青果物の週間情報 【2022-W3】

■週の概況 第3週 1/17(月)~ 1/22(土)

【全体】

 生産面は冷え込みで全体的に少なめの物量ながら、消費もパッとせず、市況は軟調な状況が続いている。しかもオミクロン株の急拡大でまたも人々の動きがストップし、業務需要が一気にトーンダウンしてしまった。例年なら恵方巻の宣伝が始まり、胡瓜や大葉など関連食材が上がり始める時季だが、本年は盛り上がりに欠けているのがなんとも残念だ。売り場作りとしては、豆類などを使って春の季節感を打ち出したいところだが、この週はかなり冷え込みがきつく、季節を先取りするタイミングとしてはまだ早いと思われる。むしろねぎや白菜など、鍋物具材の消費に期待したいところだ。

 果実は概ね順調で、いちご・晩柑類を主軸に安定した入荷が見込まれる。

 あと、物流のトラブルはこの週も要注意!前週は降雪による幹線道路マヒで中京方面からの荷物が延着した。この週も週中に大雪になる恐れがあり、火・水曜あたりに備えが必要となる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは高値疲れから下げに向かう見込みだ。ブロッコリーは冷え込みの影響から入荷は減少し、価格は底上げるだろう。ねぎは埼玉産、石川産の入荷で、前年と比較して安値となる見込みである。菜類では、小松菜が各産地での生育遅れにより価格上昇が予想される。

 果菜類では、胡瓜は前年より安値が予想されるが、減少傾向の為、数量確保が難しくなる。トマトは愛知産を中心に安定した入荷となる。反対に、ピーマンは冷え込みの影響から減少し、上げに向かう見込みだ。春菊は前年を下回る単価推移。みつばや大葉等の香辛妻物類は、業務需要の落ち込みからもう一段値を下げるだろう。

 根菜類では、大根は順調な入荷となり下げに向かうが、肥大の遅れから太物の数量は伸び切らないだろう。人参は順調だが、数量は前年を下回る見込みである。玉葱は依然として高値推移が続き、さらに降雪による輸送の乱れから延着の可能性も懸念される。馬鈴薯は北海道産に加えて鹿児島産の新物の入荷がスタートし、数量は平年並みの見込みだ。ごぼうは潤沢かつ前年より安価であり拡販に向く。

【果実】

 国内果実では、苺は、愛知産、長崎産、鹿児島産からの順調に入荷する。みかんは、長崎産に加えて、和歌山産、佐賀産。生育は前倒し気味で前年より数は多くなるだろう。デコポンは鹿児島産を主体に、熊本産より各産地平年並みの入荷となる。りんごは青森産のサンふじを主体に潤沢な数量が見込まれる。

国外果実では、バナナは南米産がコンテナの不足から減少し、値を上げる見込みだ。レモンはアメリカ産の入荷で小玉傾向かつ収量が伸び切らず、前年と比較して高値推移となる。アボガドは入船の遅れが見られる。その他パイナップルや、シトラス系については、安定した入荷が予想される。

共通テストと大雪の思い出

1月15日と16日に大学入試共通テスト

 今日15日と明日16日で大学入試共通テストが行われる。今年我が家は次男の息子が受験生だ。息子の試験会場は金沢大学角間校舎で、今朝、兼六園下の停留所から臨時バスに乗って行った。息子は目標の点数が取れるだろうか。

北陸の降雪

 全国的に寒波が襲来しており、金沢でも一昨日から雪が降った。大雪警報が出て心配だったが、幸い平野部は15㎝程度と大したことはなかった。もうおそらく降らないので、交通は大丈夫そうだ。だがお隣の富山と福井は降雪量が多い。可哀想に、受験生は大変な思いをするかもしれない。

大雪のジンクス

 共通テストは大雪のイメージがある。根拠はなく、実際は違うかもしれない。雪の日の受験は、親から見れば大変だ、可哀想だとなるが、41年前、自分自身がこの試験を受けた時は何とも思わなかった。みんな同じだし、仕方ないよね、と若者は素直に受け入れるものだ。

