全国協会はTV会議を試そうよ

新型コロナウイルスのせいで、我が社の営業社員が行くはずだった出張が軒並みキャンセルになっている。
そのほとんどは野菜・果物の産地が開催する出荷会議や反省会である。
卸売市場は数百の産地と取引しており、その各々が年に最低1〜2回の会議を開く。
だから年間で社員が出張に行く機会も数百回である。
経費は自社の負担だから年間の出張費用は1000万ではきかない。
出張費は地方市場に行けば行くほど深刻である。
単純に、運賃と移動時間がたくさんかかるのだから。

出張=仕事。
仕事が無くなるという意味で、会議中止はいいことではない。
しかしコスト面で「ありがたい」という面もなくはない。
会議の中には(残念ながら)あまり行く価値のないものもあるからだ。

今こそインターネットを使ったTV会議のような試みをやればよいのだ。
どうせ中止にするのだ。
あまりうまくいかなくたってダメージはない。
そして、思いの外うまくいって「別に遠くから集まらなくても何十人もの会議ができるじゃん」という成功事例ができれば一気に広げられる。
それがスタンダードになれば1000万円のコストダウンができるじゃないか。

だがそれをするには各社各農協がそれなりの環境(といってもネット接続のノウハウとカメラぐらいでしょう)を整える必要がある。
誰がその旗を振るか。
農協は産地会議の主催側で、本音は人が実際に集まって欲しいだろうから、ここは市場側が提案すべきと思う。
つまりは、卸売会社で組織する全国協会である。

全国協会の会合自体がキャンセルになっている。
だからまず、ここでTV会議を試し、各社で環境を統一する。
それを各出荷団体に案内し、少しずつ広げていく。
たったこれだけのことである。
全国協会は業界の利益になることをどんどん推進してほしい。
今はその絶好のチャンスである。

功には禄を、徳には地位を

「功には禄を、徳には地位を」
或いは
「功には禄を、能には職を」
と言ったりします。
上は西郷隆盛、下は徳川家康の言と紹介されることが多いようです。

功績があった部下には報酬を与え、人徳がある部下には地位を与えよという意味。

「名選手、必ずしも名監督にあらず」に通じるところがあります。
会社では、営業マンとしては大きな売り上げと利益をもたらすものの、部下をまとめたり育てたりはからきしダメというタイプは案外多いものです。
組織にとって人事は生命線です。

やり手の営業マンには給与と賞与で報い、
リーダーシップに優れる社員には肩書で報いる。

非常に理屈に合った論功行賞ですが、これができている会社もなかなか少ないでしょう。
それは「徳には地位を」の判定が難しいからです。
「売る力はないけど人間力があるってどんな人よ?」
「やさしい人だけど馬力がないって感じ?いるいる!でもそんな上司って頼りないよね」
こんな評判になるので、結局は名プレイヤーを監督にする方に落ちついちゃうんです。

しかし、やり手というのは言わばその道の“スペシャリスト”です。
部署全体、会社全体を統率するには“ゼネラリスト”の才覚が問われます。
ゼネラリスト=広範囲な知識や経験を持つ人
スペシャリストが深さなのに対して、ゼネラリストは広さです。

広さを測る尺度が企業にないから人物を評価できないのです。
だから、尺度を創造する。
それを使って実際に評価する。
この仕組みを作ることを自身のミッションにしようと考えています。

業務条例施行規則案が出た

昨年に成立した「改正卸売市場法」のもと、この春には金沢市議会で「業務条例」ならびにその具体的規則である「業務条令施行規則」が審議され、公布される。
そして6月21日から実際上の適用が始まる予定となっている。

現時点で提示されているのは「施行規則案」であり、この案に対して何か意見はないかと市より打診を受けている。
せりのやり方をどうするこうするといった細かいルール設定が多いので、行政は問題なくスッと通るだろうと思っているかもしれない。
が、ことはそう簡単ではないのである。

