菅総理大臣のどら焼きを食す

横浜にお住まいの妻のお姉さんが金沢に帰っていらっしゃった。
お土産にいただいたのが写真の「菅さんがんばれ!ご就任記念限定商品!菅新・総理大臣セット」である。

製造・販売は横浜に本社を構える菓子製造業者の「株式会社ありあけ」。

菅総理は秋田県の出身だが、政治家としては横浜市議を経て神奈川2区から衆議院議員に出馬し現在に至っている。
現在も横浜在住だ。

セット内容は菅総理のイラストが描かれたどら焼き×2枚、サブレ×3枚、パンケーキ×2枚、ミルクパンプキン×2個である。

ご当地出身の有名人を使ったキャラクター商品は昔から多々ある。
松井秀喜が現役の頃は「ゴジラ松井サブレ」は金沢駅に山積みで売っていた。
安い菓子だったが、野球好きの人へのお土産に持っていくととても喜ばれた。

こういうキャラクター商品の肖像権?利用権?はどうなっているのだろうか。
本人(を管理する会社)に申請し、契約が成立すれば可能ということかと思うが、総理大臣は公人であるから、フィーの設定はどうなっているのか皆目見当がつかない。

菅総理は就任当初から庶民的な親近感を打ち出す事に成功し、支持率6割超えである。
安倍政権を継承することは自民党総裁に立候補した時からの公約なので、筋からいけば安倍退任時と同程度が相応と思うが、いかに支持率が人々の単なる「気分」の反映に過ぎないかがわかる。

人の良さそうなおじちゃん総理、と親しまれるからこそお菓子セットは大盛況だろう。
虚像に踊らされる愚かな市民の典型であるが、1000円、2000円のお菓子の話である。
虚像と知りつつ面白がって買って、面白がって食すので良いのだ。

というわけで、義理のお姉さんのお土産、ありがたく美味しくいただいた。

顧客争奪と男女関係

卸売市場で青果物を集荷販売するうちのような卸売会社は、「絶対に潰れない会社」と言う人がいるが、とんでもないことだ。
市場を通らない流通が増えている上、市場同志の競争も激しい。
現に卸売会社で破綻した企業は全国にたくさんある。

民間の卸売会社である以上、商品を集荷(仕入)して、顧客に販売し、その差益で成り立っている。
商売で勝つか負けるかのシンプルな世界だ。
従って、ある小売店が、昨日まではうちの市場から買ってくれていたのに、明日から他所の市場に移る、といったことは日常茶飯事であるし、当然その逆もある。

顧客の争奪は、点でとらえれば、常にコロコロ変わり得る。
例えばきゅうりがこちらでは1本50円なのに隣が1本30円で売っていれば負けてしまう。
ただ、面や時間軸でとらえれば、そう簡単に変わるものでもない。
買う側からすれば、仕入先が変わることは基本、面倒であるからだ。

男女関係に例えていうと、仲のいい夫婦の間にいくら別の者が入り込もうとしても、離婚させて自分が取って代わることはできない。
せいぜいがこっそり、たまに密会して浮気するぐらいのものだ。
(商売上では単発のスポット提案にあたる。)

商売上は一夫多妻(一妻多夫)がぜんぜん認められているわけである。
離婚させて自分が正規の夫(妻)に居座るには、仲むつまじい夫婦ではなく、仲が怪しくなったカップルを狙うのがセオリーである。

翻れば、自分は自分の結婚相手を十分に満足させているかに注意を払っていなければ逆に奪われてしまう危険がある。
既存の結婚相手(顧客)との関係はいつまでも続く、と人は勝手に思い込みがち。
しかしまったくあてにならないことだ。

