業務変更と会社の数字説明会

本日6月25日、会社の現場営業社員を集め、このたびの新・卸売市場法施行に伴う業務の変更点の説明会を開催しました。

説明する内容は6月21日のブログ「改正市場法に伴う6/21からの業務の変更点」にある通りです。
当面は、商物分離にフラグを立てることと、高値・中値・安値の考え方を改めることだけなので、現場に人間にとってはほとんど今までと変わりありません。
ですが、時間が経つにつれて新しい動きは確実に出てくるだろうと思います。

以上の説明に要した時間が約30分でした。
せっかく社員が集まるので、全く違うテーマながら、その後30分ほどかけて、会社の決算の数字の説明と利益管理の基礎についてレクチャーしました。

・会社の年商を頭に入れておくのは会社人として常識
・今期の会社の目標数字を頭に入れておくのは会社人として常識
・粗利益と利益率について常に意識すること
・粗利益の先、どれだけの費用が会社にかかるのかのあらましを知ること
・費用には流動費と固定費の2種類がある。流動費は売上高割使用料3/1000、出荷奨励金17/1000(10/1000)、完納奨励金10/1000だ。
・固定費は人件費、減価償却費、通信費、交通費などなど、今のわが社の売上規模では売上の4%程度がかかる

以上を基礎知識として次の結論が導き出せる。
買付利益率が 5%以下では今の売上規模、買付比率では営業赤字になる。

①買付の利益率を上げる  利益率 6%以上 を意識せよ。
②売上そのものを増やす 
そして、ほんの少しの上積みが全体を救う。
③全員が0.1%だけ利益率を上げるだけで、粗利が2500万円増える。
 0.1%とは、1,000円の商品ならわずか1円の攻防である。
(1円高く売るか、1円安く仕入れるかで達成)

以上の内容を頭で理解するだけで実際に収益が向上するかどうかは疑わしい。
が、理解していることは前提となろう。
今まで、こういう理屈の勉強は社員にしてこなかった反省がある。
毎年、一度はやっておいて損はない。

断捨離は心を軽くする

忙しい、と自分で言うのはとても恥ずかしいことです。
自分より仕事をしている人は世の中にごまんといるし、バリバリ動き回って疲れ知らずの人もたくさんいます。
自分で自分を多忙だ、というのは、自分で自分を能無しだ、と言っているのに近いと思います。

なので言いたくない。
いやいや、全然ひまですよ、っていつ聞いてもサラッと言ってのける横浜のHさんみたいになりたい。
ああ、でもやっぱりここ数週間は自分のキャパいっぱいいっぱいの感覚でした。

段取りが悪いと、やるべきことが溜まってきます。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、と思っていると段々と心が圧迫されてきます。
毎日毎日追い立てられているような気持ちです。

一つ一つは大したことないのに、どれも手つかずか中途半端な状態になります。
何も仕事ばかりではなく、例えば身の周りの整理整頓など日常のことも、放置が何日も続けば同じ精神状態になります。
なんか汚ねえな、いつも余計なものがガチャガチャあって、物探すのに手間取るな、が積もり積もってイライラの要因になります。

さて、今日は水曜休みでした。
睡眠もそこそことれて元気だったんで、懸案だった車庫のガラクタ処分を断行しました。
いや、ガラクタかどうかは定かでありません。
我が家の押入れから火鉢がいっぱい出てきたのです。
なんでこんなに?というくらいに押入れから出るわ出るわ。
とりあえず、車庫に移し替えましたが、今度は車庫が一杯になりました。

嫁いだり、嫁がれたり、引っ越したり、建て替えたり。
人生に家もいろいろある中で、捨てるに捨てられず溜まってきた火鉢なんでしょう。
値打ちものならともかく、そうでないものなら、誰かが処分しなければ。
親は処分できなかったということで、わたしが処分することにいたします、と思い定めました。
こう言ってみると、何か親を少し超えたような気になるから不思議です。
実際はただ火鉢を処分するだけなんですが。

