日本農業新聞の取材を受ける

昨日、日本農業新聞社が取材に来られた。
金沢支所ではなく、本社からの取材で、これはとても珍しいことだ。

記者は柳沼さんという女性の方。
新幹線で金沢に着き、レンタカーで100km走って穴水に入り、うちのファームを含めて2件の取材をこなし、また穴水から100km戻って会社に来られた。
馬力のある記者さんだ。

青果卸売会社が農場を直営するケースは稀有とのことで取材に来られた。
本業の卸売の話題にせよ、子会社のことにせよ、地元の新聞に載ることはそこそこあっても全国紙に掲載されることはほとんどない。

柳沼さんは穴水の圃場を見て「非常に規模も大きく、しっかり運営されているのでとても良かった。ぜひ事業を成功に導いて行ってほしい」とおっしゃった。

農業はいわゆるピンキリであり、昔ながらの家族経営とが農業法人等による大規模経営が並存している。
しかし前者は長年に渡っての減少傾向であり、近年はその落ち込み幅が大きい。
よって農政は後者を進展させようとの思惑が強い。

しかし、やってみてつくづく思うが、企業体が農業で安定的に収益を上げるのは並大抵のことではない。
私は素人に毛が生えた程度ながら、「今の制度で新規就農を軌道に乗せることはほぼ不可能ではないか」と日頃考えている疑問をぶつけた。

柳沼さんは概ね同調してくださった上に「欧米などの支援制度に比べれば、日本のものは極めて脆弱と言わざるを得ない」とわかりやすく解説してくれた。
やはり農業新聞の本社の記者さんはレベルが高い。

後半は、取材を受けるというよりもむしろ私の質問に答えていただき教えを受けるという展開になり、気がつけば2時間半も経ってしまった。

私にとって大変勉強になる機会であった。

「歌唱王2020」の王者は地元のホープさん

「歌唱王2020」の王者は地元のホープさん

12月10日に放送された「歌唱王2020」で、石川県金沢市出身の西凛華(にし りんか)さんが優勝し、日本一の栄冠に輝いた。

正式名称「全日本歌唱力選手権 歌唱王」は、要するにカラオケの日本一を競う日本テレビの番組である。
2013年以来、毎年1度、12月に決勝戦が行われる。

今年は応募者数は1万2857人。
その中からファイナリストとして10人が準決勝に進出し、さらに決勝に5人が選ばれ、日本一の座を競った。

優勝した西凛華さんは、昨年も参加し準決勝まで進んだものの惜しくも敗退、今年は雪辱を期しての出場だった。

私はこの番組にはまっっったく興味がなかった。
が、なにげにTVを付けた妻が「あっ!りんかちゃんだ!りんかちゃんが出てる!」と突然叫び出したので「何ごと?」と聞くと、よく知っている子だという。

妻が習っている歌のスクール「VOX OF JOY Music Studio」に西凛華さんも通っていて、中田理恵さんに指導を受けていたそうだ。

現在、石川県立金沢二水高等学校の2年生だ。
二水は長男の通った高校だし、次男は高校は違うが凛華さんと同い年だ。
それぞれ薄~いけれども我が家とたくさん接点がある。
俄然親近感が湧いてきた。

最後の結果発表は手に汗を握った。
298点で見事優勝!
身内が栄冠を得たような気がしてうれしかった。
(でも100点満点連発する南こうせつは審査員としてどう?)

身内意識というのは不思議なもので、一度も会ったことのない人でも、同郷とわかるだけで親密感が増す。

同郷の者が全国を相手にがんばっていると無条件で応援してしまう。
最たる例は高校野球だ。
松井が5打席連続敬遠を受けた時は石川県民110万人が怒り狂った。1992年の時だ。
浜辺美波も津幡で生まれ育った子だから、ドラマで主役を演じているとついつい観てしまう。いい演技だと「よし!よし!」と親でもないくせに力んでしまう。
ダンディ坂野が出てきたら常に緊張しながら観てしまう。「すべりませんように」と祈ってしまうのだ。だからダンディ坂野が出てきても私は決して笑えない。

