青果物の週間情報 【2021-W03】

■週の概況 第3週 1/12(火)~ 1/16(土)

【全体】
 年明け早々の大寒波、コロナ禍による首都圏の緊急事態宣言と、波乱含みのスタートである。不安な日々が続くが、人々の生活に欠かせない青果物の安定供給は、世相に関わらず堅持すべきものだ。本年も有益な情報を提供し続けていきたい。
 冬の嵐と降雪により、物流と生産で混乱・被害が生じている。物流面では青果物を積載したトラックが立ち往生するなどで延着、出荷止めが多発しており、生産面では強い風と積雪でハウスの損壊が出ている。連休明けは不透明ながら品目によって凸凹がありそう。また寒波により野菜の生育は停滞気味となり、出荷数量は全体的に少なめの週となるだろう。ただし週後半からは気温がグッと高まり、状況はまた変化する可能性がある。
 消費面では、野菜の巣ごもり需要が再び起こり、一般野菜はそれなりに動く期待感がある。特に日持ちがする土物類などは比較的好調な気配だ。逆に業務筋がメインの高級食材や妻物類は、行き場がなくなり厳しい販売環境にさらされそうだ。また野菜に比べ果実の消費は低調で、量は潤沢にありながら荷動きは鈍く、苦戦している。

【野菜】
 白菜は冷え込みで需要が高まり、キャベツは値ごろ感もあって動きは良好だ。ネギは高値反動で下げ予想だが、石川県産は雪のため出荷が激減しそう。菜類は全体に少ない中、ホウレン草は年末年始の高騰が一服し高止まりの見込み。キノコ類は暮れ正月の休みも終え徐々に増量し価格もこなれてくる見通しである。
 果菜類ではピーマンやナスは寒波による生育停滞で数量減少。価格も保合もしくは強含みである。胡瓜やトマトは安値潤沢だが徐々に落ち着き、価格もゆるやかに戻していく方向。カボチャは輸入物メインに加え、鹿児島産と沖縄産を入荷する。豆類は種類も量も増える時期ながら、その度合いはゆるやかでやや単価高だ。大葉を筆頭に妻物類は、外食産業の苦境を背景に極めて厳しい販売環境に陥っている。
 根菜類では、冷え込みにより大根の動きが良くなることを期待。人参は愛知県産の増量で潤沢感が増す。レンコンは降雪により収穫減の見込み。牛蒡は昨年の生育期の天候不良で不作傾向であり、例年より高値が続く。コロナ禍の巣ごもり需要では持ちの良い青果物が好まれる傾向にあるのか、土物類は比較的動きが好調のようだ。馬鈴薯は例年より高値ながらまずまずの荷動きで特に北海道産男爵は品薄感あり。玉ねぎは値ごろ感もあり動きが好調である。

【果実】
 国内果実は、総じて順調な入荷である。これから旬を迎える柑橘類では、八朔・デコポンが潤沢。伊予柑も徐々に本格化する。またポンカンが愛媛や高知から、せとかが佐賀や愛知から始まり、晩柑類の層を厚くする。柿類は、干柿・冷蔵柿ともに入荷終了となる。みかん・りんごは潤沢な入荷を見込む。冬の主力品目であるイチゴは例年よりは順調に入っているが、高値を維持しているためか消費はやや低調に推移している。
 輸入フルーツは浜在庫が潤沢であり、安定価格・安定入荷が図れるが、バナナなど一部品目で降雪による輸送麻痺が散発しており、物流面での影響が懸念される。価格は全品目とも保合を予定している。

3年ぶりの大雪

9日から10日にかけて金沢は64センチの積雪があった(10日午前9時時点)。
三年ぶりの大雪だ。

大雪とは言っても金沢は全然ましである。
お隣、富山は10日午前7時時点で富山は1メートル24センチ。
交通がマヒした。

金沢は加賀平野が海側に開けていため、季節風は抜けてしまう。
雪雲が停滞しにくいのだ。
富山への風は能登半島によって弱まり、東や南の高山に阻まれて平地に雪を降らす。
ことあるごとに言っていることだが、金沢の地は本当に災害が少ない。

