ファーム菜四季穴水農場視察

子会社の穴水農場

 石川県穴水町は奥能登地区であり、金沢とは100km、車で1時間以上の距離がある。そこに当社の子会社「ファーム菜四季 穴水農場」がある。行けば少なくとも半日が費やされるので、そう頻繁に行けないのがつらいところだ。

同じ石川でもロングディスタンス

 会社の子会社であるにも関わらず、この穴水農場にまだ一度も行ったことのない本社社員がたくさんいる。それも営業部長クラスにである。これはとても残念なことだ。そこで今回、「まだ一度も穴水農場に行ったことのない部長視察ツアー」を計画した。決行したのは昨日29日。その日も会社は普通に営業しているため、午前中は業務をこなし、お昼12時に会社の車で出発。1時間半かけて農場に着き、2時間かけて見回って、また1時間半かけて帰るという5時間のツアーであった。

実際に見ることの大切さ

 実際に目で見た圃場の広さ、ハウスでの種苗育成の過程、栽培物の生育状況…。本当は一度見ただけで何ほどのものがわかるわけではない。だが、足を運ぶか運ばないかは決定的に異なるものがある。それは“思い入れ”とでも言うべきものだ。毎日、畑をいじって生産に苦労している者たちの生の声を聞くこと、育っている農産物を直に手で触れてみること、等々で人の心には確実に経験値が蓄積される。「一度見ておくこと」はたかが「一度」であっても、「ゼロ度」とは雲泥の差があるのである。

見せた効果はあった…はず

 一行は、カボチャの畑が三圃場にまたがって広大に育成されていることに目をみはったようだ。そして、現在8棟のハウスで管理されているアスパラガスのしっかりした栽培体制にも感心したようである。この穴水農場は、さあできたさあいくら…ではなく、前々から顧客候補をお連れして圃場を見せ、契約的に販売できる体制を構築したい。その点においても、売る側のプロである当社営業部長に認知させることは極めて重要なはじめて一歩であった。私はこの日、別用で朝一番に金沢⇔七尾を往復し、午後に金沢⇔穴水を往復してヘトヘトに疲れた。が、引率した甲斐はあったと思う。

金城大学短期大学部で講義した

青果物について教える授業

 昨日28日、金城大学短期大学部で野菜とくだものの講義をしてきた。毎年やらせていただいており、今回で4回目である。短大の生徒さんを相手に青果物の諸々のこと…種類、保存、見分け方、安全性、流通の仕組み、生産の現状、地元ブランドなどなど…を話す90分の授業である。

60人もの大人数を相手に

 今年は60人もの生徒さんを前にしての講義だった。たしか昨年は20人くらい、その前は5~6人だった。実は数が少ないほうがやりやすい。私は生徒が眠くならないよう、クイズを取り混ぜながら講義する。問題を解くのに一人ひとり当てると学生さんが飽きない。また、授業の中盤で販売シミュレーションゲームという模擬商売を行ってもらう。いくつかゲームのネタがあるが、一番おもしろいと自分で思っているのは5~6人で行うものである。だが、今回は多人数の60人。まあ、教えることに素人な私が背伸びをしても仕方がない。何割かは眠りこけてもしかたがないだろう、とゆったりと構えて授業に臨んだ。

真面目な受講態度に感謝

 ところが、学生の皆さんはとても真面目だった。90分間、ほとんどの方々が熱心に耳を傾け、メモを一生懸命取られていた。この学校で教えるときはいつもこうだ。教えるほうとして本当に感謝だ。生徒の質は学校によって差がある。金城短大の生徒は間違いなく優良だ。

秋にはプロフェッショナルによる食育授業を

 講義終了後、こちらからも先生方にお願いした。コロナ禍で、金沢市場で恒例の料理教室ができずに一年以上が経過している。その分の予算が余っている。料理教室はできなくても、食育活動は何らかの形で行いたいのだ。そこで、東京から青果のプロを招き、学生を対象に専門的な食育授業を開催したい。その受け入れをしていただける学校を私は探している。その説明をしたところ、金城短大さんは快くこれを受けてくださった。今年秋をめどに開催にこぎつけたい。

ワクチンは危ない?

