青果物の週間情報 【2022-W13】

■週の概況 第13週 3/28(月)~ 4/2(土)

(文章:【全体】は私、【野菜】【果実】は総務部の靏尾君のを常体に変換)

【全体】

 寒い春が続いており青果物の出かたは総じて遅れ気味だ。この週は引き続き平年よりも数量減の単価高の傾向となるが、品目によってかなり温度差がある。残念なことに売場に欲しいものほど少なく高いと言えるだろう。例えば春ならではのタケノコや山菜類などの季節食材は数量が少なく単価高になっている。一方でブロッコリーやきのこ類などは値ごろ感があり、売場をうまく構成することは可能だ。この週は地物の胡瓜や太胡瓜などが登場してくる。新年度が切り替わるタイミングでまん延防止措置も明け、人々の動きと心がリフレッシュされるので、積極的にプロモーションを仕掛けたい。
 果実の主役は依然としてイチゴであり、潤沢で値ごろ感がある。柑橘類は終盤に向かい、替わってメロン、西瓜、桜桃などが出てくる。輸入果実は総じて少量高値傾向だ。これはコロナ禍で世界的に人員不足となり、深刻なコンテナ不足、船便遅れが慢性化しているためだ。この傾向は長期化必至。価格訴求が当たり前だった輸入果実は、国産果実よりも高値の高級品に転じる時代がやがて来るかもしれない困った状況である。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは干ばつが解消され数量回復が見込まれる。ブロッコリーは潤沢だろう。キャベツは春系品種の増加が予想されるが、前年はまだ下回るレベルだ。アスパラは産地の谷間を迎え品薄高の模様となる。菌茸類では、えのき茸は荷動きが鈍く安価な展開が見込まれる。
 果菜類では、胡瓜は高知産をメインに安定した入荷となり、この週から県内産が顔を見せ始める。ピーマンは前年を上回る潤沢な入荷。ミニトマトは増加して前年並みの価格に落ち着いてくる。春菊は主要産地の増量から下げに向かうだろう。季節商材では、翌週より加賀太胡瓜の入荷がスタートする。
 根菜類では、大根は太物中心に潤沢な入荷で値段は一段下がる見込みだ。かぶらは埼玉産に切り替わり、新潟産の入荷もスタートする。里芋は新潟産が終盤で入荷に不安定となる。馬鈴薯は鹿児島産の入荷が安定したおり安値推移となる。玉葱は後続産地が降雪により数量が伸びず、依然として高値が続く。筍は生育遅れから前年より少ない入荷となる。

【果実】

 国内果実では、苺は愛知産を主体に前年を上回る入荷となり、前年より安値推移となる。晩柑類では、デコポンは熊本産中心、はっさくは和歌山産より入荷で、前進傾向の為、前年より数量減の単価高が続く。キウイフルーツは、福岡産が終盤となり、数量が確保しづらくなる。その他に長崎産よりハウスみかん、山形産の桜桃が始まる。
 国外果実では、バナナはフィリピン産の数量が伸び切らず高値推移が予想される。シトラス系では、オレンジとレモンは生産量が前年より少なく高値が続く。

アルコールチェック義務化に思う

道路交通法改正

 今度の4月1日から道路交通法が改正され、5台以上の車両を使用する事業所の運転者に対して、酒気帯びの有無を確認するアルコールチェックが義務化される。10月からはさらにアルコール検知器を使用しての酒気帯び確認も義務化となる。これはフォークリフトも含まれるということで、当社も対象企業となる。具体的には出社時と退社時の2回、運転者に酒気帯びがないかどうかを安全運転管理者が確認して記録を残しておかなければならない。

アルコールチェックの実施方法

 当社では毎日何十人もがフォークリフトを操作するので、一人の安全運転管理者が全員をチェックするのは難しい。そこで各部の部長を補佐役に任命し、自分の部署の所属社員全員を毎日チェック、コンピューターのグループウエアを使って運転管理者に報告する方式を考えている。法律だから、義務を粛々と履行せざるを得ない。