我々卸売業者にとっては仲卸の直荷引きというのは大きな問題である。
同時に、仲卸にとっては卸の第三者販売は大きな問題である。
この両方がこたびの法改正で表向きフリーになった。
フリーになった代わりに、報告義務が厳しくなった。
今までも実質的には好き勝手やってたんだから規制が緩和されたところで何も変わらないよ、と言う人は結構いる。
しかし私はこれは大きな変革になり得ると危惧している。
よい方向の変革になるか悪い方向になるかは業者の良識と知恵次第だ。
自社の損得だけを考えれば、際限なく直荷引きと第三者販売は拡大する。
これは長期的に見ればその市場の弱体化を招くと思う。

だからこそ、報告と、その後について回る市場使用料の支払い義務は厳正に行われなければいけない。
市場の番人役は、条例と規則に書いてある通りに厳格に管理監督しなければならない。

自戒・反省を込めてだが、卸売市場業界はものごとへの思慮が甘い。
もっとこの段階に来るまでに議論を尽くしておかねばならなかった。
うちの市場も甘いが、全国的に見てどこの市場も似たようなものだ。
だから市場流通は衰退したとも言えるし、だからその低レベルさえ脱すればいくらでも巻き返せるとも言える。

ハイアットセントリック金沢の準備事務所を訪ねる

北陸新幹線が開通する以前から金沢はホテルの建設ラッシュが起こって、それは一応見事に功を奏した格好となり、いつもたくさんの観光客で賑わう一大観光都市になりました。
ホテルもそろそろ飽和状態という感じはしますが、それでもまだまだ建設中のものがあります。
これまで様子を見ていた会社が「いや、金沢の人気は本物だ、まだまだいけるぞ!」となって、第二の建設の波が来たらしいのです。いわば後発組というわけです。
そのエース格と目されるのが6月にオープン予定の「ハイアットセントリック金沢」です。

そのホテル内のレストランが地元の食材を中心とするメニュー提案を行なっていくと聞き、さっそくアポイントを取って売り込みに行ってきました。
ハイアット系列のブランド力をひっ下げて、お高く来るのではと構えていたのですが、その予想はいい意味で裏切られました。
このホテルのマネージャーと総料理長は地元石川県のご出身。
なのでこの地の食材について造詣の深い方々でありました。

さらに、地域の生産者を招き入れてストーリー性のある料理を振る舞っていきたいというコンセプトをお持ちでした。
ホテルのレストランがここまで踏み込んだテーマを打ち出すのは極めて稀です。
聞くと、ハイアットセントリックはどこの地でも同様なコンセプトを掲げるそうです。
素晴らしいポリシーです。感心しました。

結局、我々卸売業者は、そういう地域の食文化をストーリー性を織り混ぜて提案できるかどうかが存在価値なのでしょう。
つまり、必要なのは食に対する深くて広い造詣です。
そういう社員が働く会社にしなければならないということです。

新型コロナウイルス考 嘆かわしいぞ日本人

新型コロナウイルスは様々な二次的問題を発生させています。
その一つがマスクを代表とする特定の物品の極度の品薄です。
マスクはもうどこにもありません。
すべての薬局、スーパー、コンビニから姿を消しました。
入荷未定の状況です。
マスクは当初から予防効果としてはさほどないと言われています。
罹った人が他人に移さないように着用するのが本来の用途とか。
ならばそれを買い漁るというのはとても愚かな行為です。

マスクはまだ理解できます。
マスクの次は消毒用アルコールが品切れになりました。
これもまだわかります。
アルコールの次はトイレットペーパーが標的になりました。
なんでも、トイレットペーパーはマスクと同じ原料を使っているとか。こっちもそのうちなくなるぞという理屈らしいです。
これはすぐにメーカーサイドから「全く心配する必要はない、在庫はたくさんある」といったコメントが出されました。
しかし騒ぎはまったく収まっていません。
1973年のオイルショックから社会は何ら成長していないことが露呈しました。
さらに続くは続くは。ガーゼ、ティッシュ、果ては生理用品、オムツまで品切れになっています。
ここまで来ると本当に良くないことです。
買い漁っている人はオムツを本当に必要とする人ばかりではないからです。
本当に必要とする人の手に入らない事態が起こっています。

嘆かわしいぞ、日本人。
これは一般の人々に言いたいことではありません。
たまたま入ったお店にマスクが売っていた、ラッキー買っとかなきゃ、というのは普通の消費者心理です。
私でも買います。
たまたま入ったお店にトイレットペーパーが売っていた、ラッキー買わなきゃ、うちはあと10個くらいしか残ってないから。
これも仕方ない心理です。
切迫してなくても、生活に必要なものが長期欠品になりそうなら防衛意識が働きます。