そんなことはどうでもよい。

とにかく、我が家とたくさんの縁がある(と思っているのは私一人だが)西凛華さんが日本一に輝いたのはまことにめでたい。
さらに聞くと、そのお母様は、わが社ととても取引の深い某小売店にお勤めとのことだ。
ほら、わたしとも縁ができた。

というわけで、郷土が輩出した素晴らしき才能を、これからも応援していこうと思う。

温泉旅館で人間ドック

昨日と今日、1泊2日で人間ドックに行ってきた。
金沢から車で1時間近くかかる辰口の芳珠記念病院である。

芳珠記念病院

なぜこんな遠い病院にわざわざ行くか。
それはこの病院にユニークな【湯ったり宿泊コース】があるからだ。
人間ドックを受けながら、当地の温泉旅館「まつさき」または「たがわ龍泉閣」に宿泊できる。

一人ぼっちの温泉旅館はちょっと寂しい感じはするものの、コース料理はさすがに美味いし、大浴場・露天風呂は気持ち良い。

コース料金は他の病院に比べるとちょっと高めかもしれない。
だが、温泉旅館で一泊できることを考えるとコスパはよい。

1日目は血液検査、心電図、レントゲンなど割と軽めのものを午前中にこなし、午後は脳ドックであった。
終了は午後4時。
それから車で5分ほどの「まつさき」にチェックインした。

まつさき

辰口温泉まつさきは、江戸時代の天保7年創業の由緒ある旅館だ。
明治の文豪・泉鏡花が逗留し、まつさきを舞台とした小説「海の鳴る時」を執筆した。
また、第64期名人戦第6局、名人 森内俊之 対 挑戦者 谷川浩司が2006年に、第86期棋聖戦第2局、棋聖 羽生善治 対 挑戦者 豊島将之が2015年に開催された旅館でもある。

コロナ禍だが、お客はかなり多かった。
営業自粛で6月までは休館だったらしいが、最近はGo To トラベルもあってかなり客足も戻ってきている。

まつさきの社長は私の高校の先輩、女将は中学の先輩であり、昨年と一昨年は能美の名物「丸芋」の初せりを高値で買い受けてくれたこともあって、できるだけ「まつさき」で泊まるようにしている。

話が旅館の方ばかりに行ったので人間ドックに戻す。

私にとっては二日目がメインだった。
二日目に予定していたのが胃カメラと大腸内視鏡検査だったからだ。
特に、2年に一度の人間ドックでは大腸内にポリープが見つかっており、その切除で簡単な手術をしている。
今回もかなりの確率で見つかるだろうなと思っていた。

ところが!である。

胃カメラは予定通りできたが、大腸検査はできなかった。
コロナのため、今は健康診断での大腸検査は取りやめているとのこと。
病院側は、事前に電話でお断りしたはず、と説明したくれたが、私は連絡を受けた覚えはなかった。
たまたま電話に出られなかったのだろうか。
だから、当日になってそのことを知ってかなり落胆した。

全国的に大腸検査は休止しているようだから仕方がない。
その分も料金も安かった。

ただ、私が一番ひっかかるとすれば大腸である。
コロナが終息したら、大腸検査だけでも受けなければならない。

温泉旅館に泊まりながらの人間ドック。
ちょっとした企画であるが、魅力的である。
もちろん、病院にも旅館にもユーザーにもメリットがある。
かなり前から行っているサービスではあるが、これからの時代のヒントになる。
青果卸売業もサービス業的な発想をもって企画をセットとして提供し、結果的に青果物が売れるというモデルを作らなくてはならない。
必要なのはアイディアだ。

