松下幸之助〝結構な時代〟

PHP金沢経営者友の会の定例会に出席

 本日、PHP金沢経営者友の会に出席した。この日は、松下幸之助が残した言葉を読んで、感想を語り合う会であった。テーマとして以下の文章が示された。

結構な時代の商売

 松下幸之助は、昔の商売人の必死さに比べれば、現代の我々の経営環境は楽なものである、と言うのである。

〝商人というものは、洋の東西を問わず、いわゆる戦乱の巷で流れ玉に当たって死ぬかもわからないという中でも商売をしてきているのです。そういうことを考えてみますと、今日の私たちを取り巻く経営環境が如何に難しいといっても、まだまだ楽なものだ、結構な時代であるということになるのではないでしょうか〟(経営のコツここなりと気づいた価値は百万両)

昔の生死の境と現代の鬱

 昔の人に比べ、現代人の心はもろい。昔は鬱病などは少なかったはずだ。人間、本当に生き死にの瀬戸際に立たされれば、ふさぎ込んでいるいる暇もないということか。鬱は人を立ち上がれなくしてしまう心の難病であり、周りの人にも大きな負担をかけてしまう。本物の死よりもある意味深刻だ。現代は死に直面しているわけではないのだから、鬱になるまで自分自身を追い詰めてしまうのは心の持ちように問題があるはずだ。松下幸之助が説く〝我々の経営環境は結構なものである〟とケロリと言ってのける心根は、まことに大事なことである。一言と言えば心のたくさしさ。不屈の魂だ。苦難の連続は当たり前と受け止め、決して心は折れることがない。だからこそ次があり、周りの人々も支えてくれる。どんな逆境にあっても心は鷹揚に構えていたい。