最近ちょっと逆境です

逆境とメンタル

 中身を言うのは憚られるが、最近ちょっと逆境続きである。おっ、割といい言葉かもしれない。「最近、ちょっと逆境です」。これを「最近、悪いことばっか起こってヤになる」と言ってしまうと言霊信仰的にはどんどん負のスパイラルに入りそうでマズイ。それを「ちょっと逆境」と言い換えることでニュアンスが変わる。逆境という言葉は、その当時は辛かったけど乗り越えて大きくなった、という前提でよく使われる。未来へのステップだ。「ちょっと」とつけることで、「なんくるないさ」的な適度な気楽さも芽生える。この言葉には、当事者を凹ませず、鷹揚に構えさせる力がある。悪いことが続くとメンタルが病みやすくなる。これが一番良くない。克服する力を奪うものだ。だから唱える。「最近ちょっと逆境だな」と。おおっ、なんとなく気分が前向きになってくるから不思議だ。

逆境であるから

 中身を言うのは憚られるが、最近ちょっと逆境である。仕事でもプライベートでもそうである。逆境であるから、何かしらのチャンスなのだと考えることにする。逆境であるから、そのうち乗り越えるものと決まっている。逆境であるから、私は近い将来自分の成長を感じられることだろう。

筍が厳しい

思惑違い

 今、地物の筍がピークである。昨年は大不作で歴代最少、価格は逆に市場最高値の年だった。あまりに少なすぎて各家庭の食卓にも上らなかった。今は表年である。関係者一同、かなりの期待を込めてシーズンに臨んだ…のだ、実際のところ。ところが蓋を開けると消費が動かない。一つには、出がけに急に冷え込みが戻って引き合いが落ち込んだ。これだから農産物は難しい。ないならないで皆騒ぐが、わずかでも適正量をオーバーすると大きく値が下がる。一寸先は闇だ。市況は大きく低迷した。

産地への申し訳なさ

 私は先の筍感謝祭で祝辞を述べ「待ちに待った地物の到来です。今まで他県産は少量で相場が平年比1.5倍でした。この機に乗じて地物の筍が出回れば有利販売するに好条件です!」と啖呵を切ったのだ。産地に合わせる顔がない。市場関係者は決して適当に値をつけているわけではなく、市況低迷と必死に戦っている。しかし、それでも許されないほどに値が下がってしまっている。

販売力が鍵

 自然の成り行きに任せては、その時々の気温・気分・マーケット状況であまりにも不透明・不安定な先行きが待っている。卸売会社に今一番必要なのが販売力である。過剰気味ならそれなりの廉価で量をさばき、逆に不足気味なら、どこからでもかき集めて売る。これは日頃から販路=お客さんを捕まえていなければできないことである。何といって産地あっての卸売市場だ。その産地から支持を得るためには販売力がすべてだ。

青果物の週間情報 【2022-W17】

■週の概況 第17週 4/25(月)~ 4/30(土)

【全体】

 GWに突入する直前の週である。当市場では水曜日が臨時休市、29日(昭和の日)は臨時開市となる。GW前は本来ならば一年で最も活況を呈するタイミング…のはず。ところがここ2年間はコロナウイルスのため、少なくとも業務筋は壊滅的打撃を受けた。今季はまん延防止も解け、雰囲気的には過去2年よりはましだが3年前(平和時)までには戻らずといったところ。少なくとも注文数が増加し価格が上昇傾向となるのは間違いない。

 一つの懸念材料として、太平洋側の産地の作況がある。北陸地方は天候が良く気が付きにくい点だが、太平洋側は雨続きで日照不足に陥っている。これにより、大産地での出荷数量が伸びず、連休需要に供給量が追い付かない可能性が出た。これは露地作の重量野菜(大根、ニンジン、キャベツ、白菜、レタス等)になるほど顕著な傾向だ。もし激減すれば想定外に相場が高騰するおそれがある。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、キャベツ、白菜、ブロッコリーは曇雨天により数量の減少が予想され、価格は上げに向かう。葱は端境期による品薄傾向から価格の上昇が予想される。反対に、菜類は順調な入荷だ。菌茸類やアスパラはGWの需要が控えている為、強含みの展開が続く。

