業務検査を受ける

初めての開設者検査

 本日、我が社に対する業務検査が行われた。「金沢市中央卸売市場業務条例第73条第1項の規定に基づく検査」という。これは会社にとってある意味創業以来初めての検査である。過去は4~5年に一度、北陸農政局(農林水産省)の検査を受けていた。卸売会社は卸売市場法をきちんと遵守しなければならない。定められたルールに則って業務に当たっているか、財務状況は健全かといったことをかなり厳しくチェックされる。問題点が見つかれば指摘され、容赦なく業務改善を求められる。それが2020年施行の卸売市場法改正によって、検査主体が農政局から開設者に移った。本日は、開設者による初めての検査だったのである。

公認会計士の質問に答える

 開設者(=金沢市)は財務・会計のプロフェッショナルである公認会計士を招いて我が社の会計処理と財務状況について精査させる。検査にあたって事前に様々な財務諸表や各種資料の提出を求められる。会計士諸氏はそれらに事前にすべて目を通し、本日は確認したい内容について質問を投げかけてこられた。一応やましいところは何もないつもりなので(苦笑)、素直に聞かれたことに答えた。だが、やましくないことと問題がないのこととは別だ。結果的にいくつも問題点は指摘された。公認会計士は別段、市場流通をよく知るわけではない。それなのに質問事項はとても的を得て鋭いものだった。さすがさすが。中央省庁でないからといって、開設者主体の検査もしっかりとした体制が取られている。こちらも気を引き締めて対応しなければならない。

あやふやな表現はいけません

 問題を指摘されたのは、例えば、内規書類の文章についてだ。会社にはたくさんの規程文書がある。そこに書かれた内容は、誰が読んでも解釈は一つでなければならない。曖昧であったり、複数に読み取れるようなものではいけない。ところが、あやふやな書き方をしている規程文書がいくつか指摘された。指摘されて読み返してみると初めてなるほど曖昧だ、と気づくのである。近々に紛れのないスッキリした文章に書き改める必要がある。

書いてあるならちゃんとやりなさい

 規程があるのに、実際には運営されていない事柄があることも指摘された。これまた、指摘されて初めて気づく。文言を見直してみると、なるほど今はやっていない。「○○について結果を●●に提出しなければならない」。その内容はもう何十年も前に自然消滅していた。だが文書は抹消されずに残っている。過去の遺物だ。会社としては別段支障はなかったので放置されていたのである。だが、企業はそれではいかんのだ、というのが検査官からの指導である。内容が現在に見合わないのであれば改正なり廃止なりすればよい。放置はダメだ。ノーチェックは許されない。規程は規程。書いてあるならそれをちゃんとやりなさいということだ。

検査大好き(!?)

 金沢の公認会計士軍団恐るべし。本当にごもっともである。常日頃は目先のことにかまけてついつい見過ごし、気がつけば何年も放置することが多々ある。恥ずかしながら自助努力ではなかなか見直しが進展しない。こうした発見と指導をしてくれるからこそ第三者の目は必要なのだ。業務検査というのは、会社にとっては内心ビクビクものだが、基本的にはとてもありがたいものと受け取らなければならぬ。学校の身体検査と同じで、体(企業)が健やかに成長するために素直に受け入れ、改善すべきことは改善すべきだ。だから私は検査を受けるのがとても好きなのである。(最後の一文は若干の無理あり。)

ルンバのデカいのが面白い

自主的社内勉強会

 金沢市中央卸売市場は、再整備に向けて基本設計の段階に入った・・・とは名ばかりで、必要な機能の検討すら議論がしっかりなされていない。もう開設者や設計コンサルのペースに任せていても埒が明かない、ということで、社内勉強会を開催した。先進事例を見ることでブレインストーミングするものだ。

最新事例動画を見る

 電算部長の堀上君が、世に出ている物流企業の自動立体倉庫や無人搬送機の動画を探してきてくれた。自動立体倉庫は、豊洲市場(東京シティ青果)や、全農戸田センターなどですでに導入・稼働実績がある。ただそれがコストに見合うのかどうかは判然としない。限られたエリアで大量の青果物を管理する上で、機能的には必要だと感じる。だが青果物は重量の割に低価格であり、商品劣化のスピードが早い。元来が即日即売であるべきものだ。自動立体倉庫は軽量の工業製品を細かく管理するに適しているが青果物には基本的に向かないと思っている。芋玉や貯蔵の効く柑橘など、モノを選んで使いこなすべきだろう。

