幸せを呼ぶ〝何もないGW〟
3年ぶりに何もないGWだ。何もないことがこれほど幸せなことだとは、それ以前の時代、誰がわかっていただろう。もちろん「何もない」とは、コロナによる移動自粛、イベント中止、営業縮小などが「ない」ということを指す。コロナウイルスの感染自体は決して終息していない。金沢は今でも毎日数百人が罹患している。それでも、緊急事態宣言だのまん坊などは発令されず、三密を回避すれば、一通り何をやってもよい状況だ。
業務注文は一気に10倍
金沢の観光名所の人だかりはものすごい。東山、兼六園、近江町市場…。盆暮れ正月に匹敵するほどの人混みだ。ホテルはどこも満杯だという。青果物の引き合いはどうかというと、スーパーマーケットなど一般消費者向けの小売店はパッとしないものの、業務筋の引き合いが爆発している。オーダーは平時の10倍だ。人々は様子を見ながらの活動だったので、実はこのオーダーが巻き起こったのはつい1,2日前のことだ。いきなりドカンと「明日●百箱をくれ」との注文である。おいおい、いくらなんでも極端すぎる。工業製品のようにストックできるものではない。あまりに急すぎる大量オーダーには対応が追いつかないのが青果物の宿命だ。このGWは多くの品目でいわゆるチャンスロスが起こった。
この後も一定レベルの維持を願う
それでも、金沢という地は他の街よりも恵まれていると感謝せねばなるまい。普通の地方の街ではここまで流行るまい。今までどん底を這い回っていたのだ。せめて今くらいは湧いた湧いたに浮かれてもバチは当たるまい。そして、コロナというものが、撲滅はできなくともそれほど驚異でなくなり、経済活動が粛々と営み続けられる世に定着してもらいたい。この業務大爆発はいつか終わるのだが、その後もある程度のレベルで維持されることを切に願う。