顧客との取引きや争奪については、自分の商品力ばかりでなく、そういう企業間の関係性にアンテナを張り巡らせておかないといけない。

書評:ブレイン メンタル 強化大全

ブレイン メンタル 強化大全 
樺沢紫苑 

樺沢紫苑氏の本は「アウトプット大全」「インプット大全」など何冊か読んできた。
その中で強調されているのは、自己啓発においては出力(アウトプット)が非常に重要であるということだ。
具体的には話す・書く・行動することによって記憶が定着し、能力が向上し、モチベーションが維持される。
より質の良いアウトプットをするために、インプットの質も相応に高めなければならなくなる。
このブログを始めるきっかけになったのも、「アウトプット大全」でブログの効用を力説されていたことが大きい。

本書「ブレイン メンタル 強化大全」は、人のメンタルを健やかに保つノウハウを書いたものだ。

「アウトプット~」「インプット~」は「大全」と謳うだけあって、ありとあらゆる出力・入力のノウハウが披露されていた。
本書「ブレイン メンタル 強化~」はそれに比べれば内容は濃くない。

要するに本書で述べられているのは、1)7時間以上寝る、2)運動を適度にする(特に朝の散歩)、3)3食きちんと食べる、3)禁煙・節酒、4)ポジティブな活動でストレス解消、といった行動を習慣化すればメンタルが健やかに保たれるということだ。
250ページ超に渡って論じるほどのものでは正直なかった。

だが、書いてあることは実践しやすく、効果も大いに期待できる。
一応、良書といってよいだろう。
以下、要点を記す。

【総論】
・「睡眠」「運動」「食事」「節酒」「禁煙」「ストレス解消」の6つ。
・いつも絶好調が正しい姿。「well being」を常に保つ。

【睡眠】
・7~8時間睡眠がベスト。6時間以下はダメダメ。
・就床10分以内に寝入り、1度も目を覚まさず、日中も眠くならない姿が健全。
・スマホ、パソコン、食事は就寝2時間以内にやらないこと。
・就床90分前までに風呂を済ます。寝るまでは読書。
・コーヒーを飲んでから仮眠20分で睡眠不足を補う。
・日中の眠気は10分間目をつぶっての休憩。

【運動】
・無酸素+有酸素を混ぜて週2時間以上の運動をする。
・1日20分の速歩きだけでもクリア。
・スクワット10回でリフレッシュ。
・夕方の筋トレでリフレッシュ。
・デュアルタスクトレーニング(軽度の運動+脳トレ)は効果的。
・運動終了後「今日も良いトレーニングができた」と声を出す。
・月間120kmを超えるとテストステロンが減るのでダメ。
・運動は週5時間までの方がよい。
・30秒だけ全力疾走を混ぜる(5分おきぐらい)。
・疲れた時ほど運動+休息でスッキリする。

【朝散歩】
・起床後1時間以内に散歩を15分~30分する。
・その後の朝食(バナナ)が理想。
・太陽の光の中を散歩するとセロトニンが出て良い。
・「1.2.1.2…」と歩く。ラジオ等は聞かないほうよい。
・つまりポイントは朝日、リズム、咀嚼

【食事】
・コーヒーを数杯飲む。ただし午前中(自分の睡眠サイクルからすると)。
・朝食と取る。3食きちんと、バランス良く食べる。
・野菜を多めに、揚げ物は控える。
・お菓子は控えめにする。ナッツとダークチョコは推奨。
・果物を取る。糖分はそれほど気にする必要はない。
・時間をかけてよく噛む。早食いしない。

【節酒】
・少量なら健康に良いという思い込みは間違い。
・ただしビール500ml程度ならOK。

【禁煙】
・タバコは10年間禁煙すると帳消しにできる。

【ストレス対策】
・ストレスはある程度はむしろ必要。ONとOFFを明確にする。
・ストレス解消の方法は「睡眠」「運動」「休息」「会話」「笑顔」「入浴」そして「瞑想」
・レジリエンス(ストレス耐性)を高めるには「話す」「書く」「行動する」