自動搬送装置は一考の価値あり

 今日見て一番興味が湧いたのが、自動搬送ロボットである。一番有名なのはamazonの工場内でモノを運ぶアレだ。ルンバの大きいやつと言えばイメージしやすいだろう。企画モノのパレットの下に潜り込んでグッと持ち上げてプログラミングされた場所に輸送する。それが広いエリア内に何台もあって、交錯しながら倉庫番をこなしていく。あるメーカーの説明では、昔は上限650kgまでの荷物しか扱えなかったが、今は1600kgまで可能になった。これなら青果物でも十分いける。そして何より、人がいない夜中で勝手に倉庫内を整理整頓してくれるのが素晴らしい。まさしく人手によるフォークリフト作業の肩代わりをしてくれる代物だ。今は一台600万円と聞く。10台なら6000万円。高額にはなるが、その分、人手は少なくて済む。青果の倉庫内は、パレットの出し入れ、先入れ先出しに人手と時間が非常にかかるのである。

割にあわないからこそ

 つい数年前まで自動搬送装置など莫大な導入費用とランニングコストがかかるとはなから諦める風潮があったが、テクノロジーの進歩で時代が近づいてきた感がある。何度か言っているが、青果物業界は極めて不利で割に合わない業界なのだ。だからこそ(!!)、新しい技術を導入し、時代のニーズに対応すれば、存在価値が逆に出るのである。少し気持ちが明るくなってきた。これからさらに検討を深めて行こう。

石川県食品協会の懇親会はコロナ仕様

会員交流懇親会

 本日3月15日、午後6時よりANAクラウンプラザホテル金沢にて一般社団法人石川県食品協会の会員交流懇親会が開催された。食品を取扱う石川県内の企業で組織し、意見交流、や共同でイベントを開催する。私の会社は会員企業である。懇親会は、毎年、新年会として開催されるが、コロナ禍で延期に継ぐ延期となり、名前を換えてようやくの開催されたものだ。

コロナ対策宴会

 それでも感染対策ということで、円卓は4人がけ、乾杯は発声禁止だった。「かんぱーい」と唱和しなくても乾杯になるのか。辞書には【乾杯・・・喜びや祝福の気持ちを込め、杯を差し上げたり触れ合わせたりして酒を飲むこと】とあるので、無発声でも問題なさそうだ。司会からは、席の移動を控え、隣の人と話するようにと注意があった。食事はなく、代わりにお弁当を持って帰る(家に帰ってわかったが、このお弁当が素晴らしく上等でうまかった!)。このように懇親会は徹底した感染仕様が施されたのである。

ホクチン山上社長が海産物屋老舗の七代目を襲名

 時間はわずか1時間でお開きとなったが、久々にいろいろな方とお会いできて楽しかった。特にお隣の席の(株)ホクチンの山上智之社長のお話は面白かった。山上さんは私より随分と若いが、いつお会しても才気溢れる人だなぁと感心させられる。今回は、新しい名刺をくれた。そこには「株式会社大彦(だいひこ)代表取締役 七代目 彦八 山上智之」とあった。大彦という会社は天明6年(1786年)に『いさばや彦八』が創業した老舗の海産物店だ。山上さんはその会社を数年前に買収した。その際、六代目から継承して七代目となった。血縁ではない襲名は大彦の歴史では初めてだそうだ。山上さんは本業の珍味加工品製造販売の他にも事業を多岐に展開されている。いつ話をしても、私の世界感の数倍の広がりを持っているような佇まいがある。〝いや、僕は動くのを止めるとダメなんです。泳ぐのをやめると死んでしまうサメみたいなもんです。あ、それサメじゃなくてマグロか〟といって笑った。(あとで調べ直したら、サメにも泳ぎを止めると死ぬ種類がいるとわかった。間違いではなかった。あしからず。)常に新しいチャレンジをし続ける山上さんの姿は、私にとって非常に刺激になる。

