近江町市場三百年史:書評

我がルーツ、近江町市場

 私のルーツは近江町市場である。曽祖父・岡嶋勝二郎が八百屋を始め、祖父・岡嶋友作が店を継いで「岡嶋友作青果店」を営んだ(らしい)。友作は卸売業の会社「石川県青果」を近江町の向かい側にあった住吉市場内に立ち上げ、それが後の丸果につながる。岡嶋家は近江町市場内の青草町24番地に住んでおり、私も3つまで住んでいた。

本の概要

 近江町市場は開設されて今年でなんと300年となる。それを記念して本年4月に発刊されたのが本書である。貴重な歴史的資料や記録、写真、インタビューなどから構成されている。近江町市場商店街振興組合が発行、北國新聞社から税込み3300円で発売された。
 執筆は石川県の地域の歴史研究家である宇佐美孝氏と、金沢中央信用組合参与で近江町研究家である石田順一氏のお二人による。宇佐美氏のことは存じ上げないが、石田氏は何度か講演を拝聴し、何度もお話させていただいた。本当に近江町への愛に溢れる方だ。

石田順一氏の近江町への愛

 巻末に「編集を終えて」と題した石田氏のあとがきがある。「…が探し出されたときなど、もう興奮するやら鳥肌が立つやらの発見、発掘がありました。」「市場開場300年より100年以上もさかのぼる史跡からは歴史のロマンを感じます。」「編集作業を終えたいま、近江町市場の一ファンだった私は、市場に惚れ直し、市場を誇りに思い、大ファンになりました。」

父へのインタビュー

 開けばわかる。詳しい資料が詰め込まれた堂々たる資料本でもあり、膨大な記述を添えて解説を施した史書でもあり、現在から未来に向けた示唆を込めた本でもある。
 本書には平成28年に取材を受けた私の父・岡嶋忠雄のインタビューも掲載されている。これも石田さんがしてくださったことだ。そしてつい先日、石田さんはわざわざ自宅までお越しになり、本が完成しましたと一冊置いていってくださった。なんと恐れ多くご丁寧なことだろう。本当に頭が下がる思いだ。

偉業を成し遂げるのは愛

 この本は石田氏の愛の結晶である。かくも近江町を愛し、時間と労をかけ、堂々たるものを完成された。偉業を成し遂げる原動力は愛だ。私としてはもう感謝しかない。自分の生誕の地の歴史がこれほど詳細な記録とともに後世に残る。なんとありがたいことではないか。

近江町市場の未来

 極めて個人的な思い入れとなるが、この本は父に代わって、この先ずっと大切に読み進め、大事な蔵書としたい。そして、近江町自体がこの先さらに発展し、400年記念を迎えられるように、関係者一丸となって頑張っていかなければならない。

阿比留さんの教え

新しい流れ

 青果育種研究会事務局の阿比留みど里さんが「気がつけば新しい流れ」と題するコラムを送って下さった。日本の野菜生産・流通の新しい潮流を紹介している。消費者に宅配で野菜を届けることで成長する企業・農業法人がたくさん出てきている。その多くは有機栽培や特別栽培(いわゆる無農薬や減農薬など)といった付加価値を掲げ、ネット販売を中心に生産現場から直接購入者に送る形をとり、多くは市場外流通となる。

農業の新しい担い手には高学歴が多い

 これら新鋭の経営者に共通する点は、高学歴の若者であり、IT関係やコンサルティングファームを経験しての起業が多いことだ。エリート色が強い。いわゆる農家の息子、JAがらみといった農業畑ではない出自が目立つ。以下に阿比留さんが挙げた例を引用させていただく。
「オイシックス」高島宏平代表 東京大学工学部卒、マッキンゼー出身、2000年創業。
「坂ノ途中」小野邦彦代表 京都大学総合人間学部卒、外資系金融機関 2009年起業
「食べチョク」代表は20代女性、DeNA出身、2016年創業。
「ポケマル」「東北食べる通信」高橋博之代表、2015年新展開

