青果物の週間情報 【2021-W23】

■週の概況 第23週 5/31(月)~ 6/5(土)

【全体】

 九州地方を中心とする大雨の影響で、野菜は全体的に数量減少で強含みだ。雨に当たって病気や虫などの品質不良も気になるところ。果菜類は日照不足で生育中のものが花落ちする現象もみられ、数量回復にはしばらく時間がかかるだろう。多くの品目が少量高値に振れるので、今まで安値感の強かった大玉トマトの動きが活発化することが期待される。同じく安値だった玉ねぎが品薄となり、高値だった馬鈴薯が潤沢になるなど、つい半月前とはあべこべの展開も見られる。
 外出自粛で外食産業は長期的な不振が続いている。家庭消費も昨年ほどはパッとせず、青果物は単価が上がっても「需要>供給」という図式ではない厳しい状況だ。販売環境は決して良くないが、時節的には夏野菜・夏果実に移行する時季であり、季節感を打ち出した品揃えが重要となるだろう。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスがひっ迫したが、この週徐々に回復へ向かう。ブロッコリーも端境だったが、回復の兆しを見せる。白菜は、需要減少ながら出荷数も少なく上げ模様。キャベツは愛知産から茨城産への切り替わり時期で、6月中旬より長野産もスタートする。菜類では、小松菜が強含みながら前年よりは安値だ。季節商材として愛知産のシソの入荷がスタートする。
 果菜類では、梅雨の影響が顕著に見られる。胡瓜・ナス・ピーマンは、降雨の影響もあり入荷量は減少・品薄傾向だが、天候が良くなれば翌週以降には徐々に回復する見込みだ。前年より1週間ほどの遅れながら、県内産の赤皮南瓜がスタートする。
 根菜類は、初夏の産地へと切り替わりを見せる。人参は岐阜産がピークを迎え量販可能。ごぼうは前年より少なく高値推移だが、徐々に増加見込みだ。馬鈴薯は長崎産が潤沢で量販可能。前週同様、長芋は引き合いが強く、生姜も需要が高まっている。生姜は高知産に加え和歌山産の入荷もスタート。季節商材では、らっきょうが県内産のピーク。梅は南高主体の入荷へと切り替わる。

【果実】

 国内果実では、メロンとスイカをメインにぶどう類や施設物が増加する。メロンは茨城産、熊本産中心。愛知産メロンは、イエローキングが露地でピークとなるに加え、タカミが大玉・豊作傾向でスタートする。スイカは千葉、長崎に加え、翌週以降にはいよいよ県内産がスタート。小玉西瓜も翌週以降に県内産が始まるだろう。施設物では、佐藤錦・紅さやか等の桜桃の入荷。愛知産、佐賀産のハウスみかんも入荷する。いちじくは、気温の上昇次第では、数量の増加が見込まれる。
 国外果実では、バナナは入船遅れがあるが、徐々に安定する。シトラスではグレープが順調に増加。品薄だった米国産レモンも、ようやく回復が見込まれる。アメリカンチェリーは引き続き順調な入荷。NZ産ゴールドキウイはや台湾産パインは需要も高く量も潤沢に確保できそう。マンゴーはメキシコ産に加え台湾産のアップル種を入荷する。短い期間ながらベトナム産のライチが「ルックガン」という昨年から日本向けにスタートした品種で入り、食味も良好で6月中旬まで入荷予定。

宗家藤蔭流舞踊会

二度の延期を経ての開催

 本日、珍しく日本舞踊を鑑賞してきた。会社の子が習っており、案内をくれたのだ。宗家藤蔭流。当地金沢では藤蔭喜代枝氏が長年ご活躍されたが、数年前に他界された。今回はその三回忌追善舞踊会とのことだ。ただ、コロナのため二度の延期を経ての開催である。今回も主催者は直前まで開催を悩まれたそうだ。このご時世、お気持ちはよくわかる。だが今の世は同調圧力が目に余る。スポーツイベントはそれなりに集客しているくせに、映画館や美術館などが休業するなどバランスが取れていない。ある程度コロナ対策をしているならば、まったく自粛する必要はない。会場の赤羽ホールでは、来場者一人ひとりに問診票を書かせ、ホール内の座席は一つ飛びでディスタンスを保つ。スタッフはフェイスシールドをしている。万全だ。

