昨日、日本農業新聞社が取材に来られた。
金沢支所ではなく、本社からの取材で、これはとても珍しいことだ。
記者は柳沼さんという女性の方。
新幹線で金沢に着き、レンタカーで100km走って穴水に入り、うちのファームを含めて2件の取材をこなし、また穴水から100km戻って会社に来られた。
馬力のある記者さんだ。
青果卸売会社が農場を直営するケースは稀有とのことで取材に来られた。
本業の卸売の話題にせよ、子会社のことにせよ、地元の新聞に載ることはそこそこあっても全国紙に掲載されることはほとんどない。
柳沼さんは穴水の圃場を見て「非常に規模も大きく、しっかり運営されているのでとても良かった。ぜひ事業を成功に導いて行ってほしい」とおっしゃった。
農業はいわゆるピンキリであり、昔ながらの家族経営とが農業法人等による大規模経営が並存している。
しかし前者は長年に渡っての減少傾向であり、近年はその落ち込み幅が大きい。
よって農政は後者を進展させようとの思惑が強い。
しかし、やってみてつくづく思うが、企業体が農業で安定的に収益を上げるのは並大抵のことではない。
私は素人に毛が生えた程度ながら、「今の制度で新規就農を軌道に乗せることはほぼ不可能ではないか」と日頃考えている疑問をぶつけた。
柳沼さんは概ね同調してくださった上に「欧米などの支援制度に比べれば、日本のものは極めて脆弱と言わざるを得ない」とわかりやすく解説してくれた。
やはり農業新聞の本社の記者さんはレベルが高い。
後半は、取材を受けるというよりもむしろ私の質問に答えていただき教えを受けるという展開になり、気がつけば2時間半も経ってしまった。
私にとって大変勉強になる機会であった。