■週の概況 第19週 5/9(月)~ 5/14(土)
【全体】
GWは、金沢を中心に観光客が押し寄せ、業務筋は非常に活況を呈した。一方、人々の目が外に向き、青果専門店やスーパーは苦戦を強いられたようだ。
GWが明けると例年消費は落ち着き、全般に市況は低調になる。今回もおそらく同じ傾向をたどるだろう。ただし、多くの品目で産地が切り替わる時季にさしかかっており、後続産地とのリレーがうまくいかなければ出荷の谷間が生じる。事実、年頭からの降雪の影響で、播種時期が遅れた産地が少なからずあり、特に今後の後続産地と位置付けられる東北・北海道の作況は遅れ気味との報が聞こえてくる。もし後続の量が薄ければ、市況は意外としぶとく持ちこたえ、小幅な値動きに止まる可能性もある。また、5月4日に沖縄が梅雨入りしたように、今年も全国的に梅雨入りは早いとの予測が主流だ。長雨が続くと一時的な相場の底上げも考えられるだけに、先行きは不透明な状況と言わざるを得ない。
【野菜】
葉茎洋菜類では、レタスは全体量が減少し価格は上げに向かう。反対にブロッコリーは長崎産に加え県内産の入荷で安定した数量となり、単価は下がるだろう。キャベツは夏系品種の順調な入荷が予想される。白菜や葱は端境期に差し掛かり、数量が減少となる。ほうれん草や小松菜など菜類は、曇天の影響から数量減の単価高推移となる。
果菜類では、胡瓜は県内産・高知産をメインに安定しているが、数量は伸び切らず前年を下回る入荷が予想される。茄子は産地での成り疲れが見られるものの、徐々に数量は回復するだろう。豆類では、インゲン・そら豆は前年を上回る潤沢な入荷だ。トマトは愛知産に加えて県内産がスタートし、安定した数量から価格は緩む見込みだ。
根菜類では、筍はピークを過ぎ数量は徐々に減少していく。大根・かぶらは安定して下げ予想となる。甘藷や蓮根は需要期を過ぎたが、産地残量が少なく高値推移が続く。玉葱は引き合いが落ち着き、値を下げるものの絶対量不足は依然として続く。長芋は少しずつ需要の高まりを見せ、単価が底上げとなる。季節商材では、高知産のらっきょうが増加してくる。
【果実】
国内果実では、苺は前年を上回る入荷だが、ピークは過ぎて徐々に減少していく。メロン類では愛知産のイエローキングが例年並みのボリュームで入ってくる見込み。桜桃は紅さやか主体の入荷で、徐々に増加し相場は下がっていくだろう。季節商材では、山梨産の桃や愛知産のいちじくが入荷中だ。
国外果実では、バナナの入荷は安定したが、国外需要は高く、前年より高値推移となる。アボガドは産地不作と入船の乱れから単価高が続いている。アメリカ産チェリーは前年より高値が続いているがピークに向け徐々に増量していく見込みだ。その他、シトラス系、キウイフルーツも前年より高値での推移となる。