41年前の思い出

 昔のことを思い出す。私が高校3年の時、今の大学入試共通テストは「共通一次試験」という名前だった。共通一次は私の2年上の先輩から始まった制度だ。試験日は大雪だった。朝起きてみたら膝上ぐらいまでこんもり積もっていたように覚えている。やばい、これはバスが麻痺するゾと、試験会場には歩いて行くことにした。会場は金沢市小立野の旧金沢大学工学部校舎で、自宅から2km足らず。距離的にはまったく問題なかった。だが道中の雪が深かった。1歩1歩足を踏み出すのが大変で、長靴のたけをはるかに超え雪が中に入り込んできた。それが溶けて中で靴下がグチャグチャになった。正味30分程度歩いただろうか。余裕をもって家を出たので試験開始時刻1時間半前には会場に着いたと記憶している。果たして交通は混乱していて、定刻に間に合わない受験者が続出しそうな様子だった。ほどなく試験官がやってきてテスト開始時刻を遅らせることを発表した。たしか1時間半か2時間だったと思う。私は合計3時間以上待つことになった。霜焼けしそうな足の冷たさはやがてなくなったが、ふやけた足と気持ち悪さだけが残った。結果は数学が200点満点だった(附属高校生にとって共通一次の数学は満点が必須条件だった)ものの、世界史が43点(100点満点中)というひどい点数を叩きだし、〝二次試験、足切り食らわんか?〟と青ざめたことは覚えている。

一生記憶に残る二日間

 さて、我が息子にとって今日と明日は希望の日となるか失意の日となるか。いずれにしても、大なり小なり一生記憶に残る二日間になるだろう。悔いのないよう、全力を出し切ってもらいたい。

国道8号を何とかせよ

北陸道封鎖後の渋滞

 13日夜から14日未明にかけて、強い冬型の気圧配置によりまとまった雪が降った。このため北陸自動車道は上下線および石川富山の県境の国道359号線も一時通行止めとなった。国道8号線では大型トラックが立ち往生し、最大16kmの渋滞が発生した。

卸売市場では延着多発

 市場流通も影響を受けた。中京方面からのトラック便が延着したのだ。早朝6時のせり販売時刻に間に合わない品目は多数にのぼった。今は消費が鈍く小売店の動きがパッとしないので、延着に対してクレームも言う顧客はあまりいなかった。苦情が出ないほどに販売が低調というのは寂しく情けない実情ではあるが、お客に迷惑がそれほどかからなかったという点では不幸中の幸いとも言える。

冬タイヤ未装着車が原因

 通行止め及び渋滞が発生したのは、冬用タイヤを装着していなかった車が雪で立ち往生したことが原因だ。北陸が拠点の業者では考えられないが、雪が降らない地域から流入する車両では冬タイヤをはかない車両はかなりある。今回も動けなくなった車の多くがノーマルタイヤだったという。

行政主導で動脈整備を

 過去、雪による物流トラブルが何度も何度も繰り返されてきた。国道8号は常習犯だ。極端な話、たった1台がはまるだけで大渋滞が起こる。これは〝仕方ない〟で済まされる問題ではない。今回も〝過去の教訓がまったく生かされいない〟という批判が県議会内で飛び交った。動脈が弱々しい肉体では健康的な生活は営めない。ましてや近年は温暖化の影響か、気象変動のブレ幅が増しているように感じる。大雪、大雨、地震などの自然災害が〝想定外に発生することが恒例化〟している時代だ。想定内の枠を拡大し、北陸の大動脈の整備を行政主導で進めてもらいたい。物流機能が脆弱では太平洋側と勝負にならないのである。

PHP新年会 今年の漢字一文字は〝人〟

コロナ禍の中、新年会を断行

 本日、和風中華料理店「招龍亭」で金沢PHP経営者友の会の新年会が開催された。昨年はコロナ禍で中止だった。今年も開催の可否で役員さん達は相当に悩まれたそうだが、不特定多数の会ではなく、参加者は非常に分別のある方々ばかりであるから、開催することになったようだ。それでよい。過度な自粛は必要ない。

