桂泉会お浚い会

コロナで無観客開催

 昨日日曜日、県立能楽堂別館で第11回長唄「桂泉会 お浚い会」が開催された。桂泉会とは杵屋君桂(きねやきみかつら)さんが会主を務める長唄三味線の会だ。今回、20~80代のお弟子さん22人が三味線で稽古の成果を披露した。といってもコロナ・オミクロン株の感染拡大が止まないため、残念ながら無観客による発表会とした。

〝プロみたいじゃん〟でいい気分

 私は桂泉会に入っているわけではない。が今回、長唄のお師匠さんである杵屋君三郎先生から「唄うのがオレっきゃいないから手伝ってよ」と言われ、参加させていただくことになった。なんと!15曲中10曲でワキをやらせていただく機会だ。一般人でこんなことはまずあり得ない。参加する以上、多くの出番をいただければそれだけやり甲斐がある。「過度に引き受けないほうがいいのでは?」と心配してくれる方もいたが、別段負担には感じなかった。それより、皆さんから「大活躍だねぇ」「プロみたいじゃん」などと言われ悪い気はしなかった。マラソンに似て役得だ。実際は楽しくやっているだけで大変でも何でもないが、周りが勝手に褒め崇めてくれる。ただ4時間に渡る演目が終わってみるとさすがにくたびれた。

習い事への敬意

 2020年11月29日のブログ「藤本流ふじ与会」でも書いたことがこの日も当てはまった。無観客なのに、みなちゃんと着物を着て、幕引きなどの段取りを正式にこなす。自分の発表には皆とても緊張して臨む。誰のために?何のために?自分のために。会のために。これはとても尊いことである。素人であれプロであれ、お習い事への敬意をおろそかにしない。日本人の一種の気質ではなかろうかと思う。

青果物の週間情報 【2022-W10】

■週の概況 第10週 3/7(月)~ 3/12(土)

【全体】

 2月が寒かったせいで野菜は後続産地がやや出遅れている。そのため出荷数量はやや少なめで全体的に相場は堅調だ。週の前半はこの流れを引き継いだスローペースとなりそう。しかし週の中ごろから気温が高まり、量は回復してくる見込みである。消費面も果菜類への需要が伸びてくるだろう。週の後半になるほど数量の増加が顕著になり、単価安に転ずる品目が多くなる。まん延防止措置の解除が延長になってしまい、春休みの時期を迎えても人通りは少なく業務筋は依然として厳しい状況が続く。残念ながら野菜の引き合いはパッとせず、いましばらく我慢の時期が続くことになろう。
 果実は全体に数量が少なく単価高傾向が続いた。その原因は、柑橘類においては夏場の高温による生育不良がずっと尾を引いたことにあり、これから先も同様な流れを強いられる。イチゴは1番花と2番花の切り替えの谷間が長引き、数量少なく単価高だった。ようやくここにきて2番のピークとなり、気温上昇とともに3番にスムーズにつながっていく見込みから、今後は潤沢で安価となり、一回り小さいサイズの比率が多くなると思われる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタス・ブロッコリーは順調な生育から増量傾向で、価格は下がる見込みだ。キャベツは春系、冬系品種の増加から単価は下げに向かう。菜類では、ほうれん草・小松菜は九州産地を中心に数量が伸びてくる。反対に、菌茸類で、えのきが作業の遅れから減少傾向となり、価格の底上げが予想される。
 果菜類では、胡瓜は特売需要の落ち着きと数量の増加から、単価は一段下がり前年並みに落ち着くだろう。茄子は各産地で生育良好で、前年並みの数量へ回復する。ピーマンは潤沢に出回り、価格は前年より安値に転じる。
 根菜類では、大根は千葉産を主体に順調な入荷。反対にかぶらは県内産は終盤に差し掛かり減少し、単価は上げる見込みだ。蓮根は平年より少なく高値での推移が続く。甘藷は県外産地の入荷が少なく、価格は上げに向かう。玉葱は北海道産の残量少ない為、引き合いは強く相場は続伸し、過去に例のない高値となる。