当然、今日と明日の連休は家の前の雪かきである。
偶然にも連休に当たり、じっくり雪かきにあたれる。

道具には事欠かない。
軽い雪を一度にたくさん運べるダンプ。
大・中・小揃ったプラスチック製スコップ。
固く固まった雪を砕く金属製スコップ2本。
氷まで砕く鍬。
本当はまだ足りない。
ダンプはもう1台あると男子二名が積もった雪を水が流れる溝までどんどん運べる。

雪かきは重労働なので頻繁にやるのは勘弁願いたいが、悪いことばかりではない。
多分、精神の浄化作用がある。
適度な運動となり汗をかく。
掃除や整理整頓と同じで、心をスッキリさせる。
近所の人も道路に出てきての協同作業が起こりやすく、地域コミュニティの絆を深めることができる。
我が家の場合、父と息子との交流の場になる。

我が家のすぐそばには、ちょっとした観光名所の「嫁坂」がある。
今日の朝は家の前は車が通れる状態ではなかったので、歩いてスーパーに買い物に行った。
嫁坂を通ると、階段がまるで川のせせらぎのようで美しかった。

我が家は高台に家があり、
その横を用水が通り、上の雪が溶けて流れる。
高台の下の住民たちは上から流れてくる水をホースに通し、自然の融雪装置を作り上げている。
頭のいい人が下にお住まいだ。

その仕掛けを知ってまた驚いた。
横を流れる用水から水を誘導し、バケツに受けて階段に流している。
階段に積もった雪を溶かすための工夫。
頭のいい人が近くにお住まいだ。

スーパーの往復で小一時間、雪かきする人々とは自然に言葉を交わす。
「ごくろうさんです」
「大変ですねぇ」
「足元、気を付けてください」
久しぶりな触れ合いの感触が心地よかった。
大雪はしんどいが、結構楽しい発見もあるのである。

スーパーとドラッグストアの違い

先日1月5日の初市で、手締め式の後、当社社長室で、山野市長・山田議員を交えての懇談会を開催した。
その際、市長は、激変する小売業界にあって、卸売市場の販売の相手先としてドラッグストアーの位置づけはどうなのか問われた。

今、市場を通過する野菜・果実の行き先は、食料品スーパー、量販店が圧倒的なシェアである。
だがドラッグのウエートが増加傾向にあるのは周知の事実だ。
店舗がまだまだ増加傾向にあるから、今年は一層伸長するだろう。

この説明の後、「ただし」と断った上で、大西社長が続けた言葉にはなるほどと思った。

「ドラッグというのは、売り切れゴメンで済む業態なのです。だから破格な安値をつけることができます。対してスーパーは売り切れゴメンでは済まない業態です。だから安売りするにも限界があるのです。市民への食品提供という公的使命を持っている点で、食品スーパーと卸売市場はパートナー的関係にあります。ドラッグはまだその領域には至っていないと言えるでしょう」。

食品を提供することが社会的使命かどうか。
この場合の使命とは、一言で言えば「切らさない」ということだ。
生活必需品は切らさないことが一番重要。

だからスーパーは食品に関しては切らさない仕入れ・切らさない売り方が求められる。
ドラッグは薬屋だから、食品は売り切れゴメンで構わない。
だから安い食品で集客し、その代り薬品は適正な価格で売る。
ドラッグの方がスーパーより食品が安いのはここにカラクリがある。

ならば、スーパーは対抗策として医薬品をドラッグよりも安く叩き売ればどうか!?
残念ながらこれはうまくない。
薬事法の問題もあるし、また薬は一度にたくさんストックできるのに対し、食品はほぼ毎日の購入しなければという商品特性もある。
このためスーパーはドラッグに押されてしまうのである。

適正な価格で仕入れてもらう以上、市場にとっては食品スーパーもドラッグも大切な顧客に違いない。
ただ、上記のようにスーパーとは社会的使命を共有している間柄であり、市場はスーパーを決してないがしろにしてはならないのである。
よって、スーパーに大根が並ばない日はない。

むむっ!
食品がスーパーの使命ならば、ドラッグの使命は医薬品だ。
今年前半、日本中どこの店からもマスクが消えたことに対し、ドラッグはこれ以上ない悔恨、屈辱、懺悔の気持ちを持たねばならない。

青森りんごのディスプレイコンテストでグランプリ受賞!