今年の漢字を〝人〟とする

 2年前同様、各自が〝今年の抱負〟を漢字一字で表すお題があった。〝挑〟〝愉〟〝康〟〝協〟〝運〟など順番に発表され、参加者15人中、最後が私となった。私が発表した漢字は〝人〟。会社の繁栄も、自分の人生も、すべては〝人〟次第であると思った。アドラー心理学の入門書「嫌われる勇気」を昨年読んで、すべての悩みの原因は人間関係である、というメッセージにも啓発された。発表の際には、「人は城、人は石垣、人は堀…」という武田信玄の言葉も引用し、人材を大切にしていく年にしたいという思いを込めた。偶然か当たり前か、参加者15人の発表で、がぶった漢字は一文字もなかった。

〝寸〟

 元カナカンの大浦さんが発表したのが〝寸〟だった。「ちょっと、という意味の〝寸〟です。ささいなイメージですが、そのちょっとが人生の分かれ道になることが往々にしてあります。わずかなことがわずかでないのです。だからちょっとしたことをないがしろにしないような生き方でありたい」とのお話で、とても胸を打たれた。

遠くへ行きたければみんなと行け

 お開きの挨拶でのタムラテントの田村社長のお話も記録しておきたい。「年賀状をやめます、という企業や個人が増えています。今年もらった年賀状も例年より少なかったような。でも、いただいた年賀状を丹念に読むと、とてもいいことが書いてあります。いい文化であって、これからも年賀状の文化は続けばいいなと思っています。さて、今年一番印象に残った年賀状です。アフリカのことわざが紹介されていました。〝早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなと行け〟というものです。いい言葉だなぁと感じ入った次第です」。

人と歩みを共にする

 私はこの話も非常に印象に残ったので、本日少し調べてみた。

If you want to go fast, go alone.

If you want to go rar,go together.

アル・ゴア元米国副大統領がノーベル平和賞を受賞した際に授賞式でコメントしたそうであり、最近えも岸田総理大臣が所信表明演説で引用した。大きなことを成し遂げるには、人と協力しながら進むことが大切であるということ教えだろう。

ウェルビーイング

 他にも小浦会長が開会の挨拶で「ウェルビーイング(well-being)」について説明された。「幸福」という意味だが、ただの幸福ではなく、身体的、精神的、社会的にわたって幸福な状態であることを言う。奇しくもロート製薬の企業理念にこの考え方があることを最近知り、興味を抱いていたところだ。残念ながら、現状の我が社の社員はウェルビーイングにはないように思う。必ずや将来、会社の風土と業績を大きく改善し、〝ウェルビーイング〟であると胸を張って言えるようにする。

PHPの会は貴重

 このように、金沢PHP経営者友の会は、出席すれば出席した以上の気づきを与えてくれる。帰ったのは10時。明日は寝不足での出社となるが、それ以上のモノを得ることができた。

オミクロン株の猛威

第6波襲来、その名はオミクロン

 第5波の沈静化した際、これでコロナ禍は終焉だろう、と正直思った。海外で感染拡大するオミクロン株を横目に、外国人はバカじゃなかろうか、同じことを何度も繰り返してと感じた。甘かった。ここにきて日本は倍々ゲームで感染が増えている。重症化率は低いが、感染スピードが半端ない。この勢いではまたもイベント・会合・外出の自粛、緊急事態宣言に至る。外食産業は再び奈落の底に沈む。業務用野菜はまたピタリと動きを止めるだろう。

想定内か失敗か

 日本は水際対策をかなり徹底して打って来たように見える。その成果か、海外に比べ感染は際めて抑えられてきた。しかしここにきての急拡大。これはある程度予想されたこと、すなわち想定内なのか、それとも防波堤が決壊しての失敗作なのか、その評価を知りたい。水際をやってきたからこそこの程度で済んでおり、第5波までと同様に次第に沈静化するシナリオであるならばよい。もしそうではなく、ダ、ダ、ダメだーという果ての今日なのか。前者ならば騒ぎすぎだが、後者ならばもっと危機感を持たなければならない。市井の人々は重症化が少ないこともあって、どこか他人ごとだ。

