近江町市場は徐々に回復

青草辻開発(株)の取締役会

 本日、近江町いちば館を管理運営する「青草辻開発株式会社」の取締役会が開催された。私は同会社の役員の一人に任ぜられている。今回は上半期の財務状況とテナントの状況について報告・審議が執り行われた。

上半期収支は黒字回復

 青草辻開発株式会社の収益は、近江町いちば館で営業する各店の家賃が柱である。昨年度はコロナ禍で各店舗が経営に苦しんだため、会社は家賃の減額に踏み切った。そのため前期の決算は覚悟の上の赤字だった。今期は減額を解除し、元の家賃に戻したため、会社の収益は健全化を取り戻している。まだ地下に空き区画があるが、出店を希望する業者はすでに控えている。順調に行けば今後さらにコロナ前の状態に近づくだろう。

店子(たなこ)が儲けてこそ

 しかし、青草辻開発が復調しても、店子さんの経営環境が改善しなくては本当の意味での復活にはならない。仮にコロナ禍が完全に沈静化するとしても、インバウンド需要は早期には回復しないだろう。国内観光客がどの程度来てくれるか。それ以上に、近江町本来の姿である、地元のお客さんがどれだけ戻ってきてくれるかが未来の近江町市場の復活の鍵である。

会社のWiFiを個人に開放

データ通信規制を改正

 会社のデータ環境について2つの決定が下された。一つは会社の情報の個人端末への閲覧許可であり、もう一つは会社WiFiサービスの個人ユーザーへの開放である。

会社情報の個人端末での閲覧許可

会社が社員に貸与しているのはいわゆら〝ガラ携〟である。社員は電話を使った仕事が多く、通話に限定すれば今でもスマホよりガラ携の方が便利だ。ただ、近年は写真による情報交換、データを駆使した商談が多く、スマホやタブレットの必要性も高まっている。そこで個人のスマホで会社のグループウエアなどの情報を見られるようにした。各種申請手続きも可能だ。大手企業なら当たり前のレベルだろうが、遅まきながら我が社もようやくといったところである。

会社のWiFiサービスの個人ユーザーへの開放

 社員は自分のスマホを使って顧客や生産者とラインで仕事をしている。今までその通信費は個人持ちとなっていただけに、会社のWiFiサービスを個人ユーザーへ開放することでわずかながら個人の負担を減らすことができる。また、WiFiは社外の方にも開放することにした。仕事で使う場合に限らせていただくが、当社のオフィスにて通信する必要がある方は、どんどん利用していただきたい。

青果物の週間情報 【2021-W50】

■週の概況 第50週 12/6(月)~ 12/11(土)

【全体】

 野菜全体としては、芋玉を除いてまずまず例年どおりの展開で、12月中旬までは比較的おだやかな動きとなりそう。冷え込みがきつくなり、野菜の全体量は減少傾向になるるが、大きくひっ迫するものはないだろう。露地野菜は潤沢であり、ダイコン・人参・キャベツ・白菜などは軒並み供給過多である。果菜類は燃油高もあって数量は絞られ、胡瓜やナスなど、価格の底上げを見せるだろう。替わって鹿児島産を中心に豆類が豊富に出回る時季を迎える。妻物類など業務用野菜は、コロナ以前のレベルではないにせよ、かなり動きが回復してきた。
 果実では、柑橘類は例年並み、りんごと柿は少量高値、潤沢だったイチゴはやや減少傾向となる。デコポン、紅マドンナなど晩柑類の種類が増える。不作の品目の影響で、果実全体がやや高値の印象を与えるかもしれない。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは兵庫産が減少し、価格は上がる見込みだ。ブロッコリーは冷え込みの影響から減少傾向。数量の確保には注意が必要である。葱は低温により入荷は少なく、価格は上がるだろう。菜類では、ほうれん草、小松菜は関東産地の減少により底上げが見込まれる。菌茸類は、安定した入荷から保合が予想される。
 果菜類では、トマトは秋冬産地の数量は多くないものの、高値疲れから価格は下げに向かいそうだ。ミニトマトは愛知産主力に順調な入荷。価格も下がり販路の拡大が期待できる。ピーマンは概ね安定した入荷となるだろう。豆類では、キセラインゲンが安定した数量から価格は一段下がる見込みである。
 根菜類では、千葉産主体に安定した入荷が見込まれる。かぶは共撰物、個人物に加えて大野地区がスタートし安定した数量が期待できる。人参は週後半より碧南地区が開始の予定。ごぼうは青森産の安定した入荷が続く。馬鈴薯は産地での生産量が少なく、価格は上げる見込み。長芋は青森産の秋堀物がスタートし、平年並みの安定した入荷が見込まれる。季節商材では、県内産の干し大根はピークを終え減少傾向になる。霰等の影響から前年と比較して数量は少ない模様だ。くわいの入荷がスタートする。

