若手研修会

入社4年以内の社員を対象に、勉強会を1週間から2週間に一度の間隔で開いています。
講師は山本部長です。

数ヶ月前、総務部の角地さんを中心に 若手にアンケートをしたところ、仕事の面でわからないところが多いけれども、それについて会社からは何も教えてもらっていない、という意見が少なからずあり、山本部長が「それなら私が」と手を挙げてくれたからできた機会です。

私としては責任を感じています。
会社内部の教育システムはこれまで“ない”に等しかったのです。
私自身、今ある知識は全て独学によるもので、誰かが手取り足取り教えてくれたものではありません。

だからといって、私の後輩達も“自分の力で学びなさい“と言えるわけがないのであって、少なくとも私が経営陣の端くれに加わった時から、社員教育は私の責任でもあったはずです。でも私自身は特に何もしてこれなかった・・・。
私の怠慢で開けてしまった穴を今、山本部長が埋めようとしているようなもの。
自分自身を深く恥じ入るとともに、部長には感謝します。

今、行われている研修は多岐に渡ります。
会社の仕組み、市場の仕組み、我々の業界が置かれている環境、営業と利益の実態・・・。
それを毎回1時間から1時間半くらいかけて講義するわけですが、山本部長の講義がそれはそれは質の高い内容なのです。
正直言って、入社4年目までの若手には高度すぎる。
会社の幹部クラスでちょうど良いレベルです。
私ですらとても勉強になるのですから。
我が会社の社員をながら、山本部長の知識と能力は大変なものです。

いや、若手が、たとえ3割くらいしかわからなかったとしても、それはそれでいいのです。
問題は、中堅・ベテランクラスがこの講義を受けていないことです。
中堅クラスは日々の仕事を実直に頑張る者ばかりですが、やはり欠落している部分がかなりある。
だから、彼らこそ押し上げなければ、会社のベースアップということにはならないのでしょう。また、若手が彼らを一気に抜いてしまっては、「なんだい、先輩方は」ということになります。組織としてこれは問題ですね。

なに、話は簡単。中堅・ベテランクラスを受けさせればいいのです。
今は強制的に!
でも、これが意外と難しいのです。
これが意外と。
今季は中堅クラスの底上げが私のテーマです。

打木赤皮甘栗南瓜の初入荷

打木赤皮甘栗南瓜の初入荷

販売担当の坂口くん

今日6月4日、加賀野菜「打木赤皮甘栗南瓜(うつぎあかかわあまぐりかぼちゃ)」の本年初せりが行われました。
生産地は金沢市の打木・下安原地区。
栽培農家が部会を組織し、JA金沢市を通じて出荷されます。
出始めはハウス栽培ですが、ピークとなる7月から8月中旬は露地栽培となります。

このカボチャ最大の特徴は名前の通りの赤い色です。
果肉も綺麗なオレンジ色で、スープにすると鮮やかに染まって目を楽しませてくれます。
石川県では主に料亭で使われてきましたが、今季はコロナウイルスの影響で外食産業の需要がまだ少なく、例年より安価な立ち上がりとなりました。

これは、今年の太きゅうりにも言えることです。
いかに金沢の食が観光客に支えられていたかを痛感します。

そして、このカボチャの難しいところは、肝心の料理になかなか使いにくいところです。
粉質系でなくベチャッとしているので、いわゆる“炊く“という使い方に適さないのです。
料理人の中には露骨に「加賀野菜なんだけれども使いにくい」という方がいらっしゃいます。
何か、このカボチャの良さが引き立つ食べ方を考案することが今後の生産拡大には必須です。

そんなわけで、今季は特に、赤皮南瓜は試練の年になりそうです。
価格はシーズンを通し、例年よりは低いかもしれません。
しかし、ピンチはチャンス。
業務需要が落ち込んでいる今年こそ、家庭消費を増やす契機にもなり得ます。
ご家庭でのお薦めは天ぷらです。
他にもお手軽かつ美味しい使い方を考案したいところです。

お稽古シールド

お稽古シールド

写真は、習い事の先生のお宅です。
ここでいつも先生と生徒が対面で座ってお稽古をします。
このコロナ禍で4月と5月はお休みでしたが、6月から再開となりました。

このお休みの期間中、先生はなんとシールドを手作りされました。
材料は、小型の洗濯物干しと、ビニール、それを引っ掛けるフックです。
ホームセンターとAmazonで調達し、費用は2000円くらい?だったそうです。
安上がりだし、効果も十分でしょう。
何より人に安心感を得てもらいましょう、というお心遣いが素晴らしいです。

続いての写真は義弟のお店「金澤ななほしカレー」です。
全席にアクリル板のついたてを設置しました。
カレーは飛沫が飛ぶと目立ちますから、アクリル板でその実態が浮き彫りになることでしょう。

