フレックスタイム制度への布石

一部部門えスライド制の導入

 今月から、会社でちょっとした試みを始める。それは営業の一部門における労働時間のスライド制の導入である。従来、いわゆる現場の営業たちは、一律朝5時出社を定時と設定していた。伝統的に朝6時からせり販売が始まるので、準備を考えれば5時出社は仕方がないところ。しかし、翌日入荷分の明細が産地から出るのが夕方になり、品目担当者はその時刻まで会社に居残ることが多く、労務環境上の大きな課題になっていた。

たった1時間されど1時間

 今回、一律朝5時出社をやめ、朝4時出社組、5時組、6時組の3パターンに分けた。たった1時間ずつの〝ずらし〟ではあるが、これで業務の偏りや残業が減ってくれないかと思っている。たった1時間のずらし。しかし、ともすれば自分の品目は朝一番から最後まで自分一人でこなしていた風潮が、否応なくチームで共有せざるをえなくなる。この〝否応なく〟で環境が大きく変化することを狙っている。1月21日のブログで書いた「強制力」と同じ理屈だ。

柔軟な労働環境を目指して

 この試みがとりあえずはうまくいけば、さらに時間をずらす。今は1時間だが、早番は3時、通常5時、遅番は8時…とでもすれば、営業体制もかなり融通が効くようになる。もしそれもうまくいくようなら、将来的にはフレックスタイム制を導入したい。フレックスタイム制とは、労働者自身が働く時間を決められる制度のことだ。せり販売も大事、相対販売も大事、産地との交信から翌日の分荷販売業務を前日からこなすことも大事なのだ。今まですべて一人の担当がすべて行っていたが、働き方改革でそれが許される時代でなくなってきた。会社も変わらなければいけないし、生産性を上げ、社員の就業満足度を高める好機にしなければいけない。