大加州刀展の刀剣女子パワー

加州刀の展示会

 石川県立歴史博物館で開催中の「大加州刀展」に行ってきた。「加州刀」とは加賀の地で打たれた刀剣を指す。室町時代から加賀では数多くの優れた刀匠が活躍し、江戸時代には加賀藩の保護を受けて全盛期を迎えた。令和3年度の夏季に特別展が開催される予定だったが、新型コロナのため短期で中止になり、今年改めて開催されたものだ。

刀剣乱舞とのコラボ企画

 今回の目玉は人気ゲーム・アニメの「刀剣乱舞」とのコラボレーションである。場内には「刀剣男士 加州清光」等身大パネルが設置され、グッズ販売、描き下ろしイラスト、アニメ声優による音声ガイドなど、古臭い日本刀展示会とは一線を画すキャピキャピの要素てんこ盛りである。

刀剣女子!

 私はその世界をま~ったく知らない。一つは日本刀を愛でる世界、一つは「刀剣乱舞」の世界、両方である。博物館が家から歩いて5分ちょっとのところだから、何気なく入ってみただけなのだ。日本刀の世界ってのも奥が深いんだろうなぁ~という物見遊山だった。そして入館してぶったまげたのである。若い女性でいっぱいだ!!皆、スマホを片手に日本刀に見入っている。眼差しは真剣そのものだ(シャレではない)。彼女たちを「刀剣女子」と呼ぶことを後で知った。

歴女の経済波及効果恐るべし

 刀剣女子はいわゆる「歴女(れきじょ)」の一種なのだろうか。歴女、仏像女子、城ガール、武将萌え、そして刀剣女子。SNSやゲームという媒体を経て、コアな女性ファンを獲得して新しい流行を生み出している。新商品の開発や観光産業への貢献など、その経済効果はものすごい。

日本刀の魅力

 肝心の日本刀自体とても魅力的に感じた。実は我が家には「備前長船兼光」がある。私の祖父が手に入れたものだ。数回見たことがあるが、その時は興味がなく、納戸にしまいっぱなしになっている。展示室で観る刀の数々はまぎれもなく芸術品。しかも日本固有の文化である。これを機に深く勉強したいと思った。これもすべて刀剣女子のおかげである。