長男の運転指南②

長男の運転指南②

ちょうど1カ月前、8月23日のブログの続編になる。
前回は講習所に通う前の話で、私のやったことは法律違反か、という内容だった。

それから息子は七尾の合宿免許に行き、2週間ほどかけて無事に最終実技試験に合格し、ちょうど誕生日にあたった先日、運転免許センターで学科試験に通り、晴れて運転免許を取得した。

私が20歳で取った時は、仮免試験で2度も落ちてしまった。
それに比べれば随分と順調で優秀だ。

でも取得直後は下手くそで危なっかしい。
運転が好きなら勝手に一人で乗り回し、慣れて上達するのだが、本人にはまったくその気がない。
そもそも免許取得にもドライブにもまったく興味がないのだ。
彼の運転にニーズを感じているのは私と妻の二人だけである。
(彼が運転手を買って出てくれれば生活がとても楽になる。)

というわけで、彼の運転を事故の心配のない無難なレベルに仕上げるのは親の責任と判断した。
休みの日には彼を無理やり連れだし運転させる。
過保護かもしれないが、放っておいても絶対に彼は自発的に運転しないだろう。

運転コースは極めて実用的なケースを選んだ。
①金沢駅に人を送迎する。
②じじをゴルフ練習場に送迎する。
③弟をバイオリンに送迎する。
④弟を星稜高校に送迎する。
⑤母をななほしカレーに送迎する。

運転指南は割と自分にも勉強になる。
注意がどこかに集中している人間に、不用意なタイミングでアドバイスしてもそれは適切なものとはならない。
あ、そこで右車線に入らなきゃ!と直前に言ってもダメなのであって、むしろ目的に向けてまずルートを頭に描かせ、自分で考えたり準備したりする訓練をさせる方が大事なようだ。

過保護かもしれないが、いい若者に成長した息子と父親のささやかな交流でもある。
私はこの時間が好きなのである。
実はそれが息子を駆り出す一番の理由だ。

Go To トラベルの密と過疎

Go To トラベルの密と過疎

「Go To Travel キャンペーン」が始まって、この4連休の人出が注目されたが、金沢は予想以上に賑わったようだ。しかしその反面、郡部では・・・。

「Go To Travel キャンペーン」は、新型コロナウイルスで落ち込む観光需要を喚起するため、旅行代金の最大5割を補助する国の観光支援策だ。
来年1月まで予定されている。
支援額の上限は1人1泊あたり2万円、日帰り1人1万円。
どうせならということで、日帰りよりも宿泊、それも高級ホテルや高級旅館に人気が集まっている。

写真は金沢カレーの代表店「ターバンカレー」の前である。
店が狭いこともあるが順番待ちの長蛇の列だ。
この100mほど離れた場所で義弟が経営する「金澤ななほしカレー」も非常に多くのお客が押し寄せた。

そして、それどころではなかったのがひがし茶屋街や近江町市場である。
近江町市場は年末かと思わせる人出だった。
市安商店の安田さんは「あまりの人出で(コロナが)怖かった。皆がマスクをしているならいいのだが、買い食いをする人がたくさん歩き回っているから・・・」と困っていた。

経済を回す狙いどおりの効果があったのは喜ばしいことだが、この一週間先、二週間先はどうなるのかという不安も当然ついて回る。
今までの自粛ムードとは一転。あまりにも大きな落差であった。

そして、まったく逆の世界、真反対の事象もある。
うちの会社の役員の身内に不幸があり、奥能登で通夜があった。
金沢からは車でも2時間かかる場所であり、家族葬の形式なので参列ご無用とのことで、私は行かなかった。

後で聞いた話では、式場のルールとして、家族以外が参列に来ても中に入ることができず、来た人は受付で係に香典等を預けただけで帰ってもらったのだそうだ。
せっかく来てくださったのに挨拶もできなかった、と遺族は申し訳ない思いで一杯だったという。

これまたなんと極端な、である。
金沢は密も密、大密(おおみつ)な状況なのに、過疎の地では人が挨拶を交わすこともできない。
多分、奥能登にウイルスは存在すらしていないと思うが。

コロナへの向き合い方が両極端になってしまうのは今は仕方がないのかもしれない。
しかし、どちらも行きすぎた感がある。
メッセージを発すべきは国か、首長か、マスコミか。
はたまた個人レベルか、野放しか。
滑稽な現象ながらも悩ましい。