【その他生活習慣】
・座る仕事の人は15分に1度は立つ。又は1時間に2分歩く。
・認知症予防は人と会うこと。学び続けること、趣味を持つこと、糖尿病・高血圧にならないこと。
・人の悪口はダメ。悪口は依存症になる。
・朝、1分でもいいから瞑想すると効果絶大。
・寝る前の15分で日記をつける。ポジティブ3行日記。
・ペット、友人、仲間を大切にする。人に親切にする。
・笑うと健康になり、能力も向上する。ふりだけでも効果がある。
・マインドフルネス。3分間呼吸。
・孤独ではない場所に行く。コミュニティに参加。
・社員とは仕事以外の話をする。

【休息】
・休息時には目を休ませること。スマホはダメ。自然を見るのが良い。
・立つ、歩くことが休憩。よって散歩は最高の休憩手段。
・疲れる前に短時間の休憩をとる。50分-10分-50分-10分-50分-10分のペース
・大麻は精神疾患に多大な悪影響を及ぼすのでダメ。

クマとの遭遇が現実的になってきた

19日、JA加賀温泉駅前の「アビオシティ加賀」にクマが侵入し、13時間にわたって立てこもった。(クマが「立てこもる」という表現に強い違和感を感じるものの、報道にはそういう言い方がかなり目についた。)

アビオシティは平和堂のアル・プラザ加賀が入居し、ホールを備えている大型ショッピングセンターである。
朝7時、シャッターを開けたとたんに開店準備をする店員の横を駆け抜けていったというから驚きだ。

このブログの6月9日号に我が家の近くにクマが出た話も書いたが、いよいよ“振り向けばクマ”の世界に入ってきた。
ショッピングセンターの乱入したクマはドローンで居場所を特定され、駆除された。
街中、クマ、ドローン…日常、大自然、ハイテクのMIX感にまだなじめないがこれが現実。しかもその世界を新型コロナウイルスが浮遊する空気が纏わりついている…シュールである。

これとは別に、石川県では3日連続で8人がクマに襲われた。
今年のクマ目撃件数400件超は、統計を取り始めて最大である。

原因は、クマの餌であるブナが大凶作であることらしい。
冬眠前の餌を求めて山を下りて市中に出てくる。
畑作業中の農家も襲われており、農業従事者に危険が迫っている。

クマにもし出くわしたらどうすべきか。
学んでおくことが雑学ではなく、必須となってきた。
新聞からの情報によると、
①クマは逃げる物を追いかける習性があるため、背中を見せずにじりじりと後ずさる。
②クマは人を食べようと襲うのではなく、一撃二撃加えて逃げていくため、カメのように地面に伏せて、両手で首と後頭部を守って致命傷を防ぐ。

②など、現実にこのような対処ができるだろうか。
あまりにも怖い。

青果物の週間情報 【2020-W43】

■週の概況 第43週 10/19(月)~ 10/24(土)

【全体】
 これからメインの産地となる西南暖地の青果物がやや出遅れている印象がありますが、青果物の入荷はまずまず順調です。全体的に葉茎菜類は潤沢安値、果菜類は少量で堅調、根菜土物類は(玉ねぎを除き)平年並みといったところ。この週は小幅な値動きで全体にやや下げの展開を予想します。
 結局今秋は、台風被害はまったくないに等しく、9月以降の青果物の生育は気候に恵まれ良好です。このため中期的な展望として、11月以降の野菜は露地物が極めて潤沢に出てくる可能性があります。

