野菜の価格低迷のわけを子どもに教える

テレビや新聞では「野菜が育ちすぎている。値段がものすごく安く
なっている」というニュースがたくさん流れていますね。

実際、野菜の中でも、大きい、重たい、というイメージが強いもの、
たとえば大根や白菜、キャベツ、ジャガイモなどですね、
私たちはこれを「重量野菜」なんて呼びますけれど、
そういう野菜の安値が目立っています。

過去5年間の平均的な卸売価格と比べると
大根で3割
白菜で4割
キャベツで5割
ジャガイモで3割
ほど安くなっています。

そのほか、ほうれん草やブロッコリー、ネギ、トマトなんかも、平年に比べ2割ほど安く
なっています。
逆に高い野菜はあまり見当たらず、キュウリが例年より1割から2割高いかな、といったところです。

野菜の価格低迷の一番の原因は、やはり暖冬です。
気温が高いと野菜の生育が良くなり、基本的に大きいものが数多く出てきます。
でもそれだけではすみません。
もう少し後から出てくるはずの産地からも、前倒しでどんどん出荷が始まり、
モノがかぶることになります。
そして暖かくなれば、鍋物の需要が減ってしまいます。

たくさん出ているのに、需要は少ない。
このダブルパンチで、野菜の値段、特に大根や白菜といった重量野菜が
特に販売不振になってしまうんですね。

テレビでは、規格外の大根やキャベツが出荷されずに圃場で廃棄される場面がよく映し出されています。
そのあとたいていは街頭の主婦をつかまえてインタビューします。
「もったいないですよねえ。捨てるくらいならただで配ったほうがいいのに・・・」
ただでやるともっと買ってくれなくなるだろうが!
とどやしつけてやりたいですけど、これは怒りをぶつける方向が明らかに間違っているのでやめときます。

野菜が安いのは、一般消費者からするといいことかもしれませんが、
度が過ぎると、生産農家がやっていけないことになり、とても問題なんです。
野菜が数が多くて安い時こそ「たくさん食べようね!」というメッセージを皆が、皆に、送るべべきなんですね。