【果実】

 国内果実では、みかんは徳島産を中心に順調な数量が見込まれる。りんごは青森産のサンふじは前年を下回る入荷から高値が予想される。苺は数量が増加し、前年と比較して安値推移となるだろう。デコポンは露地物に切り替わるものの数量は前年を下回り高値基調が続きそう。メロン類では熊本産の入荷。赤肉系が徐々に増加し、青肉系は少し遅れての増量となる。柑橘類のファンにははまさき、文旦がお薦めだ。
 国外果実では、バナナは依然として国外での引き合いが強く、高値推移が続く見込み。ぶどう類では、船舶の遅延が続き入荷にばらつきは見られるが、週後半には安定すると思われる。

まん防延の効果を検証せよ

まん防延期措置

 谷本知事が石川県の「まん延防止等重点措置」の延長を申請した。当初は3月6日までの処置だったが、21日まで延長される。北海道、青森、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、岐阜、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、香川、熊本の計18都道府県を延長。福島、新潟、長野、三重、和歌山、岡山、広島、高知、福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の計13県は6日で解除となる。オミクロン株はピークアウトに入ったと思われるが、日々の感染者数はずっと高止まり傾向で、知事の延長要請は仕方ないとの声が多い。

効果をいぶかしむ声

 だが、延長をいぶかしむ声も多々ある。お隣の富山県は石川県と変わらない感染規模だが、まん防自体を適用していない。もし同じペースで(もしくは石川より早く)終息したら、そもそも「まん防」とは何なのかということになる。効果そのものもあるかないか不明確である上、オミクロンは子どもが感染拡大の中心だったので、外食店に営業自粛を迫るのはターゲットがずれている。

真の被害者は納入業者

 飲食店は引き続き短時間営業とアルコールの提供自粛を要請される。休業している店も多い。死活問題だ。だが、まん防協力の補償金で逆に潤っている飲食店もあると聞く。さらに、お店を閉めた上で料理人として出張営業し、ダブルで利益を得るという裏技(?)を駆使する人もいるらしい。本当に厳しいのは飲食店そのものではなく、そこに食材や資材等を納入する中間業者だ。彼らに補償はない。

為政者の態度

 為政者にとってコロナ対策は、やらずに感染拡大を招くと轟轟たる非難を浴びる。やりすぎても文句を言われる。実際のところ、正体がよくわからず何が正解かわからない。だからどうしても安全運転の選択に走り、いやらしく言えば保身の為の政策に偏る。〝わからないから念のため〟になるのは仕方がない。

科学的検証を経て規制解除を

 専門家会議でも今の対応には賛否両論あると聞く。科学的根拠のみをテーブルに率直な議論を重ねてほしい。まず、感染防止の効果がまん防にあるのかないのかの検証。次に様々な規制に応じて感染者がどう変化するか、死者がどの程度になるのかのシミュレーション。死者が出る以上、規制をかけるかかけないかを最終判断は為政者だ。インフルエンザでも死者は出る。コロナによる死者がインフルエンザより深刻でないなら、まん防のようなよくわからない活動規制は解除してはいかがか。

ルビーロマン15周年

ルビーロマンの歴史は揉め事の歴史

 石川県が誇るブランド農産物の赤色ぶどう「ルビーロマン」が世に出て15年が経過した。昨日、その15周年記念式典が開催され、記念誌も発刊された。その記念誌がとても面白い。紆余曲折の誕生秘話が生産者目線、行政目線、流通業者目線など多方面からてんこ盛りだ。山あり谷あり、よくぞ空中分解せずに今日まで歩んでこれたものだ。ルビーロマンの歴史は、頑固者たちの揉めごとの歴史でもある。