 果菜類では、胡瓜、茄子は天候不順から前年を下回る数量となり、価格は強含みとなる。太胡瓜は数量増単価安の入荷が続く。トマトは大玉を中心に安定した入荷となる。ミニトマトは増加するが、GWに向けて価格は強含みとなる。

 根菜類では、大根、人参は安定。反対に蓮根は県内産の残量が少なく単価高となる。馬鈴薯は潤沢な入荷から価格は少し下げる。玉葱は生育遅れから数量伸びず、相場は続伸する見込みだ。タケノコは県内産主力に順調な入荷となり、前年と比較して安値が予想される。

【果実】

 国内果実では、メロンは茨城産、熊本産が増加するが、生育遅れから前年を下回る数量となる。西瓜は熊本産が天候不順で入荷にばらつきが出る。マンゴーは前年並みに入荷するが、母の日需要で引き合い強く高値推移となる。その他、長崎産の枇杷、高知産の小夏が入っている。

 国外果実では、全般的に品薄による高値傾向が続く。バナナは数量が回復する兆しがあるが、不足感は拭えず高値感がつきまとう。アボガドは入荷が少なく依然高値基調だ。キウイフルーツはグリーンが中心で、国外需要の高まりから日本に入る量は昨年を下回る。

引当金と繰越利益剰余金の勘違い

建設引当金?

 今、会社の決算に望んで、将来必要となるであろう自己資金による建設費用を引当金で積み立てておこうかという検討がなされている。これは将来の設備投資には必要であり、市場再整備を全額開設者(金沢市)に依存するのではなく、自前で建てようという、まことに潔い心構えである(自社自賛)。

ああ勘違い

 だが、なにげなく、引当金の繰入と取り崩しは仕訳上どうなるのかな、とやってみたら???となった。仮にこの引当金の科目を「市場再整備引当金」とする。
①毎年の決算における定額引当繰入(想定仕訳)
市場再整備引当金繰入 ●●万円 / 市場再整備引当金 ●●万円
②取り崩して建築を行った時
市場再整備引当金 △△万円 / 現金△△万円
建物 △△万円 / ???△△万円
ここで、あら?となる。引当金(積立金?)としてお金を横で蓄え、それをしかるべき時に取り崩すのだが、資産として建物が残る。引当金の取り崩しも借方、建物勘定も借方だ。消えない。会社を面倒見てもらっている会計士の先生に聞いてみたら、私はとんでもない勘違いをしていることがわかった。

引当金に対する勘違い

 引当金は、将来発生する経費か損失に対してでないと積めない。すなわち資産に対しては積めないということだ。建物を自前で建てるために積み立てる…ということはそもそも出来ないのである。そう言われれば「~引当金」と名がつくのは賞与引当金、退職給付引当金、貸し倒れ引当金、修繕引当金など、確かに左側(借方)に来るのは経費か損失ばかりだ。

別途積立金にかかる勘違い

 もう一つ、素人は怖いぜと我ながら思った錯覚を発見。市場再整備引当金という使途のはっきりした引当金を積むのならば、その代わりに毎年行ってきた「別途積立金」なんてやめてしまえばいい、と私は思っていた。これもまったくの勘違い。別途積立金は、利益剰余金の内訳を変えているだけのもので、繰越利益剰余金から処分案の対象にならないようはずしているだけだ。〝何もない剰余金だけど、配当などには使わんよ〟と横に確保しておくことができる会計上の数字だ。会計の先生曰く、だから別途積立金は、バカの一つ覚えのように毎年定額を積むのではなく、なるべく繰越利益剰余金が多額にならないように配慮するのが経営的には正しいと教えてくれた。会計知識は経営者なら正しく知らなければならない。

母の歯と時の流れ

母を歯医者に送迎

 母は体が不自由であり、一人で外出はできないが、歯の方はしっかり残っている。ただ数ヶ月前に歯のかぶせ物が取れた。歯医者へは私が送迎をする。どうしても出社時間とかぶるので、会社にお願いして1ヶ月に1度か2度は早退させてもらってきた。親の介護が必要な場合、家族の協力はもちろんだが、会社や諸機関の助力を得ながらなんとかこなしていくことになる。ここ数年でその有り難さを実感した。福祉社会とは人間社会の良識によって実現するものだ。