会社の子に拍手

 会社の子はとてもうまく、美しく踊りきった(と私には見えた)。舞台上や舞台袖で衣装の早替えのある大作だった。舞踊会全体の中盤どころの演目だったが、一番お客さんが多かったのではないか。親しい人の発表は観ていてハラハラドキドキする。上手・下手はわからないのだが、転んだり、忘れて真っ白になったり、トラブルがおこらないようにと手に汗握ってしまう。私のような日本舞踊に疎い者がする心配はレベルが低い。

日本舞踊の面白さ

 この日は、会社の子の出番以外に2つほど観て帰っただけだが、非常に面白く拝見した。長唄や清元をバックに踊るので、音楽の調べには馴染みがあった。長唄単体の発表会は(自分が習っていてこういうのは何だが)どこが面白いのかさっぱりわからない。だが舞踊が付けば華やかだ。流派によって特徴がある。藤蔭流は踊りながら足をドン、ドン、と踏み鳴らす所作が結構出てくる。また、女性で着物なのに、足を開きガニ股で踊る振り付けも頻繁にあるのに驚いた。

日本舞踊のこれから

 この世界も長唄同様、参加者の平均年齢が高く、子供や若い女性は少ない。日本舞踊はお金が桁違いにかかると聞く。発表会に出るならば、ン十万円ではきかないレベル!ここをなんとかしないと裾野は広がらないのではないか。また、長く続けられないのではないか。会社の子もこれが最後の舞台になるかもしれない、ということを言っていた。大変素晴らしい日本の伝統芸能だ。一部の裕福な者だけができる狭い世界であってはもったいない。

講演記録:「Z世代を狙え」

記念講演

 昨日金曜日に開催された「シジシー北陸アソシエイツ会」での記念講演を記録する。ブログのタイトルは私が勝手につけたもので、本当のタイトルと講演者は以下のとおりである。
タイトル「これからの日本人は何を買うのか」
講演者:信州大学特任教授 原田 曜平氏

世代論から考える販売ターゲット

・今の日本の人口構成比では、最大の勢力は「ポスト団塊ジュニア世代」である。主に1975年(昭和50年)生まれから1981年(昭和56年)生まれを指す。現時点で30歳~45歳の層にあたる。よって、モノを売りたいターゲットもここが一番となる。

情報拡散のキーマン「Z世代」

・だが、今はインターネットSNSが情報の主力であり、SNSはその7割を牛耳っているのが1990年後半から2012年頃に生まれた世代である。この世代を「Z世代」と言う。現時点で10歳~25歳の層だ。よって、Z世代を利用して情報を拡散することがマーケティング上極めて重要となる。

SNSの勢力図

・SNSにも流行り廃れがある。この選択を間違えると全く効果のない情報発信になる。SNSの王者は「ツイッター」である。全世帯にわたって利用者が多い。そして、Z世代のトレンドは「インスタグラム」であり、特に「インスタグラム
ストーリ」は若い女性に圧倒的に利用されている。そして最近急上昇しているのが「Tik
Tok]である。「フェイスブック」はZ世代はほとんど利用しない。だからフェイスブックに情報を投げても効果はないと知るべきだ。

Z世代のアンテナに触れる商品群

・Z世代が興味を示すのは次のような商品だ。
①ワンハンド商品=片手で持てるもの。インスタグラムに写真をアップするため。
②ネーミングのユニークなもの。商品の中身そのもので差別化は難しい。単に名前が奇抜なだけで、Z世代が飛びつく可能性がある。
③時限フード=賞味期限、消費期限の圧倒的に短い商品。1日以内に飲まなければだめなジュース、20分以内のプリンなどに行列ができる。
④高さの高い商品=インスタグラムストーリーの写真は縦長サイズであるため、商品自体が縦に長いものが好まれる。
⑤睡眠に良い商品=Z世代はリラックス商品が好き。昔はリポビタンのように元気になるものが好まれたが、今求められているのは癒しである。
⑥無性限商品=LGBTはタブーではなく、むしろおしゃれ。インフルエンサーになりやすい傾向がある。
⑦死考品=死もうまく使えばおしゃれなイメージになるとか。死はファッション!?塩田千春の芸術が注目されている。

