自主的社内勉強会
金沢市中央卸売市場は、再整備に向けて基本設計の段階に入った・・・とは名ばかりで、必要な機能の検討すら議論がしっかりなされていない。もう開設者や設計コンサルのペースに任せていても埒が明かない、ということで、社内勉強会を開催した。先進事例を見ることでブレインストーミングするものだ。
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電算部長の堀上君が、世に出ている物流企業の自動立体倉庫や無人搬送機の動画を探してきてくれた。自動立体倉庫は、豊洲市場(東京シティ青果)や、全農戸田センターなどですでに導入・稼働実績がある。ただそれがコストに見合うのかどうかは判然としない。限られたエリアで大量の青果物を管理する上で、機能的には必要だと感じる。だが青果物は重量の割に低価格であり、商品劣化のスピードが早い。元来が即日即売であるべきものだ。自動立体倉庫は軽量の工業製品を細かく管理するに適しているが青果物には基本的に向かないと思っている。芋玉や貯蔵の効く柑橘など、モノを選んで使いこなすべきだろう。
自動搬送装置は一考の価値あり
今日見て一番興味が湧いたのが、自動搬送ロボットである。一番有名なのはamazonの工場内でモノを運ぶアレだ。ルンバの大きいやつと言えばイメージしやすいだろう。企画モノのパレットの下に潜り込んでグッと持ち上げてプログラミングされた場所に輸送する。それが広いエリア内に何台もあって、交錯しながら倉庫番をこなしていく。あるメーカーの説明では、昔は上限650kgまでの荷物しか扱えなかったが、今は1600kgまで可能になった。これなら青果物でも十分いける。そして何より、人がいない夜中で勝手に倉庫内を整理整頓してくれるのが素晴らしい。まさしく人手によるフォークリフト作業の肩代わりをしてくれる代物だ。今は一台600万円と聞く。10台なら6000万円。高額にはなるが、その分、人手は少なくて済む。青果の倉庫内は、パレットの出し入れ、先入れ先出しに人手と時間が非常にかかるのである。
割にあわないからこそ
つい数年前まで自動搬送装置など莫大な導入費用とランニングコストがかかるとはなから諦める風潮があったが、テクノロジーの進歩で時代が近づいてきた感がある。何度か言っているが、青果物業界は極めて不利で割に合わない業界なのだ。だからこそ(!!)、新しい技術を導入し、時代のニーズに対応すれば、存在価値が逆に出るのである。少し気持ちが明るくなってきた。これからさらに検討を深めて行こう。