【果実】

 国内果実では、みかんは長崎産、福岡産に加えて、和歌山産、愛媛産から前年を上回る入荷となる。苺は愛知産と長崎産、週後半より鹿児島産のさがほのかもスタートする。りんごは青森産の入荷。依然として高値推移が予想される。メロン類では、静岡産アールスメロンが順調な入荷だが、ギフト需要により値段は上げに向かう。キウイフルーツは福岡産からの入荷。前年より産地の出荷計画は多く安定した入荷となるだろう。その他、金柑、洋梨、中晩柑類では、鹿児島産の大将季が入ってくる。
 国外果実では、バナナでは、フィリピン産は船舶の事故、南米産は雨季の影響による品質の低下が見られる。マンゴーはオーストラリア産へと移行する。その他品目は安定した入荷が見込まれる。

短時間でギュッと!

少しをたくさんやる

 最近よく反省し、絶対に改善しようと思っていることがある。どっぷりはまらず、少しをたくさんやること。仕事であれ生活であれ、長時間にわたって根を詰めるのをやめ、短い集中でたくさんのタスクをこなすよう、自分のスタイルを変えるということである。

若さゆえの無理

 昔はよく〝根を詰め〟た。学生の頃は試験前だけガーッと勉強する一夜漬け戦法ばかりだった。数日なら睡眠を削るのは何でもなかった。大学に入って芝居に夢中になり、踊りの振り付け担当になった時は、徹夜の連続だった。公演前に睡眠ゼロが続くのは何でもなかった。社会人になっても、一人深夜まで職場に残って仕事することがよくあった。裏を返せば、日々こつこつ少しずつ進めるのが下手だったのだ。

加齢ゆえの限界

 年とともに、そのやり方ではパフォーマンスが上がらなくなったことを実感する。心や体を疲れさせると、なんとなくやりきった感がある。しかしそれはただの自己満足だ。自分だけ充実感に浸っているだけで、仕事の質は粗いし、その後に必ずツケが来る。これまでは、長時間やらないと不安になってしまう自分がいた。その錯覚とは今後は決別しなければならない。

短時間で質の高いパフォーマンスを

 120%やらないこと。一時的にはいいが、この状態が長く続くと疲れがたまり、長期的にみると良い結果は残せない。これは仕事でも習い事でも何でもしかりだ。短時間で効果的な活動をする。質を向上させて数をこなす。このスタイルに変えなければいけない。

8番らーめんのドライブイン

長丸社長と会食

 昨晩、田井屋の田井徳太郎さんのおはからいで、(株)ハチバンの長丸昌功社長と会食する機会を得た。ハチバンは言わずとしれた金沢のソウルフード「8番らーめん」の会社だ。創業者 後藤長司氏が国道8号線沿いに出店したので「8番らーめん」。フランチャイズ制を敷いて店舗数を伸ばし、長男、次男が跡を継いでからは海外にも進出した。今や国内130店、タイを中心に国外140店もの「8番らーめん」が林立する一大企業になった。

ハチバンと金沢市場

 長丸社長は後藤一族の経営を受け継ぎ、昨年3月から代表取締役社長に就任された。8番の多角経営の象徴とも言える和食事業(八兆屋、長八、市の蔵など)の統括者として辣腕を奮った人物である。8番ラーメンといえば上にたっぷりのったキャベツともやしが定番だが、残念ながらそのほとんどは金沢の卸売市場の納めではない。しかし、和食事業ではたくさんの野菜を間接的に納めさせていただいている。