こういう工夫は当たり前の世の中になりつつあります。
もしかしたら我が社の事務所内でも考える必要があるのかもしれません。

カボチャと里芋が育っています

カボチャと里芋が育っています

我が社の直営農場「ファーム菜四季・河北潟農場」で、5月2日に、若手社員を引き連れてカボチャの定植と里芋の種芋の植え付けをしました。
苗は可愛らしいのですが、反面、こんなにか弱い物が、大地に植えられて生き抜いていけるんだろうか、と不安になってしまいます。
なんせ、河北潟の地面は雨が降ればぬかるみ、晴れればゴツゴツです。

カボチャの苗は育ってくれていました。
ほとんど枯れたものはなし。
みな、同じような生育進度で、揃っているように見えますし、葉も瑞々しさに溢れ、いかにも元気そうです。

里芋の方は、芽が出ているものもあれば出てないものもありました。
出ているものも、大きさばらつきがあります。
毎日様子を見てくれている高澤主任によると、種芋自体、ばらつきが大きかったそうです。保管していた環境下、カビが生えてしまったものもあったり、腐ってしまったものもありました。
さらに、種芋を地面に植え込む時、芽が出る方向を間違ってしまうと、生えないことはないけれども成育が遅れるようです。

でも、芽が出ていたこと自体に、私は喜びとともに驚きました。
種芋は地表から15センチほどは埋めなくてならず、最後はググッと押し込むようにしました。それこそ力一杯でした。
こんなに地中深くに押し込んでしまって、しかもゴッツゴツの土をかぶせられるのに、無事に根を張り芽を出してくれるのか、正直自信がありませんでした。
生命力とは凄いものです。

帰って、手伝いをした若手たちに写真を見せて報告しました。
皆、嬉しそうでしたね。
これから順調に育ち、収穫を迎えたらもっと嬉しいでしょうね。
さらに、それがいい値段で売れたら、大きな充実感を得られるでしょう。

卸売会社の人間がこういう経験をし、農産物を作る苦労と喜びの感性を培うことは決して無駄ではないと思う次第です。

青果物の週間情報 【2020-W23】

■週の概況 第23週 6/1(月)~ 6/6(土)

【全体】
 ここまで、家庭消費中心の一般野菜は平年並みの動きであり、業務需要メインの品目は動きが止まって価格も低迷しています。これはコロナ禍の変わらぬ傾向です。自粛の段階的解除が進む中、「客足は全然戻っていないけれど、とにかく再始動を果たさねば」という切実な思いから、いわば準備買い的に業務需要がそろりそろりと動き出しています。まだ実態が伴っていないレベルながら、6月に入れば給食も再開するので、本格的な消費回復が期待されます。

【野菜】
 葉茎菜類は総じて順調です。白菜は前週に下げた流れに続き、この週もやや弱含み。キャベツは一時の乱高下も収まり、レタスとともに値ごろ感ある価格帯で安定入荷となる予定です。ほうれん草、小松菜など菜類は潤沢です。ブロッコリーは石川県産がピークに入って増量となり、価格も下げて売りやすくなります。アスパラは消費が鈍く苦戦中ですが、九州産の増量・業務需要の再開で今後は動きの好転が期待されます。
 果菜類はこの時季としては価格が崩れることなく下支えされています。ピーマン、なす、など全体的に順調な入荷であり、豆類も石川県産・福島県産を中心に潤沢です。大苦戦しているのはミニトマトで、業務需要がまだ回復していない分、出荷の増量に比して動きがついていかず、価格は大きく低迷しています。
 根菜・土物類は産地切り替えが進む品目が多く、野菜の中では値動きが一番激しく変化する部門となるでしょう。大根・かぶらは青森産主力に移行し価格は下げ予想。ごぼうも群馬産増量で下げます。蓮根・甘藷は他県産となり少量高値傾向です。馬鈴薯は需要>供給でますます強含み傾向です。玉ねぎは首都圏での品薄急騰が全国相場にも影響し、上げ模様となります。季節物のらっきょうは洗い・土付きともまずまず順調。梅は近年になく少量で、特に青梅がひっ迫しており極めて高値となっています。

【果実】
 国内果実は、柑橘類(デコポン、紅甘夏)やいちごなど、姿を消す品目が多い中、代わって登場するものがこの週はなく、アイテム的にはやや寂しい週となりそうです。メロン類は潤沢で、アールス、アンデスを筆頭に多種多様な品種が増量傾向です。西瓜は地元石川県産を翌週に控え、この週一杯は他県産の販売となります。この週末からサクランボは露地物となり、紅さやかを中心にシーズンの本格化となります。昨年は非常に少ない年で、今年はそれよりは数が見込めるものの、平年より若干少なめの作況です。
 輸入物もアイテムに変更はありません。想定外だったのは加州産チェリーで、現地に熱波が遅い、この週一気に終末を迎えそう。ただし本場ワシントン州産が切れ間なく始まる見込みであり、日本のマーケットに悪い影響は出ないと思われます。