青果物の週間情報 【2020-W39】

■週の概況 第39週 9/22(火)~ 9/26(土)

【全体】
 Go toキャンペーン等もあって街中の賑わいは戻りつつあります。宿泊業は久々にお客を迎えるのに忙しそうです。新政権の発足も「新しい時代の始まり」と捉え、人々の受け取り方は概ね好意的。小売業では新店オープン、リニューアルオープンなどが相次ぎ、閉塞感を打破せんとする意欲的な動きが見られます。4連休の消費は今までより活発になることが期待できます。
 青果物の市況は、連休需要で直前に価格をグッと上げた品目は連休明けには落ち着きを取り戻すでしょう。前週からの雨模様で一時的に減少するものはあるものの野菜の量は概ね順調であり、平年より安めの品目が多いと予想されます。朝夕肌寒さも出てきて、今後は白菜、ほうれん草、ブロッコリー、菌茸類全般、いんげん、大根、里芋など煮炊き商材が増量してくる時季であり、価格的にも平年並みの品目が多くなる見込みです。果実は極早生みかんが始まりましたが、全体的には依然数量が少なく品薄傾向です。

【野菜】
 白菜は潤沢安値感ある反面、キャベツは堅調です。ねぎは前週高騰しましたが、この週は落ち着いて元に戻る見込みです。ほうれん草は小強いままですが、小松菜は割安感あります。ブロッコリーは今は少なく強含みですが高値感が出るほどではなく、下旬より珠洲から始まる地物のシーズンとなります。レタスは今まで低調でしたが今後減少し、価格も浮上するでしょう。アスパラは切り上がりが早い見通し。菌茸類は全体に需要が上がり、価格も強含みとなります。
 果菜類は全体的に堅調な週となりそう。顕著なのはミニトマトで、今までの超安値からは脱却し平年並みに戻します。きゅうりは前週まで高値でしたが連休明けからは下げでしょう。ナスは安値でナヤミに入った前週でしたが、この週は各産地ボリューム少なく、堅調に推移するでしょう。豆類はいんげんを筆頭に少なく、平年より高値推移です。
 根菜土物類はかぶらが少なく若干高いものの、その他の品目は潤沢安値です。大根は気温低下で需要が高まる時季であり、28日頃から地物も始まります。安値の人参は低迷からようやく脱する気配ですが、特に太物比率が低く引き合いが高まりそう。れんこん、甘藷は安定した価格帯で動きも非常に好調です。馬鈴薯は潤沢であり、気温低下で需要も高まりつつあり、売り込みやすいタイミングです。玉葱はそれ以上にハイペースでの入荷であり安価で特売にもってこいです。

【果実】
 国内果実では極早生みかんがスタートしました。福岡県産と佐賀県産が中心です。収穫前の降雨の影響で酸度がやや低めの始まり。台風の影響等でみかん全体のシーズン流通量は昨年比90%というのが現時点での見通しです。メロン類では石川アールスがピーク。同産地はその翌週には数量が激減すると思われるので、この週が売り時となります。りんごは青森県産サンつがるがメインです。長野県産秋映のスタートが待たれますが、この週末に入るかどうかは微妙です。梨はあきづき中心の販売です。やはり例年より数量は少なく、南水は終盤、豊水・加賀しずくは早々と終了となりました。いちじく、栗は数量は多くないながらも継続的に入荷します。ブドウはルビーロマンは終盤戦ながら長野の巨峰、山梨のシャインマスカットを中心に大粒系のピーク期を迎え、果実販売の中心となります。
 輸入果実はここまで国内果実の陰に隠れる存在でしたが、国産がおしなべて品薄単価高であるため、今後前面に出てくるでしょう。とくに販売を牽引するのはキウイであり、潤沢・安定な入荷を見込みます。ただしゴールドは今後比率を下げてきます。ブドウは徐々に増量傾向ですが、本格展開は10月になってから。アボカドは少しずつ入荷量が減少傾向となります。

本の読み聞かせ

本の読み聞かせ

子どもが本をぜんぜん読まないのでどうしたものか、と親戚が私の家内に相談したそうです。
その時、横にいた長男がこんなことを言ったそうです。

「僕が本を読むようになったのはお父さん(=わたし)のおかげ。僕が幼いころ、仕事から帰ってきて眠くて仕方ないはずなのによく本を読み聞かせてくれた。一番覚えているのは『がんばれヘンリーくん』。それが面白かったので、後は自分で読み続けるようになった」