品種に勝る技術改良なし

 黒い巨峰、緑のマスカット…大粒ぶどうで新しいブランド品を確立するためには、どうしても「赤」が欲しかった。しかし赤色系の大粒ぶどうは栽培がとてもむずかしい。黒や緑よりも色目をうまく回すのが困難だ。技術指導者として品種改良を牽引した石川県農林部の野畠氏の持論は「品種に勝る技術改良はない」だ。リンゴはふじ、ナシは幸水がりんごやナシそのものの人気凋落を救った。新しいスター品種を作り上げれば、石川の農業は活性化するとの確固たる信念が野畠氏にはあった。ルビーロマンという名前が付く前は、「31号」という名で育成され、その選抜品が次に「ブドウ石川1号」となった。なんだかウルトラQの「M8号」に似ている。試作段階の実験ナンバーだ。

プライド高きぶどう生産者

 私は会社に入社して果実部に配属された。その時上司だった河村誠治さん(故人)が教えてくれた。「果実の生産者は野菜よりもプライドが高い。その中でもブドウ農家はとびきりだ」。きっと河村さんの頭の中にはルビーロマンのドン的存在である大田昇会長らの顔を浮かんでいたのではあるまいか。この記念誌には、生産者達のプライドのぶつかり合いのエピソードが披露される。ブランド化に際しての規格を決める会議は毎度紛糾に次ぐ紛糾だ。中でも無核にするか有核にするかで大揉めに揉めた下りは面白い。食味は有核(種あり)の方がうまい。だが20gを超える大粒を作るとなれば、有核では難しい。消費の嗜好も圧倒的に無核が好まれる。結局、デビュー年の初競りは8割が有核となった。うまいものを作る、という生産者の矜持だ。だが、年月とともに無核が主流となり、今では有核の商品はほとんど見られなくなった。生産者達は振り返る。我々は〝バラバラに進んでまとまっての繰り返し〟だったと。ルビーロマンに課す厳しい基準に妥協はしない。自分たちで基準を下げたら、今までの苦労はどうなる。文句を言う前に、自分の腕を磨けとなる。なんともものすごいプライドの世界だ。

10万円の衝撃

 生産者であれ、行政関係者であれ、市場登場初年度の初せりで一房10万円の値がついたことが衝撃的であったと口を揃えている。背中に電撃が走ったのだ。この瞬間、ルビーロマンが鮮烈にデビューしたと言ってよい。ちなみに10万円の房も有核だった。この値段で皆の目の色が変わった。このブドウ、爆弾級の価値があるぞと思い知った。世を席巻するものは爆発的な魅力がある。年々ルビーロマンは歴代最高値を更新し、昨年は台湾事業家の謝氏が140万円で買い受けた。「一所懸命にぶどうと向き合う生産者の意欲に払った」と謝社長は言った。せりを仕切ったのは我が社だ。うちの会長と社長は次のようにコメントした。「これからは、価値を認めてくれたお客様の期待を超える進化を遂げていかなければならない」。

石川ブランドの魁

 ルビーロマンは、石川県でブランド化に成功した初めての品種だ。これを手本に、のとてまり、加賀しずくといったオリジナルブランドが産声を上げた。石川県は農業零細県である。だが、どこよりも質のいい、オンリーワンの農産物ブランドを生み出してきた。15年記念誌はルビーロマンに関わってきた頑固者達の雄叫びが聞こえてくる面白い本であった。

君たちは一年間何をしてきたのかね!?

世は電子申告時代

 今や電子申告の時代だ。かっては所定の申告用紙に手書きで書類を作成していた。それがインターネットの普及とともに、国税庁のホームページから作成できるようになった。自動計算してくれるので非常に楽になった。次に、わざわざ紙を印刷して税務署まで持っていかなくても、ネットで送信できるようになった。ただしICカードリーダーという機械でマイナンバーカードを読み取る必要があった。さらに昨年あたりからそれすら必要なくなった。スマホが爆発的に普及し、申告書作成、カード読み取り、申告書送信がスマホ一台あればできるようになったのだ。

今年も確定申告でブチ切れる

 確かに便利度は増している。それでも私は毎年ブチ切れている。なぜか。毎回必ず、理解に苦しむ不備があるからだ。昨年までのブチ切れ内容は、昨年3月13日の本ブログで紹介した。そこで要改善点を4点ほど上げたが、この一年で改善がなされただろうか。

入力画面がスマホ用に特化?