また管理職の負担が増える

 だが、また部長にこまごました業務負荷を与えることになるので心苦しい。部下が酒気帯びかどうかなど、朝、顔を合わせればすぐわかる。大昔ならともかく、今は社員が酒気を帯びることはほぼ100%あり得ない。万一帯びていたとしても、その場で注意し、一日運転させないのは当然の処置だ。別にわざわざ用紙に毎日記録するほどでもないだろう。面倒な管理が一つ増える。それが正直な思いである。ただ世の中で何度か酒気帯びによる痛ましい人身事故が起こったのは事実だ。そうした惨事を繰り返さないために法改正が行われたのは間違いない。

人間のリソースを奪う

 この世は、ごくごく一握りの人間による悪意や不始末によって、全体のルールが改正されていく。個人情報保護法しかり。ごくごく一部の人間が名簿を利用して悪質な商売や詐欺行為に走るから、誰もが個人の電話番号や住所を知れない世界を生み出してしまう。社会全体がどんどん窮屈になり、人間関係が疎遠になり、本来不要な義務負担を強いられる。人々の時間が奪われ、リソースが削られていく。どんどん生産性が落ちていく。

おおらかな世界へ回帰せよ

 10月から人々はアルコール検知器でフーっと息を吐き、サーモグラフィーで体温を測り、手にアルコールをかけ、ようやくゲートを通れるようになる。これをどこの建物に行く際も関所のようにこなさねばならないとしたら…。社会全体としてとても悲しい傾向だ。昔のようにおおらかで風通しのいい世界への回帰を願うばかりだ。

水素吸引器が来た!

知人の好意で貸していただく

 我が家に水素吸引器が来た。これから毎日、実験的に水素を吸う。被験者は私と妻だ。容器に水を入れてスイッチを押すと電極からブクブクと白い泡が発生する。これが水素だ。買ったのではない。借りた。正規に買うと30万円以上するらしい高価なものだ。使ってみて効果があるなぁと思ったら初めて購入を検討すれば?と知り合いが好意で貸してくださったのだ。この方は何年もこれを使って効果を実感し、先日、次世代上位器に買い替えた。我が家としては幸運にも、この旧器械が余っていたタイミングに出くわしたのである。

詐欺か本物か

 妻が水素吸引器が来たとSNSで発信したところ、私の友人から「それは詐欺だよ」との忠告コメントが寄せられた。確かに水素吸引器具、或は水素水には昔からいかがわしい商売が多発している。特に商品化された某水素水は、人が飲むときに水素はとっくに抜けていて、実はただの水を飲んでいるに過ぎない、と証明されたりもした。ものすごい効果を謳って数十万円で売りつけ、何の効果も得られなかったという話も枚挙に暇がない。さて、友人の忠告通り、我が家にやって来た本器械はインチキか本物か。これから自分の生身で体感していくことになる。

水素…その驚異的な効果の数々

 そもそも、水素の効果とは何か。水素を直接吸引すると、体内で悪さをする活性酸素と結びつき、ただの水に変えて体外に出ていくとされる。効果としては免疫力の強化、しみ・しわの予防、糖尿病予防、高血圧抑制、肥満防止、アレルギー症状の改善、アンチエイジング、癌予防などなど…。つまり、活性酸素が元で起きる疾病が防げるということだ。効果だけをずらずらと並べると確かに〝うーん!いかがわしい!!〟となる。

イワシの頭

 だが、これは私が心から信用しかつ敬愛する知人からのお薦め品である。この方は実体験をもって効果を確認し、私に紹介してくれた。これほど信憑性を感じる口コミはない。期限なし。しかもタダ同然で貸してくれるというのだ。イワシの頭と思って当面試すこととする。実は私の今後の健康維持などは二の次である。一番の願いは妻の病気予防だ。効果を実感できたらまたレポートしたい。

義父の表彰を受けて

石川県繊維協会役員功労表彰

 3月23日に石川県繊維協会の創立75周年記念式典が開催され、義父が「協会役員功労者」として表彰をを受けた。私は繊維業界に疎いので、この表彰の価値を正しく理解しているわけではないが、心からお祝いの意を表したい。