ハチバンの最近の変化

 その8番らーめんだが、コロナ禍で販売方法にも多くの工夫をされている。一番は、テイクアウトとドライブスルーの拡大である。ラーメンはテイクアウトが難しいのはすぐわかる。麺類はのびるのだ。そこで、2層式の容器の下段に熱々スープ、上段に麺を入れ、食べる人が自身で直前に混ぜ合わせる方法を採用した。ドライブスルーは、注文してから作り始めるオーダーメイドだ。よって注文後にお客には駐車場で一旦待機してもらう。出来たラーメンは店員さんが届けてくれる仕組みだ。ドライブスルーもテイクアウトの一部である。ドライブするーができる店舗は今はまだ限定的だが、その店舗ではテイクアウト率がなんと全体売上の2割を占めているそうだ。これもコロナ禍による消費形態の変化の現れである。

素晴らしき企業姿勢

 ハチバンはラーメン業の王道を行きながらも常に変化を繰り返す優良企業だ。コロナ禍で感染した社員はゼロだったそうだ。驚異的である。店舗の感染対策を徹底した成果であり、社員教育に熱心なことの証左であろう。これからも大いに見習うっていきたい。

ころ柿、ご祝儀相場なし!

志賀町特産「ころ柿」の初荷

 石川県能登地方、JA志賀町の特産干し柿「ころ柿」の初売りを迎えた。ブランド化で年々人気が高まり、昨年(12月1日)は1箱25万円!の驚き価格が出た品だ。今年はいかに…?と普通ならご祝儀相場について注目が集まるところだが、今年は全く趣の違う結果となった。

今季は大不作

 実は今年、ころ柿は大不作が確定的となっている。予想では平年の7割減!である。-70%は異常値だ。3分の1もないことになる。最大の原因は春先の霜だ。花芽がつく4月に3日間ほど霜がついた。このため、ころ柿の品種「最勝(さいしょう)」の樹には実がほとんどつかなかった。さらに追い打ちをかけたのが炭疽病(たんそびょう)だ。実に黒い斑点が出て、そこから腐ってくる。菌のしわざなので、周りに伝染する。

ご祝儀相場は出ず!

 つまり、今年の状況はかなり以前からわかっていた。JAおよび市場では、数が少ないことを見越して、今季はハーフ箱(大きさがレギュラーの品の半分の大きさの箱)をメインにすることを決定し、この日の初売りもほぼ全量ハーフ箱での出荷となった。注目の初せりだったが、桐箱に納められたころ柿ハーフ箱は、1箱3000円だった。この日、新聞・テレビの取材班が多数来ていた。多分彼らはがっかりしたことだろう。昨年が25万円(ただし最後にせりで販売した1箱だけだが…)、今年は3000円である。話題性がない、と思ったに違いない。

むしろ前向きな相場

 しかし、新谷(あらや)組合長以下JA志賀町の皆さんと、我々市場人はそうではなかった。むしろほっと胸をなでおろしたのである。ハーフ1箱3000円はとてもいい値段だった。昨年より1個あたりの単価が100円も高い価格!つまり、買人側は数が極小なのを考慮して、それに見合った高単価に納得してくれたということだ。

生産者に向けた配慮

 ご祝儀相場「○万円」は一種の景気づけである。実際の購買意欲とはかけ離れた非現実的な値だ。今年はそれがなかった。これはムードの沈滞を意味するのではない。〝配慮〟とでも言うべきものだ。なぜ配慮か。前述のとおり、今年は7割減の凶作である。7割減は、多数いる生産者のあくまで平均値だ。中には全滅した人もたくさんいるのである。そんな中「初せりン十万円だ~!」と煽るのはいかがなものだろう。傷心の方々の心情にあまりに無神経なバカ騒ぎになるだけだろう。

苦しい中でも最善の努力を

 今年のころ柿は少ない。そして1個単価はとても高い。消費者にとっても手が出づらい。だからWIN-WINの反対のLOSE-LOSEだ。如何ともし難い。しかし、それならそれで最善を尽くすべきなのだ。今年は粛々と進められたはつせりだが、今度は年内いっぱい、この値段をなるべくキープする販売活動が求められる。出荷者も頑張るだろうし、我々もそれに応えるべく頑張らねばならない。

映画レビュー:「エターナルズ」

ワンコインで鑑賞

 アベンジャーズエンドゲームで一度大団円を迎えたMCU。その次に展開する新フェイズの中心的な存在だろうか。マーベル映画「エターナルズ」を鑑賞した。本日は「映画の日」で1000円。それに金沢市の助成割引券を使ってさらに半額の500円で観ることができた。