今年はお節が当たり年

今、食品の業務筋はお節料理の予約取りで忙しい。
特に今年は予約が殺到しており、平年の2~3倍の注文が来ているそうだ。

これは明らかにコロナ禍のせい。
年末年始は巣ごもりで外に出歩くことが例年より少なくなり、家で食べる機会が増えるという市民の読みだ。

お節の中でも、値段の高いものほど人気のようだ。
家に大人しくいなければならないならせめて少しでもいいものを食べたいという思いだろう。

お節のメインは魚や肉だが野菜も捨てたものではない。
お節が伸びるなら食材も伸びる。
業務筋に対していかに提案できるのかが卸売市場にとっては勝負の分かれ目だ。

11月に入ってここまで野菜はダラ値(金沢弁で言うばかげた安値)だが、12月後半から状況は様変わりするのではないかと思っている。
この急激な変化を事前から想定し、攻めに早く転じた商売人が勝利するだろう。
生鮮業界は人の後を追っかけているのはどうも負け組だ。
人より半歩でいいから先んじて動く気質が重要だ。

我が家は大晦日は家内が一日中、手作りのお節料理や煮物をこしらえるのが例年のことだから、その日の食事は元日から食べるのとは“別の”お節料理を食べるのが恒例だ。
早くから、フランス料理店「マキノンチ」さんのお節を予約した。
それなりの価格はするが、妻へのご苦労さんの気持ちも込めている。

あと追加で、松任の惣菜屋さん「大阪屋」のオードブルも考えている。
これは富山のスーパー「大阪屋ショップ」とは全く違うお店で、木下さんの家族が個人で営業していて、手作り惣菜が大人気の食品店だ。
このお店でお節を買った人は、次から他所では買わなくなるという伝説のお店である。

凹むモノあれば凸るものあり(へこむものあればとつるものあり)。
凹るモノあれば凸るものあり(ぼこるものあればでこるものあり)。
これは自作の格言だ。どちらの読みの方が語呂がいいだろう。
機を見るに敏なれば、必ずや厳しい世界も泳ぎ切れる。
衆知を集め、常にシャープでいたい。

改正種苗法が成立

12月2日、国内で開発されたブランド農産物の海外流出防止を目的とした「改正種苗法」が成立した。要点は二つのようだ。

①海外不正持ち出し禁止
国内で開発された登録品種の種や苗木を海外に不正に持ち出すことを禁止する。
来年4月施行。
新品種の開発者が農林水産省に出願し、登録する際に栽培地域や輸出先を指定することができる。許諾なしに指定された地域以外で栽培したり、無断で海外に持ち出したりした場合は、生産・販売の指し止め対象となる。

②農家の自家採種が許諾制に
農家が収穫物から採取した種を次の栽培に生かす「自家増殖」は、開発者の許諾が必要となる。
再来年の4月施行。

品種の海外持ち出しは古くから問題視されていたが、一番有名になったのが2018年の平昌オリンピックでカーリング女子日本代表が行った「もぐもぐタイム」だ。
作戦タイム中の小休止時に、日本チームはデザートを食べて英気を養った。
その中で、現地で買ったイチゴが実は不正に日本から種苗を持ちだされて栽培されたものだとの指摘がなされクローズアップされた。

今をときめくシャインマスカットも随分と不正に海外で生産されているし、つい先日、石川県のルビーロマンでも疑惑が起こった。

新品種開発は何十年もかかる一大事業だ。
農業関係者、行政も交え、多額の資金を投じてトライアンドエラーを繰り返す。
まさに心血を注いで作り出した一品。
それがやすやすと“盗まれて”しまっては泣くに泣けない。

「種の権利」を守ることは極めて重要だ。
育成者の権利を保護し、知的財産を守ることになる。。

現行法では、登録品種であっても正規に購入した種苗の海外持ち出しは違法ではない。
そこに歯止めをかけるのが今回の改正法の目的である。
当然の権利擁護であり、基本的には賛成すべき法改正だと思う。

ただ、この改正で海外流失が止まるかどうかを疑問視する声もある。
また、②の農家の自家採種が許諾制になる点については、製造原価が跳ね上がって農家の負担が増えるのではないか、また種苗の安定供給を阻害するのではないかといった反対意見もある。
今後の運営のあり方を注視していかなくてはならない。

青果物の週間情報 【2020-W50】

■週の概況 第50週 12/7(月)~ 12/12(土)

