妻がインフルエンザにかかりまして

「風邪ひいたかも」
表情はトロンとしているが顔が赤い。
額に手を当ててみると熱い。

「熱がある。インフルでねーか?」
「何日も前から喉が痛い。インフルっていきなりガーッって来るから違うんじゃない?」
「まあ、明日医者行ってみー」

・・・というわけで医者に行ってみると見事にインフルエンザに罹患していることがわかった。

妻は一般的にかなり健康な部類に属すると思う。
変な病気になったことも、何日か寝込んでしまったことも、結婚して20年経つが記憶にない。

さすがに昨日と今日はぐったりしていて、いわゆる“使い物にならん”状態になっていた。
何年に一度、あるかないかのことだ。
こうなって初めて、妻がひごろ健康で元気であることのありがたみがわかる。

こんな時ぐらいはゆっくり休んでもらい、爺さん婆さんの食事は私が適当に惣菜を買ってきて何とかしようと、早めに家に帰った。
すると妻の母が台所に立っており、せっせと動いている。

娘のピンチにすかさず登場し、代わりに夕飯を作ってくれているのだ。
その手際の素早いこと!

お母さん、そんな、悪いですよ。申し訳ありません。
と言うか言わないうちに5品ぐらいをチャチャっと作り上げ、 「それじゃ」と帰っていかれた。

母は強し。
母の母はさらに強し、であった。

拠出基準を作りたい

今年は野菜の価格が一年いを通じて低迷し、会社は厳しい収益状況が続いています。

12月は毎年冬のボーナスを支給しており、今年も出させてもらったものの例年より減額にせざるを得ませんでした。
残念であり、社員の方々には申し訳ない思いです。

給与は社員に保証しなければならないのは当然ですが、賞与は業績に応じて支給額が変わります。

でも、去年より多い・少ないで社員が喜んだりがっかりするのは当然ですし、なんとなく今季は良さそうだ、悪そうだとは耳に入って来ても、どのくらいそうなのか、ボーナスにどう反映されるのか、まで社員にはわかりません。
封筒を開けて初めてドーンと突きつけられる現実。
いい時はいいですが、悪ければ大きくモチベーションが下がります。
これは決していいことではないと思います。

せめて、「今季の利益はこうなっている」という数字をできるだけリアルタイムに社員に提示し、営業利益に対し会社はこういう基準で賞与を出しているといったことを示しておけば社員の納得度、仕事に対する頑張り度も変わってくるのではないかと思っています。

今はまだ出来ていないことながら。

農経新聞の宮沢社長がお越しになりました

今や唯一の業界専門新聞の「農経新聞」の宮沢信一社長が来社されました。
目的はうちの会社の農業参入の取材です。

圃場も見られるだろうと思って車の段取りを考えていたんですが、先立って小一時間ほど説明したら
「だいたいわかりました。頭の中で記事の方向性もできました。今日は天気も悪いし、今、畑はめぼしいものが植わってないですから、もう見に行かなくていいです」とおっしゃって、取材は終わってしまいました。

その後、ホテルにお送りして、夕食をご一緒するため2時間後に再びお迎えに行きました。
すると、その間でもう記事を書き上げたというのです。

プロの物書きというのはこんなにすごいのですね。

「いやいや、記事というのは書き方があるんです。まず、その記事で書くべき“核”の部分をババッと書いてしまう。その後から補足的な肉付けをする。ですから常に、この記事は何の記事なのか、を意識することが大事です」

青果卸売業界について、この人ほどあれこれ知っている方はいらっしゃいません。
それでいて趣味は福井のクラブでDJをこなすことというから面白い方です。

この日は私が10年近く手がけてきた会社カレンダーについて大いに褒めてくださいました。
そのお礼に夜は伸乃介親子のお店にお連れしました。

楽しいひと時でした。

藤原正彦氏とお会いできたこと

藤原正彦先生の講演会には私にとっての裏話というか、自慢話があります。

この講演会は金沢の老舗料亭が会場で、100人程の聴衆、それも地元の名士が多く集っていました。


1時間程度でお話が終わると質疑応答もなく藤原先生はすぐに退出されました。
講演を聴いた後は参加者(聴衆)だけで懇親会へと続きます。

自慢話というのは、講演後、私一人だけが、藤原先生と、約20分にもわたって、一対一で、お話する機会を得ていたということです。

私自身は初対面であり、先生は雲の上の存在です。
けれど、実は私の姉が(もう40年以上遡ることになりますが)お茶の水女子大学に入学し、数学科・藤原ゼミで先生の教えを受け、以後今日まで何かにつけてお世話になってきた間柄なのです。

