よっつ、良い習慣を見にまとう(修身数え唄)

マザーテレサの名言(?)

思考に気をつけなさい
 それはいつか言葉になるから
言葉に気をつけなさい
 それはいつか行動になるから
行動に気をつけなさい
 それはいつか習慣になるから
習慣に気をつけなさい
 それはいつか性格になるから
性格に気をつけなさい
 それはいつか運命になるから

 マザーテレサの言葉とされる。初めて聞いた時、頭がガーン‼️……とはならず、なかなかうまいこと言うけど結局何に気をつければ?とよくわからない気がした。そんな程度だからすぐに忘れて意識から消えた。時を経て次の言葉にも遭遇した。

山下監督の名言(?)

心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる

 星稜高校野球部監督を長年務めた山下智茂氏の言葉と説明されることが多い。ホントに⁉️ 山下氏はあの小松辰雄、松井秀樹らを育てた名将だ。よっていかにも「名言」然たるこんな言葉をも紡ぎ出せる賢者なのかと驚嘆した。が、流石に氏のオリジナルではないようだ。ネットで調べるとアメリカの哲学者ウイリアム・ジェームズの言葉とある。では、山下氏はこの言葉を自分作と偽って発信したのか。決してそんなことはあるまい。氏がこの言葉を引用して子供らを教育した事実はあったろう。言葉の出自を知らない者が山下氏の言葉だと勝手に思い込み、それが拡散したのだろう。

内容的に酷似

 マザーテレサ(?)の言葉と山下監督(?)の言葉を比べると、言ってることはほとんど同じだ。これは古今東西、人間の真理は同じ内容の格言に辿り着くことを示している…わけがない。どっちかパクったと見る方が自然だ。パクったとは失礼な言い草で訂正する必要がある。どちらかが引用するうちに、文体が変化していったのだろう。マザーテレサの方を調べてみると、この名言の出どころにはいろんな説があるようだ。ブッダ説、ガンジー説、老子説もある。ということでこの名言は作者不詳と言わざるを得ない。

習慣を変えて人生を変える

 名言の中身が素晴らしければ、作者は誰でもいい。だが私はこの言葉が個人的にあまり好きでない。最初に言ったとおり、だから結局何をどうすればいいわけ?と思ってしまうのだ。良い習慣を身にまとうことの重要さは切に感じる。だから何行にも渡らず「習慣に気をつけなさい それはいつか運命になるから」とか「習慣が変われば運命が変わる」と一行で言い切ってくれれば100%賛同だ。だが、上記名言にはその前後にちょこちょこ要らぬ言葉が挟まってきて、かえってわかりづらい。失礼な言い方ながらカッコつけてピントをはずしたのだ。また、運命という言葉は、人の意思や努力に関わらず身に降りかかる定めのイメージだ。よって私が腑に落ちる言葉はシンプルに「習慣が変われば人生が変わる」となる。さらに表現を能動的に「習慣を変えて人生を変える」とするのがよかろう。これが我が修身数え唄その4「よっつ、良い習慣を身に纏う」の真意である。