石川の繊維業界

 石川県は古くから日本を代表する合成繊維の産地であり「繊維王国いしかわ」と呼ばれた。義父の会社「能登織物」も羽咋の繊維関係企業の名だたる雄であり、最盛期はたくさんの従業員、女工さんを抱えて操業していたと聞く。しかしバブル崩壊後のグローバル化の進展により、地方の繊維企業は苦境に陥り、業界全体の地盤沈下を招いた。その時期の経営のかじ取りは、想像を超える苦労が伴ったことだろう。義父の会社は今はもうない。こうして表彰を受けることは義父のこれまでの歩みに光をあてることであり、大変有り難いことだ。人の労に感謝の意を捧げ賞するという行為は、人間社会にとってとてもとても大切なことである。

私は青果業界に貢献できるだろうか

 翻って私はどうか。これまでの私の歩みに青果卸売業界への貢献があったろうか。恥ずかしながら何もない。本当に思い当たらない。青果卸売業も斜陽産業と呼ばれる業界の一つだ。全体としては右肩下がりである。しかし、どこもが不振に喘いでいるわけではない。勝ち組・負け組がはっきりしてきただけである。自分が会社に貢献したならば、ひいてはそれが業界に寄与したことにもなろう。別に賞が欲しいわけではないが、このままでは終われない。自分にできることをせよ。義父の表彰を受けてそう感じた次第だ。

暴露系youtube の毒

暴露系動画が目立っている

 ご多分に漏れず私もyoutubeをだらだら見てしまう。中にはとても有益なものもあるが、最近目立つのはいわゆる「暴露系 youtube」である。スキャンダルな話題についついポチってしまって時間を浪費する。

暴露系動画とポルノ

 暴露系はたいがい後味がよろしくない。毒をまき散らす動画なので、自分もそれなりに毒をかぶってしまうのか。過激なポルノと同じで(w)、ごく軽く止めておかないとどんどん自分を劣化させる。

いかがわしきは暴露側?

 この手の動画で興味深いのは、暴露される側よりも、する側の人間にいかがわしさを感じることだ。過去には元芸能人夫婦の妻側が夫を醜く糾弾するものがあった。最近では某文化人の義理の姉の暴露が大きな話題になっている。交流してきた数々の有名人の裏側を暴いて時の人となったyoutuberもいる。言っていることは本当かもしれないしガセかもしれない。それは私にはわからない。ただしゃべり方が恐すぎる。あなたテンション異常です、誰かに洗脳されているのでは?と感じるほどだ。告発ならばもっと理性的に努めた方が信憑性が高いのに。

所詮は金と承認欲求

 仮に暴露する側に問題ありとする。それは狂信者、洗脳者がインターネットの拡散力を使ってスキャンダラスにフェイクをまき散らすことを意味する。昔ならば、新聞・雑誌・テレビなどは一応ちゃんとした組織としてフィルターをかけられたのに、動画チャンネルは少なくとも配信後しばらく誰でもダイレクトかつ野放しだ。その暴露は何のためか。正義のためというのはごくわずかであり、ほとんどは再生数を稼ぐため。すなわち承認欲求と収益化だ。

謝罪動画の違和感

 また、何か問題が起こって炎上し、自分のチャンネルで深々とお詫びをする〝謝罪動画〟も違和感の極みだ。いったいおたくは誰に向かって何を謝っているのか。もちろん不特定多数に向けたものであり、炎上で自身が抹殺されるとでも感じたのか、恐怖におびえ、謝罪の垂れ流しに及ぶ。これまたゆがんだ承認欲求である。

見る側は適度の禁欲を

 雑誌やマンガを低俗、TVのバラエティやワイドショーを陳腐とさげすむ風潮はいつの時代にもあったが、暴露系や謝罪の動画はさらに輪をかけて程度が低い。これを自制するのは低俗陳腐な私には至難の業だが、これからもよい子でい続けるために、かなりの部分を禁欲していくべきと思う。

輸入果実が高級品に?

年度計画で前年割れ!?