農業にはエリートが飛び込む魅力がある

 阿比留さんは次のように分析する。高学歴で然るべき企業にいた若者が、そこを辞めて飛び込んでくるだけの魅力が農業の世界にある。彼らは最初は数件の契約農家から始まるが、やがて何十倍にも数を増やす。農家の担い手不足という話ばかり聞こえるが、実は日本中に担い手(或はそのたまご)はたくさんいるということだ。それだけの数の有機栽培、無農薬栽培、減農薬栽培農家が実は存在しているのに、農協や市場関係者は彼らを放置していたのだ。

卸売市場にとっても新しいチャンスだ

 耳が痛い話だが、まったくその通りと言わざるを得ない。だが、今までのその盲目状態を認めた上で、これからはむしろチャンス到来と捉えたい。卸売市場は彼らにとって有力な販路となることをぜひ伝えなければ。今後、市場流通は彼らとタイアップして新しいビジネスを構築する。それだけの機能を卸売市場は持っていると信じる。

阿比留さんがリストアップしてくれた新鋭の企業・農業法人・組合リストを掲載する。(阿比留さんにはまだ了解は取っておらず無断掲載だがきっと許して下さるだろうW。)
オイシックス・ラ・大地「オイシックス」
オイシックス・ラ・大地「大地の会」
オイシックス・ラ・大地「らでぃっしゅぼーや」
ビビットガーデン「食べチョク」
ポケットマルシェ「ポケマル」
坂ノ途中「坂ノ途中」
HeartFull「ゴヒイキ」
TEN NANA「マミーズストア」
WINCLE「フレッシュファースト」
ココノミ「ココノミ」
ビオ・マーケット「ビオ・マルシェ」
ミレー「無農薬野菜のミレー」
プロップスジャパン「地球人倶楽部イエコック」
楽天農業「楽天ファーム」
自然農法販売協力機構「おーがにっくがーでん」
ナチュラルハーモニー「ナチュラルハーモニー」
コープデリ生活協同組合連合会「co-opdeli」
パルシステム生活協同組合連合会「パルシステム」
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会「生活クラブ」
生活協同組合ユーコープ「おうちCO-OP」

キンドルを衝動買いした

今年はキンドル

 年に一度は電気系商品を衝動買いする。一昨年はiPadエア、昨年は電気自動車リーフ、そして今年はKindle Paperwhiteだ。私は全然先取り屋ではなくむしろ奥手である。ただ、買う時は衝動買いだ。あ、欲しくなった。待て待て早まるな…もう少し慎重に…と考えながら勝手に右手がポチッと押している。今年はキンドル。32ギガ、広告無しバージョンで1万7000円だった。リーフに比べればかわいいものだ。

数日後にキャンペーン割引価格

 買った数日後に、アマゾンがKindleをキャンペーン価格で売り出した。私が買ったタイミングより3000円安い。だからもう少し慎重にすべきだったのだ。でも仮に数日間待っていた場合、気になって気になってのモヤモヤは3000円よりも大きく私の精神を蝕んだに違いない。だから、あ、欲しい、でポチッとしたことに後悔はない。

風呂場で使う

 キンドルを買った理由は、Paperwhiteが防水でブルーライトカットであると遅ればせながら知ったからだ。風呂で本が読める!これは私にとっては魅力的だった。今は睡眠の質を上げるために湯船に15分間浸かっている。その暇な時間が苦痛だった。読書時間の不足も問題を感じていた。たとえ15分であっても、必ず毎日決まった時間と場所で本を読めればとても良い習慣となる。就寝時間が近いのにブルーライトを目に当てる不利益も最近知った。睡眠の質を上げることは、還暦が見えてきた自分にとっては大切なことなのだ。

