コロナで無観客開催
昨日日曜日、県立能楽堂別館で第11回長唄「桂泉会 お浚い会」が開催された。桂泉会とは杵屋君桂(きねやきみかつら)さんが会主を務める長唄三味線の会だ。今回、20~80代のお弟子さん22人が三味線で稽古の成果を披露した。といってもコロナ・オミクロン株の感染拡大が止まないため、残念ながら無観客による発表会とした。
〝プロみたいじゃん〟でいい気分
私は桂泉会に入っているわけではない。が今回、長唄のお師匠さんである杵屋君三郎先生から「唄うのがオレっきゃいないから手伝ってよ」と言われ、参加させていただくことになった。なんと!15曲中10曲でワキをやらせていただく機会だ。一般人でこんなことはまずあり得ない。参加する以上、多くの出番をいただければそれだけやり甲斐がある。「過度に引き受けないほうがいいのでは?」と心配してくれる方もいたが、別段負担には感じなかった。それより、皆さんから「大活躍だねぇ」「プロみたいじゃん」などと言われ悪い気はしなかった。マラソンに似て役得だ。実際は楽しくやっているだけで大変でも何でもないが、周りが勝手に褒め崇めてくれる。ただ4時間に渡る演目が終わってみるとさすがにくたびれた。
習い事への敬意
2020年11月29日のブログ「藤本流ふじ与会」でも書いたことがこの日も当てはまった。無観客なのに、みなちゃんと着物を着て、幕引きなどの段取りを正式にこなす。自分の発表には皆とても緊張して臨む。誰のために?何のために?自分のために。会のために。これはとても尊いことである。素人であれプロであれ、お習い事への敬意をおろそかにしない。日本人の一種の気質ではなかろうかと思う。