石川県知事選挙決着

馳浩石川県知事が誕生

 石川県政史上に残る選挙が昨日行われ、次のように決着した。
当選 馳  浩  196,432
   山野 之義 188,450
   山田 修路 172,381
(他、2名の候補者は省略)

歴史に残る混戦

 正直、馳さんは選挙戦終盤まで劣勢だったと思う。誰よりも先んじて出馬を表明をしたが、現職の谷本知事が不出馬を表明した後に山田さんが出る意思を固め、形成はわからなくなった。さらに金沢市長だった山野さんが急遽出馬を表明し、情勢は混沌とした。中央自民党のバックアップと著名人の支援が強力な馳さん、能登地区の行政・農協漁協・県議らを中心に組織支援体制が厚い山田さん、家族や学生・熱狂的支持者による独自のPR戦略を展開する山野さん。三者三様の個性と強みがあり、常に戦局は〝横一線〟と表現された。

最後の大逆転か

 結果は激戦ながらも馳さんが勝利した。安倍晋三元首相を筆頭とする政界の大物の大挙来県は爆発力があった。石川の県民による県民のための選挙に中央からのてこ入れはおかしいとアンチ馳の反目も高まったが、結果的には大きな集票につながったと思う。一時は三番手にまで降格したと目されていた馳さんの大逆転勝利である。

市民の中にも溝が深まる?

 保守分裂選挙で大きな話題となったこの選挙は、闘い終わってノーサイドとなればよいが、現実はかなりしこりを残すと思われる。候補者ご本人達より、応援した各陣営間の溝、そして支持した市民間の溝がかなり深くなるのではと心配だ。私は、お三方をよく存じているし、それぞれの支援者もたくさん知っている。敗れた側には感情的になっている人が少なくない。時にそれは勝者の人格を否定し、支持者への怒りを露わにする。県民性を貶める発言をする人も出る。一時の興奮なら良いが、谷本-石川の28年前の知事選を未だに根に持つ人もいるのだ。選挙は恐ろしい。これを機に普通に仲良かった人同士がぎくしゃくするケースも出てくるだろうう。

新知事への期待と敗れた方々への思い

 新知事になられた馳さんには、純粋に石川のためを思って仕事に邁進していただきたい。代議士時代には数多くの法案を通された実行力ある方だ。わが中央卸売市場は金沢市の管理監督下であり、これまで県庁との協力体制は薄かったと感じている。馳さんは以前から市場に頻繁に足を運んでいただいた。今までより何倍も県政との距離が近い市場運営ができると希望を持っている。
 そして惜しくも敗れた山田さん。ずば抜けた能力を持たれた方だ。このまま終わっていい人では決してない。国のため、石川県のため、農林漁業の振興のため、再び大きな仕事の場に戻ってこられることを心よりお祈り申し上げる。
 山野さん。首長という行政トップの座がとても似合う方で、力になりたい、協力したいという思いを人に自然に思わせるオーラを持った人物だ。やはりこれからも責任あるポジションに就いて大きな働きをしていただきたい。
 八方美人のようになってしまったが、以上は私の偽らざる気持ちだ。石川県の未来に希望を持つとともに、敗れたお二人の復活を心より願っている。

青果物の週間情報 【2022-W11】

■週の概況 第11週 3/14(月)~ 3/19(土)

