先日の日曜日、一つの別れがあった。
約9年間乗った「日産セレナ」を下取りに出したのだ。
先週の金曜日からエンジンが不調となり、アクセルを踏み込むとノッキングを繰り返した。
だましだまし乗れるレベルではなく、即、修理が必要と思った。
日曜日にディーラーに見せたところ、排気筒の不良で修理費が4万円近く、
さらに、次回車検で通りそうもない不具合箇所が金額換算で20万円分以上見つかった。
元々、次の車検までに車を替えるつもりだった。
ディーラーと相談した結果、もしこの場で新車を発注してくれるならば、納車まで何ヶ月かかろうが代車を無料で手当てするとのこと。
子どもの学費でお金に余裕があるとは言えないが、遅かれ早かれだ。思い切ることにした。
すぐに代車があてがわれた。
例えは悪いが、犬が病気になったので動物病院に連れて行ったら「もうダメですね」と宣告され、即引き離されてそれが永久(とわ)の別れになった感じ。
セレナの中の私物を代車に移し替え、引き渡し完了となった時、セレナが寂しそうな顔して佇んでいるように見えた。
いきなりこみあげてくるものがあった。
思わず「今までご苦労さん。手荒く扱って悪かった。ごめんね。ありがとね」と言葉をかけてしまった。
50歳過ぎたオヤジになって、車に対してこんな感情を持とうとは。
セレナは中古で2011年3月2日に買った。
ちなみにその9日後に東日本大震災が起こっている。
つまり震災から今日までの復興の期間を共に過ごしてきたことになる。全然関係ないが。
セレナは、
父母も含め6人が同時に乗れる車が必要だったこと、
荷物を積んだり、小旅行したりできるのでワゴン車がよかったこと、
などから、車廃品業社に勤めていた義理の弟に頼んで中古車を探してもらい、150万円で購入した車だ。
その後、次男がサッカークラブに入ったため、親の当番の時に機材やら何やら運ぶのに大車輪の活躍を見せた。
何回もぶつけたし、何回もぶつけられた。
グレードの高い車ではないので、これで通勤する私を見てある社員が「もっといい車に乗ってください。僕らが夢を持てなくなります」と言われたこともある。
本当に雑に、汚く乗ってしまった。
別れに臨んで初めて懺悔の思いが湧き出た。
さらば、日産セレナ。
正直、出来の悪いやつだと思っていたけど、出来の悪いのは私の方だった。
ホントに悪かった。
ホントにありがとう。
ホントにおつかれさん。
いざ、さらば。