【野菜】
 葉茎菜類は全体には軟調です。白菜は長野産が終盤に向かいますが全体は潤沢で安値低迷ムード。キャベツは茨城や地物(河北潟)も始まり多産地重複で増量下げ。ネギも一時期の高値が解消し値ごろな相場となります。堅調だった菜類も下げて平年並み価格に落ち着くでしょう。ブロッコリーは石狩産終了に代わり石川県産中心となります。レタスは台風被害が全くなく潤沢安値が続きましたが、長野産終了でやや底上げの気配です。きのこ類は需要期で引き合い強いながら数量伸びずやや上げ模様。松茸は石川県産ピークの週ですがどれだけ出るかは未知数。芝茸、原木なめこも出て秋を感じさせますが、前週よりは一旦減り込むかもしれません。
 果菜類や豆類は気温低下により出方が鈍く、全体的に堅調・高値の品目が多いですが、引き合いは弱く消費は低調です。胡瓜は福島終了、高知スタートですが量は少なく高値基調が続きます。茄子やピーマンは前週より下げ模様ではありますが、価格レベルは平年より高値の傾向にあります。高値だったトマトは反動が出ておりこの週は大きく下げるのでは。一方のミニトマトはまだ増えず高値保合の予想です。
 根菜土物類は、本格的な秋冬のラインナップとなり、高かったものは安く、安かったものは底上げする平準化イメージの週となりそう。大根は金沢産ピークとなり、特に他県産は安値に振れます。24日より源助も始まります。小蕪は全体量が少なく平年より高値基調が続きます。人参は北海道産の早めの切り上がりが予想され、やや端境期に入るきざし。れんこんは潤沢でやや弱いですが、さつまいもは掘り込み時期で出荷量少なく強気配です。里芋は福井産と新潟産も加わり、種類豊富となります。高値感あった牛蒡は各店舗行き渡った感があり下げに転じそう。馬鈴薯は北海道産の数量予想が下方修正され思いのほか少なくなりそう。特にメークインが少なく価格は上げの見通しです。長芋は安値安定で地物・石川かほく産も始まりました。玉葱は潤沢すぎる入荷で安値が続いており、苦しい販売環境です。

【果実】
 国内果実はみかん・りんご・柿の三本柱です。みかんは極早生が順調な入荷の中、福岡県産北原早生も月曜日より始まり、徐々に早生も目に付いてきます。りんごは青森早生ふじ中心に長野シナノスイートも始まり、地物の秋星もあってアイテム的には変化がつけられ面白いところ。柿は和歌山の渋柿・刀根早生が中心の販売であり、週末には福岡の甘柿(松本早生)の入荷もありそうです。ブドウ類では巨峰が終盤に向かいますがシャインは順調な入荷を予定します。いちじく・栗は徐々に数量が減少していき、梨は新潟県産の新高から新興への切り替わりの週となります。
 輸入フルーツは大きな変動なく、依然としてバナナは産地干ばつ及びコロナ禍による作業停滞で数量少なく高値気味。この傾向はしばらく続きますが、おそらく11月に入れば改善され価格も落ち着く予想です。グレープフルーツはメキシコ産が中心。アボカドは荷動き悪く、この週は入荷数量も減少する見通しです。キウイはゴールドが切り上がりに向かいグリーン中心へ。ブドウは赤・緑のシードレス系が増量します。

18歳と81歳の違い

今なぜかTV番組の笑点で昔放送された大喜利のお題「18歳と81歳の違い」のネタが話題だ。

なぜ今になって?とは思うが、以下は確かに面白い。
個人的には「夢ある者には希望がある…」の夢八訓(吉田貞雄氏)より完成度が高いような(そもそも比べるのは吉田氏に失礼ではあるが(笑))。

ネット上には溢れかえっているネタだが、ここでも書き残しておくことにする。
他のサイトと差別化するために、わたし自身が考えたネタも付けておくことにする。

「笑点」第2486回 2015年10月18日放送の大喜利

お題:選挙権を18歳から認めようという動きがあるなど、今何かと18歳が話題。
一方、日本人男性の平均寿命も遂に80歳を越えて81歳に届く勢い。
そこで18歳と81歳の違いを笑点流に答えなさい。