 会社では3月になると新年度の販売目標を定める。野菜はこれだけ、果実はこれだけ…といった具合だ。普通は、前年実績に上乗せした目標を掲げる。ところが輸入果実を取扱うセクションから上がってきた計画は、昨年実績よりも低いものだった。私としては当然異議を申し立てる。しかし説明を聞くとむべなるかな。厳しい輸入の実態が浮かび上がってくる。

コロナによる物流難

 最大の要因は新型コロナの世界的な感染拡大だ。特に物流面で大きな支障が生じている。人員不足により港湾のマヒ状態が深刻化している。入船が遅れに遅れ、コンテナ自体に空きがない。世界的に糞詰まり状態だ。米国産オレンジなど不作傾向という面はあるものの、それ以上に物流難による取引量減少が大きい。

価格逆転現象

 これに円安が加わり、輸入原価は大きく上昇している。輸入果実と言えば、国産よりも安価なことが強みだった。しかし、かんきつ類を中心に国産よりも輸入物の方が価格が高くなる逆転現象が起きている。

長期化必至

 この問題は短期的に解決するものではない。アメリカでは輸出に注力しなくとも別に困らない。米国内での引き合いが強く、国内消費で十分だからだ。たとえコロナ禍による物流混乱が今後解消される時が来ても、輸入青果物の価格は下がらない可能性すらある。

国産にチャンス!しかし…

 これは国内産を振興するチャンスであると言えなくもない。しかし今日まで何十年にも渡り農業を縮小させてきた現状で、今にわかに振興振興と叫んでもそれこそ短期的に効果が出るものではない。

金沢名所(1)「W坂」

Wの形の石段

 金沢に住みながら金沢を知らない。それをほんの少しずつ埋めていく。金沢市清川町。金沢を流れる犀川の「犀川大橋」のひとつ上流「桜橋」のすぐそばに、寺町寺院群に通じるアルファベット〝W〟の形に折れ曲がった石段がある。人呼んで「W坂」という。旧制金沢四高の学生が呼ぶようになったという説がある。

正式名称は石伐坂

この階段(坂道)は正式名称を「石伐坂」という。「いしきりざか」と読む。藩政時代には坂の上に石工の職人達が住む町があったことが名前の由来だ。室生犀星のお気に入りの散歩道だったともいわれている。

井上靖とW坂

 W坂は文学にも登場する。井上靖の「北の海」だ。氏は旧制金沢四高の卒業生である。小説は当時の氏の実体験を材料にしている。当時、四高は柔道とボートで全国一を争う強豪校であり、氏自身、柔道部に所属して増田俊也著「七帝柔道記」で有名になった高専柔道に没頭した。W坂に小説「北の海」の文学碑がある。そこには小説中の次の一説がしたためられている。

「北の海」

二人は橋を渡ると、かなり急な坂をじぐざぐに登っていった。
「この坂はW坂というんだ。W字型に折れ曲っているでしょう」
杉戸は説明してくれた。なるほど少し登ると折れ曲り、また少し行くと折れ曲っている。
「腹がへると、何とも言えずきゅうと胃にこたえて来る坂ですよ。あんたも、あしたから、僕の言っていることが嘘でないことが判る。稽古のひどいどい時には、この辺で足が上らなくなる。なんで四高にはいって、こんなに辛い目にあわなければならぬかと、自然に涙が出て来る」

淡いご縁

 高専柔道は今の総合格闘技における〝柔術〟に脈々と通じるものがある。私の父は第四高等学校最後の2年の卒業生であり、私の息子は今年、金沢大学理工学域に進学することになった。金大理学部(理工学域の前身)の前身は第四高等学校である。私自身ではないが、私をはさんで父と息子のつながりということで、この坂にもそこはかとなくご縁を感じる。

青果物の週間情報 【2022-W12】

■週の概況 第12週 3/22(火)~ 3/26(土)