【全体】

 ようやく暖かさが実感できる気候になりつつある。今まで生育が遅れ気味だったが青果物は、この週徐々に回復に向かい、量が増えてくると思われる。野菜全般の小玉傾向も改善され、太物が増えてくるだろう。
 ここまで、野菜は前年より数が少なく堅調な相場が続いていたが、コロナ禍のために動きは決して良くない。しかしまん延防止措置が21日で切れ、県政・市政も新しいトップが決まって刷新される。人心一新、気分一新。人の動きも今までよりぐっと活発化すると期待できる。春商材を前面に打ち出し、積極的な消費促進策を打ち出したいものだ。需要面では煮炊き商材を後ろに下げ、炒め物具材及びサラダ商材をメインに春の売場を盛り上げてほしい。
 果実は全体的に数量減の単価高傾向だ、晩柑類は今まで主役だったデコポン、伊予柑が露地作の後期に入り、徐々に脇役に転じる。代わって清見やサンフル等が増えてきて品種交代が進む。メロンは熊本産のアンデス系がそろそろ顔を出す。イチゴは潤沢で価格もさらにこなれてくるだろう。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタス・ブロッコリーは産地での生育遅れから数量は伸び切らず、価格は上げに向かう。白菜も春作の遅れが見られ、入荷は前年を下回る予想だ。キャベツは増量となるが、数量は例年より少ない。葱は潤沢で、前年より安値推移が続く見込みだ。菜類では、気温の上昇によりほうれん草・小松菜は増加傾向。相場は下げに向かう。菌茸類では、榎茸は安定した数量で需要が落ち着き、単価下げが予想される。
 果菜類では、胡瓜・茄子は気温の上昇に伴い数量増となり、弱保合の見込み。ピーマンも同様に増量が予想され、一段下げの相場となる。反対にキセラインゲンは各産地での数量が少なく、前年より高値推移が予想される。春菊は群馬産が増加し、前年並みの数量となる。
 根菜類では、大根は増加し安定した入荷が見込まれる。玉葱は北海道産に加えて長崎産があるものの不足感は残り、高止まりが予想される。蓮根は県内産の数量が少なく強保合となるだろう。生姜は高知産を主体に順調だが前年を下回る安値となる。季節商材では、鹿児島産の筍に加え和歌山産が始まった。

【果実】

 国内果実では、苺は各産地で2番果のピークを迎え潤沢な入荷となり、前年より安値推移となる。デコポンは鹿児島産メインで、はっさくは和歌山産より入荷中。晩柑類は終盤に差し掛かり、数量の確保に注意が必要となってくる。キウイフルーツは、生育不良により減少しており、高値が続く見込みだ。
 国外果実では、パイナップルはフィリピン産に加えて台湾産が前年を上回る数量で入荷中。シトラス系は不作気味で高値推移が続く。アボガドは冷害の影響で依然として強保合となっている。

3月集中を分散しよう

3月は業務が集中

 3月は年度末で、会社のありとあらゆることが立て込む。4月からの新人事体制の検討と発表、及び引き継ぎ。3月末の決算に対する準備、年度末賞与の検討、社員評価制度の査定と結審、4月からの定時昇給の検討と決定、新年度の事業計画と販売計画の策定、事業報告書の作成などなど、

非効率な年度末

 〝年度末〟の一言でこれらを一気にこなすわけだが、実務上あまり効率的とは思えない。人事と年度計画は同時にやると混乱が激しくなるだけだ。ずらすべきところはずらし、一つ一つを余裕を持って取り組んだほうが結果的にスムーズに事業が進むのではないか。今すぐに変革するのは難しいが、将来に向け検討を始めたい。

10月にずらしていいもの

 人事異動を10月にずらす。年度末賞与は3月末にいちいち査定するのではなく営業利益に定率を乗じて原資とし、職階に応じて自動計算で割り出してしまう。これだけでもかなり力の配分が楽になる。

生産性に特化せよ

 バタバタと生産性の低い仕事を続けるのはやめていこう。冷静になればもっと簡単になる。そして本当に収益の上がる創造的な仕事に知恵と体力を使うのだ。前例主義からは卒業しよう。

ネットで地元の印刷業界が大ピンチ

ネットによる価格破壊

 最近、あるポスターを作るのに印刷会社に見積もりを依頼したところ、思っていたより格安だった。安いのは結構なことだが、理由を聞いて複雑な気持ちになった。デザイン料は普通だが、プリント代金の単価が安い。その印刷会社では社員がデザインしてデータを作るまでを行い、プリントはネット上の専門業者にやらせる。ネットによるプリント単価が、地方の印刷屋より格段に安いのだ。この仕組みが普及したことによって、地方の町工場はどんどん廃業に追いやられている。私の頼んだ印刷屋は、印刷といってもデザインを主にしているため、なんとか事業が続いている。