子供の頃の思い出

 たかが歯の治療ではあるものの、こうして送迎をしていると感慨深い。私が幼少の頃は、当たり前ながら、何をするにも母が世話をしてくれた。風邪をひいて熱を出す、怪我をする、やけどをする、交通事故は2度もあった。母は車の免許を持っていないので、その都度タクシーを走らせ、私を医者に連れて行った。

枯れた思いに浸る

 あんなに聡明だった母もすっかり老いた。人の認知能力、人格、性格、メンタル・タフネス、その他もろもろ、人の精神なんてはかないものだ。そして今、私が母を医者に連れて行っている。親と子のお世話逆転の図は、古今東西の習わしだ。私の人生にもようやくそんな時期がきただけのこと。今さら感慨に浸ることではないのかもしれない。やがて私にも今の母のような時が来る。その時、息子は私に対して何を感じるだろう。母は私にはいつもほぼ穏やかである。私も聞き分けの良い丸いジジイにならないと、息子は迷惑だろう。…すっかり枯れた思いに浸ってしまった。ここらで筆を置いておこう。

事業報告書執筆の苦しみ

自己嫌悪の極み

 2年前の同時期にも当ブログで「事業報告書が書けない、文が出てこない」という愚痴をさんざん垂れ流している。まったく進歩していない自分に嫌悪しながら、今年も同様にもがき苦しんだ。プロの物書きではないからしれているとはいうものの、一般的な人よりも文章を書く機会は多いはず。それなのに、何も成長していないから嫌になるのである。

耳栓をして集中

 それでもいくつか進歩した点はある。文章力は相変わらずダメだが、書く上での工夫をあれこれ試した。まず耳栓だ。効果はあった。音がないことは集中につながる。年齢もあって自分の根本的な能力が今後劇的に高まるとは思えない。ならば能力そのものよりもサイドメニューを充実させるのが効果的ではないか。耳栓をしたときの独特な物理的閉塞感が集中のスイッチを押す。

紙面に言葉を撒く

 二つ目は書き方だ。頭の中で文章を組み立ててからタイピングするのではなく、とにかく白いPC画面にキーワードをぶちまける。それを網ですくったりしながら配置し直すイメージである。文学的で事務的な文章をまとめるわけだから、そちらの方が手っ取り早い。その際には参照元の資料を何にするかが重要となる。一年の経緯は、今まで業界紙を拠り所にしてきたが、自分が毎週書いている市況情報の方がよほど頼りになることが今回わかった。そして、悶々と考えるよりもとりあえず手を動かした方が良い。人間の(というより私だけかもしれんが)脳はキャパが小さく、紙面に言葉を撒かないとすぐに堂々巡りに陥ってしまう。

キュッと集中、こまめに休む

 さらに時間配分である。短期集中を心掛け、短い休憩をこまめに挟むのがよい。そのためにもやはり数日間の山籠もりは必要だ。毎日1時間ずつというのでは疲れはしないが集中して仕事に臨む時間としてはあまりに少ない。

能力よりも段取りで

 根本的能力の向上に見切りをつけ、段取り・技術で前に進む。もうそういう年代だ。むしろそちらに転換するには今までよりも融通の利く思考回路でなければならぬ。来年こそはスマートに仕上げたいものだ。

老人の聞き分け問題

老害の根本

 老人との向き合い方について最近よく考える。年老いていくにつれ、体力はもちろんのこと認知力に衰えが来る。誰しも避けられないことだ。困ってしまうのは、認知力の衰えよりも、性格や価値観が頑な(かたくな)になって、人の言うことを受け入れなくなることである。何かにこだわると他のことが手につかない。それは違うよ、正しくはこうだよ、と諭しても価値観を決して変えない。感情の抑制もできなくなるためか、激しく怒り出すことが多くなる。行き着くところは、コミュニケーションの断絶だ。適当な言葉が見つからないが要するに「聞き分け」がどんどん悪くなる。いわゆる「老害」の根本はここにあるように思う。

スルーするしかない?