・道路を暴走するのが18歳、逆走するのが81歳
・心がもろいのが18歳、骨がもろいのが81歳
・偏差値が気になるのが18歳、血糖値が気になるのが81歳
・受験戦争で戦っているのが18歳、アメリカと戦ったのが81歳
・恋に溺れるのが18歳、風呂で溺れるのが81歳
・まだ何も知らないのが18歳、もう何も覚えていないのが81歳
・聞く気がないのが18歳。聞こえないのが81歳。
・自分探しをしているのが18歳、皆が自分を探しているのが81歳
・ドキドキときめきが止まらないのが18歳、ドキドキ動悸が止まらないのが81歳
・恋で胸を詰まらせるのが18歳、餅で喉を詰まらせるのが81歳
・緊張で震えるのが18歳。いつも震えているのが81歳

実際の放送とは言葉が若干違うのも混じっているだろうが、本当に面白い。
私も作ってみた。
・友達に会うために、学校に行くのが18歳、病院に行くのが81歳
・びっくりした時、わっと声を漏らすのが18歳、尿を漏らすのが81歳
・7回転んでも8回起き上がるのが18歳、1回転んだらそのままなのが81歳
・ごはんを食べ終わって、ごちそうさまと言うのが18歳、ごはんまだかい?と聞くのが81歳
・くしゃみをすると鼻水が飛び出すのが18歳、入れ歯が飛び出すのが81歳

81歳の老人が聞いたら怒るかもしれない。
現代の80代前半はそこまでボケてはいない。
それほど今の平均的な81歳、特に女性はシャンとしている。

だが日本人には(日本特有なのか世界共通なのかは知らないが)、自虐ネタに腹の底から笑う文化というものがある。
人をバカにしている笑いには違いないが、虐げているわけではないもの。言わば諧謔。
これはとても奥ゆかしいもので、社会に丸みをもたらす美徳だ。
対象者本人が一番笑ってしまうところに救いがある。
何ごとにも自虐的になるのは問題であるが、笑いおける自虐は高度なユーモアセンスだ。

農協とは多品目の取引が重要

先日、うちの社の社長が昔からとてもお世話になっている農協に出向いた。
今後さらなる取引拡大をお願いするためである。

そこでたまたま産地の出荷会議に出席する機会を得た。
なんとその会議のメインテーマは、ある果実について、これまで7社に対し出荷していたのを3社切って4社に集約しようということだった。
我が社は幸いにも残る4社の方に入っていたが、もし別の農協なら切られる側にもなり得るのだ。
切られれば翌年からその農協の青果物は入ってこない。
卸売会社にとって産地から切られることは経営上の大きな損失である。

農協の生産部会は、出荷する卸売会社を決めている。
例えば、A農協は大根においてはB市場とC市場とD市場の3カ所に出荷していて、人参はB市場とC市場とE市場の3ヶ所に出しているとする。
農協にしても最近は人手不足で、輸送便を仕立てるのが大変だ。
そこでできるだけ有利に販売してくれる市場に集約しようとする動きが近年盛んである。

上の例の場合、A農協はD市場とE市場を切って、B市場とC市場に集約することになる。
Dは大根、Eは人参の単品しか扱っていないからだ。
BとCに比べDとEは付き合いが薄いということだ。

我が社にしても、農協によっては単品しか取引がないところが少なからずある。
今後はこれではダメですよ、単品しか取引がない農協に対してはなんとしてでも取り扱い品目を増やし2つ、3つ、4つと拡大していかねば関係が切れてしまいますよ、という問題提起である。

よって、営業マンも自分の担当品目のことばかり考えていてはいけない。
出張の際には、自分の品目だけでなく、あれも扱わせてください、これも売らせてくださいと広く要請するアクションが必要だ。
そのためには他の品目の勉強も必要。
この時期、うちには何が足りないかといった全体の知識も必要。

ますます営業は大変になるが、網羅的な視野と知識を持つことが明日につながる。
日々の勉強と意識付けを会社全体で取り組まなければならない。

ハンコ文化消滅の危機に思う

菅内閣の下、規制改革担当大臣に就任した河野太郎が行政手続きのかなりの部分で押印を廃止しようとしている。
これで湧き上がったのが「日本のハンコ文化がなくなるのでは」という議論だ。