北陸CGCアソシエイツ会総会

北陸CGCアソシエイツ会

 全国の中堅・中小のスーパーマーケットがグループ化し、共同して商品開発や調達をする日本最大規模の組織がCGCグループである。全体を統率するのがCGCジャパン、さらにそれを10の地区に分割して独自の活動を展開する。当地区のエリアは「北陸シジシー」だ。そして、その取引先(主にベンダー企業)で組織する会が「北陸シジシーアソシエイツ会」である。英語でassociateは、仲間・同僚・準会員といった意味だ。我が社はそのアソシエイツ会の会員であり、現在、我が社の会長がシジシー北陸アソシエイツ会の副会長となっている。

会長交代

 本日、北陸シジシーアソシエイツ会の総会が開催された。コロナ禍で昨年は会合は開かれなかった。今年も微妙だったが、対策をしっかり取った上で、広いホテル会場を密にならぬように座り、議事が進行した。また、例年なら総会後に会食が開かれるところ、今年は講演会のみをもって終了とされた。今回をもってアソシエイツ会の会長・吉田茂氏(カナカン副会長)は退任され、新しく谷口英樹氏(カナカン社長)が会長に就任された。
総会後の講演会は大変勉強になるものだったので、後日書き記すことにする。

生鮮食品とCGC

 CGCは、加盟スーパーが商品の共同仕入れ・共同開発するものだから、ベンダーにとっても利用価値が高いもの…であるはずだ。おそらく日配品などはシジシーブランドがたくさんあるわけで、規模を活かしが展開ができる。しかし、生鮮品はそこまでのスケールメリットを出せているとは言いがたい。理由は、巨大組織であるシジシーグループ参加企業に対し、一律にあまねく提供できる生鮮食品がなかなかないことだ。また、もしあったとしても、日々変動する生鮮品の相場において、一律品よりも安値で取引される商品が頻発する。すると、スケールメリットを追求して安く調達できるはずのプライベートブランドが、逆に重荷となってしまうことが珍しくないのだ。これを「(当社のような)青果物ベンダーにとって、シジシーはメリットが少ない」と言い切ってしまってよいのかどうか。もちろんそう割り切るべきではないだろう。生鮮品については、価格訴求ではなく、テーマ性、例えば食育関係にマッチする食材などをうまくエリア展開するような試みならば、十分にボランタリーチェーンは機能すると思う。ここが我々の知恵の使いどころと思う。

映画「いのちの停車場」:レビュー

金沢が舞台の話題の大作

 号泣必至と前評判が高い本映画は、私が住む街・金沢が舞台である。主演 吉永小百合、助演が松坂桃李、広瀬すず、西田敏行
他。ご当地映画で豪華キャストとあって、こちらでは連日、テレビや新聞で大きく宣伝されている。評判はすこぶる良しと聞こえてきて、今年の日本アカデミー賞最有力ではと観る前から期待を膨らませて鑑賞した。

違和感ありまくり

 だが結果は、違和感ありまくりの残念な映画だった。映画でありフィクションである以上、リアリティをうるさく言うつもりはない。しかしそれにも程度がある。原作どおりの筋書きもあろうが、以下観ていて気になった点をピックアップする。
・吉永小百合と田中泯の親子設定に無理あり
・役者が金沢弁を使わず、芝居にご当地感が出ていない
・車内からの景色は昔風のチープなはめ込み処理
・車いすのくせに料理屋の2Fに上がって食事とは?
・石田ゆり子、たかが10歳時の記憶を元に訪ねて来る?
・柳葉敏郎は肉付き良く、末期すい臓がんに見えず
・松坂桃李、呼び方確かめもせず突如「おやじ!」は変
・伊勢谷友介が気になり、前後の話が頭に入らず
・ベンツ売って札束ドンは漫画チックで非現実的
・小児がんの子を背負って海で泳くのはやめてくれ
・小池栄子は結局どういう役回りだったのか意味不明
・主人公が診療所を去ったら多くの患者達が路頭に迷うぞ

始めに吉永小百合ありき

 この映画は、どうしても吉永小百合を使わなければならなかったのか。原作では主人公は60歳そこそこの設定だ。吉永小百合は実年齢より十分若々しいとはいえ、この映画の違和感の根本的な原因はキャスティングにあるように思う。演劇舞台なら全然OKだが、映画は実年齢とのギャップがどうしても浮き彫りになる。

