■週の概況 第6週 2/3~2/8
【総論】
本来この時期に主役であるべき大根・白菜・馬鈴薯といった重量野菜の低迷・安値感は相変わらずで、逆に果菜類は堅調。特にキュウリやナスは高値感が強いです。しかしこの週は状況が変化する要素が何点か出てきています。まずは冷え込み。各地で雪が降るなどの寒さに覆われ、日照もないことから出方は絞られる一方、白菜を筆頭に冬野菜の消費が活発化する期待がもてます。節分需要関係の野菜は月曜日まで高値基調が続き、火曜以降は下げるのが例年のパターンです。
新型コロナウイルスへの危機感も青果物流通に影響を与えます。人々の心理として外に出歩くことに消極的となり、必然家庭内での食事が増え、小売店における生鮮野菜の需要は高まります。また、中国本土の活動停滞から剥き玉ねぎやネギなど中国産農産物の輸入が減り、相対的に国内産の引き合いが強まる可能性があります。
【野菜】
白菜は価格浮上するかは疑問符が付くものの、冷え込みで消費が上向く期待感が出てきました。菜類は曇天日照不足で不安定な入荷です。キャベツは平年より安値が続き、ブロッコリーも西南暖地が潤沢で安値感あります。きのこ類は全般に軟調です。
果菜類は堅調です。キュウリは年末からずっと少なく異状高値が続きましたが、恵方巻需要が終わる火曜以降はさすがに下げる見通し。ただし平年より品薄高値基調の傾向は残ります。ナスも少量高値がこの週引きずりそうです。ピーマンも品薄感がしばらく続きそう。トマトも堅調ですが果菜類の中では常識の範囲内です。菜の花・大葉は節分需要が終わるこの週の中盤以降、次第に下げていく方向です。
大根は主力産地の関東が天候不良ですが、雪が降らず全国的な収穫ボリュームは潤沢であり、売れ悩みの状況は変わりません。人参は太物が極端に多いバランスです。馬鈴薯は長崎が切り上がり時期ですが北海道産が潤沢なので上がり切らず。玉葱も同様ながら、中国産輸入の減少見込みで状況変化もありえるところです。
【果実】
ずっと数量不足の高値でもがいていたイチゴはようやく増量のきざしです。デコポンなど中晩柑類は潤沢で、特に伊予柑がピークとなる他、せとかも増量となりますし、鹿児島産紅甘夏も大玉中心にこの週からスタートします。りんごは量が少なく、高値基調での販売が続く見通しです。キウイは順調な入荷ですが、メロンは冷え込み・燃料費増の影響で数量減少かつ小玉化の傾向です。
輸入フルーツはチリ産ブドウの本格化や米国産シトラスの順調な入荷をみますが、バナナについては需要の徐々の高まりを背景に若干の値上がりを見込みます。