ネット業者の強み弱み

 プリント業界において、かってのネット業者は仕上がりが粗悪だった。品質を求めるならばやはり地元の町工場。そこに棲み分けがあったのだが、近年、プリント技術の成長はめざましく、ネット業界が品質面で遅れを取ることがなくなってきた。価格破壊の上に品質でも引けを取らないのでは中小企業は一層厳しい。しかしネット業界も万能ではない。今でもネット業者は色校正はできない。発注したらお任せするのみ。微細な色の調整はやはり町工場に利がある。さらに、仕上がりに何か不満足な点があったとしても、ネット業者は一切責任を負わないしとり合わない。クレームは受け付けませんということだ。町工場が付け入るすきはまだあるのである。

横領事件まである

 ひどい話も聞いた。ある印刷会社では、社員がネット業者を悪用して横領を働いた。手口はこう。顧客に対しては正規に印刷を請け負い、代金を徴収した。ところが裏でプリント部分をネット業者にやらせ、自社の印刷代金との差額を着服した。実話である。

モノでなくサービスを売る

 印刷の内容や用途にもよるが、私は地元企業を使うことのメリットを見つけ、そちらを優先するようにしたい。今回の場合は、刷ったポスターを保管してもらえるので、ネット印刷ではなく、(少々単価は割高でも)町工場を使うことにした。地元企業が生き残るためには、ネット大手にはできないきめ細やかなサービス、提案能力、親和性が重要である。右から左にモノを動かすだけの商売は何のジャンルであれ成り立たなくなっているということだ。青果物業界、市場流通業界も対岸の火事ではない。モノではなくサービスを売る意識が必要だ。

耳の痛いことを言う社員を大切に

某会社の人事

 某会社の役員さんが突然席を失くされたと聞いた。代表取締役の方針に異議を唱えたことが原因との噂だ。それ以上の内容を知らないので、私はこの件の是非を論じる立場にない。話はこれでお終い。ただ世の中を見渡すと、上司と喧嘩し辞めた、社長と折り合いがつかず辞めたという話は枚挙に暇がない。

トップの構え方が大事

 もちろんケースバイケースだ。社長が悪い場合もあれば部下が悪い場合もある。だが会社にとっては明らかに損失だ。去る人はたいがい優秀な人材であることが多い。人材の流出を100%阻止はできないが、一番の問題はやはりトップの心の構え方ではないかと思う。

部下の諫言に何を思う

 耳の痛いことを言う社員に対し、 わしに歯向かう気かと怒り狂うか 、よくぞ言ってくれたと有り難がるか。潜在意識で「会社=わし」と思っているトップは、えてして前者になりがちだ。わしだって会社の看板あってのわしに過ぎない、と謙虚に構えている人は、決して部下の諫言に逆上することはないだろう。

後藤田訓示

 意志疎通の悪い会社は、社員が上司に(或は社長に)意見などできない。言っても無駄だとあきらめ、進言はおろか、報告すべき連絡事項まで、悪い情報は一切知らせなくなる。後藤田正晴は官房長官の訓示で「悪い本当の事実を報告せよ、勇気を以って意見具申せよ」と言ったそうだ。トップがそう言ってくれれば、部下は随分とモノが言いやすくなる。

上司と部下がぶつかり合うのが当たり前の風土に

 社員だろうが社長だろうが、上から下まで、あくまでも会社のために考え、振る舞うことが第一だ。良い組織には、上司と部下が仕事について遠慮なく意見をぶつけ合う風土がある。そして会議が終われば礼節ある関係に自然と戻る。情(なさけ)と理(ことわり)の両立だ。私は我が社をそういう組織にしたい。

我が家の受験無事終了

次男が大学合格

 最近、仕事でもプライベートでも良くない出来事が多かった。だが人生、悪いこともあればいいこともある。本日、次男が大学に合格した。

浪人を推奨するも回避

 実は私は予想が外れた。息子には悪いが、受験した全ての大学に落ち、浪人生活に入ると読んでいたのだ。息子は地頭は悪くないが、勉強量が足りず、今年は間に合わないと思っていた。それでもいい。一年間の浪人生活も悪くない。私自身、浪人を経験しており、人生にプラス面が大きかったと感じている。だから息子にも「下手に妥協するな。現役は高望みで行け。浪人は人格形成にむしろ良い」と推奨していた。