「青森りんごの会」が開催した「令和2年度青森りんごディスプレイコンテスト」で、我が社がグランプリを受賞した。

「青森りんごの会」は、「一般社団法人青森県りんご対策協議会」が全国の青果卸売会社を会員にして組織する会で、青森県産りんごの消費促進を目的に様々な活動をしている。

この「ディスプレイコンテスト」は、卸売会社を通じてスーパーに呼びかけられ、店内で青森県産りんごの特売コーナーを作ってもらい、そのディスプレイの優越を競うものだ。
全国の青果卸売会社を通じ、128件の応募があった。
受賞結果は以下の通り。

◆グランプリ
丸果石川中央青果株式会社(平和堂アルプラザ富山)

◆準グランプリ
仙台中央青果卸売株式会社(みやぎ生協 幸町店)
株式会社平果(ヨークベニマル)
セントライ青果株式会社(マックスバリュ東海 津城山店)
福山青果株式会社(なかやま牧場 ハート井原店)
福岡大同青果株式会社(イオン ちくしの店)

冒頭、“我が社が受賞した”と書いたが、売場を作ったのはもちろんお店の方であり、我が社は「チャレンジしません?」と声かけしただけである(笑)。
だが、とても喜ばしいことであり、誇らしいことであり、PRすべきことであると思っている。

わが社のりんご担当・川村省吾君は、この企画の募集を知った時、どこのスーパーに話を持ちかけるか悩んだ。
そして出た結論が平和堂だった。

日頃、彼が金沢市内のスーパーを見廻って抱いていたのが“平和堂金沢店の売場作りがピカイチだなぁ・・・”という思いだった。
普段の売場からして、このお店の商品ディスプレイは秀でていると彼は感じていた。
そこでいの一番に平和堂のバイヤーさんに声をかけた。
「やりましょう!」と即決し、1店舗ならぬ、石川県内の平和堂全店で特設コーナーを作って応募した。

結果、金沢店ではなく富山店がグランプリを獲得した。
この会社は総じて売り場作りに対する意識が高いのだろう。

こういう企画は広くPRしたほうがいい。
企画自体が楽しい。
また、お店間の切磋琢磨にもぴったり。
今回参画しなかったスーパーにも刺激になって次回以降の参戦があるやもしれぬ。
そうなるとさらに盛り上がる。
産地にとっても市場にとっても売上増につながりもちろんいい。
まさにWIN-WINの企画である。

こうしたイベント型リテールサポートを仕事にできればさぞ毎日が楽しいことだろう。
いずれは我が社にも専属部署を作りたい。

緊急事態再宣言

東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県に対し、1月8日から2月7日までを期限に2度目の緊急事態宣言が発令された。

飲食店やカラオケなどの遊興施設の午後8時までの営業時間短縮、出勤者の7割削減などが求められている。
前回はあった学校の臨時休校は今回要請されていない。

これに先立ち、Go To トラベル事業は年末12月28日一時停止となっている。
つまり、政府の目論見は完全にはずれ、感染拡大の防止と経済活動の両立という大命題は頓挫してしまったことになる。

私はこれまでの政策が悪かったとは思わない。
Go To トラベルは素晴らしく機能したし、2月か3月から始まるワクチン接種も他国のような拙速な対応とは違って安全性を慎重に考慮してのものだ。

今回の緊急事態宣言は、政府が自主的に発令したというより、当該の知事たちの強い圧力があってやむなくという面が強いのではないか。
感染をすぐに収める保障が全くない以上、危機をあおる声に対し、何もしない・何も応えないではどう非難されるかわからないという“評判”を気にしての処置に見えて仕方がない。

このたびの再宣言による外食産業へのダメージを極めて憂慮する。
帝国データバンクの調査からは、昨年一年間の外食産業の倒産件数が過去最多を更新したことがわかる。

石川県は宣言の対象ではないが、最近の青果物の販売動向を見ても、業務筋向けの食材の流れが一気に止まった。
高級食材、こだわり系、妻もの類が全く売れなくなっている。
これは、外食する人々がぱったりやんだということを意味する。