処分方法は、埋め立てゴミとかリサイクルとかいろいろありそうですが、長唄でお知り合いになれた古美術商の高辻さんに相談してみました。
すると「わたしは火鉢は扱っていないけど、「いなり商店」さんならたぶん受けてくれるよ」とのこと。
なんとそのお店はいつも通勤で通う道沿いにありました。
全く知らずに10年以上素通りしていました。

押入れから出てきた火鉢約10個を持参すると「はいお預かりします。月に2回、市があるので売れた金額の10%を手数料でいただき、残りをお支払します」とのこと。
埋め立てゴミに出そうかと思っていたくらいなので、とてもありがたいことでした。

何より、車庫がすっきりしたのが精神衛生上よろしい。
これだけで、昨日までの心のもやもやがかなりなくなった気がします。

心に余裕のない時は、掃除・整理整頓をするといいかもしれません。
そういえば、仕事のできる人の机はたいがいスッキリしてますよね。
毎日心もスッキリさせてリフレッシュしているのかもしれません。
この年になって初めて実感する断捨離の効用でした。

豊洲・京都・金沢がワースト3!さて何の話?

本日、京都のフルーツ商社、株式会社ローヤルの中野塙是社長、中野常務、鈎部長が弊社にお越しになりました。
このたびのわが社の会長・社長・そして私の昇進のお祝いにわざわざ来てくださったのです。
大変恐縮でした。

この「ローヤル」は私が34歳から36歳まで2年間勤めた会社です。
勤めたというよりはお願いして勉強させてもらった御恩ある会社です。
それまでプロレス興行会社というまったく畑違いのところにいた私が、青果物卸売会社に転職するにあたり、修行の場として身を寄せた場所です。
「30歳をとうに過ぎたお前が、いきなりど素人として入ってきても迷惑になるばかりだ。取引きの強いローヤルさんにお願いするから、そこで輸入青果物の流通について勉強して来い」といういきさつでした。

その話は今は置いておきます。
そのローヤルの皆さま、さすがに日本を代表する輸入商社だけあって、情報量が豊かです。
ほんの1時間程度の談話でしたが、知らない事ばかりをいろいろ教えていただきました。

その中の一つの話です。
今回のコロナウイルス禍で、最も売り上げが落ちた水産の市場。
そのワースト3が豊洲、京都、金沢だということです。

確かに、わが社のお隣・石川中央魚市さん、ウロコ水産さんは、4月が前年対比50%以下、5月も70%程度だったということです。
特に高級鮮魚はまったく売れなかったということです。

なぜ上記3市場が最も悪かったのか。
それは実は食文化の裏返しなのですね。
日本を代表する食文化の発達した都市、それが築地(⇒豊洲)であり、京都であり、金沢であるというのです。
な~るほど。
ワーストなのに、なんだか誇らしい感じもするから不思議です。

我が街は誇りある食文化の街。
でもでも、青果はそんなに落ち込まなかったのですよ、実は。
まあ1割程度でした。
青果は水産に比べダメージは少なかった。助かった。と喜ぶべきかもしれません。
しかい、本当は、「だから青果ってその程度なんだよね」と自嘲すべきところなのかもしれません。
食文化の“核”はお魚にあり。
ここでもそれを突き付けられたようで、悲しい気もするからこれまた不思議です。

青果はもっとがんばらなければいけません。

青果物の週間情報 【2020-W26】

■週の概況 第26週 6/22(月)~ 6/27(土)

【全体】
 県をまたぐ移動の制限が19日から全国的に解除され、人々の生活が徐々に戻ってきました。一時期の巣ごもり需要は終わった感があり、外食産業・業務筋は動きが少しずつ出てきています。世間はまだ恐る恐る、様子見の状態ですが、第二波さえ来なければ、この週は人の動きが一気に回復するかもしれません。
 青果物流通も同様です。とにかくお客を迎える体制を、と再開した店舗の需要で各野菜・果実が一旦動いたものの、今は小休止状態です。したがって週は本格的な回復を期待。ただし春先の曇雨天、その後の好天、直近の梅雨空と気象がめまぐるしく変化したので、出荷量の多い少ないは品目によってまちまちです。野菜では葉茎菜類が潤沢、果菜類は平年並み、根菜類はひっ迫する品目多し、といったイメージです。