嘆かわしいのは度を過ぎた量を購入する人です。
さらにはそれを転売して金を儲けようとする輩です。
いわゆる転売ヤー。
賢いし、目ざといし、行動力もある人でしょう。
でも性根がさもしいです。
私は、例えばオリンピックのチケットの転売なんかは、いいこととも思いませんが怒りは特に感じません。
需要と供給で価格が決まる市場原理の典型だな〜ってな感想です。
でもマスクやオムツや生理用品やガーゼはいかんでしょう。
人によっては命にかかわるもの、そこまででなくとも生活に欠かすことができないものです。
その転売はまさに人の弱みにつけ込む行為です。
一部の心ない日本人が、困っている日本人の足下を見て暴利を貪る。
嘆かわしいことです。

青果物の週間情報 【2020-W10】

■週の概況 第10週 3/2~3/7

【全体】
 新型コロナウイルスの問題が日に日に大きくなっています。青果物に対する影響も少なくありません。一番の問題はホテルや旅館、パーティ、宴会のキャンセルが相次いでいることです。これから歓送迎会などが増える時期だけに、外食産業や食品を納める業者にとっては大ダメージです。また政府が全国的に休校を呼びかけたことにより、学校給食が今後どうなるかも心配されます。金沢では市長が28日の会見で「2日からの休校はしない」とコメントされましたが、「今後もずっと」という意味ではなく、国・県との意志疎通を図りながら対応を進めていくそうなので、近々に休校となる可能性は十分にあります。
 マクロ的には消費マインドは間違いなく冷え込みますが、人々の生活スタイルが家の中で食事を済ます傾向が強くなるため、ミクロ的には地域に根ざした中小スーパーや青果小売店で買い物する市民が増えているという実態があります。野菜やくだものは生活に絶対に欠かせないものであり、卸売市場は毎日、しっかりと運営を続けなければいけません。

【野菜】
 雪が降らないので、例年なら切り上がっているはずの地元石川のネギがまだ出てきています。山菜類がが能登から入っていますが、暖冬の影響か出荷・生育は前倒しで、ふきのとうは早くも開き気味が多くなっています。茨城県産のわらびも例年より量が多いようです。
 果菜類は総じて例年より単価が高水準です。このご時世でもひな祭り需要はしっかりあって、菜の花・トマトは上げ模様です。キュウリはひな祭りまでは高値基調で保合、終わったら下げの展開でしょう。
 根菜類で要注意は人参で、この週は前倒しのつけが回って出荷のはざまになりそう。数量激減で上げ予想です。長芋もウイルス対策に効果的(?)との風潮があり動きが良くなっています。甘藷は連日まとまった量が入ってきて出荷のピーク。供給過剰気味で価格は下げ、しばらくお手頃価格が続くでしょう。逆に蓮根は残量少なく慢性的に高値基調となる予想です。馬鈴薯は北海道産が品質面での不安定さあって低調安値。逆に九州新物は引き合い強く上げ傾向です。玉ねぎも春物は少なく品薄です。つまり芋玉は春もの・新ものは活発で、ひねものはナヤミです。

【果実】
 前週と変わらず主役はイチゴ。潤沢で去年より安値で流通しています。柑橘類は中心品目のデコポンは露地物へ移行。いよかんは減少へ。八朔・文旦・せとか・はまさき・紅甘夏など少量ながら多品種が入荷します。
 輸入フルーツではバナナが減少傾向で、例年より高値基調になっています。その他の入荷リストは前週から変化なく、GF、オレンジの定番品の他、「マンダリン」「ミネオラ」といったサブキャラもたくさん出ています。

日産リーフがやって来た

日産リーフがやって来た

1月19日にお別れした前マイカー(1月22日のブログ「さらば、日産セレナ」参照)に代わって、3月1日、新マイカー「日産リーフ」がやって来ました。
人生初の新車です。