前回は何とか踏みこたえた業者が、このたびの処置でついに倒れる・・という事態が頻発しないかとても心配である。
決して対岸の火事ではない。

感染防止と経済振興の両輪を何としても続けていかなければ。
どちらも国が生き抜く血液なのだ。

七草セットも地元産で

伝統的な食文化は新しい工夫も取り入れながらなんとか継承したいものだ。
1月7日の朝に食べる七草がゆもその一つである。

一年の無病息災を祈り、おかゆに春の七草を入れる。
「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」

せり=せり(芹)
なずな=ぺんぺん草
ごぎょう=母子草
はこべら=はこべ、あさしらぎ
ほとけのざ=田平子
すずな=かぶ
すずしろ=だいこん

せり、すずな、すずしろはいつでも手に入るが、他の野菜は「なんじゃそりゃ」であって、農家に作ってもらうか揃えてもらわなければ入手は無理である。
そこで近年は家庭で手軽に買えるよう、7種全部をコンパクトに詰め込んだセット商品「七草セット」が人気だ。

我が社では古くから愛知県産で作られたセットを入荷していた。
が、それだけでは面白くない。
そこで石川県内の農家に生産を依頼し、地場産・七草セットの商品化を2012年から続けてきた。
初年度はわずか100パックあたりからのスタートだったが、今や数千パックにまで増やしている。
その立役者は山本智・野菜二部部長である。

大きな柱は二つだ。
①久米農園「春の若草」
石川県の篤農家として名高い、米林利栄、格栄親子が営む久米(ひさよね)農園のセットである。この商品のユニークなところは、加賀の伝統野菜・金時草が7草プラス1として付加されていることだ。
久米農園は金時草の周年栽培(ハウス栽培で一年中出荷)を実現したオーソリティである。
よってこのセットは七草ならぬ八草となっており、人柄もユーモアに富む利栄氏は、この商品を「八千草薫」と呼んでいる(笑)。
また、当社の山本部長の要請により、毎年1月2日に七草(八草)を収穫し、3日~5日にかけて詰め合わせるという、正月返上の作業に追われる。
よって利栄氏は「わしゃ丸果の山本に殺される」といつも言っている(笑)。

②顔の見える能登の食材 市場流通推進協議会「能登の七草」
能登の農家が栽培した野菜を直行便トラックで金沢市場まで運ぶ事業がある。
「顔の見える能登の食材 市場流通推進協議会」という長い名前の事業だ。
JA組合員の農家に呼びかけ、思い思いの野菜を出荷してもらう。
ある意味自由気ままな出荷システムだが、七草においてはこちら側から生産者を募った。
7つの野菜を各自で栽培してもらい、規格を決めてパック詰めまでやってもらう。
そこに貼られる「能登の七草シール」が共通のものだ。
1軒1軒の規模は小さくても、この事業に登録されている農家は奥能登・中能登併せてざっと900人である。

チリも積もれば山となる。
伝統でありながら、新しい試みで誕生した商品だ。
明日の朝、私もこの2種の七草セットでかゆを食べることとする。

初市にあたり

1月5日、金沢市中央卸売市場は初市(はついち)を迎えた。
毎年恒例、6時のせり販売に先立ち手締め式が行われ、開設者代表の山野之義金沢市長、参議院議員の山田修路議員からご挨拶があった。

続いて当社の大西社長が三本締めの音頭を取った。
代表就任が昨年6月であるから、初の音頭取りである。
若干緊張気味のデビューだったが、見事、新年の門出を飾った。

昨年の卸売市場流通は新型コロナウイルスで混乱に次ぐ混乱の日々だった。
11月からの記録的な野菜安値にも苦しめられた。
とにかく、一日も早い収束を願うばかりである。

しかし、この日に入ってくる情報に良いものは少なかった。
初市では1週間ぶりに仲卸・小売と顔を合わせる。
12月29日の止め市から本日1月5日まで、販売状況はどうだったかを情報交換する。