 改善要求その1。入力画面がスマホ用に特化されて…いた! 昨年までの、チーちゃいチーちゃい画面が見やすくスマホ向けに変更されている。これは楽だ。しかも源泉徴収票はカメラで読み取って自動認識してくれる。よしよしよし…としばらく上機嫌に進めていったが、途中でつまずいた。私には給与以外の雑収入があることを思い出し、前に戻って修正を試みると…とたんにあの恐怖のチーちゃいチーちゃい画面が復活したではないか!調べてみると、給与所得以外に入力項目のある者は、以前と同じPC版の入力画面しか対応していないという。

君たち(WEB開発者を指す)は一年間何をしてきたのかね!?

中途半端な開発で止めやがって!とそこからはブツクサ文句を言いながら、昨年同様の二度手間入力となった。

マイナンバーカードをスマホで読み取る

 昨年改善要求したその2は、何度も何度もマイナンバーカードにタッチして認証を受ける面倒臭さ。今回も数回はやらされたものの、昨年よりは少なくなったような気がしないでもない。まぁ、許せるレベル。

改善実現道半ば

 その3、作成する申告データの様式がPCとスマホでは違う(拡張子も違う)ため、PCとスマホで連携できなかった。今年もこの点はダメ。なぜ相互に読み合うことができない仕様なのか、まったく理解できない。おそらく、開発者及び国税庁がシミュレーションをしていないのだ。いろんな立場の人がいろんなシチュエーションで利用するのを想定しきれていない。その4、贈与税申告は対応していない。これも今年はダメ。もう一度言う。

君たちは一年間何をしてきたのかね!?

その1、その3、その4の改善実現を来年こそは期待するものである。どうぞよろしくお願いします。

トリプル選挙戦の看板が気になる

掲示板が気になる

 県民・市民注目のトリプル選挙(トリプルは金沢だけだが)は13日に投開票される。ささいなことかもしれないが、一つ気になったことがある。候補者のポスターが張り出される掲示板の設営についてだ。

トリプル選挙戦の経緯

 まず今回の経緯だ。金沢は、山野之義前市長が知事選に出馬するため任期半ばで市長職を辞任した。これに伴い市長選が県知事選と同日に行われることが決定した。すると2人の市議会議員が市長選への立候補を表明し議員辞職。これに伴い市議会議員補欠選挙も同日に行われることになった。こうして3月13日はトリプル選挙戦となった。

6マスで足りる?

 これを受け、選挙管理委員会(だろうか?)はポスター掲示板の設営作業を2月上旬に始めた。知事選、市長選、市議会議員補選の3枚同時設営である。このあたりの段取りは迅速に見えた。しかしここで「ん?」となる。それぞれ6マスしかない。知事選は超大物3人の出馬決定により、泡沫候補は出にくい状況で6人以内に収まりそうだった。だが市長選は乱立の様相を呈していた。同一選挙と決まった時点で早々と5人の出馬が確定的となり、他にも2~3名は意欲を見せていた。候補者が7名以上になったらどうするのか。そう思って私は次のような投稿をFBで行った。

真面目な投稿ではなく、揶揄したものだ。そもそも、看板の設営を計画した時点で、市長選の候補者が多くなることを想定しなかったのだろうか。それが不思議だった。そして3月に入って驚くべきことが起こる。それが以下の写真だ。

増やしたんか!!

 板が増設された。6人から9人へ。しかも番号の並びが9マス用に変わっている。枠には番号が印字されてあり、立候補は届け出順に番号が与えられ、自分の番号の枠にポスターを貼るルールである。よって番号の並びは重要だ。単純に7、8、9の増設板を貼り増ししては数字の並びがおかしくなる。そこで既存の数字の上から新しい番号を貼り直している。これは大変手間のかかる作業である。金沢市に限定すれば掲示板設置場は597か所あるという(県下全域では3072か所)。ほぼ600として、600×2枚で板を増設し、それぞれの枠ナンバーを張り替える。もの凄い作業量だ。

始末書モン?