【全体】
 野菜の市況低迷が続いている。一般消費者の間でも「最近野菜がとても安い」というイメージが根付いているようだ。産地では重量野菜の出荷調整や下等級品の絞込みが行われているが、この週はまだ相場の浮上には到らないというのが大方の予想だ。ただし、大底を打った感触があるのも事実で、この週は全体に安値のまま保合、さらに翌週からジリ上げに転じ12月の後半へ入っていく流れだろう。さらに20日過ぎから年末需要に乗って市況が回復するというのが短期的展望だ。
 現時点は消費も活発ではない。特に郡部では家庭菜園がまだ豊富に残り、師走の慌ただしさは影をひそめている。一方、人々はコロナ禍の年末年始にあまり出歩けないことを想定してか、おせち料理の注文が例年の倍以上、しかも高単価のものに人気が集まる風潮がある。凹む分野あれば凸る分野あり。販売環境の厳しい中、何に需要が集まるかを察知し、機敏に対応する必要がある。

【野菜】
 葉物野菜はまだ厳しい状況が続くだろう。白菜とキャベツは安値が目立ち、1玉100円割れが当たり前に落ち込んでいる。ねぎは比較的堅調で動き良く、この週も保合予想。ホウレン草は値ごろで特売に入りやすく動きはまずまずだ。ブロッコリーは一時の爆発で大ナヤミだったが、そろそろ反転の気配がある。きのこ類は他の野菜に比べればはるかに健闘しており、冷え込みと共に需要も上がってきている。
 果菜類もこの週はまだ浮上できず我慢の週か。ただし胡瓜やナス、ピーマンなどは数量が減って底値は脱した感がある。トマト・ミニトマトはこの週はまだ低調と思われる。南瓜は鹿児島・石川産が始まるもののまだ少量であり、やや強含みである。
 根菜類は大根が依然低迷中だが、気温低下もあり動きが少し出てきたようだ。かぶらも安値だが、かぶら寿司需要もあって引き合いは強まり、10日よりは大野葉菜からの出荷も始まる。人参は愛知碧南産の本格化で価格は下げ。蓮根・さつまいもは需要期に入り、小玉傾向で太物が少なく、大きいサイズは品薄高値である。お節用のくわいが出始め、作付け減少ながら前年並みの入荷を見込む。

【果実】
 国内果実では、早生みかんにだぶつき感がある。産地出荷計画よりも早くに早生のピークが到来したためだが、逆に20日を過ぎると減少幅が大きくなることが想定され、年末年始に慌てないように準備しておく必要がある。りんごは青森と長野豊野は順調な入荷だが、トップブランドの志賀高原産はつる割れが多発しており正品率が低く、秀品大玉で品薄高値となっている。柿は生の甘柿系は終盤に入っての残量販売となる。ころ柿はピークを迎えるが、やや小玉の比率が高いようで、注文に応じハーフサイズ箱の販売も行う。イチゴは順調に増量しており、価格も少しずつ適正なレベルに下がってきており、生食用の供給に問題は出ていない。国内産キウイやデコポン、紅マドンナといった柑橘類が順調に入ってきている。西洋ナシはラ・フランスは終了し、ル・レクチェが年内一杯販売される。
 輸入フルーツは大きな変化はなし。12月は国内果実がどうしてもメインで、輸入はサブ的な位置づけであり、バナナ、オレンジ、パイン等々、各品目安定した入荷である。

東京シティ青果に神明が資本参入

年末に飛び込んできた業界のビッグニュースである。
東京シティ青果が株式30%を神明ホールディングスに売却した。
300万株、15億円とのこと。
これで神明はシティ青果の筆頭株主となる。

神明は2017年に東果大阪、18年に成田市場青果、岡山大同青果を子会社化しており、青果卸売で500億円の売り上げ実績を上げている。
これにシティ青果の800億円超が加われば、東京青果、連合長印グループと並び立つ巨大な卸売業者となる。

