金沢商工会議所が主催する経営セミナーに参画した。
こちらは講習会場(金沢商工会議所会議室)に出向くが、講師の方はリモートで講演をする形式である。
ペップトークという言葉がけ術のノウハウを学ぶ講習だ。
会社で社員にもっと頻繁に、あまねく、親密に、かつ仕事の中身にも踏み込んでコミュニケーションを取りたいと思っている。
その助けになればと思って受講したものだ。
以下、講義内容のメモ書き記録である。
講師:丸山寛之氏(コア・エリート株式会社代表取締役社長)
コミュニケーション基本は自己開示である。
即ち、あまり傾聴に気に取られず自分のことを話し、あなたはどう?と話を向ければ良い。
コミュニケーションでは人のいいところを探すことを習慣にせよ。
「ペップトーク」とは短い激励の言葉がけである。
必要なのは自責の心である。
人のせいにしないこと。
自分あるいは自分たちは何ができるのかを主体に考える姿勢だ。
なぜなら、他責はコントロールできない。
自責だからこそやれることがある。
部下に対してはとにかく褒める。
具体的に褒めてから具体的な改善点を伝える。
改善点も前向きな言葉がけとなるよう気をつける。
信頼関係と適度な緊張感をベースにポジティブな声がけが有効である
ただし、馴れ合い・同じ目線ではいけない。
上司ポジションは保つべきだ。
西野朗氏(2018年日本代表監督)の言葉
日本代表に選ばれる選手に求められるのは、自分自身がトップパフォーマンスに持っていけるルーチンができて、かつ、チームにいるそれぞれの選手の能力を引き出し、チームをトップパフォーマンスに持っていく能力に長けていることだ。
ペップトークの極意
①事実を受け入れる(相手は強い)
②とらえかた変換(ポジティブ発想転換)
(だが、チームワークはこっちが上だ。お前らならできる)
③してほしい変換(仲間を信じて力を出し尽くそう)
④背中のひと押し(GO!)
「してほしい変換」が一番難しい。
よく「やってほしくない変換」をしがち。
×ミスするな
×絶対に負けるな
言葉がけは、肯定的かつできることを言う。
×ミスするな
×シュートを決めてこい
(結果についてはコントロールできない)
プレッシャーの正体はコントロールできないことに対して起こる。
○シュートコースを決めて思い切り振り抜け
佐々木監督(なでしこ世界一のPK戦)
「楽しんでこい」
タイプ別対処法
①反応が薄い社員に対しては
・まず話を聴き、前向きに、共にトライする言葉をかける
・相手の反応は気にしない
・「必ずできるから」という
②考えるのが苦手そうな社員
・一緒に考えるスタンスをみせる言葉がけ
・大きな目標より目先の目標を考える
・質問で考えるように促す
③得意分野を持っている部下
・得意なことを生かす仕事ができるよう促す
・得意なことがどのくらい得意なのか聴く
・それをどのように生かすか相談する
④意見をなかなか言わない部下
・無理に言わせない
・イエス、ノー形式で聴く
・具体例を出してやると意見を言う。回数が重なれば話せるようになってくる
⑤感情を表に出さない部下
・いいところを見つけて部下の存在を承認
・感情がわかりにくい、など余計なことは言わない
・いつも見ていることを伝える
⑥何を褒めていいかわからない部下
・上から目線でなく、横から目線で褒める
・笑顔がいいね、この企画書いいね、など。
・必ずいいところはあるという発想で。
⑦改善点が多すぎる部下
・ゴールを示し、できているところを褒める
・改善点を「してほしい変換」で話す
⑧褒めると調子に乗りそうで心配な部下
・具体的な事実で褒め、やる気を引き出す
・客観的事実で褒める
⑨できて当たり前の仕事をどうするか
・やはり褒める
・当たり前と思わず、次への成長のステップと捉える
⑩怒鳴りつけたくなった時
・怒鳴ってはだめ。
・なぜそのようなことをしたか理由を聴く
・次に「してほしい変換」で伝える
・できていた部分と改善部分を分けて話す
寄り添いながら声をかけ続けることで必ず人はできるようになる
ポジティブな声がけと適切な質問を入れる
「ベストを尽くせ」はコントロールできる
適度なリラックスと緊張感のある職場を作り、社員間の信頼関係を築こう
上司に必要な5つの力
①ビジョン力
会社の理念、目的を示し、部下の目標を設定する
氷山モデル・・・てっぺんに成果(TO BE)、次に行動(HOW)、ここまでが水上で見える。見えないところに価値(WHAT)、一番下に目的(WHY)
②傾聴力
言い返すことは必要ない
全身で聴くのみ
沈黙を共有する、歩調を合わせる
③承認力
言わなくてもわかるだろうではなくちゃんと承認する
認めてあげるのが心の報酬となる
6つの承認力
結果承認、プロセス承認、成長承認、行動承認、意識承認(やろうとしただけでもよい)、存在承認(来ただけで認める)
④洞察力
表情や態度や仕草を観察する
人に吹き出しをつけてみる
決めつけずI(アイ)メッセージで声をかける(私にはこう見えるけど大丈夫?)
⑤セッション力(面談力)
自走式にする(計画に基づいたセッション)
できたことは思い切り褒める
面談の最後に次の面談日を部下主体で決める
上司ポジションを崩さない(上司らしい振る舞い)
自己研鑽している人を褒める
努力している人を褒める
チームのために働く人を褒める
言葉がけを習慣化するために
スモールステップ
ものすごく小さな一歩から始める
誰々君に一言何か言おう
アイスブレイクでネタを集める
以上