受験シーズンとの絡み

 うちの次男は大学受験である。もう数日で共通テストが始まる。感染の可能性は当然心配だ。本人が感染すればその時点で受験はパーか?濃厚接触者の場合は?学力というピュアな物差し以外の邪魔者のせいで心が平穏でいられないのはなんとも可哀想だ。

順応性の賜物か、人間らしさの消失か

 今の若者達は、暗鬱な時代に生まれてきてしまったなぁと思っていないだろうか。もう2年にわたってマスクで顔を半分隠す生活を強いられ、それを当たり前のことと平然と受け止めるようになったことを人間の順応性と肯定的に評価すべきか、それとも人間性の消失と否定的に嘆くべきか、一度落ち着いて考えてみたい今日この頃である。

電算部新システム研修会

社内電算研修会に参加

 遅れに遅れていた我が社のコンピュータ新システムがようやく稼働できるめどが立った。2月からスタートできる見込みである。今は連日、社員を数班に分けて、使い方研修を行っている段階だ。私は伝票入力などの事務作業を直接やることはないが、まったくのど素人ではまずいので、本日末席に混ぜてもらった。

遅れに遅れた新システム

 遅れに遅れていたのは外部要因である。とっくの昔に発注しており、ソフト面はとうに出来上がっていた。しかし半導体の世界的品薄にせいで、ハードが全然揃わなかった。ここだけの欠品でなく世界的な欠品ならば納品業者は免責になるらしい。当初予定の1年以上も旧システムに縛られた。

完全オリジナルの自信と矜持

 新しいシステムはよくできている。わが社のシステム上の自慢は、完全オリジナルの自社設計であるということだ。コンピューター屋のパッケージソフトではなく、我が社の実情に100%対応させた完全オリジナル。そのまま他社に適用できるものではないが、それでも広く出回っている大手メーカーのソフトよりは絶対に利用価値があると思っている。高松青果さんはそれを認めて下さり、当社ソフトを高松仕様にチューンナップして使っていただいている。

電算部の労が報われんことを

 新システムが順調に稼働し、狙い通りの効力を発揮してくれれば、業務の効率化、時間短縮、ペーパーレスをかなりのレベルで実現できる。今、会社で問題となっている長時間労働も何割か解決できるかもしれない。堀上部長を筆頭に我が社の電算部メンバーが何年にもわたって磨き上げてきた新システムが無事にスタートすることを心から願うばかりである。

スパイダーマン ノー・ウエイ・ホーム:レビュー(ネタバレあり)

商業界上の偉業とも言える傑作

 マーベル映画「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」を劇場で観た。素晴らしい。これは商業上の大英断によって作り上げた傑作である。愛と情熱と知力を兼ね備えた優秀な人々が折り合って、握手を交わして成し遂げたのだろう。まさに大人の所業である。この映画で歴代3人のスパイダーマンが一堂に会した。決して交わらなかった3つのシリーズが一本に結ばれた。ただの顔見せ共演ではない。中途で頓挫していた各シリーズの伏線を回収し、敵を含めたすべてのキャラクターを成仏させたお手並みは見事だ。

もはや一見さんは理解不可能

 大傑作ではあるが、今までのシリーズ(トビー版3作、アンドリュー版2作、トムホ版4作)を見ていない初見の人には「???」の世界である。9本も観ないと理解できないとはハードルが高すぎる。エヴァンゲリオンか金沢東山茶屋街の芸妓文化のようだ。私はトビー版は1,2の2本、アンドリュー版は1のみ1本、トムホ版は4本全部観ていたので、完全ならずともなんとか追えた。そして何ヵ所かはグッと胸にこみ上げてきた。私程度でもそうなのだ。生粋のスパイダーマンファンならどうなってしまうのだろう。アンドリュー登場で1号泣、トビー登場で2号泣、3人揃って3号泣、アンドリューがMJを救って4号泣、最後に皆が成仏して5号泣。これが最低ラインか。いや、メイおばさんのシーンも絶対だから6回だ。そして映画を3回ぐらい見直すだろうから、総計20回程度の滂沱の涙を流すことだろう。

