青果物の週間情報 【2021-W26】

■週の概況 第26週 6/21(月)~ 6/26(土)

【全体】

 近畿・四国は史上最速の梅雨入りだった一方で、北陸はようやく金曜日に平年より遅い開始となった。よくわからない天気模様だが、この週は石川県はあまり雨は降らない予報で、地物の青果物は概ね順調な生育と出荷が見込まれる。全国的には各品目で産地の切り替わりが進んでおり、降雨が連続しない限りは大きな谷間なく産地が移っていく見込みだ。葉茎洋菜類は雨による傷み品の注意が必要、果菜類ではトマトが上げ、根菜土物類は全体に下げ傾向だ。果実は例年より早い出回りである。桜桃は極端に少なく品薄で、西瓜も計画より少量の出始め。桃も早いサイクルながら量は潤沢な状況だ。
 消費面では、県内のまん延防止措置が解け、わずかながら業務需要が上向きだが、全体的には重たい動きである。この時季は家庭菜園が実る頃であり、降雨が少なければ成る量も増え、郡部を中心に一般売りが厳しくなる傾向がある。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは長野産を中心に潤沢でややだぶつき気味だ。ブロッコリーは地物が終了に向かい、北海道産、長野産から安定して入る見込みである。ほうれん草は、梅雨の影響から品質には注意が必要になるだろう。金時草は病害虫による生育不良で、不安定感が続く見込みだ。季節商材では、県内産の赤しそがスタートし、菌茸類では松茸が少量ながら出始める。
 果菜類では、とうもろこしは茨城産、埼玉産に切り替わりるが、数量確保が難しい状況だ。トマト、ミニトマトは出遅れや数量減少で価格は上昇傾向である。枝豆は今月中まで品薄な状況が続くだろう。同様に、ピーマンも北海道産、長野産の入荷までは品薄感が続く見込みだ。南瓜では、県内産では赤皮南瓜に加えて翌週よりこふきの入荷となる。
 根菜類は、季節商材のらっきょうは終了。梅は県内産のピークだが小玉傾向で前年より少ない見込みである。高値だったごぼうは、群馬産が潤沢で値ごろ感が出るだろう。馬鈴薯は長崎産は終盤ながらも安定し、量販可能だ。玉葱は兵庫産に加え県内産や富山産が登場。人参は青森産に切り替わり、根菜売場は、夏の産地・品目へと移行していく。

【果実】

 国内果実では、西瓜が大玉・小玉とも県内産を中心の入荷となる。どちらも安定しており、7月に更に増量する見込みだ。桜桃は、佐藤錦が屋根かけに替わるが不作は続き、数量は少ないだろう。ぶどう類は、岡山産のピオーネの入荷中だが、翌週からは高松のデラウェアが開始する見込みだ。
桃は、日川白鳳主体の入荷となり、安定した入荷が見込まれる。メロン類では、イエローキングも終盤を迎え減少、月末には石川アールスの入荷も開始するだろう。ハウスみかんは愛知産が前年より多い作況だが、他産地は少ない模様である。
 国外果実では、アメリカ産チェリーは増量傾向。政治的な背景もあり、需要も高かった台湾産パイナップルは終盤を迎える。バナナは入船遅れが続いていたが、徐々に回復していくだろう。レモンはチリ産の入荷も始まり安定した入荷が見込まれる。

第56回株主総会

第56回株主総会

 本日、会社の株主総会が開催された。毎年6月の第2週を目処に開いていたが、今年はコロナ感染のまん延防止重点措置期間であったため、1週間うしろにずらしての開催となった。

安堵と課題

 前年度は創業以来初の営業赤字をきっし、社員に対し、株主に対し、取引先各位に対し、本当に申し訳なく、また情けない思いをした。今期はなんとか利益を確保できた。そのことには大きな安堵感を覚えるものの、経費が受身的に削減された結果ともいえ、決して安穏とはできない状況である。

真摯さを忘れずに精進すべし

 株主総会に出席される株主は、多くは会社OBの方々である。基本的にみなさん温かい。会社よがんばれ、応援してるぞ、今でも会社を愛しているぞという思いが伝わってくる。だが、親から相続した株主もいらして、この方々の中には会社に厳しい目を向けられることがある。この日も、会社の経営に対し批判的なご意見があった。誤解はされぬよう説明すべき部分はさせていただいたが、経営は最終的に数字がすべてである。ご指摘は真摯に受け止めて今後さらに奮起しなければならない。