 意地悪く言うつもりはないが、今さら増やしてもおそらくムダ仕事だ。3月1日時点で、金沢市長選の立候補者は5人で止まりそうは様子である。市議補選はもともとそれほどたくさん出そうにない。したがって、この壮絶な二度手間はまったくのムダに終わる可能性が高い。看板設営の仕事は、金沢市の選挙管理委員会がどこかの業者に委託するのだろうから、結構なお金が発生しているはず。繰り返すがちょっと事前に考えて、最初から6マスでなく9マスの板を設置していれば一度で済んだことである。これ、誰かのクビが飛んでいないかと心配になる。

ちょっとだけ立ち止まろう

 人の振り見て我が振り直せ。結構こういうことは会社内でもあることだ。パッパと事を進めるのは基本的にはよいことだが、ほんの一瞬立ち止まってこれでいいかどうかを冷静に見直すことで簡単な見落としを防げる。しかみ一人ではなくチームとして行うことで二重三重のチェックがかかる。組織運用における教訓として捉えておきたい。

市場再整備は当事者こそ積極的に

第2回ヒアリングは不満足

 市場再整備に向け、開設者(金沢市)および基本計画プラン策定業者とのヒアリング会が開催された。ここまで、金沢市中央卸売市場の再整備計画は遅れていると私は感じている。昨年もヒアリング会合が開かれ、卸売業者としての要望や意見を出させてもらった。本日はそれを踏まえての2回目だ。我々の意向がかなり取り入れられた期待できるプランが提示され…るとばかり思っていた。しかし残念ながらそのレベルには至らなかった。前回の会合は何だったのだ?今日までの2ヶ月間強はまたもや足踏み状態に過ぎないではないか…正直、そういう怒りが湧いてきた。だがここはグッと抑えて考え直すことにする。

無難は悪だ

 別に業者を悪く言うつもりはない。が〝任せておけばきっといいものを打ち出してくれる〟とたかをくくってはダメだ。自分たちが使う市場である。業者任せでは絶対に満足のいくものにはならない。具体的な機能をこちら側から提案しなければ前に進まないと覚悟すべきだ。金沢市場は青果・水産に加え花卉も同一区画に参入する予定である。卸、仲卸、関連事業者が多数入場する。全ての人々が納得・満足できる意見統一はそもそも難しい。これを人任せにすると、なんの変哲もない無難な箱ものに落ち着く。無難なものは結局誰も幸せにしないのだ、というより、従来通りの箱ものを作るのだったら、巨額を投じて市場再整備をする必要などないのである。

日本一機能的な市場を目指して

 我が社の会長がプラン策定業者に対し「今日提示していただいたプランを叩き台に、社内でしっかり検討し、こちらから意見をまた提示させていただきます」と述べられた。私は心が洗われたような気がし、内心怒り心頭だったことを反省した。大人の態度はこうでなくてはならない。そして、言葉だけでなく、社内的な考えを作り上げて開設者、プラン策定業者に投げかけなければならない。金沢市場は日本海側にあって日本で最も機能的な生鮮市場と評価される存在になりたいのである。そのために全力で知恵を振り絞るのが入場業者の努めである。