私が姉に「講演会に行く」と知らせますとすぐに「挨拶してきなさい。メールで知らせておくから」の命令wが来ました。

講演の前と直後は全くチャンスがなく、もしかしたらすぐにお帰りになったか?と思いましたが、ダメ元で係りの人に取り継ぎを求めたところ、10分ほどして「どうぞ」と案内されました。

そこは料亭の一番奥の小部屋で、先生はお一人で食事を取られたところでした。

あがってしまって、何を話したかはよく覚えていません。
ただ、お話の中で先生が「農業だけは絶対に守らなければいけない」とおっしゃったことが本当にありがたかったということを言いました。

記念の写真を撮るのを忘れた、というかちょっとした勇気が出なかったというか、ともかく証拠写真はありません。
しかし、この日はとてもとても有意義な、記憶に残る一日となったのでした。

藤原正彦先生の講演記録

藤原正彦さんの講演を拝聴する機会がありましたので記録します。

北國新聞政経懇話会12月例会
藤原正彦氏
(作家、数学者、お茶の水大学名誉教授)
演題「日本の底力」
場所:金城楼

日本には底力がある。

自然科学で24のノーベル賞を取っている。これは世界的にみて米国と並び圧倒的だ。民族的な優位性があるわけではない。

国柄が育んだ一種異常な帰結と言えよう。一番貧しい武士が支配階級であった。
高い道徳と倫理。礼節の高さ。痩せ我慢文化。聡明と好奇心の強さがすごい(ザビエル談)。


絶対的権力たる幕府と絶対的権威たる天皇。どちらかに集中せずに並び立たせたところが叡智である。
その文化を守る上で鎖国は素晴らしい制度だった。中でも徳川綱吉は世界最高の指導者であった。
幕末明治に来た外国人は、ケンペルの本をみんな読んで日本にやってきた。そこには日本の驚くべき叡智の高さが記されていた。だから、来訪者たちは日本を植民地にしようとは思わなかったのである。
文化レベルが高いことは防衛力になる。

しかしそれは残念ながら過去の話である。
現在は読解力が世界15位。と凋落した。ただし本を読んでいる日本人は世界トップの知的レベルを保っている。


公平、自由、平等はこの世に存在しない。あれは欧米が作ったフィクションである。グローバルスタンダードはまやかしの思想である。


日本は英語においては無能な民族なのだ。いくらやってもできるようにならない。これを自ら認めて、教育の正しい方向性を修正すべきだ。英語など勉強せず、日本語、日本文学、日本の伝統思想を学べばおのずと国際人は育つ。


経済発展に英語は関係ない。英語でうまく話すよりも話す内容が大事なのである。それを支えるのは教養だ。
もっと読書すること。新聞を読むこと。


お金よりも大事なものがあることを教えることが教育である。
情緒と形、美的感受性、美醜の感覚が大切なのである。
汚いことをするな、という道徳観が大切なのである。


日本人はなんでも芸術にしないと気が済まない国民である。文学の数は世界中で圧倒している。


これは知能指数の高い低いではない。美的感受性の差なのである。


国は、百姓だけは守らなければならない。

百姓は美しい田園を守る番人である。
桜は4、5日で散る。儚いが故に美しい。
虫の音を美しい音楽のように聞く。
そこに人生を投影する感受性を庶民が皆持っている。


「地味」であることの素晴らしいさ。正義、勇気、慈愛、惻隠、武士道。これらの価値観を取り戻すべきである。


惻隠・・・弱者を憐れみ助ける。これがキーワードである。
卑怯を憎む心を取り戻せ。今の日本政府も卑怯者に成り下がった。

子供を躾けるのに理由なんかいらない。ダメなものはダメだ。はっ倒せばよろしい。

しかし今の日本も捨てたもんではない。
それは震災の時に発揮された。惻隠はまだ生きている。
論理・合理・理性は大事。
それに日本独特の情緒を付加するのが人類への貢献の道だ。

冬の名物「干しだいこん」がピークに入ります

今でこそ全国の産品がどこででも手に入る世の中になりましたが、それでも地域ならではの産物や売り方は残っているものです。

当市場でいえば、12月上旬に行われる干しだいこんのせりがそんな冬の風物詩になります。

だいこんはだいこんでも干し大根に適した品種を使います。かつては「宮重(みやしげ)」という品種を使う生産者が多かったですが、最近では少数派になったそうです。「稲架(はさ)」と呼ばれるものに吊るして冬の寒風にさらして干し上げます。

