正月飾りも地元産で!
注連飾り(しめかざり)など正月飾りは卸売市場で扱っている。稲わらを使って農家が作り上げるので、農産物と同じように売買する商習慣が出来上がっているのだ。必然、我々は地元の生産者が作った締め飾りを市民にPRすることになる。〝金沢のお正月は金沢の〆め飾りで!地元の稲わらを使っています!!〟といった売り文句だ。
金沢と能登の注連飾り
このお正月飾りだが、金沢と能登では作法が異なる。〆飾りは、金沢では家の大きさに応じて大・中・小があり、あくまでも「しめ飾り」なのに対し、能登では「輪飾り」という略式的なものが一般的だ。
能登の蓬莱
能登では「蓬莱(ほうらい)」という文字飾りもポピュラーだ。主に石川県の奥能登に浸透している正月の縁起物で、神棚に飾られる。奉書紙に「福寿」と書くことが多い。また、文字を切り抜いて切り紙細工にした商品も多数販売されている。
市場人はもっと勉強せよ
狭い石川県の中でも地域によってかくも様式が異なる。私は能登の風習についてあまり勉強してこなかった。これは大いに反省すべし。足元をしっかり固めず遠くばかり見ていてはダメだ。また一方で、多くの地元の若者も能登特有の文化を知らずに育ったはず。伝統的な正月飾りはオシャレではないか。啓蒙することで、まだまだ需要が伸びる(いや、取り戻すといった方が妥当か…)と思う。市場人はもっと勉強しなければならない。