坊主は足取りが軽い

坊主は足取りが軽い

神道を勉強している息子が教えてくれた話です。
坊主は足取りが軽い。
社家は腰が重い。

何のことでしょう。
坊主(ぼうず)=お寺の住職。仏教の僧侶。
社家(しゃけ)=神社の神主。神道の神職。

息子も“社家”なんて言葉を使うあたり、すっかり業界人ですね。
私が野菜の出荷者を“荷主(にぬし)”と呼ぶのと似ています。
その言葉を使うだけで「お前、その筋のもんだな」とばれてしまいます。

今、自動搬送式納骨堂が都会で普及しつつあります。
自動搬送式納骨堂とは、遺骨が参拝スペースまで自動的に運ばれてくる納骨堂のこと。
ダイフクなど物流システム機器メーカーが開発し、都心の大寺院が運営しているようです。
自動立体倉庫からお墓・お骨が運ばれてきて、ウイーンと扉が開いてご先祖様とご対面です。
違和感MAX。
でも利便性も直感的にわかりますね。

こういう、大胆で革新的な試みをするのは、神社ではなく圧倒的に寺だそうです。
つまり、坊主は足取りが軽い。

それはなぜでしょうか。
息子曰く、仏教の世界の方が宗派も多く、統一感がなく、寺は単体で自由が効くのだそうです。そう言われれば、神社の宗派とは馴染みがありません(神道には教派神道13派というのがあるそうですが)。

時代の変化に対応して新しいことに着手するのは仏教の方が盛ん。
もちろん、その人その人の個性によるんでしょうが、息子が俯瞰する限り、そういう傾向が見て取れるそうです。

神道は神様を祀り、そのご加護を受けようとするもの。
仏教は悟りを開き、解脱しようとするもの。生きることは苦しみであり、そこから抜け出すために人は修行をします。
この根本的な違い一つをとっても、仏教の方が能動的に動きそうな感じがします。
非常に浅薄で意味のない考察ですが、話の種にはなりそうです。

年度計画、月間計画、週間計画、日次計画

年度計画、月間計画、週間計画、日次計画

会社では、毎年3月に一年間で達成すべき数量・金額・利益額を設定する。
これを「年度計画」という。
次に、その年度計画の目標値を12ヶ月に割り振る。品目別と担当者別に。
これを「月間計画」という。
年度計画と月間計画は3月までに立ててしまう。

しかし、状況は刻々と変化する。
特に、数か月先の青果物の相場がどうなっているのかは見当がつかない。
だから、毎週末に翌週一週間の販売計画を立てる。
これを「週間計画」という。

「週間計画」は4週分を集めると「月間計画」にピタリ!…とはいかなくても、ほぼ一致するのが“筋”である。
よほど販売環境が悪ければ修正するのもやむをえないが、どこか別のポジションで減り込んだ分は取り返すのもまた“筋”というか“作法”である。
もちろん逆に販売環境が良ければ計画数値をどんどん上回り、貯金を作ることは励行される。

そして、その「週間計画」を達成するために、明日の入荷計画を立てる。
これを「日次計画」という。
当然、月曜から土曜までの「日次計画」を合算すれば「週間計画」にピタリ!…とはいかなくても、ほぼ一致するのが“筋”である。

かくして、上からどんどんドリルダウンする格好で細分化し、一日一日の実績を積み上げていく。
昔に比べれば、社員の意識はこれに沿ったものになってきているとは思う。

しかし、全然まだまだなのである。
“筋”の通った計画になっていない。
例えば、4週分の計画を足しても月間計画を下回っている。
本当は計画を立ててどうクリアーしたか!がポイントなのに、そこに辿りつく手前、スタート地点からして“筋”が通らない数字をもってくることがよくある。

よんどころない悪環境に襲われているから?
確かにそういう時もままある。
しかし、多くはそうではない。
販売環境はそう悪くないのに、計画を立てる人間の意識が行き届いておらず、筋の通らない計画を出して涼しい顔をされる場合の方が多い。
これではいけない。

計画とは作りあげる数字なのに、よく陥るのは、成り行きで落ち着きそうな数字をもって「計画」と称してしまうこと。
ここは口を酸っぱくして社員に問うていかねばならない。
優しく許さず、厳しくするべきところ。
そのために、上司としてのチェックや分析に時間がかかるのはいたし方ない。