能登野菜振興協議会 SNS導入検討会

協議会として初めてのオンライン会議

 本日、能登地区での生産拡大を協議する「能登野菜振興協議会」の勉強会がズームによるオンラインで開催された。非常に勉強になり有意義な内容だったのでここに記録する。

テーマ:SNS活用でビジネスを強化する
講師:(株)ドモドモコーポレーション代表 遠田幹雄氏

【要点】

・コロナにより、世の中は「都市集中型」から「地方開疎(かいそ)」の時代に変わる。
・よって、遠隔地で人とつながるノウハウに長じた人や企業が強くなる。
・〝革新〟的なビジネスのとびらは〝雑談〟から生まれることが多い。最初から完璧なプランを目指さず、ハードルの低いSNSを使っての雑談から実践することがまず第一歩である。
①企業は、オフィス内に雑談できるスペースを作るべき
②遠隔地同士で雑談するノウハウ(手っ取り早くはSNSをつかいこなす)を身につける。
・情報発信は、フロー型とストック型の両立が理想。フロー型で釣って、ストック型に誘導する。
●フロー型:情報拡散が早い。刹那的。バズりやすい。ニュースの賞味期限は早くに切れる。 (フェイスブック、ライン、インスタグラムなど)
●ストック型:蓄積ができて、中長期に価値が持続する内容。検索に強い。 (自社ホームページ、独自ドメインのブログ、note、)
●両方の機能を持っているもの:ツイッター、ユーチューブ
・これから始めるには、、「ツイッター」と「note」の組み合わせがおすすめ。
・自分で自分を宣伝しないほうがいい。あくまでも人のため、役に立つ情報を。
・組織で運用するためには、「SNSガイドライン」を作るべき。どういう情報を発信するか、誰が発信者か、NG事項、個人情報保護など
・SNSは流行と廃りが早いので、3年後には何が中心かわからない。フェイスブックは広告ビジネスに傾倒したため敬遠され衰退。インスタグラムもピークを超えた。ツイッターが圧倒的なユーザー数で、再びの盛り返しを見せている。最近では長文ストックがやりやすい「note」を利用する人が増えている。
・ツイッターを重視すべき理由は、グーグル検索にヒットしやすくバスりやすいこと
◎以上をまとめると、現時点でのベストチョイスはHP(またはブログやnote)を少しずつ充実させ、日々ツイッターで雑談的に情報やお知らせを出す手法である。
・余裕があれば複数のSNSで発信する。
・ネットにおける人の三大欲求は「知りたい」「行きたい」「買いたい」であるが、圧倒的に「知りたい」欲求が強い。したがって、最終的にモノを売りたいとしても、いきなり通販サイトを立ち上げるのではなく、「知りたい」を満足させることを狙う。人は何を知りいか、何が役に立つかを考える。
・FAQを作ることは検索をアップさせることの需要なポイント。
・まずは各関係者がツイッターのアカウントを持ち、○能登野菜を扱う「レストランの紹介」○今日の能登野菜 などのつぶやきを初めてみるのが第一歩ではないか。
以上

青果物の週間情報 【2022-W9】

■週の概況 第9週 2/28(月)~ 3/5(土)

【全体】

 長かった冬の寒さがようやく終わり、春の暖かさを実感できる週となる。各小売の売場は一斉に春モードへチェンジするだろう。厳しい寒さ、まん延防止措置等で世の中が停滞していただけに〝ひな祭り企画〟など華やかな演出を仕掛けてムードを変えたい。春らしい食材で需要が高まるのは豆類各種、春掘りのタケノコ、菜の花など。ひな祭りのちらし寿司向けに蓮根、キヌサヤ、木の芽、人参、しいたけ、しょうがあたりも売場の前面に出すとよい。

 生産と流通に目を向けると、現状は冷え込みの影響で青果物の物量は少なめ、価格はやや高めの印象だ。だが消費も鈍いために全体に重たい雰囲気が続いている。今後気温が高まり、流通量は増大に向かうものの、数量・価格が顕著に変化するのはもう一週後ろにずれこむ見込みだ。物流では北海道からのコンテナが大雪による交通マヒで大規模に延着しており、玉ねぎを中心に品薄・高騰に拍車がかかっている。この週、順繰りに回復してくるとはいえ、しばらくは混乱が続くと思われる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは低温の影響から前年を下回る入荷となる。レタスは茨城産の増加に伴い、価格は下げに向かう。葱は安定した数量で、価格は前年より安い。菜類では、小松菜は県内産を中心に微増傾向で単価が少し下げる。椎茸は寒さで入荷が減少するものの前年並みを確保。その他の菌茸類は安定した入荷が予想される。