産地は海が近い「浜手(はまて)」と呼ばれる地域…五郎島のさつまいも産地などです。
と、「山手(やまて)」と呼ばれる地域…五里峠なんかがそうですね。
があります。

今年の傾向は、ものすごく太いものが多くて、残念ながらこうしたものは商品価値が低いみたいです。水分量が多く、干し上がりが十分にならないからだそうです。
そのため、太物と細物の価格差がとても大きくなっています。
高いものと安いものが両極端に割れている感じです。

知らない人は「どうやって料が理するんですか」と聞きますが、漬け込んで沢庵にするものであり、料理する感覚ではないです。

最近は自家で漬物を作る食習慣が全くと言っていいほどなくなったので(そもそも漬物自体を食べなくなってきました)、生産も消費も減ってきています。

時代の流れで仕方がないことですが、古くからの日本の家庭の味ですから、大事に引き継がれていってほしいものです。かといって希少価値が高くなりすぎ、ブランド農産物になって「今年の初せり10万円!」みたいになっても困ります。

(自分で漬けない、ほとんど食べない私が言える資格はないかもしれませんけどね。)

青果物の週間情報 【2019-W49】

■週の概況 第49週 12/2~12/7

【総論】  
 早いものでもう師走です。昨年の秋から始まった野菜の市況低迷はほぼ一年を通じて続き、全ての月において指定野菜の単価は直近5年間の平均相場を下回りました。青果物流通業にとっては過去にない厳しい販売環境が長期化したことになります。ここにきてその傾向はわずからながら改善の方向を見せ、12月第一週は入荷量は概ね潤沢な中、市況もまずまず平年並みレベルで推移すると予想します。ただ、毎年12月上旬は動きが鈍く、販売は苦戦するのが通例であり、今季も例外ではなく荷動きの重たい週となりそうです。
 果実はみかんとリンゴが二本の柱ながら、今年は上等級品が少ないのが難点です。ギフト系は品薄高値ながら、レギュラークラスは豊富でややだぶつき感がある状況です。

【野菜】
 葉茎洋菜類は総じて下げムードです。特に白菜、ネギは関東産主力に増量し下げ予想。キャベツ、ブロッコリー、レタスは保合見込みです。ほうれん草など菜類は台風の影響でやや少なめながらこの週は保合予想です。春菊や三つ葉などは引き合いに応じ上げ模様となります。菌茸類は需要増に入っている中、地元ブランドの原木椎茸(個選)も徐々に増量です。
 果菜類は弱含みが多いでしょう。特にナス・ピーマン・トマトは動きが静かで価格は徐々に下げていき、おそらく12月上中旬まで下押し傾向が続く見込みです。
 根菜土物類は大きな変動はないものの、大根や人参は潤沢感が増して下げる見込み。季節の干し大根はスタート週は品質の良し悪しが二極化して価格差が大きく出ましたが、この週は出荷のピークに入り、品質を全体的に持ち直して出てくる見込みであり、中心階級はむしろ価格を上げそうです。かぶらは前週値を落としましたが、この週はそのレベルをキープしての保合予想。蓮根・さつまいもは順調で、値が動いても小幅に止まると思われます。玉葱・馬鈴薯は潤沢で価格は横ばいです。

【果実】
 みかんは早生のピーク期ながら高糖度ブランド(マルチや味ロマン)の比率が低い年になっており、レギュラークラスの供給がやや過剰感あり。ただ食味は全体的に持ち直しており、低酸低糖のイメージを払拭したいところ。リンゴも上等品が少なく高値ですが、台風被害による傷果や色目の悪い下級クラスも多く安価です。ころ柿は共撰がスタート 。今季より個包装の兼ね合いで2L、Lの箱が大きくなっています。いちごは前進出荷で比較的潤沢な出回りですが、今後の気象状況次第で数量の多い少ないが大きく変わります。鹿児島産デコポン(大将季)、愛媛県産紅マドンナといった人気柑橘も始まりました。
 輸入フルーツではレモンが米国産の新物となり、これまでとは品質が格段に上がって販売となります。バナナは順調でさらに価格は下げ傾向です。ハネデューメロンはハリケーンの影響で数量が減少し、やや品薄高値となります。この翌週よりチリ産チェリーがスタートする予定です。

ビジネスマネジャー検定試験になんと合格

なんと!
11月10日に受けた「ビジネスマネジャー検定試験」に合格しました。

この11月10日のブログ上でも「受けました、でもだめでしょう」と報告してましたが、全然べんきょーせず、当日午前中まで受験を放棄しようと思ってたくらいなのでビックリです。

まあ、知識はなくてもその場で「どうあるべき?」を考えれば答えられる問題が多かったのは確かです。

合格ラインは100点中70点で、私の得点は70点!!
「ジャストくん」あるいは「ギリチョンくん」と呼ばれたい結果です。

でもまあ、合格は合格です。
商工会議所によりますと、この検定に合格した者は「ビジネスマネジャー」と称してもよいことになってます。

名刺に入れようかしら?
なんか得することあるかしら?

