青果物の週間情報 【2020-W05】

■週の概況 第5週 1/27~2/1

【総論】
 連日、テレビや新聞で野菜低迷のニュースが流れています。品薄高値の時はスーパーの店長の苦渋のコメント、安値低迷の時は大根・キャベツを廃棄する農家の嘆きを映し出すのが報道の定番で、今回もご多分に漏れません。しかし野菜の低迷はかなり以前からであり、ニュースのタイミングとしてはワンポイントずれているとも言えます。今我々は次に来る変調を予測することこそ大事でしょう。
 この週は全国的に天候が不順で、長雨・日照不足により野菜の生育は変わります。すでに数量減少の兆しを見せる品目もあり、今後の気象状況からは目が離せません。

【野菜】
 各品目を過去5年間の平均卸売価格と比べるみると、大根で3割、白菜・キャベツで4割、ジャガイモで3割ほど安く、ほうれん草、ネギ、トマトなども2割ほど安くなっています。つまり重量野菜と言われるものほど低迷が目立つのが現状です。
 しかしこの週は雨が続き、日照不足から数量が減り込む品目が多くなると思われます。この傾向は果菜類に顕著でしょう。特にキュウリは恵方巻需要があるため、すでに相当の高値レベルでありながらこの週さらなる価格アップとなりそうです。ブロッコリーも一時期の低迷を脱した感があり、堅調な動きを見せます。安値感の強かったキャベツは春系品種で上げの見通しです。
 とはいえ野菜全体の市況低迷、荷動きの鈍さはまだまだ深刻です。また、気温高+雨続きは、品質面に問題が生じやすく、日々の管理には十分な注意が必要となります。
 消費動向としては暖冬により鍋物需要は弱く、早くも春を感じさせる季節食材に目が行く傾向が見て取れます。西南暖地のたけのこ、菜の花、地物の山菜類などはすでに出回っていますので売場には並べるべきラインナップとなります。

【果実】
 国内果実の主力はみかんから中晩柑類へ。デコポン、ハッサク、いよかん、せとかなど。今季の中晩柑は全体的に小玉傾向と言われ、2L、Lクラス中心です。イチゴは依然として少なく価格は高いながら、一番花から二番花への移行が進み徐々に増加傾向です。りんごは産地貯蔵量が少なく高値保合の中、特に小玉クラスの数量不足が目立ちます。今季はりんご全体の切り上がりも早そうなのでご注意ください。キウイは福岡・愛媛からの入荷が始まり、品質的にも上々で安定した入荷を見込みます。
 輸入フルーツではチリ産ブドウが出始めです。まだ本格出荷は先ながら、2月に入ると一気にピークを迎えます。アメリカ産オレンジは食味良好。バナナは比産の高地物が減少し堅調ですが、南米産は順調潤沢な入荷を見込みます。