「顔の見える能登の食材」10周年記念大会

昨日18日、「顔の見える能登の食材事業」が10周年を迎え、その記念大会が開催されました。

これは、奥能登で作られた野菜を直行便で金沢市場にもってくる事業で、約300名の農家が利用しています。
1軒1軒は零細ですが、寄り集まると、素晴らしい魅力を放つのがこの事業です。

各人は何を作っても自由です。
出荷数量も自由です。
極端な話、キュウリ1本、トマト1個でもOK。
それを自分のところの農協に持ち込めば、農協の職員さんが検品して荷受けし、定時のトラックに積まれて金沢市場に届けられます。

能登も奥(北)の方に行くにしたがって過疎化が激しく、農業従事者も高齢化が進んでいます。農家はほそぼそと道の駅に出す人が多く、金沢の市場に出す人はごくわずかでした。
いやいや、こうすれば金沢の市場で売らせていただきます、というコンセプトから、篤農家の米林さんと、おおぞら農協の当時の営農部長・藤田さん(現組合長)が県庁を巻き込んで仕掛けたのがこの「顔の見える能登の食材事業」でした。

大規模な農家や共選を組むような組織には不向きですが、何かを新しくチャレンジしたいであるとか、小遣い程度でもいいから副収入を得たいという方にはもってこいです。

この日は特にこれまで功績の大きかった生産者に表彰状を記念品を授与されました。

この事業の第一人者は南方(なんぽう)久美子さん。
最初はお勤めしながら片手間での作業でした。それが、野菜作りの魅力に目覚め、毎日かかさず出荷してくださるまでになりました。昨年度は年間売り上げがなんと400万円超だったそうです。

その南方さんから、スライドで、自分の畑や栽培の様子の発表がありました。
こういうのは他の生産者に一番参考になりますね。
これを定番化したらいいです。なぜ今まで気づかなかったんでしょう。

南方さんの締めの言葉はとても感動的でした。
「体がきつくて、何度かやめようかと思ったこともある。でも、私の野菜を明日も待っててくれる人がいる。だから今日もがんばって出荷している」。
農業にかかわらず、人が働くモチベーションがこの言葉に集約されている気がします。

「顔の見える能登の食材事業」10周年、おめでとうございます。
でもまだまだ発展できます。
1億円めざしてまたがんばりましょう。