【野菜】
 葉茎菜類ではレタスが安い。長野県では準高冷地と高冷地の出荷がかぶり大量に出回り大きく値を下げました。この週も安値基調でしょうが、産地は早々と出荷調整に入り、底上げとなる見込みです。小松菜など菜類は作型リレーで後続が遅れており、やや品薄強含みを予想します。キャベツは愛知が終わり、長野・群馬産へ。赤じそは県内産が始まり量が増えますが、梅が不作の年なので、販売はやや苦戦かもしれません。
 果菜類は全体的に堅調。安かったトマトは愛知産などの切り上がりを受けて低迷を脱しつつあり、まだ安値ながら動きが良くなりました。ピーマン・ナスは堅調をキープ。きゅうりは産地端境期にあたり数量減で価格を上げる見込みです。今年は家庭菜園の成りは良くなさそうですが、それなりに採れ始めており、郡部に行くに従って果菜類の小売店消費は少なくなります。
 根菜類では人参がひっ迫。岐阜産が週頭で終了し後続産地の遅れによりかなりの高騰が懸念されます。反対に安値が大根。量は多くないながら消費が鈍い状況です。土物類では馬鈴薯が品薄高値。大産地が限られており、高値感は長期化する恐れがあります。玉葱は先日までのひっ迫感は解消され、落ち着きを取り戻した感があります。梅は地物中心ながら不作年で高値感が強いです。

【果実】
 地物の果実として高松のデラウエアが始まったことで一気に夏果実の存在感が高まってきました。地物のもう一方の主役・西瓜は梅雨入りで涼しい気候ながら動きは好調です。ただし今季は4月の曇雨天と交配の兼ね合いで、秀品大玉比率が若干低い点が指摘されています。さくらんぼは露地の佐藤錦がピークであり、この週が一番の売り時となります。ももは山梨県産で日川白鳳が始まりいよいよシーズンですが、今季は全国的に“成りもの(果樹に成る果実)”が例年より少ない作況(暖冬、春先の曇雨天、交配期の受粉が滞った等の理由)で、この傾向はプラムも同様で、山梨産及び月末からの地元押水産も例年よりやや少ない入荷が予想されています。
 輸入フルーツではアメリカンチェリーが一番押しです。本場ワシントン州産の主力ビングが潤沢に出回り、品質上々で味も良く、量が増えて価格もこなれてきます。

改正市場法に伴う6/21からの業務の変更点

本日6月21日から改正卸売市場法、金沢市中央卸売市場業務条例、施行規則などなどが施行されます。
市場法そのものは2年前の平成30年6月22日に成立し、2年間の移行期間を経ての施行でしたのでそれが本日より、ということになるのです。

主な変更点
・地方公共団体でなくても市場の開設は可能(民間でも市場開設できる)
・卸売側と買受側の合意があれば、販売方法(せり、入札、相対)は自由
・卸売会社の第三者販売が可能になった(ただし公表の義務あり)
・仲卸の直荷引きが可能になった(ただし公表の義務あり)
・商物分離取引が可能になった(しかもその分には市場使用料がかからない)
・自己買受が可能になった(「委託買付」は昔も今もダメ!)
・入荷数量、価格(高値、中値、安値)の公表義務が拡大された

それにともなって、今日より何をどう変えるのか。
以下はあくまで、当社の場合です。

商物分離 旧法は原則NG ⇒ 新法は原則OK
この分は市場使用料がかからない。販売原票の区分にフラグを入れるように変更。原則、送り状が別に必要。指定保管場所は“市場内”扱いとなり、商物分離にはならない。

第三者販売 旧法は原則NG ⇒ 新法は原則OK
ただしせりでの販売はできない。 当面は今までどおりとし、第三者販売は行わない。会社の方針とシステムが整えば仕組み上は可能となる。

自己買受 旧法は原則NG ⇒ 新法は原則OK
システム対応がまだ完了していないので、当面は実施できない。がシステムが整えばこの方法に運用を変えることは十分にあり得る。