そして漫画を読む

 キンドルは文庫本サイズで薄くて軽いので、紛失を恐れ外には持ち出さない。自宅専用の読書マシンに限定する。スマホ、会社のガラケー、iPad、携帯イヤホン、手帳、名刺入れ、財布、鍵束などなど、身につけるものがどんどん多くなるのだ。紙の本も2~3冊かばんに入っている。家の外はキンドルでなくて良い。キンドルは風呂と寝室で使う。入浴中と就寝前だ。これで1日30分の習慣的読書タイムを定着させる思惑だ。
 そして今、入浴中はせっせと漫画「ドラゴン桜2」を読んでいる。なんと1冊1円のキャンペーン価格で、つい買ってしまったのだ。既刊13冊購入でなんと13円!キンドル買って漫画を読む。アホである。が13巻まで読み終わったら、次はオイゲン・ヘリゲルの「弓と禅」を読むことにしている。私の読書人生は一気に明るい。

カボチャの定植作業

河北潟農場で農作業

 小雨が降ったり止んだりの中、子会社の「ファーム菜四季・河北潟農場」でカボチャの定植作業をやってきた。

カボチャととうもろこし

 カボチャは「栗大将」と「ほっこり113」という品種である。農作業は一人でやると泣きたくなるが、人数で一斉にかかれば楽しい。この日は農場専属者と合わせ8名でかかったから、予定の時間をはるかに短縮して作業が進んだ。順調に生育すれば7月中旬頃の収穫となる。
 とうもろこしの定植も行った。品種は「プレミアムスイート」である。こちらは7月中旬頃から約2週間と短い期間の収穫となる。

筋肉痛は経験の証

 参加した社員からは「普段と違った身体の使い方をして身体が痛くなった」との声が聞こえた。実は私もそう。日頃からランニングしたりジムで筋トレをしており、市場の現場の人間よりバランス良く鍛えているつもりだが、それでも農作業の次の日には必ずどこかが筋肉痛となる。その痛みが経験の証である。

農業体験こそ商品知識

 参加したのは私を含めて6人だ。最年長が私58歳オヤジ。最年少は19歳新入社員。若手からベテラン社員まで一丸となることに意義がある。…といえば聞こえはいいが、正直、農作業に率先していくタイプの社員とそうでない社員がいる。本当は年に1、2度で良いから、全員が体験した方がいいのだ。自分が販売する品物がどのように作られるのか、農業体験を通じて初めてわかる。その生きた知識が重要なのだ。

若者は若者の声に反応する

ネットビジネス講演会

 会社で講演会が催された。IT、SNS等によるネットビジネスの可能性についてである。講演者はネットビジネスコンサルタントの山本氏。会社の会議室に社員全員を入れると密集・密閉状態になるので、若手社員を優先しての講演会とした。私は若手には入れてもらえず、残念ながら聴講は断念した。

爆睡者出ず!

 終了後に聞いた話では、この講演会、内容は専門的でそれなりに難しい話もあったようだが、なんと講演中に眠った者は皆無とのことだった。これはうれしい反面、びっくりである。過去にも様々な人にお話いただき、時には私自身も講演者となった。その時の経験から言うと…

寝るやつは必ず寝る

 事前に“今日は絶対に寝るなよ”と言いくるめておいても、社員で寝るやつは寝る。もちろん講演者が私の時もである。おれは会社の、自分で言うのもなんだがお偉いさんだぞ、それでも寝るのか君は…と思う。しかし自分はどうだったかを振り返ると、決して叱ることはできないのだ。私だって、どんなに素晴らしい人の講演でも、午後1時から2時30分の90分間は意識朦朧タイムとなるのである。失礼なのはもちろん承知。だが生理的にそうなっている。理屈ではない。根性論でもない。この午後1時の睡眠スイッチは、誰かが(神が!?)セッティングしたとしか思えない絶対的なものだ。私のせいではないのである。

若者は若者の話には寝ない

 だが!今回は寝るやつがいなかった。これはどうしたわけだ。それほどに講演内容は面白く、感動的だったのか。電算部長の堀上君は言った。「というよりまあ、講演者が若くて、若手社員たちと世代的に近いこと(が重要)。講演に出てくる言葉が自分たちの言葉の感覚と一緒だから、自然に心が反応するようです」。つまり、若者は若者の声に反応するということだ。

