ロシアのウクライナ侵攻を憂う

ついにロシアが進行開始

 恐れていたとおり、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。これは世界的にも日本にとっても特大の問題である。

プーチンの強行

 プーチン大統領はウクライナ東部ドネツク州とルガンスク州の親ロ派地域の分離独立を承認した。これをもって、両地域の戦闘への介入は正式な軍事行動だと理屈づけることになる。対してNATOは戦争に直接参入するとは思えない。ウクライナは同盟国ではないからだ。アメリカ・バイデン政権はアフガンを撤退したばかりで、その後始末のまずさに大批判を受けており、ウクライナに対しては行くも地獄引くも地獄の状況だ。プーチンの強気はバイデンの不甲斐なさを見透かしてのものだ。

目先も大火事

 ウクライナとロシアが全面戦争に突入し、キエフが陥落という最悪シナリオが目前に迫っている。どう転んでも穀物価格、原油価格が高騰し、世界経済に大打撃をもたらす。両陣営の経済制裁の応酬がさらに混乱に拍車をかける。ヨーロッパ各国はエネルギーをロシアに依存し、制裁は足並みが揃わないだろう。

対岸の火事に非ず

 この様子を中国はじっと見ている。ウクライナ情勢の今後の成り行きが中国の台湾への行動に直結する。台湾に手が伸びれば次は完全に日本の番だ。日本のメディアはどこかまだ他人事のような報道ぶりではないか。ウクライナは明日の台湾であり、あさっての日本だ。日本政府は覚悟をもって対応しなければならない。メディアは知見の乏しい者の起用を取りやめ、腹の座った議論を展開してもらいたい。