当初より検定を受けるのはモチベーションのためであって、合格することが目的ではなく、この検定で教えてくれる内容を教養として吸収することが狙いでしたので、結果はただの「まぐれ」と受け止め、勉強は続けていきたいと思っています。

シジシーを高らかに歌え

毎年この時期恒例の、北陸シジシーアソシエイツ会に参加しました。

場所:ANAクラウンプラザホテル金沢

シジシー(CGC)ジャパンは、日本のスーパーマーケットの共同出資により、プライベートブランドを運営する組織です。

その取引先で組織するのが「CGCアソシエイツ会」で、 その北陸支部は「北陸シジシーアソシエイツ会」。
うちの会社はその会員企業です。

会によって、講師を招いて勉強したり、取引企業同士の親睦を深めたりと様々ですが、 毎度、開会時に必ずCGCの歌を皆で歌うのが恒例になっています。

DSC_0432

最初にこれを聞いたときはドン引きしました(笑)。
軍歌調です。
昭和の香りです。
これを一緒に歌えと言います。
ちょっと無理でしょうこれ、ってな感じでした。
しかし!
今ではこれを高らかに歌うのが快感になっている自分がいます。
CGCの教祖に洗脳されたのでしょうか。
周りで歌っていない人を見ると 「こらそこっ!」 と注意したくなります。

 歌詞をしたためます。
ぜひメロディー付きで覚えて、一緒に歌いましょう、高らかに(笑)。

あしたに生きるよろこびを
求めて今日も進むわれら
見よ太陽の輝くごとく 
誠の心かげりなし
協業一筋朝な夕な 
共にたゆまず進むわれらの
CGCジャパン CGCジャパン CGCジャパン 
ここにあり

新たなる世の流通を 
求めて今日も生きるわれら
行け競合の嵐をこえて 
ただひたすらに突き進む
津々浦々の力を集め 
共にたゆまず伸びゆくわれらの
CGCジャパン CGCジャパン CGCジャパン 
栄えあれ

奉仕に明けるいきがいを 
求めて今日も励むわれら
いざ集中の理念のもとに 
肩を組み合い助けあい
われらは共に力のかぎり 
常にたゆまず励むわれらの
CGCジャパン CGCジャパン CGCジャパン 
輝けり

青果部取引協議会の幹事会を開く

金沢市中央卸売市場の青果の関係団体が組織し、市場の運営ルールを取り決めていくのが「青果部取引協議会」です。

その定期幹事会が今日開催されました。

私は不肖ながらこの会の会長であり議長です。

定時幹事会では、年末年始の市場運営について確認するのが主な議件であり、そう難しい内容のものはありません。
・年末年始の青果物の入荷見通しはどのようなものか
・年末年始の代金支払いの締め日・支払日をどう設定するか
・年末最後の販売はいつ何時で、年始最初の販売はいつ何時か
・お正月用品(しめ飾り、串柿、藻、橙、葉付きミカンなど)の販売予定
といった感じです。

今年のこの協議会は、臨時の会合がたくさん開かれた年でした。

2月・・・大田市場、豊洲市場への1泊研修旅行を敢行しました。
4月・・・新卸売市場法制定にともない、改正条例のヒアリングを行いました。
9月・・・消費増税に伴い、特別に9月末で一旦締め日を設定しました。

自分で言うのは何ですが、この1年はよくがんばった(笑)。
特に2月と9月は完全に私がリード役を仰せつかっての活動でした。

それに比べれば今日は定例会ですから楽ちんでした・・・が、
最後に金沢の小売組合の方から宿題をもらいました。

1.小売業者が市場から帰る時間は年々早くなっており、せり時間を早めてほしい。
2.卸売場内での商品の価格表示がわからなくなっている。

簡単なようで難しい面もある課題です。
これから検討して、何か改善できるようがんばりたいと思います。