医者の死に対する倫理観とは

 最後、主人公はどちらを選択したのだろう。映画ではそこは明かさず、視る者の想像に任せる。少なくとも、現実の世界では医師は患者に安楽死を施すことはない(2019年の京都ALS患者嘱託事件という特異なケースを例外として)。しかし、自分の肉親が、耐えがたい苦痛を感じるとしたら、医師は一人の人間としてどう考えるのか。これは極めて重いテーマである。しかし、(大女優に対して失礼な評価かもしれないが、)吉永小百合は私の目には終始「医師」には見えなかった。大切な人の安楽死の是非を問う深淵なテーマを観る者につきつけたとは言い難い。よってこの作品は、上に列記した違和感ばかりが目立つ映画となった。

小売りのコラボレーション

コストコフェアのモデル

 地元の食品スーパーが時々「コストコフェア」を打っている。あの大型倉庫店舗形態の「コストコ」の人気商品を自社にもってきて販売するのだ。コストコは小売業である。小売業が競合小売業の商品を売るということだ。こんなことは従来はなかったこと。しかし客にとっては利便性が高い。コストコの商品は好きだが、場所は遠いし、年会費だって取られる。近場のスーパーで買えるならそのすべてが解決だ。スーパーは売上が伸びる。コストコも伸びる。品揃えのバランスさえ間違わなければ、確かにWin-Winの関係だ。

ライバル小売はメーカーとなる

 コストコに限らない。「○○屋のフルーツサンド」やら地元で人気の「新出製パン所」の食パンを売るスーパーもある。スーパー側からすれば、相手は競合小売店ではなくてメーカーとして捉えるということだ。提供する側からすれば、今までは自己の販路で独占する人気商品を作り出すのが商品開発の目的だった。だが商品力さえあればライバル企業で売ってもらって全然OK!という発想に転換した。私はまだ感覚的に慣れないが、確かにそう考える方が頭が柔らかい。

市場内に直売所?

 繰り返すが、私はまだこの動きに慣れない。違和感が残る。例えて言えば農協の直売所の商品を卸売市場で売るような感じだ。直売所は市場外流通の最たるもの。これを市場内でコーナー化し、生産者が付けた値段で販売してもらう。売れた分は手数料を徴収する。そう!理屈としてはまったくアリだ。私の中で違和感さえなくなれば、GOしてもよいやり方かもしれない。市場外流通を取り込み、生産者も販路が広がる。市場人も頭を柔らかくして、新しい発想を模索しなければならない。

奥能登直行便 減少!?

行政・市場・農協がタイアップしての生産者援護制度

 今朝の北國新聞に「農産物の『奥能登直行便』販売額4年連続減」という記事が載った。「奥能登直行便」の正式な事業名は「顔の見える能登の食材市場流通事業」だ。市場関係者は略して「かおみえ」と呼んでいる。奥能登の小規模農家が収穫した農産物を金沢市場まで直行で運ぶ便を仕立て、せり販売をする。奥能登の零細農家の販路を確保する県の事業で、今年で12年になる。私は僭越ながらこの事業の協議会の副会長を仰せつかっている。開始から8年は右肩上がりで取扱い実績が増えたが、2017年からは減少に転じ、出荷農家数もピーク時よの7割になったという内容だ。

2016年までは実績向上

 データは真実であり、記事に間違いはないと思う。ただ、この記事だけを見ると能登の農業の衰退ぶりばかりが印象に残るので少々説明が必要だ。出荷者数のピークは2014年度の301軒である。2020年度は219軒で約3割減だ。だが、販売金額実績は2016年がピークである。これは、農家が3割減ったというより、この事業をうまく利用する者とドロップアウトした者とに分かれたことを意味する。そして利用を積極的に行った組は、各自生産量を伸ばすことができた。だから総実績が伸びたのである。

意欲的な農家は本事業で大きく成長

 しかし、その後伸び悩んだのは確かである。理由の一つには、生産者がこの事業の他に、農協の直売所を幅広く利用するようになったことが挙げられる。私の立場では、作ったものは全量市場に出してもらいたいが、これは生産者の自由裁量だ。本事業をうまく利用して作り手として成長し、市場出荷と直売所利用で、大きく所得を増やした農家はたくさんいる。また、ロマネスコやコールラビなど、馴染みの薄い珍しい野菜を意欲的に提供してくれたことで、金沢の八百屋を活気付けるのにも一役かった。この事業が果たしてきた意義は大きかったと自負している。