医療従事者でも考えは二分

 知り合いの医者が「ぼくはまだ打っていない」というので驚いた。えっ?医療従事者は半ば義務的に接種しなければならないと思っていた。違うらしい。彼は「医者には世間には流れていない情報がいろいろ入ってくる。打たないリスクと打つリスクを比べた場合、ぼくは打たないことを今のところ選択している」と明言した。そう言われると素人である私はどうすべきかまったくわからず、グラグラしてしまう。

若い世代は自重が得策か

 彼曰く、高齢者は打っておいた方が無難だそうだ。感染した際に重症化を抑える効果もある。しかし、若い層になればなるほど「打つリスク」が懸念される。なんせ副作用がまだ明らかでないのだ。情報も整理されていない。もしかして何年か後に重大な副作用が発覚するかもしれない。そして、実は先行する欧米では日本の社会に伝わっていない重篤な失敗例もあるのではとも囁かれている。打たないリスクより打つリスクの方がはるかに小さいから打つべきだという理屈はどうも眉唾である。若い人が心配なのは、それが今後の長い人生に影響を与える恐れがあるのと、次世代に負の遺産を継承させてしまう危険性だ。あと2~3年は自重した方が得策かもしれない。

自分自身はどうする?

 私自身はどうしようか。今のところ接種するつもりだ。年齢も59になるいい歳だ。妻と子は受けさせない方に傾いている。妻は昨年、病気にもなった。体質的に薬物に敏感なところもある。ワクチン接種で体調を崩す可能性は普通の人より高いのではと危惧する。息子はなんせ先が長い。まだ確証が得られていない道に踏み出す時期ではないのでは。本当に、このコロナ禍というやつは、いつまで人類を悩ませるのだろうか。

青果物の週間情報 【2021-W27】

■週の概況 第27週 6/28(月)~ 7/3(土)

【全体】

 野菜は全体に順調な出回りの中、それほど高値の品目は見当たらない。昨年は7月から長雨となり数量減の単価高となった。今後は前年より潤沢で値ごろ感の強い印象が強まると思われる。ただし予報ではこの週は全国的に雨模様であり、降雨が続くようならば状況の変化もあり得る。特に東北方面からの出荷が今から始まるタイミングであり、その作況は今後の気象に大きく影響を受けるためまだ未知数だ。
 消費面は全体に鈍い状況が続いている。しかし業務需要は前週よりさらに一歩改善している感があり、大葉や食用菊といった妻物類にも引き合いが出てきている。梅雨で香辛薬味系も需要が高まるだろう。地物の出荷は野菜よりも果実の方が目立つ。すいかは増量し、デラウエアも本格化する。一方野菜は、赤じそやナスが出てくる季節だが、伸びが今一つで数量は少ない状況。うめは7月上旬で終了しそうだ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、長野産レタスや白菜は供給過多で価格は低迷していたが、産地での出荷調整が入り、価格は浮上する見込みだ。キャベツは群馬産がスタートし安定した入荷が見込まれる。ほうれん草、小松菜も安定した入荷となるだろう。
 果菜類では、枝豆は岐阜産主体に、群馬産、新潟産の入荷となり、安定した入荷が見込まれる。とうもろこしは、愛知産がピークを過ぎ、堅調な価格推移が見込まれる。ピーマンは、北海道産の入荷。翌週に長野産がスタートし、不足感は解消されるだろう。
 根菜類では、季節商材の梅は県内産が終盤で数量は減少する。ずいきは県内産が安定した入荷される。ごぼうは群馬産が潤沢なため、半場拡大が可能だ。しょうがは高知産、和歌山産が安定した入荷となりこちらも大量販売が可能だ。長芋は、需要の高まりと帯広地区が少雪により、C品の割合が高く平年より若干高値推移となっている。玉葱は県内産、富山産の入荷が増量する。大根は岐阜高冷地の入荷となる。

