市場流通ビジョンを考える会①-豊洲視察-

11月16日の早朝より、豊洲市場の水産・青果の卸売場を3時間以上に渡り視察する機会を得ました。

しかも、水産は日刊水産経済新聞の八田大輔さん、青果は農経新聞の宮澤信一社長が案内してくださるということで、その道の専門家ならでは解説が聞けそうでわくわくしました。

まずは水産です。
5時20分集合は、電車が動いてない!
なので仕方なく新宿のホテルから豊洲までタクシーを使いました。これだけで5000円なり(涙)。

卸売会社7社、仲卸数百社が期間ごとに卸売場・仲卸店舗で持ち場を入れ替わるというのにはびっくりしました。

開設者が設置したエアコンは21度設定で、それではまったく保冷の効果なしと、民間業者が自前で整備した保冷設備の規模が半端でない数でした。

それにしても、広々とした卸売場に対して、仲卸店舗の窮屈さたるやどうなんでしょう。
店舗間の幅はせいぜい1メートルでしょうか。
全体が閉鎖型なので保冷機能は築地時代とは比べるまでもないですが、それ以外はほとんど旧市場のやり方を持ち込んだ感じです。

続いて青果です。
宮澤さんの素晴らしい解説を期待してましたが、主に説明してくれたのはシティ青果の有名な女性営業マン・吉野智子さんでした。
この方の優秀さにはホントに驚きました。一を訊ねると三答えてくれます。
高松青果の水井さんも優秀な女性セリ人ですが、水井さんが「男よりできる」タイプだとすれば、吉野さんは「女ならでは」のタイプといった感じです。

私は正直、豊洲市場の機能を全面的に評価しているわけではありません。しかし、
・自動ラック倉庫をシティ青果が独自で導入したこと
・駒割り店舗でなくオープン店舗を採用した仲卸形態が出てきたことは高く評価します。

ただ、この自動ラック倉庫の稼働率が悪いみたいですね。
1ラック月額2万円以上だそうで、下手に閉鎖型の市場にしてしまったために、高額の費用を出してまでラックを借りる仲卸が出てこないのは皮肉な結果です。

豊洲は開場して1年が経過しました。
ごたごたして遅れに遅れた開場でしたが、当初心配されていた混乱はほとんどなく、これまでまずまず無事に稼働してきたイメージです。

金沢市場の再整備に向けて、一番の参考になる市場であることは間違いありません。
よ~~~く考えていきたいと思います。