■週の概況 第11週 3/9~3/14
【全体】
新型コロナウイルスはいつ収束するのか先がまったく見えませんが、今が国を挙げての感染防止策の真っ只中であり、ここ1~2週間は大きな山場と思われます。市井では活動自粛が相次ぎ、外食産業・大手GMSは深刻な痛手を被る一方、地域密着の中小小売店は比較的健闘しており、業態によって明暗が大きく分かれています。家庭内で食事をとる傾向が強くなっているため食品全体では冷凍食品・乾物など保存が効くものは好調であり、生鮮青果物の動きも悪くはありません。ただし高級食材や妻物類など、家庭に縁遠い食材は苦戦です。
入荷に関しては冬系から春系への品目切替、北部から南部への産地切替が進んでおり、品目によっては出荷の谷間が出ています。傾向としては前進出荷だった産地が早めの切り上がりを見せ、後続産地も前倒しで出てきている展開。しかし大きく品薄・欠品になる品目は出ておらず、まずまず順調潤沢な状況が保たれています。
【野菜】
前週、葉茎菜類は白菜やほうれん草など端境期にあたった品目が多く、全体的に上げ相場となりました。この週の相場はやや反落し、平年並みのレベルに落ち着くと予想します。やや高値感あったほうれん草の動きはにぶり、安値だった小松菜の荷動きが良くなる可能性があります。ブロッコリーは引き合いもそこそこ好調な中、出荷の谷間にあって堅調な市況です。アスパラは品質重視の国産・廉価の外国産と使い分けできます。きのこ類は低調であり、安値感がしばらく続いています。
果菜類はトマトは小強い展開になりそうですが、全体には保合もしくはやや弱含みでしょう。ただしこの週は気温高で雨続きの予報であり、今後の出方は不透明です。
根菜・土物類は状況が変わってきました。人参は端境期にあたり相場上昇。特に中小サイズが品薄高値の中、この週は徳島県産が始まるのでまた状況が変化しそう。新型コロナウイルスの影響で家庭内消費が増え、長期低迷中だった道産馬鈴薯の動きが改善しています。玉葱も同様。長芋はTV放映で免疫力アップが報道されて以来、引き合い好調です。タケノコは暖冬の影響でこの週より早くも和歌山県産が登場し各県産が揃います。ただしこの時季は家庭ではなく料亭等がメインユーザーなので、感染症による外食敬遠から動きは鈍い状態です。
【果実】
イチゴは寒暖差が大きいために数量の不安定感があるもののおおむね順調な入荷です。今季のりんごは棚持ちがやや悪いため、産地が早めに出しきる傾向があり、切り上がりは例年より早くなる見込みです。柑橘類はみかんがほぼ終了。いよかん・せとかが切り上がり、代わりに紅甘夏が始まりサンフルーツもこの週から登場予定と品目の変化があります。新しい顔としては西瓜、各種メロンなど施設栽培物があります。
輸入フルーツに大きな変化はありません。バナナは産地の不作傾向から長期的に見ればじりじりと上げの方向性。柑橘類ではマンダリン系が増えてきてミネオラ・タンゴに加えオアの入荷も始まりました。