【全体】

 野菜の入荷は概ね順調だ。寒さがぶり返したが、少し前の暖かさで野菜の生育が回復し一時に大量に出回った。全般的に数量増加・単価安傾向で、特に葉茎洋菜類の重量ものの安値傾向が顕著だ。果菜類・豆類も弱含みであり、販売においては価格訴求による数量アップに努めるべきタイミングだろう。高値品目は平年より減少幅の大きい玉葱、蓮根、筍といった数品目に限られる。
 果実は晩柑類全体が終了に向かい、数量減少となる。メロン類、西瓜など初夏に盛りの品目が顔を出してきたが、まだ本格シーズンではなく、燃油高もあって生産量は低調のうえ平年より高値傾向である。潤沢で値ごろ感があるのはイチゴのみのイメージで、もうしばらくは果実全体に量が少なく高値基調の売場作りを余儀なくされるだろう。
 この週は何といっても「まん防解除」による経済効果に期待がかかる。飲食店が営業を再開し、卸売業・小売業からの納めものが増え、人の出入りが活発化し消費が上向くことが望まれる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは各産地より潤沢な入荷となり、価格は下げが見込まれる。レタスは天候の回復に伴い増量するだろう。キャベツは愛知産の春系品種が増加となり値が下がるが、前年と比べればまだ高値だ。白菜は九州産地を中心に増加傾向。反対にアスパラは入荷が減少し、単価は上げに転じる見込みである。
 果菜類では、胡瓜は順調な入荷となり、価格は前年より安値となる。茄子は生育良好で、前年並みの数量に回復する。インゲンは増量が予想されるが不足感は続く。その他の豆類も前年を下回り、数量の確保が難しい。
 根菜類では、人参は徳島産より安定した入荷で、前年より安値となる見込みだ。大根は作況が安定し、週末に向けて増量が予想される。蓮根は県内産の入荷が少なく強保合の相場が続く。馬鈴薯は鹿児島産に加えて北海道産も順調な入荷となり、単価は下げる。季節商材では、筍は鹿児島産、福岡産、和歌山産の入荷。低温と干ばつにより、生育遅れが見られるものの徐々に増量が見込まれる。

【果実】

 国内果実では、苺は主要産地より潤沢な入荷が予想され、価格は前年より安値となる。メロン類では、青肉、赤肉は熊本産中心の入荷。低温の影響から生育は鈍く、高値推移が続く。晩柑類では、紅八朔、サンフルーツをメインに入荷する。
 国外果実では、オレンジをはじめシトラス系は徐々に数量の増加が見込まれるものの、不足感は続くだろう。パイナップルはフィリピン産に加えて台湾産より安定した入荷が見込まれる。ハネジューメロンはホンジュラス産の入荷。国産メロンの少なさから需要は高く、引き合いは強い。

良い習慣の身につけ方

私の良い習慣

 私の習慣の中で、世間一般に一応良いこととされているものを上げてみる。
1.早寝早起き
2.禁煙
3.運動習慣(ジムで筋トレ、外でランニング)
4.読書習慣
5.日記とブログ
6.勉強習慣7.モーニングページ

特定の人のおかげで身についた習慣

 1と2が習慣化したのは特定の人のおかげだ。早起きは、ある方よりも少しでいいから早く出社しておきたくて身についた。遅れちゃいか~んと思うプレッシャーだ。早起きのために必然的に寝る時間も早くなった。禁煙が成功したのは、某先輩にバカにされたくなかったという動機による。禁煙に失敗してその先輩に大笑いされるのを想像すると、それは絶対に嫌だ、という強い思いが湧いた。今となっては恩人である。

イフゼンルールで身についた習慣

 3と4は健康と教養のために習慣化したいと漠然と思いながらなかなか定着したかったものだ。最近はいわゆる「イフゼンルール(IF-THEN)」で続けられている。休みの朝、起きたらジムに行く(または外を走る)。風呂に入って湯船につかったらキンドルで本を読む。

日々の記録なのに全く意味合いの違う2つの習慣

 5は日記とブログで用途が違う。日記は自分のための備忘録である。事実だけ書けばよいと思っており、後々に参照する可能性あってのものだから、検索を一瞬でできるパソコンで記録しておくことが必須だ。完全に実用的なものであり、死ぬまで誰にも見せる気はない。対してブログは自己表現で、本心ではたくさんの人に読んでもらいたい。だが今はあえて広めずにコソコソと書いている。

「みんチャレ」で継続する習慣

 6は(今は)簿記2級の勉強である。資格を取るという具体的目標を掲げるが、本来の目的は会社の会計に精通するためである。簿記2級の勉強は過去何度も何度も挫折している。この分量は腰をおろして取り組まないとできないが、毎日の勉強時間確保に失敗してきた。最近はアプリのおかげで光が見えてきた。「みんチャレ」といって見ず知らずの人とネット上でチームを作って、お互いの習慣を励まし合いながらすすめるものだ。チーム全員がその日の習慣を達成すれば褒めてもらえる。それだけなのだが、孤独にやるより遥かにモチベーションが維持されるのにびっくりしている。7は最近始めた習慣で、瞑想の代わりになるものかなと思っている。これも「みんチャレ」で習慣化を図っている。モーニングページは頭がスッキリする即時効果は感じるものの、それなりにハードなので、孤独な取り組みは100%続かないという確信がある。