もう潮時か

 なんということだ。これではもう私の出番はないではないか。私は小さい頃から「お年寄りの言葉にしっかり耳を傾けよう」と教えられて育った。いまの若い人達にそんなことは通じないのか。温故知新という言葉はどこに行ったのか。もう私は若い人に話をするには年を取りすぎ、そろそろ潮時なのだろうか。なんとも寂しい。とりあえず明日からは私も「バズる」「ワンチャンあるかも」「ぴえん」「あせあせ」などを入れて話し、食い下がってやる。そういえば、1個先輩でもあり同級生でもある竹松さんは、数年前にさりげなくSNSで「てへぺろ」とつぶやいていた。恐るべしだ。私も負けん。

変化、対応の必要性

 上記は冗談ではあるが、今後は会社の勉強会も考えなくてはならない。やはり若手の有望株を招いての話が刺激的で良い。そうした人は、講演する機会がまだ少ないので、意外と謝礼ははずまなくても喜んでやってくれたりするのだ。時代はこんなところにも変化が現れてきている。

青果物の週間情報 【2021-W18】

■週の概況 第18週 4/26(月)~ 5/1(土)

【全体】
 言うまでもなくゴールデンウィークに突入する週だが、今年も前例のない社会情勢で見通しは不透明だ。コロナで日本中・世界中が異常な状況下にあるのは昨年どおり。帰省する人と観光客は今回も激減するのは確実だ。
 一方で生鮮青果物は昨年のような極端な巣ごもり需要が今のところ見られない。“外出は悪”というムードが蔓延した昨年同時期と違い、それなりに人々は出歩き、買いだめ傾向もなし。肉を筆頭にバーベキュー向け食材や惣菜の売れ行きは好調のようだが、青果物の動きは残念ながら鈍い。しかも昨年は野菜全体の品薄+巣ごもり需要で単価高だったのに対し、今年は潤沢な出回り+特需なしで単価安だ。よってスーパーの青果部門は前年比80%~90%の売上に留まっている。
 以上のような傾向は、ゴールデンウィーク中も継続すると見る向きが強く、残念ながら青果物全体としては厳しい環境が予想される。しかし、高値の商材より割安な品目が圧倒的に多く、値ごろ感あるものの動きは悪くない。数量拡大に重点を置いての売り込みが効果的だろう。

【野菜】
 葉茎葉菜類では、ブロッコリーは安定した入荷、キャベツはGWに向けて価格の上昇が予想される。レタスも兵庫県産は安定するが茨城産が減少傾向でやや強含みの展開。ネギは端境期が続き高値推移が続くだろう。アスパラの地物は霜の影響で不足感がある。山菜類はノブキ、わらびが増量が見込む。
 果菜類では、胡瓜が各産地ピークを迎え、入荷増量となる。トマトは地物が徐々に増加し、ミニトマトも各産地微増。逆にナス、長ナスは天候の影響で週を通して品薄傾向だ。
根菜類では、徳島産の人参が本格的な入荷。大根も千葉産をメインに安定する。さつまいも、レンコンは県内産が減少し強保合の予想。里芋は鹿児島離島物が始まる中、全体にひね物が少なく不足感がある。筍は他県産の切り上がりが早く、石川県産は生育遅れが見られ、週前半は量が大きく少なくひっ迫の予想。土物類では馬鈴薯が長崎県産の入荷でややひっ迫感を解消するが、牛蒡と同様、慢性的な高値推移を維持しそう。反対に長芋は低調、玉葱も愛知産が安定し前週同様低調な販売環境が続く。