シティ青果は豊洲市場の単一業者だったが、経営は厳しかったと聞く。
2002年、築地市場時代に東京中央青果(東京丸果)と東京築地青果(マルニ)が経営統合するために作った会社が東京シティ青果だ。
その資本構成は丸果69%、マルニ31%であり、今回神明が取得する株は、マルニが手放すものではないかとの噂も聞こえてくる。

マルニ出身のシティ青果・針替会長には以前から大変お世話になり、教えていただいたことも多々あったことも含め、その経緯は大変気になる。

また、業界地図の激変ももちろん対岸の火事ではない。
業界再編は否応もなく進んでいる。

中でも、神明の動きの速さ・規模・充実度は業界内でも出色だ。
神明も元々はお米の卸売業者であり、ある意味青果以上の斜陽業界の出だ。
なのにこの展開の隙のなさ、大胆さ、実直さは目を見張る。

神明の藤尾社長の講演を一度聞いたことがあるが、きちんと数理に基づいた経営計画とビジョンに根付いている印象だった。

本当に対岸の火事ではない。連合長印グループは今や金沢の目と鼻の先の企業だ。
当社は近未来、どういう舵取りをすべきか。
決断を迫られる前に、自ら道を敷いて進みたい。

あゝ無情 魂よ、安らかに

自分が知る限りこれほどに素晴らしい人柄の方はそうはいないのではないか、と思っていた方が他界された。
同じ町内に住まわれていたご婦人だ。
まだまだお若かった。
子宮癌を発症し、腸閉塞や帯状疱疹にも苦しまれた長期の闘病生活だったそうだ。

妻はお亡くなりになる少し前にラインで連絡をもらい、お互いの病状やこれまでの経緯について語り合う機会をわずかに持つことできた。
妻はお見舞いに伺った際、かつての生気みなぎる姿から様変わりした様子に愕然としたそうだ。

その時はいろいろ話をする元気はあったそうだが、その翌日はかなり反応が鈍くなり、さらにその翌日はついに面会もかなわなかった。そして帰らぬ人となった。

長い入院生活を経てご自宅に療養していたということは、余命わずかを自覚し、ご自宅で最期を迎えることをご本人が選んだということだろう。
そのお気持ちを思うと胸が熱くなる。

わたし自身はご一緒した機会はとても少ない。
町内会のスポーツ大会や食事会で何度かお会いしただけだ。
しかし、その数少ない接点だけでも、人柄の素晴らしさは瞬時に伝わってくるものがあった。

まずもって無条件にフレンドリーでいらした。
いつも笑顔で明るく話しかけて来られた。
どうして知ったのか、なぜ覚えられるのか、人のことをよく知っていた。
とても細かく、とてもさわやかに、そしてとても自然に、周りの人びとのお世話をされていた。
いつも、いつもだ。
普通の人にはなかなかできないこと。
もちろん今の私には到底無理なレペルだ。
この方はいつもいつも、求める側でなく与える側の人だった。

生きているステージ、立っているステージが普通の人より高かったのだろう。
この資質は生来のものか、意識して身に付けたものか。
話をすれば自分自身大いに心が洗われ、学び得ることが多かったはずだ。
もっとお話させてもらう機会を作るのだった。

永年に渡ってこの上なく苦しく、痛い思いを強いられ、ついにその命の火を消されてしまうとは、何ともやりきれない。
人生は非情だ。この世に神はいないのか。

ただ、この方の死をもってはっきりしたことがある。
人は天からの見返りは求めることはできない。
たたただひたむきに、精一杯生きるのみ。
求められないのであれば、生きることの意義は与えることにこそ見出すべきだ。

お別れに際し、言葉をお贈りしたい。

痛く、苦しい時間が本当に永かったことでしょう。
お別れは悲しいですが、これでやっと楽になられるのではと思うと、当方も少し心が和みます。
今までありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。

金沢マラソン優先出走権が当たった

コロナ禍で中止になった本大会の代替イベントとして、10月10日から11月10日まで開催された「金沢マラソン・オンライン大会」には、完走者にプレゼントが送られてくる。
抽選で150人には来年の本大会(令和3年10月31日)の優先出走権。ただし有償である。
外れた人には大会記念グッズ(タオルかTシャツ)または石川県産の食の特産品だ。