キーポイントは〝人〟

 3、4、5(日記)は自分のためだが、残りすべては自分以外の人物あっての継続になっている。持続できるかどうかのキーポイントは〝人〟の介在だ。これはおそらく、個人の習慣に限らず、仕事においてもあてはまるだろう。会社は昔から「個人商店の集まりでバラバラである」と言われてきた。チームとなって共通の目的に向かい、相互に監視し合うと同時に励まし合う組織にならねばならぬ。そのためにもまず自分の習慣で成功体験を積み重ねることにしよう。

映画レビュー:「ウエスト・サイド・ストーリー」

勉強すればもっと楽しい

 文芸は勉強したほうがより楽しめる。古典は歴史を、文学は背景を、音楽は系統を、絵画は画家の生涯を。映画もしかり。予備知識なしでも面白いが、知ると何倍も楽しめる作品は少なくない。

面白いがなぜリメイク?

 「ウエスト・サイド・ストーリー」は 演劇好きや映画ファンなら誰もが知る超名作だ。1957年の舞台上演を皮切りに1961年に映画化された。その60年ぶりのリメイクである。楽曲は登場順に多少の変更があるものの、バーンスタインによるお馴染みの名曲の数々であり、設定や物語もほぼ過去作に忠実だ。本作では、ジャスティン・ペック振付によるダンスがキレッキレで素晴らしく、歌はキャストが実際に歌っていてとても上手であり、映像は街並みもライティングも極めて美しかった。ごくフラッと映画館に行ってダラダラッと観ても十分に堪能できる映画であった…が帰り道にふと〝スピルバーグはなぜリメイクしたのかな?〟と疑問が湧いた。古典的名作を今になってわざわざ塗り替える必要はどこにあったのだろうか。

nobuさんの感動的な解説動画

 私は1961年版映画と劇団四季の舞台を1度ずつ観ただけの無知な人間である。家に帰ってから、気になった疑問についてスマホでちょこちょこ調べてみた。そして「nobu / 踊る大香港」というユーチューブチャンネルの解説動画に行き着いた。

感動した。作品でなく〝解説〟に感動したのは生まれて初めてだ。香港在住のnobuさんという方が2022年版(本作)・舞台版・1961年版の比較、リタ・モレノについて、スピルバーグからのメッセージ…などを淡々とした語り口で17分に渡り解説してくれる。そうだったのか!さっきまでボーっと観ていた私は何一つわかっちゃいなかったと思い知る。私はこのブログでは何も書く資格がない。すべては動画を観てくださいというのみだ。

人に面白さを分かち与える喜び

 こういうユーチューブ番組を観ると発信者に頭が下がる。なんと有益なものを世に出してくださったことかと。作品の面白さをたくさんの人に知ってもらうことに喜びを感じる人でなければこんな素晴らしい動画は作れない。リメイク版のホントの素晴らしさにまったく気づいていない私の目を開かせてくれた。もう一度本作を観てみたいと強く思わせてくれた。まさに〝知る〟ことによってより映画は何倍も面白くなる。

リタ・モレノとアリアナ・デボーズ

 nobu氏の解説によって、バレンティーナ(リタ・モレノ)とアニータ(アリアナ・デボーズ)の存在感が際立っていた理由も腑に落ちた。バレンティーナのソロが本作楽曲中もっとも心に響き、二人の主人公よりむしろアニータに感情移入してしまった私の感性もトンチンカンではなかった。それにしてもアリアナ・デボーズの力量はすごかった。特に踊りは圧巻だ。体がはじけ飛ぶ。目くばせ一つで魅了する…人の表現力とはかくも高みに行けるものか。3月28日発表のアカデミー賞助演女優賞はぜひ彼女に取ってもらいたい。取れば1962年のリタ・モレノから60年の時を経て、2代のアニータが受賞することになる。なんともドラマチックではないか。