セレナが故障でいよいよあかんとなった時、妻が悪気なく「中古でも、すごくいいのがあるから(買おうね)」と言いました。
私は思わず涙ぐみながら「中古?また中古!?なんでお父さんだけいつも中古?」と叫んでしまいました。
妻はビックリしたようです。
「あ、お父さんにも車に思い入れがあったんだ」。
その通りです。確かに私はふだん車に執着はないです。何の知識もないし興味もない。
ただよその車を見て、いいなぁ、カッコいいなぁと思うことはあったし、自分の車を顧みて寂しい気持ちになったこともありました。
人生一度ぐらいは、乗りたい車を買ったってバチは当たるまい、そう思っていました。

リーフは電気自動車です。
自分の好きにしていいなら何に乗るかと自問自答した時、高級車や外車は全く頭に浮かばず、「人と違うちょっとこだわりのある車がいい。あ、電気自動車なら乗ってるだけでいいことしてる気になるかも」と思いました。もう20年近く前からの考えです。
息子は「電気だって油燃やしてんだから、その考えは偽善だろ」と言います。
そうかもしれない。いいんです。いいことしてる“気になる”だけで。

一年ほど前に前車を修理に出した時、リーフを試乗させてもらいました。
その時の乗りごごち・印象がとても良かったので、新車を買うならリーフにすると前々から決めていました。
色は妻が決めました。
自分一人ならちょっと派手すぎると躊躇したかもしれません。
フロント(ボンネット)の黒いデザイン「フードデカール」だけはこだわりました。
これだけで数万円高くなるんですが、これを貼ることで見た目がぐっとレアな感じになります。

乗ってみると、やっぱりいいことをしている気がします。
とても気分がよろしい(笑)。
あと、自動運転とは言いませんが、技術の発達は目覚ましく、車間距離やスピード調整は勝手にやってくれる機能がついています。

それなりの値段であり、一部を頭金にローンで払っていくことにしましたが、燃費の悪い車をいつまでも引っ張り慢性的にお金を無駄にしていると思う必要がなくなったので、精神衛生上も良かったなと思っています。

新型コロナウイルスに対し市場は②

2月27日から金沢市中央卸売市場の青果卸売場では、卸売会社の社員全員がマスク着用で仕事をすることになりました。
仲卸業者でも大多数の人達がマスクをしています。

卸売市場の名物・せり販売はせり人が威勢よく掛け声を出します。
本来は、せりでマスクをするなんて考えられないこと。
声は通らないししゃべりにくくてしょうがない。
マスクの中はベチャベチャになります。
せり人はいやだろうし、やりにくいでしょうね。
でも、せりこそマスクをしなきゃいけない。
せりだからこそ意味があるんです。
新型コロナウイルスは飛沫と接触感染です。
マスク内がべちゃべちゃになるからこそ、それを外部に飛沫させてはいけないということです。

問題なのは、どこをどう見渡しても、マスクは今どこにも売っていません。
今、会社にある分を使い切ったらもうありません。
見通しが立たないままの見切り発車ではあります。
でも、これが、今できる我が市場・我が市場の危機管理です。

秘密会議?いやいや

2泊3日という私としては珍しく長い出張でした。
表向き理由は昨日の協議会研修会で講演を頼まれたことですが、私にとっての最大の目的はその研修会とは日時も場所もまったく別に開かれたこの秘密会議(?)ならぬ検討会にありました。

今、卸売市場業界は「指値差損をどう処理するか」が大きな問題点です。
指値差損とは。
市場は原則として農協などから卸売会社に「委託」の形で荷物が入ります。卸売会社はそれを仲卸などに販売し、販売金額を農協に支払い、販売代行の手数料を農協からいただく収益構造です。
「委託」なのでそもそも販売価格は事前に決まっていないはずですが、農協の力が強いと卸売会社には希望価格の支持が来ます。つまり「●●円以上で卸売会社は売ってくれ。下回るようなら今後はそちらには出荷できない」というわけです。この●●円という希望価格が別名「指値(さしね)」です。
卸売会社は荷物を出してもらって初めて商売ができますから、多少無理をします。つまり、本当は相場が安くて指値では売れないけど、農協には指値どおりで売れたことにしてお金を支払うのです。
実際はそれより安い値段(◯◯円)でしか売れていません。その差額(●●円−◯◯円)が「指値差損(さそん)」と呼ばれているもので、卸売会社としては欠損となります。