【果実】

 国内果実では、西瓜は大玉・小玉は県内産メインだが、生育遅れが散見され数量は不安定だ。だが7月の上旬にかけ徐々に回復が見込まれる。プラムは県内産が潤沢な入荷。デラウェアは県内産主体の入荷で、金沢産もスタートし、数量は前年を上回る安定した数量となる。ぶどうは山梨産、岡山産からシャインマスカット、巨峰、ピオーネの入荷となる。桜桃はピークを過ぎ減少傾向となるだろう。メロン類はアンデス、赤肉共に減少傾向の入荷が見込まれる。
 国外果実では、アメリカ産チェリーは品種が切り替わりながら順調な入荷を続ける。シトラス系は、ネーブルはオーストラリア産に移行。レモンはチリ産主体に安定した入荷が見込まれる。バナナは入船遅れも解消し安定。ぶどうは緑系が7月よりメキシコ産の入荷となる。

社内研修会の在り方

社員教育の重要性

 社員教育はとても重要である。私は今の会社から今日までたくさんの機会を与えられた。研修の案内か、なら奴を送っとけ、で白羽の矢が立つのは多くの場合わたしであった。今の社員の何倍、何十倍も研修の機会があったし、また、受けたいと思うものは自らお願いして行かせてもらった。中には何も身にならなかったものもあるが、確実に何割かは今の私の血と肉になっている。

カリキュラムを作りたい

 しかし反面、私以外の従業員に勉強の機会は少ない。会社として社員研修の仕組みをカリキュラムとして備えることが必要だ。テーマによっては外部から講師をお招きし、それなりに予算を組んで仕組化すべきだ。研修は若手社員向けに偏る傾向があったが、中堅・ベテラン・役員向けにも同様に研修が必要である。

自社内研修会

 そしてまた、なにも外部から先生を招聘しなくても、社内勉強会はいくらでも可能であり、むしろそちらをメインとすべきと考える。社員が先生となり、社員を教える。身近なテーマや業務に直結する内容をこまめに教えることができるし、教える方は表現力、説明力を養う訓練になる。

検定を使った教育

 或は、大企業になれば、特定の資格試験に合格しなければ昇格できないといった制度を取り入れている会社もある。我が社でもかって「食の検定」を全社員に推奨していた時期があったが、検定自体があまり広まらなかったので辞めてしまった。それに代わるものがないだろうかと探している。

今期も昨年の研修を繰り返す

 昨年も行った若手研修会を今年も行う。昨年講師を担当してくれた部長はかなり多忙なのでその任を解き、管理部門の社員が講師役を担うようにシフトする。私も講師役として何度か登壇する予定だ。

基礎からじっくりと

 先の火曜日にその第一回目を行った。株主総会が終了した直後なので、決算内容の報告を兼ねて会社の業績と、頭に入れておくべき会社の数字を説明した。極端な話、「年商」、「営業利益」、「貸借対照表」といった言葉の意味すら知らない者もいる。それを「レベルが低い」などと言って無知な社員を貶めるのは恥ずべき行為だ。教えなかった会社が悪いに決まっている。何度でも、地道に、基礎的なことを教え込む。当たり前の社員間教育を続けていきたいと考えている。

石川県の高松のぶどうスタート

初せりでご祝儀3万円

 本日6月25日、石川県かほく市高松地区の特産品である「デラウエア」の初せりがあった。毎年、地物の果実が始まったという実感があるのが金沢のスイカと高松のデラウエアである。現場には前年の初荷を上回る量の箱数が揃った。そのうちの2箱(10房入)は、糖度が22度もあり(甘いものでも通常は18度ぐらい)、特秀品のグレードがついた。初競りのご祝儀相場とあって、特別にその2箱には1箱3万円の値がついた。

関係者が一丸となる産地

 初競りにあたり、高松ぶどう生産組合の大田組合長(生産者代表)とJA石川かほくの西川組合長、そしてかほく市の油野和一郎市長がトップセールスでお見えになった。かほく市は一致団結感の強い組織だ。みなでがんばろう、というメッセージがどの野菜・果物の出荷においてもなんとなく感じられてくるから不思議だ。

生産ペースの平準化

 その一つの現れとして、今期、産地では生産者組合員の栽培進度の平準化に努めているという。昨年、豊作と言われながら後半に失速し、品不足を招いた反省に立ったものだ。今季は7月一杯、順調潤沢に出荷を続けるべく、みなが一丸となっている。