お父さんの「おかげ」なんて殊勝な言葉を本当に言ったかどうかは定かでないですが、もちろん悪い気はしません。

その本のことは、よく覚えています。
日記を調べると、2008年のクリスマスプレゼントに買ったとあります。
長男8歳の時ですね。
そろそろ絵本は卒業の年齢だけどまだ自分で本を読み進める力は弱いかなぁという時期。
小学校中高年向けですが、読み聞かせから入れば理解できるだろうと思って買ったのです。

「ゆかいなヘンリーくん」シリーズは米国の作家が書いた本で、小学3年生の陽気な少年ヘンリーくん身に次々とゆかいな事件が起こるお話です。

今でも思い出すのがグッピーの話です。
つがいで買った2匹のグッピーをジャムの空びんに入れて飼うのですが、どんどん繁殖してしまい、家じゅうがグッピーのびんだらけになってしまいます。
ヘンリーくんは子供ながらに困り果ててしまい、ノイローゼのようになってしまう。
その様子がおかしくて、わたし自身笑いをこらえることができず、息子と二人でげらげら笑いながら読んだことを覚えています。

やっぱり読書は楽しくなければ。
息子が「本は面白い」と思ったきっかけがこの時だとしたら、親としてはとてもうれしく思います。

でも本の読み聞かせはいつも楽しいとは限りません。
時には苦痛以外の何ものでもない場合も。

長男が一番しつこく何度も読んでくれとせがんだ本は「ぼうけん!はらぺこじま」でした。
「ごちそうじま」の地図を見つけた、はらぺこどらねこのプッチ、ピッチ、ペッチの3匹がごちそうを求めて迷路など問題にチャレンジしながら物語を進めていく知育型絵本です。

数回であれば何てことないのですが、息子はものすごく気に入ったようで、ある時期は毎晩毎晩こればかり要求しました。
子が求めれば、同じ本を繰り返し読んであげることは読み聞かせる側の責務と思います。
が、内容はただのパズル本なので、読んであげる身として非常に辛いものがありました。

その点、斎藤隆介氏の「モチモチの木」はすごかったですね。
あれも何十回と読んであげたはずですが、臆病な豆太が泣きながら夜中一人で夜道を走るシーンは、毎度読んでもこみあげてくるものがありました。

何かを守ろうとするとき、人はものすごい勇気を出せる。
やさしさ=強さというメッセージ性。

そして、クライマックスでモチモチの木が光る。
闇から光へ。
その芸術的な美しさ。
恐怖が恍惚に昇華するドラマチックな体感。
幼児が自立した少年に成長した瞬間に立ち会ったかのような感動がありました。

子に感動を与えられれば、その後は放っておいても成長していくでしょう。
私は一つか二つでもそうした機会を与えられたのか、と振り返ってみますが、まったく自信はありません。
ただ、長男の冒頭の言葉はとてもうれしかったです。

マルエーの風評被害考察

マルエーの風評被害考察

石川県のスーパー、マルエーの従業員一名がコロナウイルスで陽性となり(9月6日)、その人が働いていた2店舗が一時的に休業する事態となった(休業は1店舗が7日、8日の2日間。もう1店舗は6日の晩に数時間だけ閉店)。

マルエーはすぐにインターネット等で公表し、情報提供及びコロナ対策を適正に処理し、大きな混乱にはならなかった。

スーパーマーケットほど不特定多数が集散する場所はない。
陽性の従業員が出た、というのは不運でしかない。
本当にお気の毒なこと。
心よりお見舞い申し上げる。
いつなんどき、うちの会社の社員に陽性患者が出ないとも限らない。
(いや、私自身が罹患しない保証もまったくない。)

さて、発覚から10日が過ぎた。
ここでコロナウイルスの風評被害について検証したい。

マルエーは今、通常のスーパー業態の店舗が21店、面積が小さくスーパーとコンビニの中間的な規模の店舗が6店舗(近々さらに1店舗がオープン)ある。

コロナウイルス陽性の発表があって以降、当該店舗の再開店日の来客数は前週比の約4割5分減。
それ以外の店舗も5%~10%ぐらい落ち込んだ。

当該店が半分近くに減少するのは仕方がないだろう。
ただでさえ小売業界はオーバーフロー気味であり、他に行けるスーパーはいくらでもあるのだ。
しかし、他店が落ち込むのは完全に風評である。