欠損なのでマイナスです。
しかし、そのマイナス費用の処理方法を巡ってさらに大きな問題が生じました。
多くの卸売会社はいわゆる「事故損処理」をやっていると聞いています。
しかし、その方法だと、マイナス分は卸売会社から農協への寄付、或いは贈与とみなされ、そのマイナス分にさらに税金がかかってくるという見解を財務省が出しました。
実際、ある会社は数億円の追徴課税を申し渡されました。
また、処理方法によっては卸売市場法上の違法行為にあたるという問題もあります。

これは、卸売会社にとっては踏んだり蹴ったりの状況です。
自ら身銭を切って多く支払ったのに、さらに税金を取られ、挙句に悪者だお前は!とのらく印を押されてしまうような感じです。まったく本意ではありません。
どうすれば、卸売会社の筋が立って、適正な処理として認められるのか。
そこに今浮上している可能性が「自己買受(じこかいうけ)」という処理方法です。
これは、卸売会社が受託した商品をその卸売会社自身が指値●●円で買い受け、そこから仲卸等に実勢価格◯◯円で売るというやり方です。

①卸売
「受託者たる卸売会社」が、「売買参加者たる卸売会社」に仕切価格で卸売を行う。
②兼業的請求
次に「売買参加者たる卸売会社」が、仲卸等に「兼業的」に実売価格の請求を行う。
②は「卸売」ではなく「兼業的」になるため、二重売り上げとはみなさない。
対外的に公表する数字は①の方を適用。

・自己買受であれば、②実売価格が①仕切価格より高く(減仕切)なっても問題ない。
・②に生じる完納奨励金は、自己買受せずに卸売した正規の完納奨励金とは厳密には区別すべきである。例えば「完納奨励金に相当するもの」という名目に。このため、完納奨励金交付基準を文書で制定している市場は、文言を修正したほうがよいと思われる。ただし新市場法下で農水は奨励金に関与しない。

以上、業界でない人にとってはまったく意味不明な内容でしょうが、卸売会社にとっては生命線となる重要問題です。
この手法が会計上も税務上も市場法上も問題がないのかどうかをよく検討した上で、新たな一歩が踏み出せればよいなと願っています。

高松市中央卸売市場運営協議会研修会

高松市中央卸売市場運営協議会研修会

高松青果・齋藤良紀社長から、高松市場の卸・仲卸らで組織する運営協議会の研修会で講演して欲しいとの依頼を受け40分の講演を行いました。
与えられたテーマは「行政や開設者と市場内業者との連携について」。
今までやったことのない難しいテーマでした。

ない頭をひねって、ブランド認証、錬成塾、クリーンサービスなどを例に金沢市との市場の連携事例を紹介しました。

①ブランド認証・・・加賀野菜、ルビーロマンなど石川県のブランド農産物はほとんどすべてが行政(市や県)とJA(全農や単協)と市場の三者が中心になって協議会を作り、そこで規格を決めたり出荷日・出荷ルールを定めたり、販促シナリオを作ったりして育てていきます。
②錬成塾・・・卸、仲卸、開設者から若い幹部候補生を出し合って、これからの市場はどうあるべきかを議論し、発表していく勉強会です。
③クリーンサービス・・・金沢市が施設を建て、それを株式会社クリーンサービスが業務委託を受けてゴミ処理・発砲スチロール溶融・魚あらの堆肥化の事業を行います。株主は市場の卸・仲卸・そして行政です。

金沢市場しか知らない私としては、行政と市場との連携は当たり前だと思っていました。
しかし、市場によってその連携度や親密度はかなり温度差があるようです。
講演の中身は私としては練り上げ不足というか、今ひとつの不本意なものでしたが、みなさんとても真面目に聞いてくださって、おおむね好評だったようでほっとしました。

同日、同会場で、農林水産省総合食料局卸売市市場室長の武田裕紀氏の講演もありました。
武田室長の講演は「各市場は取引ルールをどうするかという議論ばかり目立つが、人口・立地・地域性を分析し、各市場の個性を明確にすることが一番大事である。その個性を生かすためにはどんな整備が必要かを考えるべき。また、市場内物流の自動化の可能性も今後は検討してほしい」という趣旨のお話でした。