藤本流端唄「ふじ与会」お浚い会(第51回)

第51回で開催

 5月29日(日曜日)、藤本流端唄「ふじ与会」の第51回目のお浚い会が県立能楽堂別館で開催された。コロナで何度か開催を見送ってきたが、半年前の50回記念大会からお浚い会(発表会)を再開し、今回もごくごく限定的ながらお客さんを呼んで開いた。先日、師範に昇格された中谷良子さんのお披露目会でもあった。

男性二人目のお弟子さん

 今回から二人目の男性のお弟子さんが入会した。東京在住の吉田常孝さんで、外務省メンタルヘルス対策上席専門官という異色の経歴の方だ。まだ三味線も着物も出来ていないので、今回は唄のみ参加の初舞台だった。ゆくゆくは「人前で演奏できるように上達し、海外で日本の文化を紹介したい」という素晴らしい目標を持たれている。

品川甚句

 今回、唄は「品川甚句」にした。これは師匠藤本秀佳与先生も知らなかった曲だが、無理にお願いしてやらせてもらった。桧山梅吉のCDに収録されているのを聞いて「これは面白い!」と思ったのだ。秀佳代先生は、「原曲だけでは短くてすぐに終わってしまうから、替え歌バージョンも付け足してやりましょう」とアレンジしてくださった。感謝である。それなのに、本番では2題目の入るタイミングを思いっきり間違えてしまった。万事首尾よくとはなかなかいかないものである。

会主のお人柄あってこそ

 今回のお浚い会は家庭の事情もあって稽古時間が本当に短かった。一時は不参加も考えたが今となればやって良かった。そして着付けでは大先輩の上高さんに大変お世話になった。お仲間もいい方々ばかりだし、お客さんがとても優しい。その理由は、大元をたどれば会主のお人柄に尽きると思う。やはり会や組織の風土や発展はトップに立つ方がの人となりが一番肝心だ。今回も素敵な会であった。次回以降も楽しみである。