世界のフルーツ事情

くだものの輸入元が増えている

 ひと昔前は輸入フルーツと言えばアメリカばかりで、せいぜいバナナがフィリピン、台湾だった。今では相手国が増えてすっかり定番化した。バナナはエクアドル、グレープフルーツが南アフリカ、スイーティーがイスラエル、キウイがニュージーランド、ぶどうがチリ、オレンジがオーストラリア、アボカドがメキシコなどなど。最近はさらに多様となり、マンゴーはブラジル、タイ、ペルーなどから入っている。

アメリカ農業の変化

 これにはアメリカの農業事情が関係している。広大な国アメリカは農業も盛んであるが、先に書いたフロリダの例(2021年1月21日のブログ)のように、時代とともに大きく変遷するのだ。昔は大産地だったのがそうでなくなる。品目・品種の流行り廃れもある。当然、代替産地を求め、他国の農業開発・産地開発が盛んとなる。これは日本よりもまずアメリカ自身が求めるのだ。

ワールドフルーツは南米中心へ

 よって必然的に開発国は南米となる。南米でフルーツ栽培・輸出を盛んに行うようになった企業は、多くがアメリカ資本である。かつて日本の製造業が中国に進出して安い労働力を利用し、中国の人件費が高まるやベトナムに軸足を移していったように、米国の農業界も南米を中心に次々と開発を広げていく。この傾向は今後ますます増えていくだろう。

市場集約-同じ100円なら東京からもらえ?

市場集約の実態

 近年、農協など青果物の出荷団体は、取り引き先の卸売市場を集約する傾向が強まっている。以前はいくつもの地方市場に分けて出していたのが、規模の小さな市場から出荷を打ち切り、大都市の市場にまとめて出すようになる。切られた地方市場はその分商売のタネがなくなり、集荷が厳しくなる。

市場集約の理由

 産地側の理由はいくつかある。
①地方市場に出しても大都市と同じ値段もしくは低い値段でしか売れないならば、収益上出す意味がない。東京に出しても1000円、金沢に出しても1000円なら、金沢さんはこれから東京からもらってくださいよ、となる。東京に出してそれで終わりなら手間も楽だ。
②物流面では人手とコストの問題がある。人手不足でトラック便を仕立てるのが年々困難になっている。できるだけ大型車で便数を少なくするには、大都市集中にならざるを得ない。また遠い地方に配送となれば、単純に運賃も余計にかかることになる。

地方市場受難の時代

 地方市場からすれば、危機的な状況だ。今まで委託で荷を受けて1000円で売ってきたものがなくなり、同じ商品が欲しければ東京の市場から買い付けなければならない。東京は利益を乗せて1200円出さないと売ってくれないかもしれない。運賃も当方負担かもしれない。物価は都会の方が高いのだ。東京で1000円のものは金沢は800円が相場、というのが普通だが、青果物ではまったく逆の販売環境となる。地方の脆弱な会社から廃業に追い込まれるのはこうした背景が理由である。

地方市場の存在価値

 この傾向は残念ながら構造上は止められない。地方市場受難の時代だ。では座して死を待つか。とんでもない。我々には金沢、石川、北陸の市民の野菜や果物を安定的に供給する使命がある。この役割は社会インフラと呼ぶべきもので、絶対に崩壊させてはいけない。そこでどうするか。地方は地方の特色を打ち出さねばならない。確かに時代を経るほどに状況は厳しいが、先人たちは知恵を絞って地方市場の存在感を打ち出してきた。例えば食文化の違いがある。農産物は規格が一定ではなく、大きい玉もあれば小さいものもある。都会で好まれるサイズとと当地で好まれるサイズは違ったりする。品種に対する好みも違う。そこを見極めて産地と折衝する。都会よりこちらのほうがいい値段を出せる部分が必ず見つかる。要は産地に対する提案力を増し、相手に熱意を示すことだ。ただの“1000円”という商売を脱却し、中身に違いがある商いをすることが大切だ。東京・大阪の下にぶら下がっているだけの地方市場には決して見を堕としてはなるまい。

UEFA EURO 2020 開幕

W杯より面白いUEFA EURO

 コロナ禍による1年の延期を経て、欧州最強を決めるUEFA EURO 2020が開幕した。FIFAワールドカップにひけを取らない大会である。いや、欧州圏に限定されるからこそ、日頃からの近隣ライバル意識が火花を散らす。そもそもが噛み合う対戦ばかり。W杯がどこかしら浮ついたお祭り感があるのと対照的に、UEFA EUROは毎回予選から決勝まで白熱した試合が続き、ギュッと引き締まった緊張感が漂う。私はむしろW杯よりEUROの方が好きかもしれない。