〝きつい〟

 感想は一言〝きつい〟。一つ前のマーベル「シャン・チー」はツボにはまったが、エターナルズは私には合わなかった。全地球、全歴史をまたがって繰り広げられる壮大な世界…のはずなのに、ヒーローたちのメンタルはふらつきっぱなしである。やれ誰々が好きだ嫌いだ、誰についてくついてかないと人間臭いこと甚だしい。そのグダグダ感が7000年も続いてるのか。長く生きてるんなら、もう少し分別つけようね。

〝いたい〟

 キャラは〝いたい〟。いつの時代・どこの国でもずっと同じ髪型ってどうなのよ。7000年間ずっと現代人の普通の髪型とメイクだが。コスチュームは原作に忠実かもしらんが、B級感こってりでどっかのコスプレ大会みたい。こうしたキャラの恥ずかしさは、XmenやDC映画にも共通する。きっとこれはアメリカ人の感性なのだ。日本人には「それでいいの?」と思うが、アメリカ人は「これがいいんだ」と感じているに違いない。

〝しょぼい〟

 バトルシーンは〝しょぼい〟。戦場は海辺か草原か森の中で、どっか遠いところで人知れずヤッてる感じだ。技は基本一人に一つで単調。不老不死と聞いたが意外とすぐ死ぬ。メンバー全員がスーパーマン級の能力らしいが、ソーやハルク、マグニートーの方が迫力がある。

〝ナンノコッチャ〟

 しかし、他人のレビューを観ていると思いの外高評価が多い。この映画はマーベルマニアのための映画なのだ。原作のあの伏線があのシーンにちらりと入っていて思わずにんまり…という楽しみ方をする映画で、マニアには相当おいしいご馳走なのだろう。逆に一見さんには〝ナンノコッチャ?〟の違和感の連続の映画ではないかと思う。この先のMCUがちょっと不安になってきた。

青果部取引協議会

年末年始の定例会議

 本日、年末の青果部取引協議会が開催された。金沢市中央卸売市場の卸、仲卸、小売組合の代表者が寄り集まって、主に年末年始の取引状況やルールの確認をする場である。毎年の定例会議であって、だいたい内容も例年どおりではあり、揉めることはまずない。だが、年末年始は特殊な時期であり、きちんと手順を踏んでおくことは重要なのである。

年末年始は代金決済が重要

 例えば、代金決済サイクルというものがある。当市場では1週間ごとに〆日を設けて精算・振込処理を行っていく。一般社会の月〆めよりもかなり細かく短いターンだ。これは生鮮青果物という保存貯蔵が効かない商品を迅速正確に処理していく上で必要なことであり、また、資金繰りに苦しい生産者(農業者)への代金支払いをよりスピーディーにこなすための業界の決め事だ。当市場では平常は木曜日〆めの月曜日払いというルールだが、年末年始は小売店も金融機関も特別な休暇に入るため、通常とは違う〆日設定とする。たとえば1週間より長い10日間とか2週間とかの売掛・買掛期間を設定する。万一、年末年始のこの時期に、経営破綻する店が出ると、組合はその店の買掛金を保証しなければいけない。これを代払い制度という。年末年始はこの買掛金が通常より大きく膨らむので、組合側としては実は戦々恐々なのである。

会長職としての責務

 私はこの協議会の会長という立場である。業界の人々が安心して運営できるよう、多くの人々の意見を聞かなければならないし、意見の相違がある時は皆が納得できるまで検討を重ねる舵取りをしなければならない。特に近年は卸売市場法が改正され、市場運営のあり方が多様化しているだけに、新しく取り組む自由さと、着実に押さえる堅実さの双方が求められる。

第50回ふじ与会

お客様を招いて

 本日、端唄 藤本流 ふじ与会の第50回お浚い会が開催された。前回はコロナ禍により無観客での開催だったが、この記念すべき節目の会は、約40人のご招待客を前にしてのお披露目会となった。

50回という業績

 年2回の発表会で25年間続けてきた会である。草創と守成、何れが難き。この言葉はこういう活動にもあてはまる。草創すなわち立ち上げよりも、守成すなわち守り続けることの方が大きな困難を伴う。50回の積み重ねはものすごい。会主の藤本秀佳代先生には心よりの敬意と祝意を捧げたい。