むしろ、マルエー全体が非常事態の危機意識を持っての営業であるから、他のスーパーよりも厳格な管理で臨むはず。
つまり、現時点ではどこよりも安全な可能性が高い。

だがそんな理屈が通用しないのが風評心理というものだ。

一週間が経過し、幸いにして日に日に来客数は回復傾向である。
それでも、まだ当該店舗は前週同じ曜日と比べ2割減だ。
やはりその店舗を敬遠するお客が一定比率残っていると思われる。

なんだか心配、気持ち悪い…こういう辛い思いを一番抱いているのは、当該店舗で働く社員やパートさん達である。
長時間そのお店に中に居続けるわけだから。

従業員に踏ん張ってもらわねば営業は続けられない。
申し訳ないがなんとかがんばってほしい、と願う経営陣の切実なる気持ちを想像すると胸がしめつけられる。
おそらく、家族や近隣者から反対される人も少なからずいるだろうに、その思いに応えて毎日出てくる社員、パートの心根を思うと胸が熱くなる。
私は感傷的すぎるだろうか。

とにかくマルエーの来客数が元に戻り、人々が今回の件をすっかり忘れる、或いは何とも思わなくなる日が一日も早く来ることを願う。

我が家も不正送金の被害!?

我が家も不正送金の被害!?

ドコモ、SBI証券…
最近大きな問題になっている不正送金事件はいったいどうしたことか。
ショッピングにしろ諸々の決済にしろ、ネットでの処理が当たり前の時代になった
便利は便利。
最近は現金を扱うことがめっきり少なくなった。

だが、その便利さは実はとんでもなく脆弱なシステムの上に成り立っている。
自分の銀行口座からいつの間にか身に覚えのない送金でお金が消えていく。
特別な人間がターゲットになるのではない。
ごくごく一般人が被害にあう。

今日、妻から電話があった。
「お父さん大変。金を売り買いするのに使っていた口座のお金がゼロになってる!」
「はぁっ!?いくらあったの?」
「●十万円…」
「…」

なんと魔の手は我が家にも届いてしまったか。
妻が金を買ったり売ったりするのは知っていたが、数万円の遊び程度だと思っていたがン十万円だったとは。
二重の驚きだった。

「でも、うちは何にも悪いことしねないよね」
「当たり前だろう。とにかく電話かけて確認してみ」
「さっきからかけてるけどつながんないの」
「今は殺到してんだろう。根気強く連絡とってみ」
「わかった…」

そして1時間後。また妻から電話。
「お父さん、落ち着いてよく見てみたら、お金あった!」
「はぁ!?」
「よかったね、お父さん」
「…」

我が家はまだ魔の手が襲い掛かって来るほどのレベルにはなかったらしい。
ありがたや。

しかし笑い事ではない。
この人々のネット依存、かなりヤバいレベルにあるのではないか。
それこそ、どこかの悪の枢軸が本気でサイバー攻撃してきたら、国民の財産は一瞬で吹っ飛んでしまうほど今の日本経済の仕組みは弱っちいのではないか。

思いっきり幼稚なレベルの感想文だが、以上のように不安にさいなまれた次第。
このたびの新政権のデジタル庁構想はデジタル社会の安全保障対策が任にあるのかどうか。
マイナンバーカードの普及もよいが、堅固な仕組みづくりを構築していただきたい。

平井卓也大臣は香川県出身。
私が懇意にさせていただいている高松青果の齋藤社長がよくご存じだそうだ。
ぜひ、国民の生活のため、そして我が家のなけなしの預金のため、頑張って欲しい。

スーパー、ドラッグ、動く動く

コロナウイルス禍で世間はまだまだ自粛ムードであるが、地元の小売業界は新店、リニューアルが目白押しだ。
昨日16日はマルエーの幸町店がオープン。ミニ業態の店舗だ。
同日、アルビス田上店は改装してリニューアルオープンした。
先週土曜日には大阪屋ショップ近岡店がこれもリニューアルオープン。
しばらく前になるが、7月にKAJIMART長坂店が高級志向の店作りで話題となった。

統廃合もすごい。
ニュー三久とマルエーはホールディングスで経営統合し、ニュー三久の新社長にはマルエーの南さんが就いた。
ナルックスはクスリのアオキに買収され、今後順次、アオキになっていく。