各国豪華なスター軍団

 2018W杯チャンピオンのフランス、FIFAランキング1位のベルギーが優勝候補だ。フランスの陣容は凄まじい。ムバッペ、グリーズマン、ポグバ、カンテ、そしてベンゼマ…。世界超一級のタレントが揃う。ベルギーも史上最高の黄金世代と言われる。クルトワ、デブライネ、ルカク、アザール…。レッドデビルズはメジャー初制覇を真剣に狙っているはずだ。もちろん、クリスチアーノ・ロナウドのいる前回覇者ポルトガル、この大会が最後の指揮となるレーブ体制の強豪ドイツも優勝を狙う。スペインはセルヒオラモス、クロアチアはラキティッチ、スウェーデンはイブラヒモビッチを欠いての闘いとなり、上位進出は難しいだろうか。

熱狂のフランス-ドイツ戦

大会は6月11日に開幕し、決勝戦は7月11日のちょうど1ヶ月間の開催だ。本日は予選リーグ注目の大一番、〝死の組〟F組のフランス-ドイツ戦をWOWOWで観戦した。前半早々にドイツ、フンメルスのオウンゴールという予想外の展開で始まり、なんとそのまま押し切ってフランスが1-0で勝利した。自殺点のみのロースコアー。山場が少なかったかというととんでもない。VAR判定でゴールが覆ったシーンが何度もあって最後まで緊迫したゲームだった。これでまだ大会序盤。日本国内ではまったく話題になっていないが、私はこれから存分にUEFA EUROを満喫させてもらう。

母のワクチン接種

スムーズな運営

 日曜日、母のワクチン接種に行ってきた。母は体が不自由なため引率は必至。病院の駐車場が満杯の可能性を考え、私が運転し病院入り口につけ、妻がすばやく車椅子をセットし母を降ろす万全の体勢をとった。しかし病院前は日曜日ということもあってガラガラ。その後もまったくストレスなく、ごく短時間で1回目を終えた。ワクチン開始期こそ全国各地で混乱があったが、今はどこの病院もノウハウを集積し、スムーズに接種が進んでいる。今回もまた、半年後に振り返れば、あのパニックは何だったのだろうということになろう。

ワクチン接種はメンタルヘルス

 母に聞くと、注射を打つまではドキドキ緊張していたという。そして終わった今は安心感で穏やかな気分とのことだ。やはり、コロナで人の気持ちは意識無意識は別として不安に苛まれているのだ。ワクチンの安全性は怪しいものだ。今後どういう副作用が発覚するかわからない。現にそのリスクを重くみてワクチンを打たない人も多い。しかし、多くの人はワクチンによって安心感を得る。特に高齢者にとっては、まだ明らかでない副作用のリスクよりも、精神の安定の方が重要だろう。一週間後は齢90を超える父の番だ。

休日返上の医療従事者に感謝

 母はかかりつけの開業医さんで予約を取り、そことは違う総合病院での接種を指示された。しかし行ってみると待っていたのはかかりつけのお医者さん。効率面での処置なのだろうか、先生は自分の医院ではなく総合病院に出向いて自分の患者にワクチン接種をしてくれたことになる。しかも本来なら休みの日曜日に。休日返上で本当にご苦労様である。医療従事者の献身によって市民の健康が守られている。

RIZIN28 朝倉未来、復活せよ

路上の伝説、ボンサイ柔術に敗れる

 18年ぶりに格闘技の東京ドーム開催となった「RIZIN28」は、最後すべてをボンサイ柔術に持っていかれた。クレベル、サトシはともに母国ブラジルと同様に、日本への愛国意識を抱いている。しかし、朝倉未来失神一本負けの現実から感じるのは、日本の総合格闘技の強い敗北感であり、朝倉個人のライフスタイルの大きな挫折感である。

RIZINブームの危機

 朝倉未来と朝倉海の兄弟サクセスロードは、RIZINの生命線だ。それが大きくつまずいた。朝倉未来は2戦前の齊藤裕にも敗れているが、今回の精神的ダメージは比較にならない。もし引退の道を選べば、日本中の格闘技熱が冷え込む可能性すらある。

RIZINはガラス細工のようなもの

 敗戦はガチの世界だから仕方がない。スター選手が勝ち続ける保証はどこにもない。その世界が安定して人気を持続するには、人の層が常に厚くあらねばならない。特定の人気選手がこけても、新たなヒーローが次から次へと排出される厚み。その厚みを外国人選手で調達し成功を収めたのがPRIDEだったが、UFCの隆盛によって世界のトップは日本のリングに来なくなった。今のRIZINは格闘技愛の強いごく少数の人間が手塩にかけて育ててきた日本人選手のものだ。その実態は極めてもろい。象徴的存在である朝倉未来がここで挫折するようならば、ガラス細工はたやすく砕け散る。

