義父のお祝いの会

石川県知事表彰

 3月24日のブログに書いたように、義父(妻の父)が石川県知事表彰を受け、また、米寿になられたこともあってそのお祝いの食事会を身内だけで行った。その席で改めて会社が果たしてきた社会的な役割、特に女工さんら従業員への待遇についての興味深い話を聞けた。

一つの街を作るに等しい

 繊維業界は斜陽だが、過去の業績は決して色あせるものではあるまい。会社は、最盛期には数百人の社員を抱えて工場を操業していた。女工として働くために全国から女性が集まってくる。数百人の女工を働かせ、養う。そのためには衣食住すべての環境を整えなければならない。完全にそれは一つの〝ワールド〟の形成だった。

女工たちの人間形成の場

 数百人の女工を働かせるというと、すぐピンと来るのはかの「女工哀史」である。そのイメージは過酷、薄給、非人道的と悪いものだが、義父の会社はまったく真逆だ。ただの工員として単純労働に従事するだけでは人生に実りはないだろうと、自前で学校を作り、読み・書きを学ばせ、料理、お茶といった女性としての嗜みまで教えたという。こうして女性たちは生活全般に必要な教養を身につけ、やがて卒業して生誕の地に戻っていった。まさに人材教育の場として機能していたのだ。

表彰に感謝

 話を聞くまでこうしたことは知らなかった。よくぞ人生の晩年に差し掛かったタイミングとはいえ、よくぞ義父およびその祖先たちが営々と築いてこられた功績を讃えてくださった。この日は身内からの本当に本当にささやかながらの慰労とお祝いの食事会となった。今までご苦労さまでした。