【果実】
 国内果実では、メロンは熊本県産のアンデス系が微減となり、赤肉系は少ないながらも安定するだろう。茨城県産はアンデス系・赤肉系どちらも安定し、GW前まで堅調な動きが予想される。桜桃は霜、マンゴーは低温の影響から不足感が見られる。スイカは熊本、高知、群馬(小玉)よりの入荷となり、特に熊本産の増量が目立ちそう。イチゴは微減傾向、中晩柑橘は、高知県産の小夏が少ないながらも安定した入荷となる。りんごは依然として潤沢な入荷だ。
 輸入果実では、バナナは需要期で引き続き強い販売環境が続くが、数量は順調。その他の品目は入船の不具合で不安定な入荷状況となっている。コロナ禍で米国や中国の港湾におけるコンテナ船が停滞しており、安定した航路が確保されていないのが原因。全体的に数量不足に陥っており、GWは品薄を余儀なくされる。キウイは、グリーンがスタートしたが、日本向け高糖度モノの生育が悪く、計画よりも大きくショートしたスタートとなる。台湾産パインは引き合いが強く、供給が需要に追いついていない状況で品薄だ。

ヤクルト1000がブレークするぞ

最近、睡眠の質がよろしくない

 近年、加齢のせいか睡眠の質が低下している気がする。なるべく夜9時30分までに寝て3時30分に起きる毎日だ、夜中に1、2度目が覚める。起きても寝不足感がある。目覚めがすっきりしないので職場に行っても朝7時ごろまでテンションが上がらない。早朝が勝負の市場人としてこれはまずい。

あれこれやっても・・・

 そこで睡眠の質を向上させる方策をあれこれ試した。まず晩酌を辞めた。一杯やりながらの夕飯は格別だが、「寝入りは良い良い、眠りは浅い」になるのでお酒は我慢だ。適度な運動はほぼ毎日やっている。午後に入ってコーヒーは飲まない。入浴は15分間湯につかり体内温度を高める。夜7時を過ぎたらスマホなどブルーライトを見ない。聖人君主のような生活だ。だが寝起き感覚は今一つ。どっか悪いんじゃないか。

新製品「Yakult1000」の睡眠効果

 しかし転機がやって来た(かもしれない)。ブログにも書いた4月16日のたけのこ感謝祭。その会場で金沢市農協の亀田常務と睡眠の話になった。亀田さんは最近、ヤクルトの新製品「Yakult1000」を毎晩飲むようになってぐっすり寝てスッキリ起きるようになったという。会社に戻ってそのことを社員に話すと、私の横の席の立花部長もしばらく前から飲みだしており、「今までより2~3時間余計に寝た感覚」だと教えてくれた。
2~3時間余計!!…だと!?
私なら8か9時間をカンカンに寝たことになる。ものすごい効果だ。

全国展開直後に品薄状態に

 この商品は捨て置けない。今まではヤクルトWを飲んでいたが「明日から1000に切り替えてくれ」とヤクルトレディに頼んだ。「Yakult1000」はスーパーやコンビニには売ってない。ヤクルトレディからしか買えない。少し前までネット注文はできた。しかし注文が殺到し品薄状態で今ではネットも休止中である。

1000億個パワー

 まだ飲み始めて二日目なので実感はないがこの商品は大ブレークの予感がする。乳酸菌ガゼイシロタ株が1本100ml中に1,000億個含まれているので「Yakult1000」。…1000億ってあーた…。いくら菌が小さいとはいえ1000億もあればヤクルトの1瓶や2瓶ぐらい、菌でモリモリに溢れかえりそうだが、飲んだところはちょい濃いめのヤクルトだ。

睡眠改善に大きな期待

 精神的ストレスをやわらげ睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を高める、腸内環境を改善する機能がある、と商品広告に明記されている。本来ならある期間飲み続け効果を実感してから書くべきだが、強烈にインパクトのあるデビューだったので取り上げてみた。毎日絶好調の朝を迎えられれば、1本140円は安いものだ。

栄農人(エナジー)の存在を知る

農業衰退は本当か

 日本の農業は衰退の一途。担い手は減り続け、耕作放棄地は増え続ける。食料自給率は回復のめどまったくなし。ここらへんが農業の常識的な現状認識だ。しかし最近、“それは我々が知らないだけで、実は担い手はちゃんといるのではないか”と思うようになった。

株式会社栄農人(エナジー)

