驚異的である。店舗の感染対策を徹底した成果であり、社員教育に熱心なことの証左であろう。これからも大いに見習うっていきたい。