親しみやすさと自由さ、しかして厳しい

 この会、この先生が素晴らしいのは、いい意味での敷居の低さと親近感が感じられることだ。私でもできるかも、と聞く人を感じさせる。それでいて生徒さんたちはとてもまじめで、秀佳代先生も出来に関しては厳しい。硬軟のバランスがとても心地よい。以前も書いたが、この手の和楽は、出演者の知人友人がお義理で鑑賞に来ることが多いが、この会のお客は心から楽しみにして来られている。知っている曲であれば、思わず客席からも口ずさむ声が聞こえる。端唄、俗曲は江戸、明治、大正の時代に親しまれてきた庶民の曲だ。その面白みは現代の日本人にもしっかり響くのである。

スタッフとして全神経を使う

 私はお浚い会当日は完全にスタッフ集中である。裏方として舞台の座布団の位置合わせ、マイクや譜面台のセッティングと進行に全神経を使う。自分の唄や演奏の出来不出来は正直どうでもよい。会がすみやかに始まり、つつがなく進行し、無事に終了することが何よりの望みだ。この習い事を続けるにあたっての費用はそれなりにかかるが、それほどでもない。大人の趣味としてはとても良い。その価値がわかるのか、やめる生徒さんも少ないし、徐々にまた仲間が増えてきている。ついに男性の新たな希望者も登場し、黒一点だった私の立場もどうやら今回限りのようだ。

無事終了

 50回記念お浚い回は無事に終演を迎えた。大変後味の良い、楽しい会だった。

青果物の週間情報 【2021-W49】

■週の概況 第49週 11/29(月)~ 12/4(土)

【全体】

 大筋では前週とあまり変わらない状況である。すなわち、全体的に野菜は安値潤沢傾向だが、品目によっては品薄高値、安値低迷とさまざまである。だぶつき気味なのは白菜、キャベツ、ネギ、ダイコン、人参など。ほうれん草など菜類も潤沢だ。逆に品薄高値感があるのは玉葱、馬鈴薯で、トマトも供給量はひっ迫している。産地は原油高で加温に消極的であり、今後果菜類や妻物類など施設栽培比率の高いものは品薄となる可能性がある。
 果実も前週と変わらず。すなわちミカン・イチゴは潤沢で、柿・りんごは品薄高値傾向である。紅マドンナやデコポン大将暉といった晩柑類が登場する。月末よりころ柿の共撰がスタートするが、霰と病気により不作年となるのが確定的だ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタス、ブロッコリーは主要産地から潤沢な入荷となり、安値推移となる。白菜は茨城産から安定して入荷し、価格は一段下がる。キャベツは愛知産を中心に安定した入荷が予想される。小松菜は県内産が減少し価格は底上げの模様。えのき茸は年末に向けて上げるだろう。その他の菌茸類も強含みが予想される。
 果菜類では、胡瓜、茄子は各産地安定した入荷が見込まれるものの、今後の冷え込み次第では、不安定になる可能性がある。春菊も鍋物需要の高まりから強含みが見込まれる。ミニトマトは愛知産、高知産の増加により前年より安値推移となるだろう。
 根菜類では、人参は岐阜産がピークを迎え安定した入荷となる。大根は千葉産、県内産が中心。かぶは県内ハウス物が増量し、価格は下げていく。県内産の蓮根、甘藷は安定した入荷が見込まれる。ごぼうは青森産が潤沢で、前年と比較して安値。拡販が可能だ。馬鈴薯、玉葱は不作の為、長期高値推移が続く。長芋は青森産がスタートする。季節商材では、県内産干し大根がピークを迎え、本格的なシーズンに突入する。百合根は入荷が終了の為、今後の数量確保に注意が必要だ。

【果実】

 国内果実では、みかんは福岡産、長崎産が早生のピークを迎え順調な入荷が見込まれる。干柿は、県内個人物と富山産に加え、志賀町のころ柿共選がスタート。霜害で例年より少ない数量が確定的だ。高松地区の紋平柿は終盤を迎え減少。苺は、愛知産、長崎産、鹿児島産が中心で、前進傾向の為、今は潤沢で価格は下げの見込み。メロンは静岡産についてはギフト需要で正品の値段は上げ気配だ。洋梨は山形産から新潟産へと切り替わりる。キウイフルーツは福岡産が週後半からスタートする予定だ。
 国外果実では、フィリピン産バナナは入船の遅れが解消され安定した入荷となる。キウイフルーツでは、ニュージーランド産のゴールドが終了となり、グリーンのみの販売となる。その他のシトラスについては安定した入荷が見込まれる。