青果物の週間情報 【2019-W44】

2019年10月28日~11月2日

【総論】
 台風19号が日本列島を襲って約2週間経ちました。影響は当然いろいろ出ており、被災された産地には心よりお見舞い申し上げます。しかしながら一部報道にある”台風被害で野菜に打撃、品薄高値”というのはまったくの誤りで、全体的にはいたって潤沢であり価格は平年並みです。後述しますが、台風の影響が出ているのは野菜では馬鈴薯・玉ねぎ・かぶら、里芋あたり。果実では長野のリンゴ園で被害を受けた地域が出ましたが相場を左右することはありません。
 この時期にしてはまだ気温が高いこと、及び、やはり消費税アップの影響か、青果物の動きは鈍いのが現状です。幸い、地物の旬の食材が豊富に出回ってきましたので、地産地消・秋の味覚を売りに販売の活性化を図りたいところです。

【野菜】
 葉茎菜類の市況は全体的に横ばい傾向の見込みです。ただし長く安値低迷気味だった白菜が産地端境期で底上げの気配。ほうれん草をはじめ菜類は日照不足で数量減少傾向です。ブロッコリーは石川県産で生育中の病気が散見され、予定数量より少ない正品率です。
 きのこ類では能登産マツタケが前週後半よりぐっと出はじめ、この週は量的に期待されます。週の頭から前半がピークか。芝茸などの自然きのこや原木なめこもこの週が最大の山と予想します。
 果菜類も全体的には横ばいでしょう。この時期にしては今まで高かったピーマンが下げてトマト、ナス、キュウリ、カボチャなどとともに平年並み価格となります。豆類でやはり高値感のあったインゲン等が下げる予想です。
 根菜土物類では、新潟県産かぶらが台風被害をもろに受けて品薄となり高値。里芋は作付け減少により例年より数量減で単価高です。馬鈴薯と玉葱は北海道からの物流が一時ストップし、未だに完全復旧しておらず減少・強含みとなっています。甘藷は掘り込み最盛期で出荷数自体は落ち込む週となります。大根、人参、蓮根は潤沢です。大根は源助も始まりました。

【果実】
 国内果実はみかん・りんご・柿が三本柱です。みかんは、極早生から早生へ切り替わる週となります。今まで低糖低酸で販売は苦戦していた品目なので、反転攻勢を期待します。北陸新幹線が水に浸かった映像は衝撃的でしたが、あの地区は長野市豊野町と隣接しており、豊野のりんご園はかなりのダメージを受けました。したがって「シナノスイート」もその分の数量減はありますが、りんご全体の供給量や相場に影響するほどではないでしょう。柿は、和歌山、福岡、愛知、石川から、品種も豊富に入ってきます。11月1日からはかほく市高松地区の特産品「紋平柿」もスタートします。
 輸入フルーツは特に変化なく横這い予想。バナナ、パイン、アボカドは安定しています。HDメロンはアメリカ産は終了へ。ブドウは種なし系が種類豊富に順調に入荷されます