 その一例が株式会社栄農人の存在である。「栄農人」と書いて「エナジー」と読む。令和2年7月期で自社農場が110ha、年商26億円の会社だ。グローバルギャップの認証を取り、長野や山梨を中心に野菜・果実を幅広く生産している。自社農場だけでなく、多数の委託農家と契約もしている。

割安株のような生産法人

 先日、栄農人の柳澤孝一社長とお話する機会を得た。今期はさらに実績を伸ばし、年商35億円に届きそうとのことだ。私は“恥ずかしながら、御社の存在をまったく存じなかった”と言うと“当然です、今まであまり表に出ないようにしていたので”とさらりとおっしゃった。規模はでかいが、自社で生産した青果物を粛々と直接販売し、市場流通は東京・長野の卸売会社とほんの少し取り引きがあるだけとのことだ。商品サンプルを拝見したが、包装フィルムのごく片隅に小さなロゴマークを付してあるだけで、会社の名前やPR文句はまったくなし。自己主張の極めて控えめな商品だった。しかし実力はある。知名度が低くてもこれだけ実績を伸ばしているのはすごいことだ。株の世界に例えれば割安株だ。まだまだ成長する可能性は大きい。

市場人はもっと目を凝らせ

 ほー、こういう生産法人があったのか、と改めて驚き感心し恥じ入った次第だ。我々市場人は、やれ産地がない、売り先がない、市場外流通にせめられっぱなしだと愚痴る前に、もっと世の中に目を凝らさなければならない。知らないところに宝はいくらでも埋まっているのだ、きっと。余談だが、柳澤社長はあの伝説の格闘技イベント「PRIDE」や「ハッスル」の運営を手掛けたユニークな経歴を持つ。女子プロレス団体のスタッフをやった私としては、勝手に親近感を覚えている。

近江町市場開設300年記念

記念式典を開催

 昨日4月22日、近江町市場が開設300年を迎え、記念式典が行われた。近江町市場は享保6年(1721年)の開設とされる。藩政時代は加賀藩御用達の市場として栄え、明治~昭和は戦争など時代の荒波の中をたくましく生き抜き、現代も数々の再開発を経て300年の歴史を紡いできた。

市民の台所が本分

 私は近江町出身である。3歳まで住んでいたし今でも本籍は青草町(近江町市場の一部の住所)だ。愛着は深い。今や観光の名所となったが、近江町市場はあくまでも「市民の台所」であり続けなければならないと思う。そして次は400年だ。

300周年の記念事業

 300周年を機に振興組合はいくつもの記念事業を行う。
①毎月第3金曜日を「市民感謝デー」とする。各店で特売が組み、駐車場を1時間無料とする
②「金沢市民の台所 近江町市場三百年史」を発刊する(編集委員長:石田順一氏)
③個人の応援隊「おみちょサポーター」を募集し、近江町の魅力をSNSで発信してもらう
④動画サイト「おみちょチャンネル」を開設し、小売商のプロが情報を提供する

近江町市場の沿革

 以下、近江町市場の大まかな節目を記録する。
【加賀藩御用達の市場】
天正8年 佐久間盛政が金沢城主となり、近江町など尾山八町が誕生
享保6年 近江町市場の開設年とされる
明治10年 魚市場免許となる
明治11年 青草物市場免許となる
【金沢市民の台所】
明治37年 金澤青草辻市場官許される
大正15年 魚騒動「近江町争議(第1次)」及び「大国まつり」
昭和7年 魚騒動「近江町争議(第2次)」
【終戦後の復興と近代化】
昭和31年 ネオンサイン、天幕アーケード完成、「大国まつり」復活
昭和40年 近江町市場商店街振興組合設立
昭和41年 金沢市中央卸売市場開設により近江町は小売専門となる
昭和45年 「大国まつり」を「市場まつり」に改称
昭和46年 近江町パーキングビル落成
昭和56年 上空からアーケードが「くノ一(女)」の字形となる
【再開発】
昭和63年 「近江町鍋」スタート
平成15年 「市場まつり」が「大行燈まつり」にリニューアル
平成18年 「近江町市場」の名称を商標登録
平成20年 「近江町いちば館」仮オープン
【そして現在へ】
平成21年 「ちかちゃん」「えっちゃん」誕生、近江町いちば館グランドオープン
平成22年 「近江町市場憲章」制定
令和2年 「近江町ふれあい館」オープン
令和3年4月22日 近江町市場300年記念式典開催