問題点とこれから

 大きな問題は、ここ数年、新たな参入者が極めて少ないことだ。これこそが高齢化と過疎化、後継者不在のツケである。が、市場側からの参入呼びかけが足りない部分もあっただろう。大いに反省すべき点だ。
 奥能登に後れを取ったが、数年前からは七尾を中心とする「中能登直行便」も始まった。なんといっても地場農産物の掘り起こしは当社の大きな課題である。やり直すべきところはやり直し、てこ入れするするべきところはてこ入れし、能登の農業生産を高めなければならない。

青果物の週間情報 【2021-W22】

■週の概況 第22週 5/24(月)~ 5/29(土)

【全体】

 全国的に、例年に比べ記録的に早い梅雨入りとなった。北陸地方は発表こそまであるが、実態は梅雨入りも同然だ。まとまった雨が連日続き、青果物に大きな影響が出始めている。この週、野菜は日照不足による生育停滞で数量が減少することは避けられない。特に果菜類でその傾向が強く、すでにナスやキュウリで品薄感が出ている。これまで安値感が強かった野菜は強含みに転じ、多くの品目で短・中期的に上げ相場となるだろう。
 また、今後は品質劣化が懸念される。雨の影響で軟弱野菜を中心に品傷みが出やすく、虫食い、水腐れが多発する。店持ちの悪い野菜が増えるため、こまめな検品と回転の速い仕入れ・販売が重要だ。
 長期的には、青果物は例年と異なる出荷ペースになるだろう。総じて前進出荷傾向だが、この梅雨でさらに早い出回りと早い切り上がりが顕著になる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは県内産地が出揃い潤沢に。レタスは長野県産を主体に安定。白菜は降雨の影響と産地端境で不足感が見られ上げ。キャベツは数量は順調だが大玉傾向である。ネギは依然品薄傾向だが、徐々に回復が見込まれる。
 果菜類では、胡瓜が長雨で高知産の減少となり、後続の福島産も少ない見込み。ナスは九州の梅雨で数量は激減。雨次第で次週も品薄が続く。反対にトマトは各産地からの出荷が出揃い安定した入荷が見込まれる。
 根菜類では、大根と人参が雨による品質劣化が散見される。かぶは青森産が例年より1週間ほど早い入荷開始。レンコンは愛知産の入荷を開始。玉葱は梅雨の影響で各産地出揃わず、価格は上げ。馬鈴薯は長崎産が出荷のピークを迎え、静岡産もスタートし潤沢。季節の梅は古城から南高の入荷。らっきょうは県内産が徐々に増加するが高知産、鳥取産は少なく品不足感が見られる。

【果実】

国内果実では、引き続きスイカ、メロンが中心で、大玉スイカは概ね順調、メロン類は茨城産主体に切り替わる。りんごも潤沢。桜桃は無加温に切り替わり微増傾向だ。施設物では山梨産のプラムが前年より早いスタートを切った。
 国外果実では、バナナの入船遅れが解消し、安定した入荷が見込まれる。値ごろ感もあり需要は高い。レモンは入船遅れと国産の少なさから品不足感あり。アメリカンチェリーは極めて順調で豊作であり、産地で降雨がなければ6月まで安定した入荷が続くだろう。NZ産キウイや台湾産パイナップルは、安定した入荷で量販拡大が見込まれるが、メキシコ産アボガドは産地の谷間で減少傾向だ。月末より台湾産アップルマンゴーがスタートする予定である。

櫻井よしこ著「赤い日本」:書評

怖いタイトル「赤い日本」

 櫻井よしこ氏がインターネット「言論テレビ」で放送した対談内容を書籍化したものである。6つの対談が掲載されており、そのうち5つが中国問題だ。特に第1章は、日本のマスメディアが長年に渡って中国からの浸透工作を受け、親中反日色に世論誘導されていることを警告する。よって本のタイトルは「赤い日本」。国の内部から侵食されているイメージが強く湧く恐ろしい題だ。

