■週の概況 第4週 1/20~1/25
【総論】
現況は悪い意味で前週から変化なし。すなわち相変わらずの暖冬により産地の生育は前倒し傾向であり、後続も同じく前倒しで続いてくるため切れ間なく潤沢な入荷となっています。これで最もダメージを受けるのが鍋物向けの重量野菜です。暖かさで煮炊き需要が振るわないために価格が低迷したまま動きは一向に改善しません。この時期にして「いっそサラダ野菜を売り込んだ方がまし」という声が聞こえるのは異常な事態です。
しかし、前週と同じ見解ながら、いずれ出荷の谷間がやって来るのも必然であり、状況が180度反転する可能性も視野に入れながら、日々の仕入・販売にあたる必要があります。また、年明けから早掘り・早出しの春商材も順調に出てきており、売場に変化をつけるに適した時期に入ってきたと言えます。
【野菜】
鍋物用野菜の筆頭格・白菜、大根、人参は需要が伸びずに軟調。現時点では出口が見えない状況ですが、今後の気象状況如何で一転する可能性もあります。逆に今まで安値低迷していたブロッコリーは石川県産切り上がりで価格が上昇する見込みです。トマト、ピーマンも底上げする予想なので、サラダ野菜の方が堅調と言えるかも。ただしレタスは各産地潤沢で出ており下げ模様です。
年末に値を上げた品目…蓮根、甘藷、三つ葉、春菊など…はおしなべて下げの方向。ただ蓮根や甘藷が例年より早い切り上がりが示唆されており、下げ幅は浅くなる予想。馬鈴薯は道産に加え九州産が大玉傾向での入荷のため、安値感の中、潤沢な入荷が続きます。
きのこ類は概ね順調な入荷を見込みます。原木椎茸(115)は例年より豊作傾向で出て品質も持ち直し方向。25日土曜日は、毎年恒例、穴水高校の生徒が栽培したのとてまりのせり販売イベントが行われます。
【果実】
国内果実はミカンからデコポン・いよかんといった中晩柑に中心がシフトしますが、今年の中晩柑類はどれも小玉傾向が指摘されています。せとかは佐賀・蒲郡から出始めの時期を迎えますが、やや出遅れておりこの週はあっても微量です。りんごは青森県産サンふじを主力とする販売で、やや弱含みに近い保合予想。イチゴは一番花と二番花の端境期にあり、少量・高値が続いており、おそらく1月末期か2月上旬にならなければ販売拡大が難しい様相です。下等級が多かったメロンは品質にやや改善が見られます。
輸入フルーツは大きな変化なく、全品目で前週から価格横ばいの見込みです。お薦めの一品として、今季のアメリカ産オレンジ(ネーブル)は糖度が高く酸度バランスも良く、食味が良好と評判です。