夢を与えんとするピュアな思い

 それにしても、マルチバースという設定をうまく使ってよくぞ作り上げたし、役者もよくぞ残っていたものだ。いろいろな利権問題、感情のしこり等が裏ではあったに違いないが、映画ファンのために皆が一肌脱いだのだ。この映画といい、天心VS武尊戦といい、世の中は捨てたもんじゃない。人々に夢を与えんとする情熱は良いものを生み出す。

それにしてもうさん臭い

 ここまで大絶賛させてもらったが、冷静に見返すと、マーベル映画のうさん臭さは格別だ。ドクターストレンジのメーク&コスチュームは、キワモノ芸人の域である。キャプテンアメリカというこれまた時代錯誤のキワモノはかなり渋く実写化できたのに、ドクターストレンジ、ビジョン、キャプテンマーベル、エターナルズらのチンドン屋風味といったら本当にこれでいいのかと問い質したくなる。ファンは2時間以上の映画を観続けてそれが当たり前になるのだが。一見さんにはこのうさん臭さがかなり引いてしまう要因になることをヒーロー映画関係者は認識すべきと思う。

青果物の週間情報 【2022-W2】

■週の概況 第2週 1/11(火)~ 1/15(土)

【全体】

 謹賀新年。フレッシュな幕開けもコロナ・オミクロン株が猛威を奮い、新年早々大変心配な状況である。

 年末年始の消費は残念ながらあまり活発ではなかった模様だ。一年前と比べ業務需要はまだましだが、今後コロナの拡大次第でまたも水を差される怖れがある。市況面は、例年1月中旬から果菜類を中心に生産量が先細り、供給量が落ちて相場はジリ上げ傾向となる。今季はさらに燃油高の影響でハウス栽培の加温が抑え気味のため、数量減の単価高に拍車がかかる可能性が大だ。対して大根や白菜など露地物重量野菜は低調な環境が続くことになる。

 果実ではイチゴが前進出荷の影響で今は谷間で少なく高値だ。中晩柑類は順調な出かたを見せており、平年並みの単価で保合と予想する。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは需要が落ち着き下げに向かう見込みだが、低温の影響から減少し、数量確保に注意が必要だ。キャベツは愛知産主体の入荷。冷え込みの為、玉肥大が若干遅れている。菜類では、ほうれん草は前年を下回る入荷から、価格は上げに向かうだろう。菌茸類では、えのき茸は需要の高まりから単価の底上げが予想される。

 果菜類では、胡瓜、茄子は安定した入荷だが、動きが鈍く価格は下げに向かう。トマト、ミニトマトの入荷は微増し、単価は緩やかに下がる見込みだ。反対に、キセラインゲンは産地からの入荷が減少し、堅調な価格推移が予想される。みつばや大葉、茗荷は業務需要がひと段落し、価格は下げ基調だ。

 根菜類では、大根は安定した入荷から下げが予想される。かぶらは県内産の潤沢な入荷見込みである。蓮根は天候の影響から数量が不安定となり注意が必要。馬鈴薯、玉葱は産地からの入荷量が少なく、依然として高値推移が続く。

【果実】

 国内果実では、みかんでは福岡産が今週で終了。長崎産は隔日入荷となる。伊予柑は愛媛産の入荷。デコポンは鹿児島産に加え、熊本産がスタートする。各産地平年並みの数量が見込まれる。苺は、愛知産が出荷の谷間となり、数量の確保が難しいタイミングだ。りんごの価格は下げに向かうが前年と比ベて高値基調が続く。金柑は、鹿児島産より安定した入荷と宮崎産では「たまたま」がスタートする予定。

 国外果実では、バナナは、南米産の入船の減少から国内産が少なくなり、小高い推移が予想される。シトラスではアメリカ産メロゴールドや、イスラエル産スウィーティオが前年と比較して単価高が予想される。ニュージーランド産キウイフルーツは終盤を迎え、数量の確保が難しくなる。