小売は低調だった。
やはりコロナ禍で帰省する人が少なく、外食を控える傾向が強かった。
片山津温泉の食品店の社長によると、Go To Travelの停止で、片山津温泉に宿泊する観光客は予約の75%がキャンセルとなったらしい。

75%減ではもはや事業が成り立たない。
また、今までいかに「Go To ~」が経済を活性化させていたかが裏返しでわかる。

全国的な感染拡大でムードは極めて良くないが、当社・当市場は、食品流通の核を担う公共インフラとして、市民への青果物の安定供給を確実に果たす責務がある。
世相が暗くとも、市場にはやはり元気が満ちていなければ何も始まらない。

青果物の週間情報 【2021-W02】

■週の概況 第2週 1/5(火)~ 1/9(土)

【全体】
 年頭から野菜は見通しがつきにくい状況だ。すべては年末30日から元日にかけての寒波・大雪次第。冷え込みのため全体的には数量減少傾向だが、降雪がそれほどでなければ、ある程度の入荷は確保でき、市況は保合もしくはやや強含みの品目が多くなる。しかしもし大雪で収穫のストップ、幹線道路のマヒ、露地野菜の凍傷など不測の事態が起これば一気に状況は悪化し、ひっ迫・高騰につながる可能性をはらむ。
 他にも、今まで経験したことがない諸条件がある。コロナ禍で人々の外出はまたも自粛傾向となり、業務需要は苦戦を強いられ、巣ごもり需要が再び起こると言われている。また、1月6日は東京市場が臨時休市のため出荷を見合わせる産地があり、週の前半は入荷量の不安定な日々が続く。以上のような条件が複合的に絡まり、年始の市況は振れ幅の大きい、不透明な情勢と言わざるをえない。

【野菜】
 葉茎菜類は寒気の影響を一番受けやすく、年末高値をひきずっての保合、もしくは年末をさらに上回る相場も出そうだ。一番ひっ迫しているのはホウレン草で、寒波で生育が進まないため極端な品薄になり、年初も流れを引きずって品薄単価高となる見込みだ。ネギも高値基調を維持しながら強保合を予想。白菜、キャベツも底上げ続伸の見込みである。新年だけ需要がある「七草セット」は、寒波による生育停滞および産地人手不足により、例年より数が減少する見込みだ。
 豆類が全般的に少なく、品薄感がある。特にキヌサヤは年末に激減し価格を跳ね上げたが、正月のお雑煮需要が落ち着くとある程度沈静化するだろう。トマト、キュウリ、ナスなど果菜類は、他の品目に比べれば順調な入荷見通しながら、降雪の具合で大きく状況が変わる。妻物類は、大葉・ミョウガを筆頭に年末需要を過ぎて値を下げる品目が多そうだ。
 馬鈴薯・玉葱など土物類は、年頭に必要な量は年末に入荷を済ませ問題ないが、1月上旬は例年より少なめの入荷ペースになりそう。ただし例年、降雪による物流の混乱が1月以降まれに起こるため、常に注意が必要となる。大根・人参など根菜類は露地物が多いだけに冷え込み・降雪の影響を強く受け、入荷数量の日々の増減が大きくなる。

【果実】
 国内果実では、みかんは各産地晩生種となり、まずは順調な入荷見込みである。晩柑類が徐々に出てくるが、伊予柑はごく少量で本格化はまだ少し先だ。八朔は初売りより和歌山県産を中心に始まり、順調な入荷を見込む。りんごは青森県産の農協物は週3回の入荷で、年明け以降はやや下げの予想。イチゴは現時点で年明け順調な入荷見通しで徐々に増量しながら単価もこなれてくると見込まれる。
 輸入フルーツは年末・年明けの変動は受けず、どの品目もほぼ保合で順調な入荷を見込む。中で、バナナは潤沢な入荷を見せ、若干の値下げができそう。冬季は国内果実の主要品目が限られてくるため、年明け以降少しずつ、輸入フルーツの存在感が増してくる。

