■週の概況 第49週 12/2~12/7
【総論】
早いものでもう師走です。昨年の秋から始まった野菜の市況低迷はほぼ一年を通じて続き、全ての月において指定野菜の単価は直近5年間の平均相場を下回りました。青果物流通業にとっては過去にない厳しい販売環境が長期化したことになります。ここにきてその傾向はわずからながら改善の方向を見せ、12月第一週は入荷量は概ね潤沢な中、市況もまずまず平年並みレベルで推移すると予想します。ただ、毎年12月上旬は動きが鈍く、販売は苦戦するのが通例であり、今季も例外ではなく荷動きの重たい週となりそうです。
果実はみかんとリンゴが二本の柱ながら、今年は上等級品が少ないのが難点です。ギフト系は品薄高値ながら、レギュラークラスは豊富でややだぶつき感がある状況です。
【野菜】
葉茎洋菜類は総じて下げムードです。特に白菜、ネギは関東産主力に増量し下げ予想。キャベツ、ブロッコリー、レタスは保合見込みです。ほうれん草など菜類は台風の影響でやや少なめながらこの週は保合予想です。春菊や三つ葉などは引き合いに応じ上げ模様となります。菌茸類は需要増に入っている中、地元ブランドの原木椎茸(個選)も徐々に増量です。
果菜類は弱含みが多いでしょう。特にナス・ピーマン・トマトは動きが静かで価格は徐々に下げていき、おそらく12月上中旬まで下押し傾向が続く見込みです。
根菜土物類は大きな変動はないものの、大根や人参は潤沢感が増して下げる見込み。季節の干し大根はスタート週は品質の良し悪しが二極化して価格差が大きく出ましたが、この週は出荷のピークに入り、品質を全体的に持ち直して出てくる見込みであり、中心階級はむしろ価格を上げそうです。かぶらは前週値を落としましたが、この週はそのレベルをキープしての保合予想。蓮根・さつまいもは順調で、値が動いても小幅に止まると思われます。玉葱・馬鈴薯は潤沢で価格は横ばいです。
【果実】
みかんは早生のピーク期ながら高糖度ブランド(マルチや味ロマン)の比率が低い年になっており、レギュラークラスの供給がやや過剰感あり。ただ食味は全体的に持ち直しており、低酸低糖のイメージを払拭したいところ。リンゴも上等品が少なく高値ですが、台風被害による傷果や色目の悪い下級クラスも多く安価です。ころ柿は共撰がスタート 。今季より個包装の兼ね合いで2L、Lの箱が大きくなっています。いちごは前進出荷で比較的潤沢な出回りですが、今後の気象状況次第で数量の多い少ないが大きく変わります。鹿児島産デコポン(大将季)、愛媛県産紅マドンナといった人気柑橘も始まりました。
輸入フルーツではレモンが米国産の新物となり、これまでとは品質が格段に上がって販売となります。バナナは順調でさらに価格は下げ傾向です。ハネデューメロンはハリケーンの影響で数量が減少し、やや品薄高値となります。この翌週よりチリ産チェリーがスタートする予定です。