箱根駅伝、人が走るか靴が走るか

第96回箱根駅伝は、青山学院大が2年ぶり5回目の総合優勝を果たしました。

私は久しぶりに両日にわたりじっくりとテレビで観ました。
事前知識がなかったので、ボーっと観ていましたが、途中から「あら?どいつもこいつも同じ靴を履いているなぁ。緑とピンクの左右色違いのやつ・・・」と気になりました。

どっかのメーカーの靴が革新的な成果を出してんのかな?とググってみると、出るわ出るわ。
今年だけに限らず、マラソン界では常識になってるほど有名な話題だったんですね。

ナイキの『ヴェイパーフライネクスト%』。

なんと、箱根駅伝に出場した選手の80%がこの靴を履いていた!
しかも、今回は10区間中なんと7区間で区間新記録を樹立し、その達成者のすべてがこの靴を履いていた!
さらにさらに、昨年、非公式レースで人類初のフルマラソン2時間切りを達成したケニアのキプチョゲが履いていたのもこれだった!

これはもう流行なんてもんじゃありません。
一流ランナー全員がこの靴を履いています。

ナイキ独特の厚底で、ソールに反発性のある「カーボンシート」を入れることにより、ランナーのレース終盤の足がより強く・長く持つようになったとのことです。
これはもう人が走っているのか、靴が走っているのかわかりません。

皆が皆履いているわけですから、結局は選手の実力によって勝負が決します。
別に順位に関してはケチをつける気はさらさらありません。

が、少なくとも記録更新に関しては、純粋に選手の能力が高まったからかどうかは疑わしいと言わざるを得ません。

一時、水泳で「高速水着」が問題になり、着用禁止になったことがありましたが、それを思い出させる出来事ですね。

しかし、スポーツ用具が進化していくのは当然のことであり、裸足で走らせるわけにいかない以上、スポーツメーカーの技術競争はある程度放任しても仕方ないでしょう。これが動力を持つ道具とかになるともちろんNGなわけですが。
足袋を履いて走った金栗四三が現代の流れを知ったら何を思うでしょうね。

いっそ、もっともっと進化し、一流ランナーでない一般市民にとっても、楽に早く走れるシューズが安価に販売されてほしいです。
そうすると、私がサブスリーで走れる日も来るかもしれません(んなわきゃない)。