長男の成人式

大学2年生になった長男の成人式があった。
本人は感心がなさそうだったが、(私を除いた)周囲=妻、ジジ、ババ が何かと世話をやいた。

成人式用にジジがスーツのお金を出してくれた。
年末に慌てて「紳士服の●●」に飛び込んだが、おそらく毎年こうした駆け込み需要がたくさんあるのだろう、ごくスムーズに「1月2日のお引渡しです」と対応してくれた。

今日、妻は用事で外出しており、私が車で会場まで送った。
私も長男も成人式には無関心である。
記念写真も何も撮らず、スーツ姿をジジババに披露するもなく、帰って普段着に着替えた長男およびその責任者たる私を、妻は厳しく叱った。
そして長男をもう一度スーツ姿に着替えさせた。

ふ~ん、そんなものか。
息子よ、おめでとう。

「女子はみんな振袖だったでしょう?」
「誰が綺麗だった?」
妻は興味津々で長男に聞きまくっていた。

私は38年前の自分の成人式に出ていない。
住民票は金沢に置いたままの東京暮らしで、確か当時は「成人の日」1月15日の式典だったと思う。
案内状すら見た記憶がないし、そもそもまったく興味がなかった。

そう言われれば、数少ない人生の節目なのかもしれない。
七五三、入学式、卒業式、成人式、結婚式…最後にお葬式(笑)?。

今後、節目は節目としてちゃんと仕立て、記録を残すよう真面目に取り組むことにする。
自分自身は、次は還暦か。
赤いちゃんちゃんこを早めに「紳士服の●●」に発注することにしよう。

秘伝 鼻うがい

毎年、1月2日は石川県羽咋市の妻の実家に行く。
義父母、私の一家4人、妻の弟の一家4人の計10人で夕食をとるのが最近のパターンだ。

子どもが小さいころは泊りがけだった。
孫が来るのは何よりの喜びだろうから、一泊するのは当然の務め…と私も覚悟したものだが、義父母としてはご馳走を用意したり振る舞ったりは大変な重労働であったろう。

近年は、義弟のお店が毎年3日に開く都合上、二家族とも日帰りになった。
正直、婿たる私は気楽になった。
義父母の方は、孫と触れ合う時間が少なくなって物足りないかもしれない。
が、お年を召してくると、二家族をもてなすパワーはかなりの負担となる。
案外、義父母もほっとしているかもしれない。

かくいう私自身もそうなってきた。
昔なら好きなことは何日だろうが夜を徹して没頭するスタミナ&パワーがあった。
今ではそんな無理は効かない。
程よい短めの時間で切り上げ、ちょこちょこと継続するスタイルがよろしい。

義父は80代後半の年だが驚くべき才人である。
多方面に知識豊富・経験豊富である。
いつも私は90%聞き役だ。

今回面白かったのは「鼻うがい」の話である。
義父は50年以上、風邪をひいていないという。

何でも風邪のひき始めには、耳鼻科の領域と内科の領域の瀬戸際の一線があるそうだ。
1)耳鼻科の領域=なんとなくのどがむずがゆく、あれ?もしかして風邪かな?と感じるまでの頃合い。
2)内科の領域=「耳鼻科の領域」を放置したがため、喉が腫れ、鼻水・くしゃみ・せき・発熱などの症状が出てきた頃合い。

義父は1)の時点で「鼻うがい」を徹底して行う。
これで風邪のひき始めはぴしゃりと治る。

内科の領域に行っては手遅れ。
耳鼻科の領域で風邪の芽を摘む。
とのこと。

鼻うがいとは、水に食塩を溶かした生理食塩水にうがい薬を入れ、鼻から吸入するうがいだ。
体液と同等の濃度であれば、鼻を通っても全く痛くない。

「耳鼻科の領域」を感知したら直ちに鼻うがいができるよう、義父は風邪が流行している時季は常に手製の生理食塩水をボトルに入れて携帯している。
「このくらいの濃さだよ、飲んでごらん」と舐めさせてくれた(笑)。
「すっきりおいしい薄めの味噌汁の濃さだ」と教えてくれた(笑)。

最近は健康長寿の秘訣と銘打って新しいサプリが次々登場しているが、50年以上無病息災でいられることは、卑近な生活の知恵でいくらでも実現できる。
しかもほとんどタダだ。
先人の知恵を大いに学びたい。