 認知症の予防や対策はいろいろ紹介されているが、「聞き分けの悪さ」への対処法はあるのか。私は知らないし、実はもう諦めてしまっている。言っても仕方がないことは言わない。向こうが変なことを言ってきたら、はいはいと受け流し、適当にスルーしながら時間を稼ぐ。そのうちうやむやになることを狙う。正面から向き合わない卑怯な〝戦法〟だが、これも仕方がないと割り切っている。もっと良い(正しい)対処法があったらぜひに指南を受けたい。私にはまだ答えはわからない。

穏やかなジジイになりたい

 自分もいずれそうなるのか。認知力はすでに若い時より衰えを感じているので今後は工夫次第で何とか進行を遅らせたいが、せめて聞き分けの悪い老人にならないようにしたい。頭は悪くても穏やかで優しいジジイになりたいのだ。だが、人間の情緒ははかないものだ。外部要因にたやすくコントロールされる。だから私の死生観は非宗教的だ。人は死して無に帰する。魂は永遠ではない。寝ている時ですら無なのに、どうして死が無でないことがあろうか。そう思っている。ちょっと話が飛躍しすぎたので今日はここまで。

合体合成サイクルの誕生と自転車屋「あさひ」

自転車専門店「あさひ」

 昔は町に一軒は地域の自転車屋があって、パンクなどの修理はやってもらったものだが、これも八百屋や魚屋同様、量販店やメーカー直営店に押されて姿を消した。今、息子らは、何か故障などがあると自転車で10分ほどのところにある「あさひ」に行っている。別に「あさひ」をほめる義理はないが、このお店は優秀だと思う。というか他に自転車は知らないし、「あさひ」全体が優秀なのか私らが行くお店だけが優秀なのかもわからない。だから正確に言うと「サイクルベースあさひ杜の里店の社員さんは優秀だと思う」となる。

優秀なお店

 どう優秀かというと、ちょっとした故障や部品交換等でも実にきちんと対応してくれ、新しくて高いものを買わせようといったメーカー特有の下心がまったく感じられないのである。故障部分に対しては、「ここはこうなっていまして、こうすればいくら、こうすればいくらかかります」と2~3の選択肢をくれる。しかもなぜか皆若い。若くて礼儀正しくて、自転車に詳しくて誠実なのだ。

新サイクルは合成サイクルである

 息子二人はそれぞれが中学以来長く乗ってきたが、どうも兄弟2台そろってポンコツとなった。1台は自転車の軸がひん曲がり、もう1台はスポークが何本も折れてチェーンのさび付きがものすごい。「でもまだ一応乗れるから」ということでお店に見せたところ、「それぞれを治すとすればこちらが〇万円、そちらが▲万円もしますね。どちらも必要な部品を取り寄せて交換しなければいけません」と言われた。それだけ費用がかかるなら新品買った方がいいんじゃね?となったところ、店員さんは面白いことを言った。「ですが幸い、二台は修理すべき箇所が違います。大丈夫な部品だけを活かせば、二台で新しく一台に仕立てることができます。そうすれば部品代がかからず修理代は少なくて済みます。一台消滅しますが」。2台を修理するor2台の新品を買うのではなく、合成1台と新品1台にしたらどうかという提案だ。

新生1台と新車1台

 こうして誕生したのが写真の自転車である。どうせならばもっとつぎはぎだらけの、フランケンシュタインのような自転車の方が面白かった。出来がスマートすぎる。がこれは当然ひねくれた物言いであって、仕事としては完璧だ。新品は長い坂道を通う次男のために、奮発して電動アシスト付き自転車を買い与えた。話の流れから言って当然あさひの電動アシストにすべきところ、デザインが好きだからと他社製品を購入。あさひの店員が善良なのに対し、我が家は人でなしである。

企業として見習う点多々あり

 扱っている物は違えど、あさひの店員さんの仕事ぶりは、私の会社に見習うべき点が多々ある。青果物販売でも、お客様に対していろいろな提案をすべきだし、ああそんな選択肢があるの?と思っていただける配慮を示さなけれいけない。

ミスター市場再整備待望論

誰のための再整備か

 金沢市中央卸売市場は、市場再整備に向けての基本設計にとりかかる段階に来ているはずだが、具体的なものはまだ出ていない。この事業計画の主体は誰なのか、意思決定者、施行責任者は誰なのか、表向きは、それは市長であったり市場長であったり運営協会であったり、いろいろ挙げることはできるだろう。しかし、実需者は卸売会社の社員であり、仲卸業者であり、小売業者であり、産地である。さて、これらすべてのステークホルダーの意見や希望をまとめ、最大限の幸福を目指すべきが事業の本分であろうと思う。