スギ薬局の出店攻勢がすごい。
道を車で走っていて、ここになんか建てている、と思ったらかなりの確率でそれはスギ薬局だ。
このスギ薬局から通りのずっと先を見渡すと、あっちのほうに別のスギ薬局が見えるとほどの出店ラッシュである。

近江町いちば館での空き店舗募集にも多数の候補が名乗りを挙げている。
ある人が「ヤケクソみたいな感じで出店してくる。本当にみんな大丈夫なのか」と訝しんだ。

これはどういう流れの中だろう。
将来の大きな収束に向けての過程か。
それともまだまだ大競争時代が続くのか。

ともかく、小売業界の動きは激しい。
そして、世の自粛ムードに比べればはるかに偉い。
コロナだからって立ち止まっちゃいられねぇんだよ、という確固たる意思が見て取れる。

そこには人が溢れかえっている現実。密も密。
だからといって、けしからん、店を閉めなさい、というのか?
とんでもない。これが世の中のパワーだろう。
ならば、本当は、片町の夜を制限するというのも、誤った過去の失策だったと認め、割り切って元の生活に戻るべき時期なのだ。

小売業界のパワーには頭が下がる。
それに食材を提供できる立場の我々もパワーで劣らず、どんどん動き回らなければいけない。

菅新内閣発足

菅新内閣発足

14日に自民党総裁選挙を大差で勝利した菅義偉新総裁が16日、臨時国会の首相指名選挙で第99代内閣総理大臣に就任し、新内閣を組閣した。

5つの派閥(細田、竹下、麻生、二階、石原)から支持を取り付けての総裁就任であり、派閥均衡に配慮した役員人事・閣僚人事であることは否めない。
しかし、安倍政権時代にうんざりするほどあった「とんでも人事」でないならば派閥への配慮は問題とは思わない。
とんでも人事=全く適性、能力のない人物がポストに就いてしまうこと。
要は仕事ができればいい。

菅総理は、思いの外、自分の言葉で話せる人だと最近わかった。
官房長官時代のぶっきらぼうの印象は、総理の盾という立場に徹した仮面だったか。
安倍晋三の話の下手さに比べればだいぶマシである。

菅総理は官房長官時代、奥原農林水産省事務次官(当時)と結託して、卸売市場法を廃止しようとした、と聞く。
だからその時から私には「菅氏は卸売市場流通に携わる者の敵である」との認識がある。
以来、「反菅」は私にっては“作法”となっている。

ただ、この1週間における新総理の言動を見聞きする上では、前総理よりは期待できる。
この先、日本はどうなるのか、本当の経済不況・社会不安はこれからが本番ではないのか、多くの人がそう感じている。
大変な時代に日本を率いることになったが、どうかお願いいたします。

それと、同級生である岡田直樹の官房副長官の留任が決まった。
普通ならあり得ない。
2019年9月から1年間の働きが認められたということだろう。
日本の舵取りの中枢だ。
ある意味、下手な大臣よりも要職である。
さらなる活躍を期待する。

全国中央市場青果卸売協会のリモート会議

全国中央市場青果卸売協会のリモート会議

うちの社のように中央卸売市場に入場する青果卸売会社は全国にたくさんある。
そうした会社が集まっての全国組織が「全国中央市場青果卸売協会」だ。
業界共通の問題点について情報提供、協議、検討、交渉等をし、会員会社の利益に供することを目的とする。

その年に数回の会合が本日開催された。
コロナ禍により初めてのリモート形式である。
なんでも正直に言うと、この初めて、というのが私の不満「その一」である。
今までずっとずっと中止で、今日が超久しぶりなのだ。
リモート会議ぐらい、なぜさっさと開催しなかったか。

大都会の卸売会社はなんやかやで情報交換する機会がある。
地方は情報が入って来づらい。
地方市場のためにも、こういう会合は頻繁に開いて貰わねば困る。
リモート形式は尚良い。
出張経費が地方ほど掛かっていたのだ。

で、初めてのリモート会議はどうだったか。
音声飛びまくりで、かなりの部分聞き取れなかった。
そのストレスで2時間の会合でぐったり疲れた。
初めてだからそんなものだろう。
だからこそもっと前からやって、経験値を積んでおかねばよかったのだ。