私の親戚はハンコ屋である。
河野太郎のせいで店が潰れてしまっては困る。
ここは親戚のためにも河野に反対すべきか。

もちろん河野発言をもって「日本からハンコ文化がなくなる」と考えるのは極端だ。
河野自身、「行政改革としての押印廃止と、文化としてのはんこは別」と明言している。

とはいうものの…もし抜本的に押印がなくなれば、ハンコ屋はかなり厳しくなるだろう。
なんせ、必要かどうかは別に、会社や学校などの組織は構成員のハンコをとりあえず揃えておく習慣があるから。
業務上の押印がなくなれば、そうした“とりあえずの印鑑”の作成は激減するだろう。
よって親戚のために河野に反対!

ただ、押印の習慣を見直すことは時代の流れとしては当然だ。
ビジネス上の押印は
「はい、ちゃんと文書を出しました」
「はい、ちゃんと了解しました」
と、いわゆる“決裁”の証として機能している。
よって、重要文書について印鑑を必要とするルールは別に悪くない。

問題なのは、行政であれうちの会社内であれ、印がなければ先に進まない、けれど内容的にはどうでもいいくだらん書類が何万枚も横行していることにある。

うちの会社で言えば、ただの回覧文書にも印が必要。
印がなければその文書は何度でも手元に戻って来る。

仕入報告書もしかり。
最近、卸売会社も買付集荷が増えてきて、毎日の仕入報告書だけでも何百枚とある。
かつて私は仕入報告書の押印をやめようと進言したことがある。
返ってきたのは「じゃぁ決裁の所在をどうするのか」という問い詰めだった。
もしその仕入が不当なものであることが後に発覚した場合、責任は誰が取るのか決めておくことが必要というわけだ。

その何万件に一件あるかどうかわからない問題のため、何万回も押印しているわけだ。
ムダの極みだ。
そして、何万件も目を通すことはできないので、ハンコが増えれば増えるほどいわゆる盲判(め●らばん…今では使用禁止用語だ)が増えることになる。

したがって無駄な押印をなくすことはいいことである。
ただし、印かんをなくすならば、こういう文書は誰それ、この文書は誰それ、という責任分掌の仕組みを作らなければならない。
その規約を作るのが面倒くさくて、結局メスを入れるのをやめて現在に至る。
だが、河野太郎のおかげで時代の潮目も変わるかもしれない。

自動で流れりゃいい処理は無印で結構。
そうなればペーパーレス化も今より進む。
それを“文化”と混同すると話がややこしくなる。

ちなみにハンコ文化が残るのは世界的に日本と台湾だけだそうだ。
希少=不要なのか、希少ゆえに残すべきか。
文化は当然残すもの。
ハンコ文化はオシャレである。
親戚はなんとか文化面で新しい需要を産み出し、末永く商売を続けていくことができるようになる、という前提でもって、河野太郎の目論見には賛同したい。

ブロッコリーの収穫

会社の直営農場「ファーム菜四季」に行ってきた。
ブロッコリーが収穫時期を迎えている。

スタッフは、今年は軸が細いと心配していたが、今見るとけっこう太く育ってきているようでちょっとほっとした。

直径12㎝前後のLサイズが一番求められ、また値段も高く売れるらしく、そのレベルのものを選んで収穫する作業がメインだ。

ひとつずつ大きさを見定めながら収穫し、周りの葉っぱを荒く刈り取ってかごに入れる。
そうして集められたものを、さらに周りの余計な茎をきれいに切り取って整形する。

花蕾の形の悪いもの、わずかでも傷みが出ているものは撥ねられる。
その選別たるや厳しいの一言。
ほんのわずか、ちょこんと黒い点があると、もう撥ねてしまう。
時間が経つとそこから傷みが広がってくるそうだ。
もったいないが仕方がない。
(1割ぐらいはそういうものが出るため、もらって家で試食するには事欠かない。)