そして、あまり悲観的である必要もない。
「計画」を立てること自体はテクニカルなことだ。
なにもここで精神を疲弊させる必要はない。
テクニックは正しい考え方の下、練習すれば通常はできるようになる。

こちらも、最低限、指導する技量を身に付けて販売会議に臨まなければならない。

市場業界にもWEB会議の波が来た

市場業界にもWEB会議の波が来た

旧態依然の卸売市場業界。
いやいや、そんなことはありません。
今日は山形県園芸研究会の「さくらんぼ販売対策会議」がリモート会議形式で行われました。
会の主催はJA全農山形です。
全国の卸売会社、農協関係者65人が一堂に会して行われました。

青果物業界では、節目節目に産地会議が開かれます。
全国の各産地が品目別にそれぞれ行うわけですから、年間で数百回になります。
我が社ではその度に担当社員が出張し、その移動に要する時間、交通費は膨大・莫大になります。

それがこのコロナウイルス禍で数ヶ月、全くなりをひそめました。
経費的には結構ありがたかったりするのですが(苦笑)、
何もないというのも情報交換上よろしくありません。

以前、このブログで私は「全国協会がリードしてWEB会議を促進せよ」と言いました。
が、それは残念ながら進展せず、結局、産地さん主導で実現したわけです。
でも、一歩は一歩。

このコロナウイルス禍で世の中の仕組みが劇的に変わるはず。
その一つがWEB会議、遠隔操作の仕事でしょう。
今後、これがスタンダードになればいいと思います。

星稜高校山下名誉監督の言葉

馳浩代議士のFacebookでご紹介いただきました

星稜高校野球部の名誉監督、山下智茂氏が5/27デイリースポーツで、夏の甲子園中止について寄稿した記事です。

「私は、負けることによって指導者として成長させてもらってきました」
「朝9時集合でも、6時半に来て草むしりを始めるチームは、、甲子園でも勝ち続けます」
「この経験が大きな意味を持つ時が必ずきます。さあ、切り替えよう」

愛情に富む素晴らしいメッセージです。
私はこの方を知らず、上っ面だけを見てやや軽んじてきたきらいがありますが、反省します。

「甲子園がなくなったということは、勝つ経験も負ける経験もできなくなったということです」とも書かれています。
まさに先日、わたしがブログで書いた「純情波乗少年」のテーマ「終わらない夏」そのものです。
主役格の東尾が、終盤で長セリフを放ちます。そのクライマックスが「わかんねえんだよ、この夏の終わり方がわかんねえだけなんだよ、ちくしょー!」。

今の球児達も同じような気持ちでしょうか。
それとももっと冷めてるでしょうか。

負けることによって次に進む。
この世の9割9分9厘の人間はそうです。
なにかに真剣になって打ち込み、そして負ける。
そこで初めて感じる気持ちこそが次への原動力となるのだと思います。

恋愛でもうじうじと胸に内に秘めているより、勇気を出して告ってしまい、見事振られてしまったほうが次に進めて人間が磨かれるのと同じです。
って、最後に余計なことを書きました。

穴水農場の様子

昨日の続きです。

アスパラガスの定植がまずまず順調に終了したので、その後は他の圃場を巡回しました。
元々、穴水の農場では南瓜の栽培を中心としています。
特に「味皇(アジオウ)」という品種は非常に糖度が高く食味が良い品種です。
しかしなかなか作るのが難しいのです。
穴水の農場長のお父様が以前からカボチャ作りについて独特のこだわり栽培を手掛ける名手であり、その手法を受け継いだ息子がファーム菜四季の穴水農場長となってやってくれています。

ファーム菜四季穴水農場は旭ヶ丘に2町、大郷に2町の圃場を構えて南瓜を作っています。
4月に苗を定植し、5月頭に苗の上からビニールをかぶせてトンネルにします。
こうすることで中の温度を上げてやり、また風からも守ってやります。
それから3週間、かなり大きく成長してきたので、ビニールをそろそろ外してやるべき頃合だそうです。
幸いにしてここまでの生育は順調とのことでした。

大郷地区は旭ヶ丘から車で15分。
山の中といった感じです。
ここらは昔はたばこ葉を栽培する農家が多かったそうです。
大郷農場は、昨年からの改良点として、畝と畝の幅を大きく取りました。
これにより、車の出入りが容易となり、作業効率が大幅に改善しました。

できるだけたくさん植えればそれだけ多くの実をつけることができますが、
作業に手間取り、その時々に必要な作業をタイムリーにできず、結果的に収量が落ちることになります。
贅沢に通路を取りすぎてはいないか、そのバランス感覚が難しいところですが、今年はこのような形で進めており、苗の生育は極めて順調なようです。