内容の方はどうだったか。
我が社にとっては重大案件の「自己買受」についてだった。

この問題はとても重要で、国税当局がこれでOKなのかどうか、卸売会社にとっては存亡のかかる大問題なのである。大袈裟でなく。
だから、税務局の見解が早く欲しい。
しかし、うちのような中途半端な会社が単体で折衝しても心許ない。
よって全国協会が旗振り役となって、交渉の場に臨んで欲しかったのだ。

だがこれまでは、特に大都会ほどこの問題に無関心だった。
全国協会も「自己買受」についてははっきりいって無知だったと思う。
ここに来て、ようやくその重要性に気がついたか。そうであることを望む。
遅きに失した、とは言わない。
今からでもぜひ、協会で動き、「統一見解」を打ちたて欲しい。

リモート会議は、技術的な部分をもう少しクリアーすれば十分に機能する。
複数人で会議をするなら、進行役の仕切りは非常に重要だ。
上手く皆に発言を促す力量が一番問われる。
また、これからは電話に代わって、1対1の話し合いでも、この形式にした方が話が進むのではないか。
そう思わせる経験だった。

青果物の週間情報 【2020-W38】

■週の概況 第38週 9/14(月)~ 9/19(土)

【全体】
 野菜の出方は概ね順調に回復しましたが、果実は依然として不作傾向であり品薄感はしばらく続くと思われます。心配された台風10号の影響として、直近の入荷に限定すれば、オクラ・アスパラ等で減少が見られた他にはそれほど甚大な被害は聞いておりません。しかし、現在生育中の品目には抑制カボチャの茎折れなど、少なからず影響は受けたものもあり、数か月先に表面化する可能性があります。
 まだ残暑厳しいとはいえ、猛烈な暑さはやわらぎ秋の到来を実感できるようになりました。煮炊き商材にも人々の目が向くようになり、動きも若干よくなっています。4連休前の週ということで、活発な消費を期待したいところです。しかしコロナ禍で業務筋の経営環境は依然として厳しく、街中の賑わいはまだまだ戻らないとの見方が一般的であり、今後も我慢を強いられそうです。

【野菜】
 長期的なナヤミに入っていた白菜はようやく動きが回復し低迷を脱する気配があります。キャベツは群馬中心に量が出始め、価格を下げて平年並みレベルに。ほうれん草は生育不足で品薄強含みですが、これも平年レベルに戻る感じ。小松菜は依然格安です。レタスは供給過剰で、安値感の一番強い品目となりそう。きのこ類は全般に引き合い強まりそうですが、松茸は輸入物が少なくやや高値で、国産はこの週から若干出てきそうです。
 果菜類では、保合もしくは若干上げの品目が多そうです。前週に急激に下げた感のある茄子やミニトマトが反発して上げ。きゅうり、ピーマンはこの週数量がやや減り、堅調な動きを見せそうです。大葉・茗荷など香辛妻物類は引き合いが強くなっており、特に茗荷は品不足気味で強含みとなります。
 反対に根菜土物類は、下げる品目が多そうです。ただし秋の涼しさが出てきて需要は上がっており、単価が下がって売りやすくなるという解釈で拡販につなげたいところ。牛蒡、長芋は青森産等が順調で下げ予想。馬鈴薯、玉葱も北海道産が潤沢で価格は低調です。れんこん、さつまいもは増量で下げ傾向ながら、小売店での動きは好調なようです。

【果実】
 梨の不作が全国的に顕著で、当市場も品薄高値に悩まされています。この週よりあきづきも加わりますが例年より少ない傾向は続きそう。メロンは静岡・北海道らに加え、石川アールスが加わり連日の入荷です。りんごは長野産がしばし休止となり青森・山形からの入荷です。イチジクは前年より潤沢な入荷です。この週からは極早生みかんの姿が目立つようになります。当市場の中心産地は九州で台風10号の影響が気になるところ。スレ果、傷果の割合が平年より多い可能性があります。
 輸入フルーツはHDメロン、ぶどう類が目玉。ぶどうは国内ぶどうも多種多様ある中、赤・緑のシードレスが独立したポジション勝ち得ており、食味良く価格訴求力もあって増大傾向です。フィリピン産は各品目とも不作傾向で、バナナも同様に少なめですが、不足分はエクアドル産でカバーします。また、バナナは9月17日にNHK「所さん!大変ですよ」で特集されるため、一時的に引き合いが強まる可能性があります。