生産増大、販売拡大を期す

 また今期は1月の大雪や5月の曇天など一時的に悪天候に見舞われたが、その後は天候が回復し、最終的に品質の良いものに仕上がった。シーズンを通し70tの生産量を目指している。卸売市場流通側もその期待に応えるべく、全社を上げて販売に務めたい。

石川県食品総会の総会に出席

年に一度の総会

 一昨日の22日、石川県食品協会の総会に出席した。石川県内の食品に携わる企業が相互利益のために組織するのが「石川県食品協会」である。毎年一度はホテルで総会が開かれ、この一年の事業報告と決算、新年度の活動目標と予算が決められる。

当社も販路拡大の波に乗れ

 この協会で取り組む活動で一番目立つのは、県外への販路拡大の機会作りである。県外の実需者とのマッチング機会を作り、そこに出店することで新規顧客の発掘を狙う。ときに海外に向けての販促プロモーションが開催されることもある。こうしたイベントではどうしても「加工食品メーカー」が主役となる。社のような流通業者は、「自分のもの」「自分の作ったもの」という商品がほとんどないため、なかなか出店の機会が得られない。なので、残念ながら、当社は石川県食品協会の具体的な事業への参画はこれまでほとんどなかったと言って良い。言わば、総会のような場にたまに顔を見せる程度であった。だが、それでは企業としてあまりに消極的と今後は態度を改めるべきかもしれない。発想によっては、流通業者でもサービスの提供はあり得るのではないか。その可能性を知恵を絞って生み出さねばならない。

優良従業員表彰

 もう一つ、この総会に出席すべき動機があった。会では、会員企業に長年勤めあげた有料従業員を皆で表彰する制度がある。それに今回、当社の吉倉次長が推薦されたのである。自社の社員の晴れの舞台だ。彼は私の幼馴染であり、小学・中学時代の同級生でもある。会長・社長を差し置いてでも、臨席したいと思い、出席を申し出た。本当に朝早くから真面目に業務に取り組んでくれていて頭が下がる。この度は本当におめでとう。

法要とホテルでの昼食

親戚の17、13回忌

 本日、親戚の法事に行った。姉の嫁ぎ先のお母様の17回忌と、姉の息子の13回忌である。お母様は2005年(平成17年)7月に76歳で他界されている。まだお若く聡明でいらした。本当に優しい方だった。
 そして姉の息子は、言うまでもなく私にとっては甥である。それもたった一人の。2008年(平成20年)4月、二十歳の若さで他界した。横紋筋肉腫という10万人に一人の難病だった。極めて優秀で、人間的にも素晴らしく、家族親族にとってかけがえのない存在だった。天の配剤とはいえなんと酷な仕打ちかと思った。家族親族にとってこれ以上ない悲しみだった。昨年が13回忌の年だったが、コロナ禍で法要ままならず、一年遅れてのお経となった。
 いつまでも在りし日を忘れないことが供養。自分の生き方を見つめ直して、逝ってしまった方の分まで誠実に生きていきたい。

ホテルで昼食

 せっかく集まったのでせめてもと、法要が終わった後、食事会をホテルでとった。レストランは、コロナ対策で仕切りを作り、ウエイターは完全フェイスシールド、食事も大皿ではなく細かいものまですべて個食化しており、丁寧なおもてなしだった。それでもまだまん延防止期間から時間が経っていないためか、店内はかなり空いていた。金沢では中心街にあるこのホテルですらそうなのだ。一般の飲食店はかなり厳しいだろう。それでもこうして心のこもった対応をされるとこちらの気分も暖かくなる。もう数か月もすれば状況は好転しているだろうか。地域みんなで支え合う社会を作りたい。

金沢農業大学 市場研修

大切な農業担い手の卵たち

 金沢農業大学の生徒6名が早朝から市場に来場し、私が講師役となって研修を行った。「金沢農業大学」は、金沢市が運営する新規就農支援の教育制度である。生徒の年齢層は20代から60代まで幅広い。まったくの素人さんもいれば、農家の子どもや従業員で、すでに就農している者もいる。専門の校舎があるわけではなく、生徒は安原にある「金沢農業センター」に通って、農業の知識や青果物の作り方を学ぶ。すでに就農している人でも、基礎から学び直したいと思う人も受け入れている。通学期間は2年間。流通の勉強として、毎年市場にも勉強に来る。

