キャンセルの嵐は人類の叡智か思考停止か

世界で猛威を奮う新型コロナウイルスに対し、WHOは3月11日、「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明しました。
日本ではもう何もかもが自粛・キャンセルの嵐です。
コンサート、イベント、スポーツ大会、パーティー…、
我が社でも産地が開く会議は軒並み中止になり、社員の出張は9割以上キャンセルとなりました。
おかげで毎月かなりの額に上る出張経費が今月はほとんどかからないという、喜ぶべきか悲しむべきかわからない事態になっています。

しかししかし…、この自粛ムードはいつまで続くのでしょうか。
1ヶ月程度ならリカバーできるかもしれません。
しかし、3ヶ月、半年と続くようなら、本当に経済がヤバい。
新幹線はガラガラ、料亭もガラガラ、ホテルガラガラ、街並みガラガラ。
人もお金もぜんっぜん動いていません。
これだけ社会が停まっている姿を私は生まれてこのかた見たことがありません。
このままだと社会は持たない。
いくら政府が運転資金等の補助政策を打ったところで追いつかないです。

新型コロナはエボラ出血熱やインフルエンザと比べ軽症で治る人が圧倒的に多い、言わば“恐ろしくない”病気です。
感染しても8割が軽症もしくは無症状で治癒します。
なのに世界経済がヤバい。恐ろしくないものによって恐ろしいことになる、それが恐ろしいです。
残り2割は重症化もしく死に至るので、もちろん無策というわけにはいきません。しかし、8割が大したことなく通り過ぎてしまうものに対し、自らの活動停止により経済全体を沈没させてしまう…これは自滅のストーリー以外何ものでもありません。

本当に「活動を停めてしまうこと」しか道はないのでしょうか。
今は止むを得ず自粛の道を選ぶとしても、時限立法のように期限を決め、確たる終息が見られずとも経済活動を再開する決断が必要ではないでしょうか。

キャンセルの嵐は人類の叡智か思考停止か。
世界が今、どうしていいかわからず右往左往しています。