存在すらしない業界の総意

 我が社の社員だけとっても再整備にかける思いはまちまちだ。役員クラスの思い、現場責任部長の思い、課長係長の思い、荷受け課社員の思い…。新しい市場はこうあってくれれば今より働きやすく、機能的だ、という思いの温度差がものすごくある。会社が変わればもっと違う。業界全体の総意などというものをまとめることが果たして可能なのかどうなのか。今更ながらに思うのだ。

無私無欲の精神をもつリーダーが必要

 立場があまりに違う者達の集合体が、一つのことに向かって動こうとする時、強力なリーダーシップを発揮できる存在が必要だ。個人や特定団体の利害に拘泥せず、全体を俯瞰し、大義を全うに主張・説明して業界を牽引できる存在。今後の金沢市場再整備計画に誰かふさわしい人物を選任できないだろうか。新市場が本当にいいものかどうかはオープンして使ってみないとわからない。計画段階ではかならず不平不満がうずまくだろう。そこを押して動かす。ただし、具体的設計の裏には、無私無欲の公共的な精神が根付いていなければならない。そういう存在を待望する。

青果物の週間情報 【2022-W16】

■週の概況 第16週 4/18(月)~ 4/23(土)

【全体】

 一時は初夏を思わせるほど暖かくなったが、また寒さがぶり返した。連日、寒暖差がとても大きくなっていて、野菜はこれから基本的に増量が顕著となる。複数産地がかぶる品目についてはやや供給オーバー感が出て市況は低調にぶれるだろう。特にその傾向は葉茎菜類と果菜類に顕著となる。特別安いものも少ない代わりに高いものもなし。物量の拡大にまかせてやや軟調な週となる。ただし遠巻きながらもGWの需要をにらんでおり、第17週からは反転上昇となることを産地・流通業は目論んでいる。

  果実は前週から大きな変化はなく、中心はイチゴ・デコポン・リンゴ+西瓜・メロンだ。加えて夏果実のさきがけとなる品目がちらほらと見受けられる。例えばサクランボ、完熟マンゴー、ビワなど。ハウス栽培で高価なためそれほど数量が出回るものではないが、果実売場を華やかにするには最適だ。輸入フルーツは港湾のコンテナ不足など物流面の混乱が長期化し、生産国内での自家消費にシフトするという構造上の問題があり、入荷数量減少・価格の高値基調が続く状況だ。

【野菜】

 葉茎洋菜類は全体的にボリュームがアップし、潤沢感が増す。キャベツ、白菜、ブロッコリー、レタス等の重量野菜にその傾向が顕著で、価格は弱含みとなるだろう。菌茸類はGWに向けてやや強含む。特にこれまで低迷していたエノキが長野県産の減産により底上げを見せる。

 果菜類はおしなべて増量傾向だが、寒さがぶり返して今のところ動きはパッとせず。特に異常なのがナスであり、「4月17日のよいナスの日」に向けて例年なら引き合い強く高値になるところ、今期は全国的に安値低調だ。イベントの効力はあるはずで、ここは拡販に利用してもらいたい。

 根菜類は品目によりけりで、ニンジンは安値、大根は堅調。サツマイモはかなり動きが悪く、非常に販売苦戦だ。旬のタケノコは、県外産が終了に向かう一方、石川県産は増加する週で、今年は表年のため量はそれなりにありそうだ。ただし冷え込みがぶり返したために今は動きが悪し。この週は後半より温かさはが戻るため、一気の販売拡大に期待である。

【果実】

 国内果実は柑橘類が終盤を迎え、スイカやメロン類が増加する。特に出遅れていたメロン類は種類、量ともに存在感が出てきて価格もこなれてくるだろう。イチゴはピークを過ぎたが潤沢であり、GWまで途切れず入荷する。桜桃やマンゴーなどは高級フルーツの位置づけで少量高価ながら徐々に増加する。

 輸入フルーツは物流の混乱から不安定な入荷が続いており、基本的に品薄高値状況だ。その最たるはアボカドで、この週も強含みである。輸入果実の中心となるバナナの価格帯も高く、主力のフィリピン産の入荷が不安定なため販売が難しいところだ。台湾産パインは今季も入荷中だが、昨年のブレークは影を潜め、やや元気がない。