松本尚君が次期衆院選に出馬

松本尚君が千葉13区の候補に

 日本医科大千葉北総病院の教授である松本尚君が、次期衆院千葉13区の自民公認候補となることが確定的となった。自民党千葉県連の公募に応募し、4月21日に支部長に選任されたものだ。

松本尚君のプロフィール

 金沢大学医学部を卒業し、金沢大学附属病院を経て2014年から千葉北総病院へ移り、救命救急のスペシャリストとして活躍。ドクターヘリによるヘリコプター救急の第一人者となる。TVや映画で人気を博した「コードブルー・ドクターヘリ緊急救命」で医療監修を永年行うなど、多方面で活躍した。コロナ禍では千葉県庁の医療調整業務に関わり、実現はしなかったものの幕張メッセの臨時病院転用を提案。この際、政治・行政が遅々として進まない実態を前に“今の日本は非常時に国民の命と生活を守れる体制になっていない”ことを痛感した。その壁を打破せんとの決断だろう。自身がさらに力を振るう新たなステージとして、このたび国政の場に一歩を踏み出した。

松本尚君とのつきあい

 彼とは小学校からの同級である。それも極めて近しい間柄だ。中学・高校時代はバスケットボール部のチームメイトとして共に汗を流し、よく遊びもした。家は歩いて5分程度しか離れておらず、下校は兼六園を通ってよく一緒に帰った。双方の結婚披露宴では、お互いが友人代表としてスピーチをこなした。人にはいろいろな顔があり、もちろん私は彼の一部分しか知らないわけだが、そこだけを捉えれば誰よりも彼を理解していると思っている。

松本尚君からの電話

 そんな松本君が国会議員を志す。実は1か月ほど前に彼から電話があった。「もしかしたら総選挙の候補者となる可能性が出てきた。そうなれば病院を辞めての挑戦になる。お前はどう思うか」というものだった。どうも彼は「バカなことはやめとけ」と言われることを想定していたらしい。だか私の第一声は「総選挙って何の?」という問いだった。バカは私である。「総選挙」と呼ばれるものはこの世に衆院選とAKBの二つしかない。還暦近いおっさんがまさかAKBはない(笑)。急な話に私もちょっと動転してしまったのだ。だが私は、びっくりはしたものの不思議にスッと腑に落ちるものがあって、「それは、アリだ」と即答した。彼は意外そうだったが、私の賛意に喜んだように感じた。

松本尚君の決断

 私が賛同したのは、今思えば次のように感じたからだ。彼が千葉北総病院で築いてきた仕組みは、日本の緊急医療体制の道標となるもので偉大な成果と思う。しかしこれを国家的規模に発展させるには、一介の医師よりも政治家こそダイレクトである。今、政治の道に進むのはまったくもってタイムリー。かって金大病院から千葉北総に移ったのが彼の転機になったように、今回の決断もまさに正しい選択となるに違いない。

松本尚君の政策

 「中途半端じゃ救えない」「仕組みを変えれば『どうしようもない(状況)』は解決できる」
この言葉は彼がNHK「プロフェッショナル」(2009年放送)で語った信条だ。彼の今考えている政策は①災害派遣医療チームの法制化、②創薬等の科学技術研究への投資強化、③千葉13区を災害に強靭なモデル地域に、④医療界全体を統治する仕組みの構築、⑤憲法における緊急事態条項の新設…である。これだけ明確な目標があるのなら、当選すれば必ず仕事をしてくれるだろう。

松本尚君を応援する

もちろん、今秋に予定される衆議院議員選挙は一筋縄ではいくまい。遠く離れた石川県から何ができるか、私自身まだまったくわからない。だが、彼の転身と大いなる挑戦を全力で応援する。