ブロッコリーは「ファーム菜四季」として出すのではなく、農協の共撰に参加して出荷する。
午前10時までに共撰場に持ち込まなければならず、時間との勝負だ。
完全共撰だから、流通に乗ってしまえば、どれがうちの畑で採れたものかわからなくなる。
顔が見えなくなるという欠点はあるが、出荷が長く・品質が均一に続くという長所がある。
零細な生産者が大多数の日本の農業事情では大切な仕組みだ。

とにかく、様々に手間をかけてきた成果がこの瞬間だ。
スタッフの苦労が報われるよう、自然と祈りたい気持ちになる。

満足のいくものに仕上がること。
食べておいしいと喜ばれること。
適正な価格でお金になること。

すべて、作り手のモチベーションには欠くべからざるものである。

WorkFlowyとDynalist

WorkFlowyとDynalist

WorkFlowy(ワークフローウィー)とDynalist(ダイナリスト)はどちらも「アウトライナー」とか「アウトラインプロセッサ」と呼ばれるウエブソフトである。

WorkFlowyの画面
Dynalistの画面

文字を箇条書きのリストにして構造化(アウトライン化)することができる。
文章のかたまりを自由に移動したり階層化したりできるので、物書きがまとまった原稿を書くにはとても重宝する。

私はまずWorkFlowyを知り、今はDynalistに乗り換えようかと思っているのだが、その比較は後で書くこととする。

私は物書きというほどのレベルではなく、日記やブログの文章だけならシンプルなメモソフトで十分だったが、アウトライナーの以下の点が非常に素晴らしいと感じ、使うことにした。

1)どの媒体からでも利用できる
クラウド上のサービスなので、PC、スマホ、iPadのどの媒体からでも見られる。
しかもアクセスが速くグーグルドキュメントのようなストレスがない。

2)自分だけのデータバンクに使える
自分に必要な情報、知識、記録のデータベースを構築できる。
特に、人を覚えるのが苦手な自分にとっては人物備忘録になると思った。

3)面倒なことが“かなり“少ない
クラウドウェブサービスなのでデータを保存する必要がない。
内容を変更すれば自動的に他の媒体で即座に同期される。
ログインすれば別のパソコンからも使える。

WorkFlowyからスタートして私は、今でもブログの文章を書くときにはWorkFlowyを利用している。
しかし、それ以外のこと、日報や日記やデータの蓄積はDynalistに乗り換えた。

リスク分散というのが理由の一つ目。
WorkFlowyをいじっていて少し心配になったのは、データをいじることがあまりにも簡単すぎり(これは基本的には褒め言葉である)ため、人為的なミスもまた簡単に起こってしまう恐れがあることだ。
例えば、消してはいけない文章を「全体選択」→「消去」してしまうことは指がすべるだけで起こり得る。
短文ならダメージは少ないが、WorkFlowyは全てを一つのファイルと捉える。
もし一番大きな首根っこでそのミスをしでかすと、すべてのデータ体系が吹っ飛ぶ(ような気がする。怖いので試したことはない(笑)。)
だから、Dynalistも併用することでリスク分散を図った。

Dynalistはファイル、フォルダを複数持てるのが理由の二つ目。
これも誤って消去するミスを、たとえ一つのファイルで犯しても他のファイルは無事であり、リスクヘッジになる。
フォルダを複数、階層化で持てるのは、ウインドウズに慣れている者からすればとっつきやすい。

Dynalistのサブ画面(file pane)が使いやすいのが理由の三つ目。
リストの階層をクリックすることでデータ所在の位置を確認しながら作業できるのは私にとっては大きな安心だ。
データの移動も二画面あることでやり易い。

私は複雑な作業をするわけではないが以上のような理由で主にDynalistを使って情報整理をしようと思っている。
WorkFlowy、Dynalistとも、今はまだスマホやタブレットからの入力・編集がやりにくい部分がある。
そこが改善されれば、あまりIT系に精通していない一般人にとっても非常に使いやすいアウトラインプロセッサとなることと思う。