青天を衝け:レビュー

渋沢栄一の生涯;なぜ今までドラマ化されなかったのか

 なぜこのような歴史の巨人 〜波乱万丈の人生、数々の偉業を成し遂げた人物〜 が今までドラマ化されなかったのだろう。皆が大好きな幕末、しかも倒幕派から一橋慶喜に仕えるという大転換、西郷隆盛や土方歳三、伊藤博文らと深く親交し、明治になって時の要人ひしめく政局・経済の中枢に立った「日本資本主義の父」だ。著書「論語と算盤」は読んでいたが、不勉強にしてその生涯と業績についてほとんど知らなかった。かくも激動の人生を送った人とは。ドラマ化がほとんどなかったのはまったくもって不思議である。

言葉の力

 おそらくは、経済人としての業績が際立っているため、チャンバラや戦(いくさ)の見せ場がない上に、経済界や政界での活躍がドラマとして描き辛かったというのが理由だろう。よって、この大河が面白いかどうかは、渋沢栄一が発する「言葉の力」にかかっていた。彼が何を成し遂げ、いかに生を全うし、人々をどう動かしたか。その業績、行動に説得力を持たせるのは彼がドラマで発するセリフ=「言葉の力」であった。よって、脚本家・大森美香の筆力が一番の肝であり、彼女は見事にその務めを果たした。そして、吉沢亮は大河主演の大抜擢の期待に応え、骨太い渋沢像を体現した。

利他の心と英雄色を好む

 私にとって、偉人の史実、生涯、業績を知らず、大河ドラマで初めて教えてもらったのは「いだてん」以来である(そういえば、いだてんにも橋本愛が好演していた。彼女はNHKから愛されている)。渋沢栄一は財閥を形成せず、一族で富を独占しなかった。あくまでも世の中全体を豊かにするための獅子奮迅。利他の心 ここにありだ。ただし、女遊びはかなり激しかったらしく、その点をドラマでは妾一人にとどめていた。現代の価値観では品行方正な人物とは言えないが、乱世の価値観では英雄色を好むの典型で、奥方様の心情を別にすれば、当時はそれも人気の一因だったかもしれない。

見応えある大河ドラマ

 ドラマに「言葉の力」は重要だ。いやドラマに限らない。人生において「言葉の力」は重要だ。「青天を衝け」で改めてそのことを認識した。非常に見応え、聞き応えのある大河ドラマであった。

手段を選ばず勝つことは正義なのか

勝てば官軍?

 「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉がある。道理はどうあれ、勝った方が正義になるという意味だ。事実、古い歴史は自己の正当性を示すために為政者目線で作り上げられてきた。私の予感だが、このことわざは2022年のキーワードだ。現代でもそれがまかり通るのかを問い直すという意味で。価値観は戊辰戦争の時代とは大きく変化した。大義なき勝利はいずれ敗北に通じる。その道徳観を心に刻みつけることが現代人に必須なのではないか。

正義の精神

 現代ネット社会は、あらゆる不正が隠しきれない。もし発覚すれば数倍の不信感と社会的制裁が身に襲いかかる。常に何者かが目を光らせている時代だ。たとえ正義に身をまとっても、一方でアンチがはびこり、言われのない誹謗中傷を受けることもある。その危機を乗り越えるのもまた、常日頃から自分自身に課している正々堂々の精神だ。

知事選も大義を胸に

 身近な話題になるが、今春の石川県知事選挙はどうなるだろうか。日頃からお世話になってきた先生方が、相容れず並び立とうとしている。周囲はやれ分裂だ、やれしこりが残ると騒がしい。穏便に収めようと色々工作もする。だが根本はどうか。首長を県民が選ぶ選挙である。吾こそはと思う立候補者が、正々堂々、県民に政策を訴えればよい。それを周囲が横からこちらが先だ、そちらは降りろなど、本末転倒だ。しこりが残るかどうかは当人次第で、すんなりノーサイドかもしれない。(ただ、現行の選挙制度では立候補する際に議員辞職しなければならないのはリスクができすぎる。なんとかならんものかなと思う。)