頭が良いからこその成功と挫折

 朝倉未来は頭が切れる。それ故にここまで上り詰めたとも言えるし、逆にそれ故にストップを食らう結果につながったとも言える。頭脳明晰ゆえにすべてが自己流なのだ。自己流のトレーニングで強くなり、自己流の生き方を披露してYOU
TUBEで人気を博した。一人の格闘家としては桁が違う莫大な収入を得て、別に格闘技で命を削らずとも食っていける状況を作った。だが、その人気は格闘技界の頂点に君臨した上でのものだ。今回の挫折で彼がこの世界から姿を消せば、名声も富も一炊の夢に終わってしまう。

朝倉未来、復活せよ

 稀有な素質とタレント性を有する人間だ。このまま消えるのはもったいない。ぜひ復活を果たしてほしい。そのために、自己流を捨てよ。一流のトレーナーを付けよ。朝倉兄弟に欠けているのは堀口恭司におけるマイク・ブラウンだ。先達が積み重ねてきた技術と理論を受け入れよ。第三者から戦略を授かれ。まだ20代後半ではないか。現代のスポーツ界は選手のピークは30代である。老成するな。引退は10年早い。

青果物の週間情報 【2021-W25】

■週の概況 第25週 6/14(月)~ 6/19(土)

【全体】

 先月の大雨による数量減少はおおむね回復したが、品目による温度差がある。葉茎洋菜類と根菜土物類は潤沢でやや供給過剰気味な品目が多く、反対に果菜類は生育遅れで堅調さを維持するものが目立つ。国内果実は桜桃、メロンなどが不作で単価高だが、今後本格化するスイカは例年通りの数量と価格が計画されており、順調な流通が望まれる。輸入果実も現状は順調潤沢だ。
 石川県はまん延防止等重点措置の解除となり、この週から人出とモノの動きが活発化し、少なくとも週の前半は活発な荷動きが期待できる。気温の上昇からサラダ系野菜や小葱、生姜、長芋など薬味系や香辛類の引き合いが強まるだろう。逆にジャガイモ・玉ねぎ・人参など煮炊きモノについては需要減退の恐れがある。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは県内産が潤沢で量販拡大が期待できる。レタスも長野産の産地が出揃い安定入荷が見込まれる。キャベツは順調ながらも量販からの引き合いが強い模様。白菜は端境期も抜け安定した入荷へと切り替わる見込み。アスパラは夏芽の切り替わりを見せるが、春先の生育遅れから前年より少ない入荷となる。
 果菜類では、胡瓜は福島産、ナスは群馬産中心。両品目ともに安定した入荷だが、前年より高めの価格推移となる。ピーマンは前週同様に不足感が見られる。枝豆などの豆類は、端境期や生育遅れから少なくなる見込みだ。県内産の打木赤皮甘栗かぼちゃは週3回の入荷で前年より減少傾向である。これから旬となるトウモロコシは、生育遅れから小玉傾向であり、今季は数量不足が続く懸念がある。
 根菜類は、夏の売場への移行を見せている。長芋は需要も高く、値ごろ感のあるC品が人気で単価上昇が見込まれる。香辛野菜のしょうがも需要は高く、高知産、和歌山産から安定した入荷となるだろう。前年は高値だった人参、馬鈴薯は安定した入荷で平年並みの価格を見込む。季節商材のらっきょうは不作で、例年より早い切り上がりを迎えるだろう。梅は和歌山産が終盤に差し掛かり、県内産は共販物の入荷が始まる。

【果実】

 国内果実では、県内産の西瓜、小玉西瓜がメインとなり、どちらも5月の降雨と低温のため小玉傾向のスタート。数量、価格は概ね前年並みだ。メロン類ではアールス系は静岡産が夏系品種に切り替わり前年より少量高値基調、青系はタカミに切り替わり安定、反対に赤肉は品不足感が見られる。りんごはジョナゴールドへ切り替わり安定した入荷が続く。桜桃は佐藤錦中心だが、今季は不作で単価高が不可避だ。桃は山梨産が露地物に移行し微増傾向となる。ぶどう類はデラウェアーがメインの入荷が続く。
 国外果実では、米国産チェリーが本場ワシントン州産に移行し、豊作傾向の中、日々増量する。バナナは注文対応出来ているものの、慢性的な入船遅れが6月いっぱいまで続く見込み。シトラス系とキウイフルーツは安定した入荷。アボガドはメキシコ産が減少し、新たにペルー産が開始する見込みだ。パイナップルは台湾産に加え、フィリピン産の入荷も潤沢となり引き続き量販拡大が見込めるだろう。

