地物トマトの季節
農業産出額は低くとも、やはり地元の野菜には華がある。石川県産の青果物は、4月はキュウリや筍が花形だったが、これからは我も我もと登場してくる。本日初荷を迎えたのがJA小松市のトマトである。金沢の南に位置する小松市は、トマト栽培が盛んであり、40戸の農家で組織するトマト部会は北陸3県で最大規模を誇る。同JAは加工品作りも盛んで、トマトカレーは人気商品となった。
最新鋭の選果機
JA小松市の強みとして、昨年に導入した「自動選果機=箱詰めロボット」がある。1時間に200ケースの箱を仕立てる機械だ。これが3機あるので、計600ケースを1時間に作り上げることができる。選果機というのは農協にとっては最大の投資であり、安いものでも数千万、大型になると億単位のお金が動く。JA小松市の選果機は日本有数の産地・愛知県で使っているのと機能はほぼ同じの最新鋭式だ。品質が均一でサイズの揃ったものを瞬く間に仕上げていく。JA小松市では、従来この作業はパートを雇っていたから、このロボットを導入することで人件費を丸々浮かすことができる。
うまさが矜持
辻徳和部会長は言った。小松のトマトはうまい!と。何やかや言って、自分が作る産品がいいものであると自負できることが一番の強みである。自分はうまいものを作っているというプライドがあれば、あとはコストをどうする、効率をどうする、ということに工夫を凝らせばどんどん生産性が高まる。JA小松市のトマト部会は螺旋階段を上るように、いい方向に進んでいるように感じた。ぜひご賞味いただきたい。