石川県の未来の食のあり方をさぐる「石川四季の会」の勉強会に参加しました。
今回のテーマは「ビーガン料理研修」です。 「ビーガン」はまだ聞きなれない言葉です。
肉を食べない菜食主義者をベジタリアンといいますが、卵や乳製品、蜂蜜などあらゆる動物由来のものを一切口にしないのが「ビーガン」です。
日本語では「絶対菜食主義者」とか「完全菜食主義者」と表現します。
菜食主義者になる人の動機は様々です。
アレルギーや病気で制限されているため、宗教上禁止されているため、健康に良いという考えのため、動物を殺めるべきでないという思想のため、環境への配慮のため、などなど。
精進料理は、動物性食材を使わずに作るので、すでに日本にはビーガン料理があると言えます。
今回の研修会は、加賀野菜を利用してビーガン料理の可能性を広げようというが目的です。
司会は食プランナーのつぐまたかこさん、解説者役に「Los Angeles」の森島幹博さんでまずビーガンについての基礎知識を勉強しました。
その後に試食品を提示されたのが以下の4名の料理人の方々です。
和食「口福 よこやま」の横山明彦店主
洋食「エンヌ」の西山昭二オーナーシェフ
洋食「レスペラシオン」の八木恵介オーナーシェフ
中華「桃花片」の小川昌彦店主
以上4名の料理人が新作レシピを提示され、試食しながらの研修となりました。
以上4名の料理人が新作レシピを提示され、試食しながらの意見交換となりました。
肉が使えないということで、加賀れんこんや五郎島金時を使って肉の代用にする(=「見立て」というらしいですね)料理に仕上げる方が多かったです。
食べてみた感想は、どのお料理もかなり手が込んでいる。 これは一流料理人のプライドでしょう。 とても食べ応えがあってさすがの工夫であり、肉を食べているかのような食感とボリュームがありました。
しかしつぐまさんの質問「実際にこれをお店のメニューに載せるおつもりがありますか」には全員がNo!でした。 結局、手間がかかりすぎて合わないということらしいです。
つぐまさんは流通側の人間として私にコメントを求めたので以下のように言いました。
「ビーガンの需要は間違いなく増えています。食文化を求めて金沢に来る観光客は、名だたる名店に一品でもビーガン対応のメニューがあると大変喜んでそのお店を選んで来られると思います。今日のように加賀野菜を使ってくださるなら尚のことです。ぜひ実際にメニューにも上げていただきたいと思います。」
森島さんがおっしゃるには、ビーガン向けに肉の代わりに何か入れなくては、と義務に感じる必要はないということです。単に抜くだけでも彼らはとても喜びます。対応してくれただけでもありがたいということです。
ビーガンについての理解が深まる、とてもいい会でした。