せり人資格 旧法では21歳以上、現場経験3年以上、せり人試験に合格して資格取得 新要領では20歳以上、現場経験2年以上に変更。試験は廃止。2年未満でも届け出れば相対販売は可能。

予約相対 条例上は削除により廃止。青果部取引協議会の規約に盛り込みで制度は残すが、システム運用も停止し、実質廃止の方向。

先取り  条例上は削除により廃止。青果部取引協議会で制度を残し、運用方法も従来通りで継続する。

市況等の公表 旧法では品目ごとに数量、単価、主要産地などを毎日公表する義務がある。 せり、相対、第三者販売ごとに高値、中値、安値を公表しなければならなくなり、公表内容が拡大した。 市況報告書は販売方法別に分けて記述。高値、中値、安値の定義が大きく変更。県内産市況をこれを機に廃止とする。
・高値(最も高い価格)
・中値(最も卸売の数量が多い価格。ただし個々の商品ごとに価格を決定する品目は加重平均価格)
・安値(中値未満の価格のうち、最も卸売の数量が多い価格。ただし個々の商品ごとに価格を決定する品目については最も低い価格)

高松デラウエアと匿名おじさん

本日、当市場で高松のデラウエアの初せりが行われました。
昨日は香川県「高松市」の小原紅早生の話でしたが、今日の「高松」は石川県かほく市の高松地区のこと。
そこの特産品がぶどう各種です。
特にデラウエアの生産が盛んで、高松は石川県を代表するぶどう産地となり、近年ではルビーロマンを手がける生産者も少なくありません。

その初市。
デラウエアはかなり昔からの定番品なので、初市だからといって別に特別なご祝儀価格がでるわけではありません。

ところがところが・・・
この日最後に競られた特秀2箱(1箱2kg)が1箱3万円ついたのです。
一同「えっ!?」とプチびっくり。
普通なら1箱3000円ぐらいが相場のものですからその10倍がぴょんとついた感じです。

せり落としたのは地元の青果専門商「堀他」の果実部長・松﨑さんでした。
前日に松﨑さんのもとに「高松ぶどうを応援する者」と名乗る匿名の男性から電話がかかってきたそうです。
「コロナ禍で頑張る看護師に感謝を込め、一番いいぶどうを贈りたい。1箱3万円を2箱分買うからせり落としてもらいたい」という話だったそうです。

石川県かほく市の「二ツ屋病院」では80人以上の院内感染者が出るという、石川県最大のクラスターが発生しました。
病院は医療崩壊の危機に瀕しましたが、石川県看護協会が献身的な協力体制を組み、看護師を病院に投入しました。
その甲斐あって、クラスターは封じ込まれたのです。

「看護師に感謝を伝えたい」と話す男性から、代金が松﨑さんの元に郵送されてきたそうです。
松﨑さんは「すぐに届けたいけれど、看護協会は土日が休みで、お届けは月曜日になってしまう。それがなんだか申し訳ない」とおっしゃっていましたが、大変美しくも有り難い話です。

ルビーロマンでも辻口シェフが東日本大震災の時、疎開してきた子供達のために高額で落札依頼をしたことがありました。
ブランド農産物の高値ご祝儀相場も、裏側にこのようなストーリーがある場合、とても感動する秘話になります。

誰かが誰かに愛情を寄せる。
それがこもった贈り物が本当のギフトですね。
匿名おじさん、あなたは素敵な方です。
あっ、なんとなく私のイメージでは「あしなが」おじさんということで、おじさん扱いに勝手にしてしまいましたが、もしかしたら正体はお兄さんかもしれませんね。悪しからず。

小原紅早生とブランド農産物

本日、香川県高松市の高松市中央卸売市場で当地のブランド農産物「小原紅早生(おばらべにわせ)」の本年初せりが行われました。
2.5kg25玉の特秀品について価格が258万円!
歴代最高値更新です。