東京マラソンほどではないが、金沢マラソンも人気がある大会で、エントリーしても出走できるのは3人に1人だ。
だから優先出走権は価値がある。

オンライン大会の完走者は6,741人で優先出走権の当選者は150人だから倍率はなんと45倍。
それに当たったことがある。
ラッキーだ。

会社の子に教えたら、
会社の子「大会にバナナを提供する重要人物として、優遇されてんじゃないですか?」
と言われた
私「それって不正じゃない?」
会社の子「そう、不正です、不正(笑)」

決してそんなことはない(笑)。
だいたいバナナを提供しているのは、うちではなくてドールさんだ。
確かにうちは仲介に立っていて「協力企業」にはなっているが、「スポンサー出走枠」はもらっていない。
せいぜいの特権は、前夜祭に出られるくらいのものだ。
(有名人に会える可能性がある。)

第一回大会は、山野・金沢市長が自らエントリーしたが抽選で落ちて走れなかった。
金沢マラソン事務局は厳正なのである。

なので今回の当選は素直に運が良かったと喜びたい。
来年はコロナ禍が収束し、無事に本大会が開かれるのを切に願っている。

カレンダーがようやく完成

会社のカレンダー(大判)がようやく刷り上がってきた。

12月に入ってしまったのは私の責任、というか判断だった。
印刷の最終GOサインを出したのが11月26日だったのだ。
印刷会社さんはよくぞ1週間も経たずに納品してくださった。
スピーディな仕事に感謝である。

最終GOサインがここまで遅くなったのは、国が暦をなかなか決めてくれなかったからだ。
この点は10月25日のブログ「カレンダー(暦)くらいサッサと決めてよ」で書いた通りだ。

11月の中旬になったので、痺れが切れて内閣府に電話した。
電話に出てくれたお姉さんはやさしい口調で言った。
「昨日にですね、衆議院で審議入りしました」。

遅いわ。
臨時国会が召集されたのは10月26日じゃないか。
初日に審議し即採決、すぐに参議院に送らなきゃ。

そして11月19日、ようやく衆議院で賛成多数の可決となった。
このタイミングで私は祝日移動の内容でカレンダーを作るよう印刷会社に要請した。

その後さらに1週間、こちらでは色校正などのチェックを経て26日にGOサインを出し、国会では参議院の審議があって27日に正式通過した。

世に出回っている印刷物はほとんどすべてが旧の暦で祝日表記されており、但し書きが付されている。
「オリンピック開催により、休日が変更になる場合があります」という具合。

うちの会社が発行している荷主・顧客用の市場休開市のお知らせも、早くしろとのお客の圧力に負け、上記但し書きを付した旧バージョンで2週間ほど前に発行した。

私が責任者である大判のカレンダーは、年が改まって貼られるものなので、最後まで粘ることにした。新バージョンだ。
新バージョンには「2020年11月の臨時国会で成立したオリパラ特措法に基づく祝日表記をしています」という但し書きを付けた。

印刷屋さんは納品の時、「新しい祝日表記のカレンダーを初めて見た」と言った。
そうだろう、そうだろう。
代は満足である。

なぜ新バージョンにこだわったか。
卸売市場は臨時休開市というのがあって、生産者や売買参加者にとって、市場がいつ開いていていつ休みなのかは極めて重要であるからだ。
そして、来年の臨時休開市は、祝日移動を前提に決められたのだ。
だから正式な祝日表記の上に臨時休開市をマーキングしたかった。
なんとか年内に決まってよかった。

今年のカレンダーも力作である。
うちの女子社員数名が知恵を出し合って構成を考え、イラストレーターの松元伸乃介氏には何度も書き直しを要求した。

世界(大自然)がすべて野菜とくだもので創られている不思議な国で、動物たちがキャンプをしている絵だ。
コロナ禍で家に閉じこもりがちだった暗い雰囲気を一掃しよう!というメッセージが込められている。