反国家、左翼化する大手マスメディア

 朝日新聞は今さらながらだが、なぜ毎日新聞が反政府的なのかが初めてわかった。要するにチャイナマネー。またNHKのニュース番組が近年本当に面白くなく、また一面的であるのも頷けた。要するに利権。そして、共同通信の左傾化が顕著で、しかも地方新聞に絶大な影響力を持つことを知り愕然とした。新聞テレビを観ながら「なにかおかしい」と思うことが多くなったのは、こういうことだったのかと腑に落ちた。
 「内なる敵」を明らかにするこのような書籍が発刊されること自体、日本はまだ健全からもしれない。しかしことは国民のアイデンティティーに関わる問題だ。政府・官僚には本当に奮起してもらいたい。日本の枠組みを表から動かすのは政治家・官僚ではないか。暗躍者にコントロールされては絶対にいけない。

第5章に松本尚登場

 実はこの本は対中問題が読みたくて買ったわけではない。6章のうち唯一中国と関係のない第5章を読むためだ。(第5章はコロナ対策。コロナ=武漢熱だから中国と関係大アリなのだがそれは横に置いておく。)第5章で櫻井よしこと対談するのは、政治家の佐藤正久氏と医師の松本尚である。松本尚は無二の友だ。今秋の総選挙に千葉13区から立候補することが決まった。(その件は4月22日のブログで紹介した。)本対談が行われたのは今年1月で、その時は自身が出馬するとは全く想定していなかった。「櫻井よしこと対談したぞ。凄いやろ~」とお気楽なものだったのである。

今の医療体制の問題点

 ただ本書で松本尚が話していることは大マジである。法整備の遅れから、今までは保健所に過剰な負担がかかっており、日本の医療にコントロールが効いていないことを説明。今の日本は、医療全体を統べ、統治するような組織が整備されていないことが一番の問題だと述べる。そして、非常事態にはエビデンスがどうのといったお役所的な段取りを踏んではいられない。もっと迅速にコマンド&コントロールの効く医療体制を構築し、それができる法整備を急がなければならないと主張する。

政治家となってポリシーの実現を

 文章を読み限り、内容は松本尚の持論そのものだが、相手が大物・櫻井よしこ氏とあってか、私相手にまくしたてるのとは打って変わって紳士的な話しぶりだ。「赤い日本」というタイトルに編入されたのはちょっとミスチョイスと感じるが、そこは目をつぶろう。おそらく、上記のような持論を実現するには、一医師でいるより、自ら政治家になるべきとその後思い至ったのだろう。ぜひ今秋には当選し、日本の医療体制の脆弱さを根本から建て直す仕事をやってもらいたい。

関係会社で感染者発生

子会社で感染者発生

 5月21日、子会社でパート勤務の従業員1名が新型コロナウイルスに感染していることが判明した。5月15日に腰と背中に痛みを覚え帰宅し、かかりつけ医で診察を受け、自宅待機に入った。20日にPCR検査を受けたところ、21日に陽性と判明。保健所からの指示ですぐに関連箇所の消毒作業を実施し、感染した従業員と濃厚接触の可能性のある者の自宅待機を実施した。今後、継続して従業員の行動履歴などの調査を続けていく。なお、この従業員の勤務地は金沢市中央卸売市場の外部であり、市場内への入場はない。

冷静かつ誠実な対応を心がける

 会社として、保健所の指導に従って着実に対処すべきことを行う。今後、感染拡大を防ぐための従業員への周知徹底を図るとともに、お客様へ迷惑がかからないよう、誠実かつ冷静な運営に努める。また、職場の人間に感染が出たことで、同じ場所で勤務していた従業員が不安を覚えるのは致し方ないものの、職場では日頃より三密回避をはじめコロナ対策を行ってきているため、今後、新たな感染等がないならば、従来どおりの業務を粛々と継続する。

現場責任者の負担

 今回の件で、感染された方は大変にお気の毒である。しっかり療養され、完治後は速やかに復帰していただくことを願う。そして、指導してくださった保健所関係の方々に対し毎日過度な負担の中、親切丁寧にご指導しただき、心より感謝である。
 そして何より、子会社で消毒や従業員への聞き取り、説明に奔走した現場責任者、管理者の苦労を労いたい。従業員の健康を守るため、会社を守るため、寝る時間も削り神経がすり減る思いだったろう。此度の感染症との闘いは本当に過酷だ。なんとか終息するまでがんばっていただきたい。