これは大変驚くべきことです。
驚くのは金額そのものではありません。
昨年のせりは250万円だったのですから。
驚くべきはその流れが、です。

去る5月25日、札幌市中央卸売市場で特産ブランド品「夕張メロン」の2玉入りの初せりが行われました。
前年の2019年5月24日は、歴代最高値である500万円という空前の高値が付きました。
しかし今年はその40分の1であるたった12万円だったのです。
「たった」という表現は著しく語弊がありますが、昨年から比べればもの凄い落ち方です。

6月15日にはやはり北海道の旭川で「でんすけすいか」の初せりが行われ、こちらも前年の歴代最高値、1玉75万円が急落し、22万円という結果でした。
この夕張とでんすけの結果は、関係者にとっては半ば予想できたことでした。
新型コロナウイルスの影響でギフト商戦は低調であり、今までのような浮いたムードはありません。
せりは、買い受ける方がいて初めて成り立つもの。
歴代最高値を更新は、生産者ではなく、買い受け側が頑張った結果です。
コロナでマーケット全体が自粛・閉鎖しているのに、この初せりの舞台だけが湧いた湧いたになるわけがありません。
むしろ法外な高値を付けると「この非常時に何やってんだ」と非難を受けかねない世間のムードです。

その流れがあっての小原紅早生258万円ですから驚きました。
そういえば、せりを仕切った高松青果の齋藤社長に、数日前に電話でお話する機会がありました。
齋藤社長は「こちらでは割とイケイケムードが高まっている感じがするんですよ。コロナだからって沈滞した感じはまったくないです」とおっしゃってました。
香川・高松はなぜ強い?

さてさて、これは人ごとではないのです。
7月中旬には当地のブランド品「ルビーロマン」の初せりがあるのです。
歴代最高値はやはり昨年。1房120万円!でした。

高い方がいいような、今年ばかりはそんなわけにはいかないような。
私にはまったくわかりませんし、また思ってもどうなるものでもありません。
今からとてもそわそわしてしまいます。

書評:朝倉未来「強者の流儀」

強者の流儀
著者:朝倉未来
発行:角川書店
2020年2月27日 初版発行

総合格闘家の朝倉未来(みくる)初の著書。
路上で喧嘩に明け暮れ、少年院にも入った不良少年が格闘技界のトップに上り詰めたという出自で注目されるが、人生哲学を語らせれば上辺でない言葉が次々と出てくる。
自分を客観的に引いて見ること、地道な努力の重要性、現実を受け止めること
これらが著者の実感として語られ、地に足をつけて生きてきたことが伺える。

以下、印象が強かった内容:

自分を客観視する、ということが強さにおける重要なポイントである。
    敵を知り己を知れば百戦殆うからず
    日常的なところであまり怒らない、動じないのが強さの証である。
    パニックにならず、常に現状を修復するための策をどんどん考えていく。

常にポジティブにいようと心がける。それがネガティブな出来事を修復することに繋がる。
    陰口を言うな。面と向かって言えないことなら、別の場所でも言うべきではない。
    アンチ活動をするな。アンチ活動をする人間はその人の生活自体も悪環境になる。

格闘家としての強さは4つ。頭の良さ、基礎的な身体能力の高さ、努力の継続、意志の強さ。
真の自由には責任が伴う。
そもそも自分の根本的な目的は何なのか、ということを見極めることが大切。
第三者から自分はどう見えているのかを知る、意識する。
立場が上だということを理由に、人の意見を聞かず取り入れずという状態になっている人は、少なくとも成長が止まっている可能性が高い。

覚えたものを定着させる上で一番いい方法は、人に教えることである。
ストレスを感じる時、イライラする時は積極的に寝るようにする。

練習で重要なのは量ではなく質であり、そして継続。質の高い練習を長期にわたってできること。質を上げるには、シンプルで、無駄なことをしないことに尽きる。格闘技でいうと、試合の勝利に直接結びつかないことはやらない。ウエート、ランニングなど。

やるべきことが明確であり、何のためにやっているかを強く意識していれば、自ずと集中力は高まる。

苦しい時は、体を乗り物だと思う。「体の中にいる本当の自分は無傷なんだ」
本当に死んでもいいやと思えるなら、目の前の壁を必ず越えることができる。
もう一度立ち上がるためにだったら、思い切り休息したっていい。