親としての正直な心情

 だが、実際に合格の報を聞くと素直に嬉しかった。結果的には当初の第一志望から修正した所に行く格好だが、決して悪い大学ではない。この先、志さえあれば何者にでもなれる。今の世の中、大学がすべてでないのはもちろんのことだが、より高みの世界に行く方が可能性が広がるのも当然である。その点、まずまず上出来といえる結果となり、親としては正直ほっとした。

Do your best

 我ながら次男には手をかけてきた。小、中学校時代はサッカークラブの送迎と世話でかなり時間を費やした。特に少年サッカー時代は仕事以上にエネルギーを使った。ゴールキーパー専門スクールにも通わせた。高みに昇るために惜しみなく機会を求めて与えた。息子は高校生になってサッカーを続けなかった。ならば莫大な時間とお金は無駄になったのか。そうは思わない。その場その場でベストな選択をし、できる限りのことをすること。多分に親のエゴを押し付けた点があるかもしれないが、彼にはDo my best を体感してほしかった。

連敗から常勝へ向かえ

 だが結果は付いてこなかった。サッカーは中途半端に敗れ、高校受験ははっきり失敗した。高校に入って他のスポーツに転向したが、最後までやり切ったとは言えない。息子の人生には〝やり通した〟〝勝ち取った〟という勲章がなかった。今回、その連敗記録に一応の終止符を打ったことになる。今までプチ挫折を繰り返しながらも決して腐らず、自分が置かれた環境を受け入れ、よくぞがんばってやってきた。メンタルは私より強いかもしれない。これからはさらに上を目指し、連勝街道を歩いてほしい。自分の力で、常に上には上があることを忘れず、謙虚に、ひたむきに。おそらくもう、親としては大したことはしてやれないだろうがいつまでも見守り続けていくつもりだ。

モーニングページを始めた

開始6日、これはいいかも!

 ジュリア・キャメロン著「ずっとやりたかったことをやりなさい」に提唱されている「モーニングページ」を3月3日から始めて6日経った。3ページ書くのは大変だが、早くも効果が実感できる。

モーニングページとは

 モーニングページとは、毎朝、頭に思いついたことをノートに書く自己啓発習慣だ。メンタルが安定し、モチベーションが向上し、創造性がアップする(らしい)。やり方は以下のとおり。シンプルだが厳格に守るべきポイントがいくつかある。

モーニングページのルール

①A4ノートに3ページ、手書きで書く
②朝起きて、一番に書く
③ノート誰にも見せない

ルールはこれだけで基本的に何を書いてもいい。頭に浮かんできたことを垂れ流すように書いて構わない。むしろ洗練された文を書き綴ろうとするのは間違った態度だそうだ。その理由はこの習慣の目的が「脳の排水」にあるからという。

モーニングページの効果

 モーニングページの効果は、心のデトックス効果がある、心のゴミを洗い流す、脳の汚水を排水する、脳の掃除をする、などと表現される。感覚としては心がすっきりする。不安が消える、やるべきことが見えてくる、心が前向きになる、などである。

体験談

 まだ始めてわずか6日間なので偉そうなことは言えない。だが心のスッキリ感は確かにあり。この数週間、仕事はトラブルや苦境続きで、本来なら気がふさぎこむところ、自分でも不思議と気持ちが前向きだ。A4ノートを3ページ書くのは20分前後かかる。よって今まで通りの出社時間を守るには、サッと起きてすぐ書き始め、終わったらテキパキ着替えて出発しなければいけない。A4ノート3ページは広大な余白であり、大平原を文字で埋めるイメージだが、「書くことがない、ああ、困ったな困ったな」という状態でもない(指南本には、書くことが思いつかなければそれでもいいと言っているが)。メンタル的には瞑想に近いものがあるように思うが、瞑想よりも即時効果が高い気が。とりあえず2ヶ月程度は続けて効果の確認を検証してみよう。