金沢マラソンの打ち合わせ

金沢マラソン、決行濃厚

 金沢マラソンが10月31日に開催予定だ。この1年、コロナ禍でマラソン大会は軒並み中止だったが、今年3月14日に「名古屋ウイメンズマラソン」が成功し、潮目が変わった。金沢マラソンの運営委員会は、名古屋の当日に現地に赴いてまで対策を学んだ。今後、未知の新型変種が想定以上の第5波を巻き起こさない限り、大会は開催できるだろう。

マラソン大会におけるバナナの件

 先日、その運営委員会の方々がお越しになった。例年のごとくドールバナナの提供についての打ち合わせである。今期はコロナ対策のため、沿道における給食は、個包装対応のものに限られる。よって、バナナは沿道では支給しない。完走したランナーにゴール地点で配るのみとなった。今回の出走者枠は10000人である。よって必要なバナナも10000人分である。

ドールバナナと我が社の立ち位置

 当社は金沢マラソンとドールさんとの仲立ち役だ。ドールは全国各大会のスポンサーとしてバナナの提供をしてきたが、マラソン大会なら何でもOKかというとそうではない。この大会はスポンサーとなる価値があると認めた場合のみだ。価値とは何か。それは、その地でのバナナ販売が今後拡大するという目論見だ。つまり、マラソンにはバナナを無償で提供するが、その後はそれ以上の利益を還元できるということだ。すなわち、当社がドールのバナナをさらにさらに拡販することでお返しするわけだ。責任は重大である。

大会の成功に向けて

 しかし長引くコロナ禍で、ドールはこの一年、マラソン大会用の予算組みをしていない。これまでどおりの協賛をいただけるかどうかは今後のお話次第である。しかしなんとか実現にこぎつけたい。世の中は未だにオリンピックができるのかどうか議論しているが、地方行政と民間の大会ではもう結果は出ている。実行可能はあったり前だ。

金沢すいか始まる

金沢すいか初せり

 連日のように地元産の農産物が登場している。本日初売りを迎えたのは金沢市産のすいか、その名もまんま「金沢すいか」だ。石川県産青果物のエース格である。県産で販売高が最も大きいのがすいかで約13億円、そのうち7割をこのJA金沢市が占める。

産地紹介

 栽培の中心は砂丘地である金沢市安原だ。今年は59戸の農家が部会を組織し、計105ヘクタールで作付けした。水はけが良く、昼夜の寒暖差が大きい砂地で栽培されるため、病気にかかりにくくシャリッとした食感に仕上がる。7月上中旬にピークを迎え、7月いっぱい流通する予定だ。

大人しめながら力強く

 今日の初せりは、コロナ禍のため試食会はなし。金沢市長やJA金沢市組合長のトップセールスも自粛して、大人しめの会となった。せめてものPRと配られたのが写真のマスクだ。普通の不織布のマスクにたくさんのスイカの絵をあしらったもの。いくつか生産地が作った販促用マスクをもらってきたが、今回のが一番派手でかわいらしい。

厳しかった栽培環境

 今年は4月5月の天候が悪かったので、着花が難しかったという。付いていた花が落ちてしまったり、その後もうまく付いてくれなかったり。着花が悪いと生育が滞る。玉は小さくなりがちで、果形も頭の方が先細るなど悪くなる。丸々とした西瓜のイメージを損なえば等級が落ちる。金沢市農協の西瓜は秀品率8割を誇る。その秀品率が落ちることは収益減に直結するのだ。幸い、産地の努力とその後の天候回復で、なんとか今後はリカバリーが可能とのことだ。

しっかりと販売を

 昨年は長梅雨の影響でピーク時の販売が苦戦し、一時市況は低迷し、品物はだぶついた。しかし後半になって猛暑となり、今度は全く反対に品不足に陥った。シーズン全体を見れば、金沢市産のすいかは割を食った方だ。その後続の能登産、東北産にとっては良い環境を享受できた。すいかはその年の気候の影響を強く受ける。ある程度の暑さがよろしい。猛暑・酷暑はアイスクリームやかき氷に流れる。ある程度が良いのだ。我々はその年の気象環境に注意深くアンテナを張り、先手先手と先を読みながら販売をしていく必要がある。