現場での研修

 2時間程度お願いしたいとの依頼だったので、朝の5時半より現場(卸売場)で1時間の現地研修をまず行った。全国各地から集められる青果物の荷姿、等階級の別れ方、せり販売の仕組み、選別の重要性などを目で見て知っていただく。この日は「金沢市農業センター」が荷主である野菜も何品が上場されており、自分たちが実習で作った農産物がいくらで競り落とされるか、生徒さんたちは興味深々に見守った。
 彼らにとって良かった点として、加賀野菜として認定されている「つる豆」が小松市産「千石豆」より単価が高く競り落とされたことである。実は二つは一緒である。生産量は小松市の方が圧倒的に多い。しかし金沢市産ならば加賀野菜の商標である「つる豆」を名乗れる。小松市産はそれができない。はっきり言ってそれだけの理由で単価に差が出る。それがブランド力というものだ。
 逆のケースもあった。「農業センター」のきゅうりは、「金沢市農協きゅうり部会」よりも値が安かった。これもブランド力の差である。生産者は、品質や熱意で値段が決まると思いがちだが、流通の現状はそうとばかりは言えない。

座学での研修

 現場を1時間も歩き回ればくたびれる。だから後半は会議室に移って座学となる。ここで私が一番訴えたいのは市場と生産者とのパートナーシップである。生産者の中には市場に不信感を持っている人が少なくない。市場に出すと値を買いたたかれるという思い込みが多い。それは違うのだ。市場はできるだけ高く売りたい側だ。そして、それには永年にわたって信頼関係を構築していくことが一番だ、ということを事例を織り交ぜて説明する。単発の販売なら直売所の方が手取りがいい場合がよくある。しかし、長期的に継続していきたい、生産規模を拡大していきたいと思うとき、必ず卸売市場は力になる。

農業のために市場流通のために

 私は、金沢農業大学や石川耕稼塾といった農家養成機関の研修は毎回全力で取り組む。市場流通の重要性、強み、価値を理解してもらいたいからだ。特に石川県は担い手がどんどん減少している。地場農産物の衰退を手をこまねいてみているだけでは未来は危うい。農業のため、市場流通のため、担い手育成をいい加減には済ませられない。

キャベツだるま

緑のだるまはキャベツのだるま

 写真の珍しい緑色のダルマは、嬬恋村農協と全農群馬県連が当社宛てに下さったキェベツ「必勝祈願だるま」である。群馬県嬬恋村は日本でも有数のキャベツの大産地であり、当社も昔から大変お世話になっている。今回は、コロナ禍で産地会議ができないことから、それに代わるインパクトのあるものとして、嬬恋キャベツの指定産地に対して作ったものだそうだ。

だるまに目を入れる

 下さった時には両目は入っておらず左右とも白目だった。片目は大安吉日に入れるのが良いらしく、その日を選んで担当者が入れた。両目に入れるのは大願成就がかなった時である。大願成就とは何を指すか。それは目標実績数をクリアーした時である。目標実績数とは何か。それは嬬恋キャベツ全体で1920万ケースを出荷することだそうだ。それを全国の卸売市場で販売する。では、当社はそのうち何ケースを売るのか。嬬恋とわが社との間で設定されている目標販売ケース数は13万ケースだそうだ。13万ケースは物凄い数にも思えるが、全体のシェアから言えばたった0.6%である。たぶん農協サイドからすれば、石川・金沢よ、まだまだ力が足らんぞと思われているだろう。大きなテーマである。

産地出張がないことの功罪、人脈

 産地出張がないことにはいい面悪い面がある。今回の処置はかえって印象に残り、粋なはからいだ。だが、やはり人間関係の構築や信頼の醸成を考えると、人的交流はもっと必要である。コロナ禍により戻る世界、戻らない世界をよく吟味しなければならない。