宇宙の広さから見れば、地球は砂浜の砂の一粒に過ぎない。宇宙の時間感覚からすれば地球は一瞬の間に終わってしまうほど儚いもの。ならば「今を生きるしかない」。この現実を受け止めることが生きることだ。
自分の目標は公言した方がいい。公言すると邪魔をする人も出てくるが、助けてくれる人も出てくる。
200回やる。そうすれば何事もできるようになる。

自分に忠実な仲間がいる一方で、敵対的なメンバーがいると、企画の多様性が広がる。よってチームの陣容にはキャラかぶりを避けた方がいい。
堀鉄平「同じ会社で働いている人には幸せになってほしい。そうするのが生きがいだ」

使命感

また若手が一人、会社を辞めた。
今回のケースは、会社に不満があったというよりも、この仕事が自分に向いていないという思いが一番の要因だった。

私はこの会社で働いている。
この仕事が自分に向いているのかどうか。
どちらかといえば向いていないと思う。
しかし、自分はここで頑張り続けようと思っている。
それはなぜか。
もうここでやるしかないからか。年齢的にも現実的にも。
それなりの地位をもらい、このまま食うには困らない人生を送れるからか。

もしそうならば、その地位やら金銭やらを保証できない以上、新しい人材を熱っぽく説得し勧誘することは悪だ。
斜陽産業と呼ばれる業界であって、実際に給与水準は高くない。

給料安い、休み少ない、肉体も時にしんどい、
それでも一所懸命仕事に従事している社員がたくさんいる。
やり方が正しくないように思える人もたくさんいる。
が、基本的にはみな純朴で真面目だ。
そもそもカネ儲け主義のみの人間はここに来ること自体ありえない。

この業界、この会社で働く人々に一番必要なのは使命感だ。 
成人の年齢に達し、体が成熟したから大人なのではなく、使命感で仕事をする人間が大人だ。
仕事を通じて社会の役に立ち、人のために尽くすことが人間の価値だ。 

それを感じさせられなかったから若手は辞めた。
私の力の無さであり、失敗であり、怠慢だった。
今の立場でもこの思いを伝えて良いものか。
間違ったメッセージではなくとも、あえて言ってもいいかどうか逡巡する。
そのメッセージを発することにおける同士がいないからだ。

しかし、残された時間は多くはない。
孤独な一歩になろうとも踏み出すべきだ。
社員一人一人に使命を与える。
それが私の使命ならば、そうすべきなのだ。

アスパラの幼児

5月25日に能登の穴水で定植したアスパラガスの苗(5月26日のブログに掲載)が育ってくれていました。

植えてから約3週間経ちました。
この日は、我が社の新社長、新会長、私、それと運転手を務めてくれた総務部Kくんの4人で、穴水のJAおおぞらさんに、就任のご挨拶に来たのです。
せっかくですからファーム菜四季穴水農場にも足を伸ばし、アスパラの苗の生育状況を確認したという次第。

特に、社長と会長は、定植について写真でしか報告を受けていませんでしたので、現物を見る初めての機会でした。
私は、あのか弱い苗が本当に育っているのか心配でなりませんでした。
しかし、穴水農場長によると「1本も枯れずに‼️」育っているとのこと。
その代わり、毎日の水やりはとても丁寧に慎重に行ってきたそうです。

5月26日は吹けば飛ぶようなはかない苗。
人間に例えれば赤ちゃんでした。
そんな苗が、我々が訪れた6月15日には1歳のヨチヨチ歩きをする幼児ぐらいに育っていました。
まだか弱い。
でも、前とは比べものにならないくらい生命力に満ち満ちているような気がしました。
根もしっかり張れているのか、ちょっとつまんで揺すってもびくともしない力強さを感じました。

昨日は大雨でしたが、干ばつの恵みの雨となったようです。
金沢から穴水は片道100キロで、頻繁に行き来するにはちょっと億劫になるのですが、この子らの成長を見たいと思えば、今までよりも足取りが軽くなります。
やはり何事も愛着が大切です。