 果菜類では、胡瓜やキセラインゲンはひな祭りでの特売が入り、前年より高値推移が見込まれる。みつばは需要の高まりから単価は上げに向かう。トマトは愛知産の減少が続き、堅調な価格推移が予想される。反対にピーマンは安定した入荷から下げ見込み。春菊は群馬産が増量し前年並みの数量を確保する。

 根菜類では、大根は千葉産の増量が見込まれ価格は下げ。蓮根は県内産主力の入荷だが前週までの降雪の影響で数量は少なく単価高予想。馬鈴薯は鹿児島産の需要が高く堅調な値動きとなる。玉葱は、北海道産の出回りの少なさと、荒天による輸送の乱れから前年を大幅に下回る量と大幅に上回る単価が確実な状況だ。牛蒡はピークを過ぎるものの、安定した数量と前年より安値の状況が続く。

【果実】

 国内果実では、みかんは徳島産がメインの入荷となり、貯蔵品に切り替わって前年を下回る数量の見込み。苺は各産地ピークを迎えるが、前倒し傾向だったこともあり数量は少なめとなる。メロン類では、静岡産は重油の高騰と業務需要の低迷から入荷は少ない見込み。キウイフルーツはシーズン終了となる産地が出始め、数量が確保しにくくなる。

 国外果実では、バナナは国外での需要の高まりが続き、前年より高値となる。アボガドは前年より多い入荷だが、冷害から国外での出回りは少なく、高値推移となる。

がんばれ北陸中日新聞

地方新聞のシェア

 ご当地新聞と言えば、石川県には北國新聞と北陸中日新聞の2紙がある。発行される部数と購読シェアをみると、北國新聞が圧倒的で約30万部発行の購読シェア7割を占める。北陸中日も2位につけているが、発行部数約8万部でシェア2割だ。北陸中日は北國に大きく水を開けられている。これだけ差があると寄せられる情報量も違ってくる。北國には載って北陸中日には載っていない情報は多々あり、その逆はほとんどないのが現状だ。特に民間企業が主催のイベントはよく新聞社の後援をつけるが、両新聞社の後援がつくケースは稀で、どちらか片方がほとんどだ。すると主催者はどうしたって大きい方に話を持ちかける。後援する側の紙面にその告知や結果は載るし、後援しない方の紙面に情報は載らない。情報量で北陸中日はどうしても劣勢に立つ。よって北陸中日が存在意義を出すには、北國とは記事の切り口(スタンス)を変える必要があるし、同じ内容でも中身を濃くして読者を引き寄せることが重要になる。

農業関連で奮闘

 上記の意味でここ数日、農業面において北陸中日は頑張った。数日前の記事で、JA金沢市五郎島さつまいも部会の五郎島金時が「さつまいもファーマーズ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた内容を報じた。北國でも受賞の記事はあったが北陸中日の方が紙面は大きい。そして本日、加賀丸いもの生産者である能美の岡元豊さんが日本農業賞大賞に選ばれた記事が載った。これまた北國ではもっと前(2月7日)に大きく報道済みだが、北陸中日も改めて詳しく掲載している。なぜ3週間ほど遅れるの?という疑問は残るが、生産者の岡元さんにとっては嬉しかろう。

もっと頑張れ北陸中日

 私は北國新聞が嫌いではない。だが報道媒体は一つの企業が独占してはよろしくない。北陸中日新聞にはもっと頑張ってもらいたい。今まで知り合った記者には優秀な方が何人もいらっしゃった。新聞にも当然論調というものがある。北國が白とする報道に対し、いや違うそれは黒だという記事をたくさん読ませていただきたい。また、野菜やくだものの記事は両紙とも決して豊富とは言えない。北陸中日は北國を凌駕する情報量を掲載していただきたい。大いに期待するものである。